プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

10/16【2AW】吉田が無差別級王座熱闘V3 気迫と意地で初の滝澤超え

『ReOStaff株式会社プレゼンツ GRAND SLAM in 後楽園ホール』東京・後楽園ホール(2020年10月16日)
2AW無差別級選手権試合 ○吉田綾斗vs滝澤大志×

 吉田が熱戦を気迫で制して初の滝澤超えを遂げ、無差別級王座3度目の防衛を飾った。

 9・22千葉大会で吉田は梶を破って無差別級王座2度目の防衛に成功。試合後、ダイナソー拓真改めTHE・アンドリュー“キング"拓真が「THE・アンドリューキングダム」を結成を宣言し、新ユニット入りした滝澤が挑戦の名乗り。4・28TVマッチで第2代王者・岡林裕二に敗れて以来となる無差別級王座挑戦を決めた。

 2AWの頂点に君臨する吉田だが、これまで滝澤とは3度シングル対決して未勝利。真っ向勝負を挑んだものの苦闘となった。序盤からサッカーボールキックで蹴り合う意地の攻防を展開し、場外戦でも激しいチョップ合戦で意地を張り合ったが、エプロン上でニークラッシャーを敢行されて吉田は主導権を握られてしまう。滝澤はすかさず足攻めで試合を支配。両ヒザをマットに痛打させてからヒザ十字固めで絞め上げた。

 耐えた吉田はこん身のチョップ連打で滝澤をなぎ倒してようやく反撃を開始。サッカーボールキック、エルボー連打と打撃の雨を降らせたが、ドラゴンスクリューからのアンクルホールドで形勢逆転を許し、足4の字固めに捕まってしまう。王者の意地で耐え抜いた吉田だが、滝澤がロープに振ろうとするたびに倒れ込み、右ヒザを押さえて苦もんした。

 滝澤は攻撃の手を緩めない。ターンバックルへのコンプリートショット、顔面蹴り、ペディグリーの波状攻撃を浴びせ、吉田が張り手合戦に持ち込んで何発も打ち合ったものの、ハイキックをガードされた次の瞬間、滝澤が高飛車をさく裂。ピンチを迎えた吉田だったが、2発目の高飛車を食い止めると、バックドロップでぶん投げてダブルダウンに持ち込んだ。

 ここから意地の攻防が激化していく。エルボー合戦、張り手合戦で意地を張り合い、立ち上がっても吉田がチョップ、滝澤が逆水平を何発も打ち合う。滝澤の土俵に踏み込んだ吉田だが、「デビューした時からずっとチョップに関しては得意にしてる」との自信から打ち続けて滝澤をねじ伏せてみせた。すかさずハイキック、トラースキック、バズソーキックと蹴りのラッシュでたたみかけた吉田は頭突きをぶち込まれても、ジャンピングネックブリーカードロップで返り討ち。すかさずバズソーキックで顔面を射抜いてようやく熱戦に終止符を打った。

 吉田が気迫全開で熱戦を制して無差別級王座3度目の防衛に成功。4度目の一騎打ちで初の滝澤超えを果たし、頂点の座を守り抜いた。「滝澤大志、今日勝ったのは完全に俺」と胸を張った吉田は、セコンドについていたTHE・アンドリュー"キング"拓真をみやると「人にやらせるんじゃなくて、自分でやった方がええんちゃうか王様? お前のこと忘れてへんぞ」と挑発。するとアンドリューは「まぁ、滝澤を倒したのは誉めてやろう。だが、吉田、残念だったな。私ももちろんシングルに挑戦すればチャンピオンになれる。だが残念だ。私はもうすでに入江氏とタッグのタイトル戦が決まってしまったのだよ。ホントに残念だ。新たな挑戦者をみつけてくれ。では」と乗らず、去っていった。

 これには吉田も「王様になって負けるのが怖なったみたいやな。あんなヘタレな奴とこのベルトかけられへんわ」とバッサリ。「もちろん、このベルトは次の挑戦者、本気でこのベルトが必要と思ってる人間を待ってるんで」と強調し、次なる挑戦者を求めた。

 今年3度目の後楽園大会となったこの日、コロナ禍で客数が制限された会場は空席が目についた。この現状に吉田は王者として「いろんな制限があったにせよ、皆さんにも見えるように、いつも以上に厳しい会場になってる」と悔しさを隠せず。それでも「ただ、そんな中でここ2AWを選んでいただいた皆様には本当に感謝しかありません。本当にありがとうございます」と感謝の意を表すると、「俺は自分の人生、この2AWにかけたんや。絶対に何があっても俺はこの2AWをあきらめることはないから。ここに来てくれた皆さんと一緒にこの2AWもっともっと大きくしていきたいと本気で思ってます」と力強く覚悟を口にし、「皆様、これからの2AWに、そしてこれからの2AWチャンピオン・吉田綾斗に期待してて下さい。今日は本当にありがとうございました!」と締めた。

【試合後の吉田】
▼吉田「まぁ、とりあえず滝澤大志に勝つには勝ったかなと。ただね、やっぱり力の差を感じるところはシングルしてるといっぱいあるから、まだまだやなと気づかされた。でもこのシチュエーション、意地でも負けられへんというのがあったから、最後は俺の底力が勝ったかなと。もちろん、これも含めて俺の実力やから。試合全体通してはそうでもないかもしらんけど、何受けても折れへん心持ってるから。このベルト、誰にも渡すつもりないんで。まぁ、キングにはスカされたけど、あんな感じの気持ちでおる奴とかけるようなベルトじゃないから。次、またこの2AW内でもまだまだおるやろ。本気で吉田綾斗がチャンピオン、納得いってない人間。本気でこのベルトが必要な人、待ってますんで、ぜひ吉田の前に立ってください」

――このシチュエーションとは?

▼吉田「向こうのキングダムが出来上がって、出来上がったその時も自分にとって納得いくもんじゃないんで。自分が勝ったその最後の舞台を潰されてるわけなんで。しかもそのあと、滝澤大志が必要ないような、ああいう仲間、あの介入を得て前哨戦、自分は全敗してるわけなんで。その分も考えたら、やっぱり負けるわけにいかなかった。あとは単純に滝澤大志には今まで3回シングルして一回も勝ったことなかったんで、その分ですね」

――チョップ合戦で対抗したが?

▼吉田「自分はデビューした時からずっとチョップに関しては得意にしてるもんなんで、滝澤大志と試合するとどうしても打ち合い、意地の張り合いにはなるんですけど、そういう部分もあるからこそ、あなたはそこじゃないでしょ?って言いたいですね」

――チャンピオンとしてもっとお客さんを呼ぶために考えていることは?

▼吉田「自分たち千葉でやる団体なんですけど、こうやって東京でやることはちょこちょこあるんで、この時に今現時点で人が増えてない。千葉から来るのが今しんどい、こういう状況なんで、そういう人もいると思うんですけど、そういう中でもプロレスっていうのは誰でも一度生で見たら元気になれる、力になれるものだと思ってるので、自分が今考えてるものとしては、プロレスを見たことない人たちに自分たちのプロレスを届けて、その人たちにプロレスファンになっていただけたらなと思ってます」

プロ格 情報局