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10/17【新日本】飯伏決勝進出でG1連覇に王手 “蹴り技オンリーマッチ"でタイチ撃破

『レック Presents G1 CLIMAX 30』東京・両国国技館(2020年10月16日)
Aブロック公式戦 ○飯伏幸太vsタイチ×

 飯伏がG1・Aブロックの最終公式戦でタイチと“蹴り技オンリーマッチ"で火花。最後はカミゴェでタイチを撃破して7勝目を挙げ、優勝決定戦進出を決めてG1連覇に王手をかけた。

 6勝2敗の首位タイで最終公式戦に駒を進めていた飯伏。対戦相手のタイチとはIWGPタッグ王座を巡って抗争を繰り広げてきた遺恨があり、NEW JAPAN CUP2回戦では飯伏が敗れているだけに、リベンジマッチとなったが、試合は予想外の展開となった。

 タイチはマイクスタンドやアイアンフィンガーを場外に投げ捨て、真っ向勝負の意思表示。師匠・川田利明ばりに屈伸運動をして気合いを入れる。そんなタイチの思いを感じ取った飯伏も呼応し、ローキック合戦で幕開け。意地の張り合いはフロントハイキックやサッカーボールック、ミドルキックのラリーに飛び火したものの、両者は蹴り技以外を一切見せず、リング上は異様なムードに。一度はタイチがバックドロップを仕掛けたものの、一回転して不時着した飯伏は「蹴ってこいよ」とアピール。ここで10分が経過した。

 前代未聞の蹴撃戦はここからさらに激化。ソバットを土手っ腹に打ち合うと、ハイキックも交錯し、2人は前のめりで崩れ落ちる。激しいローキック合戦の代償で、ともに踏ん張りが利かず、立ち上がるのがやっとの状態。それでも、タイチがロングタイツを脱ぎ捨てて気合いを入れると、2人は意地むき出しでローキックの打ち合いをいつ果てることなく続けた。猛連打でタイチが前に出ても飯伏がカウンターの一撃で応戦。飯伏がカミゴェを狙っても今度はタイチがこん身のアリキックで防いでみせる。

 2人は互いの首を掴んでダウンするのを拒否しつつ、なおも足を蹴り合うと、根負けした飯伏がヒザをついたところで、タイチがバズソーキックへ。しかし、それをキャッチした飯伏が、死力を振り絞りこん身のローキックを太ももに一閃。雄叫びを上げたゴールデン☆スターはバズソーキックで側頭部を蹴り飛ばすと、絶叫とともにカミゴェをぶち込み、死闘に終止符を打った。

 前代未聞の“蹴り技オンリーマッチ"を制した飯伏が7勝目。メインでジェイが石井に敗れたため、史上初となる3年連続の決勝進出を決め、連覇に王手をかけた。とはいえ、蹴撃戦の傷跡は深く、試合後はひとりで歩くのもままならない状態で、バックステージでも壁をつたって歩くことしかできず、2日後の優勝決定戦に不安を残した。

 それでもメインイベント終了後に改めてコメントを発表した際には「ダメージは、正直ありますよ。でもそんなこと言ってられない。明日、誰が来るか分からないけど、その選手もダメージを負うだろうし、条件としては変わらないから」と強調。希望する対戦相手は「いやもう誰が来てもいいんですけど」としながらも、「久々に、内藤哲也。このへんはちょっとやってみたいかなと思ってますけどね」と内藤を指名した。

 自らに言い聞かせるように、「僕の目標である、2連続優勝。必ず、成し遂げてみせる。明日、誰が上がってくるか、待ってる。絶対に、逃げない、負けない、裏切らないから」と気合いを入れた飯伏。史上3人目となる2連覇に向けて、最後までゴールデン☆スターは止まらない。

【試合後の飯伏】
▼「(※左足のダメージが深く、壁伝いにゆっくりとインタビュースペースに到着すると、座り込んで左足に手を当てながら)7勝目。まだでも分かんないから。次の試合で、決まるから。まだ現段階では分からない。とりあえずでも、優勝決定戦、残れる可能性はできたから。それ見て、決めますよ。俺は諦めない、絶対に。最後まで、絶対に諦めない。(※と言って立ち上がろうとするが、左足の痛みでしばらく静止。何とか立ち上がり、また壁伝いにヨロヨロと控室へ)」

※全試合終了後に改めてコメントを発表

▼飯伏「3年連続、優勝決定戦進出。僕の目標である、2連続優勝。必ず、成し遂げてみせる。明日、誰が上がってくるか、待ってる。絶対に、逃げない、負けない、裏切らないから」

──『G1』2連覇となれば、また神に近づけると思うが?

▼飯伏「そうですね。優勝して、僕は、本当の神になります。これは本当に、本当の神に」

──改めて2連覇への意気込みは?

▼飯伏「気持ちは、絶対に、何年も言ってるけど、諦めない。気持ちを見てもらいたい。今日も気持ちで勝った。これを見てもらいたい。今、こういう状況で、こういう中でプロレスができるということを、俺は諦めないから。諦めなければ、もっともっと、プロレスも広がっていくし、ここで優勝すれば、もっと僕の発言力も上がっていくから」

──タイチ選手と蹴りの応酬となったが、足の状況は?

▼飯伏「関係ないです。ダメージは、正直ありますよ。でもそんなこと言ってられない。明日、誰が来るか分からないけど、その選手もダメージを負うだろうし、条件としては変わらないから」

──優勝を願うファンに向けてひと言

▼飯伏「何度も言ってますが、僕は逃げない、負けない、諦めない。そして裏切らない」

──Bブロックは内藤選手、EVIL選手、SANADA選手に可能性が残っているが、誰と戦いたい?

▼飯伏「いやもう誰が来てもいいんですけど、うーん…久々に、内藤哲也。このへんはちょっとやってみたいかなと思ってますけどね。その3人、誰でもいいです。ホントに。誰が来ても、対策は練ってあるんで。気持ちです、気持ち。負けない気持ち」

【タイチの話】「(※辻におぶられてバックステージに来るも)テメェなにおぶってんだオラッ! 恋人かテメェ(※と辻を突き飛ばして横になる)。…もうどこが痛えかわかんねえ。どこが痛えかわかんねえ。クッソ、何やってんだ俺。何やってんだこんなことして。クッソ! 終わったか…。終わったか…。頭狂ってる飯伏、お前はやっぱり、頭おかしいよ。普通じゃねえお前…。神にでもなんでもなってこい、この野郎、好きに…。勝手にやってろ! ああ痛え…(※左足をかぶうように雄叫びをあげつつ控室へ)」