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10/18【NOAH】ヨネが「かあちゃんに感謝」な25周年 聖地記念興行で元バトラーツ勢&丸藤と熱闘

『モハメド ヨネ デビュー25周年記念大会 DISCO BALL』東京・後楽園ホール(2020年10月18日)
○モハメド ヨネ&池田大輔&日高郁人vs石川雄規&丸藤正道&田中純二×

 ヨネが聖地・後楽園ホールでの25周年記念興行で元バトラーツ勢&丸藤と歴史を紐解くような熱闘を展開。自らの勝利で締めくくったアフロ男は、試合を観戦した「かあちゃん」に感謝のメッセージを送った。

 95年8月に藤原組でデビューし、ノアやバトラーツのリングを中心に激闘を紡いできたヨネ。その記念大会にはコロナ禍にもかかわらず、たくさんの観客が集まった。ヨネの人徳を感じさせる温かい雰囲気の中で、主役のヨネも発奮。第2試合では同期・アレクサンダー大塚とラブ・ウォリアーズを再結成し、ダブルヘッダーでメインの記念試合に臨んだ。

 戦いはヨネの歴史を総ざらいするような熱戦になった。のっけからバトラーツ時代の大先輩・石川と正面から打撃戦を展開し、グラウンド戦で火花。緊張感溢れる攻防で観客の目を釘つけにする。古巣の後輩・田中には先輩として厳しい攻めを見せ、強烈なエルボーをこれでもかとぶち込んで圧倒。バトラーツ→ノアでタッグを組んでいた盟友・池田とは久々に連係攻撃も繰り出し、池田がイナズマレッグラリアットをぶち込むと、一緒に「イナズマ!」と雄叫びを上げる。さらに、日高を加えてトリプルフライングクロスチョップも繰り出し、“激しさ"だけでなく、ヨネの持つ陽気な部分も見せつけた。

 対戦相手の丸藤も粋な計らいを見せ、日高に逆水平25連発を放って祝福。日高も胸板を真っ赤に腫らしながら「ヨネさん大丈夫だから」と真っ向から受け止める。石川と池田も花を添えるべく、グーパンチや頭突きで殴り合う“バチバチファイト"を展開。その激しさは試合後にヨネが「あの時のバトラーツの後楽園大会がなんかフラッシュバックしてきた」と振り返ったほどだった。

 歴史を紡いできた仲間たちとの試合を締めたのはやはりヨネだった。田中がお約束(?)の長距離ダイビングヘッドを豪快に自爆すると、ヨネはこん身のラリアットをズバリ。一気に必殺のキン肉バスターへ。フンドシ一丁の田中が股を開く姿を四方の観客に見せつけてからマットに叩きつけ、熱戦を制した。

 仲間たちと並んで笑顔で記念撮影に応じたヨネは、「皆さん、本日はご来場誠にありがとうございます。こういう状況でたくさんの皆さんに集まってもらって、本当に嬉しいです」と改めて観客にあいさつ。リングが暖かい空気に包まれる中、ヨネの口をついたのは実の母への感謝だった。

 「なんにもなかった自分がプロレスラーを目指したのは、母親のためだったと思います。母親のためになんにもできない自分が裸ひとつで、体ひとつで稼げるのは、学生の時に衝撃を受けたプロレスだと思って、プロレスの道に夢を持って飛び込みました」とプロレス入りした時の思いを明かしたが、それからの道のりは決して平坦ではなかった。「でも、夢と現実は全然違う。超人ではないから、やっぱり怪我もする。25年本当にガムシャラに突っ走ってきましたけど、それって実は親を苦しませたんじゃないかなってちょっとつらかったです」とヨネは母に対する複雑な心境を吐露した。

 それでも3年前に結婚し、今年6月に長女を授かったことで改めて親の気持ちを理解することができた。ファンや仲間たちに祝福されたリングの上から、ヨネは「でも、見てください。今日はこんなたくさんの皆さんが集まってくれました! 今日来てくれた人は温かいです。今まで本当に好き勝手やらしてもらって、かあちゃんごめんね。そして、ありがとうございます。落ち着いたら温泉でもいきましょう」と客席の“かあちゃん"に感謝のメッセージを送った。

 「プロレスは好きですか? 俺も大好きです。俺もプロレスは本当に世界で一番最高のエンターテインメントだと思います。それを25年間やってきて、本当に俺は誇りに思います」とレスラーとしての矜持を示したヨネは「でも、まだまだ終わりません! まだまだやるよ! また皆さんとこうやって会えるまで、元気に頑張ります」と未来を見据えて明るく締めくくった。

 多幸感溢れる聖地で25周年という節目を迎えたアフロ男。これからも30周年、40周年を目指し、時に明るく時に激しくノアマットで躍動し続ける。

【試合後のヨネ&池田&日高】
▼池田「おめで…おめでとうございます」

▼ヨネ「もういい感じに吹っ飛んでんじゃないですか(笑) 池田さんと日高のおかげでいいチームになったし、相手にまさかの石川雄規、そして田中純二…ケツ野郎、そしてノアと言ったら丸藤正道。そういうメンバーで25周年の記念の大会のメインを飾らせてもらったのは、本当にありがたいないと思います」

▼池田「この3人で、チーム・おこのとして頑張っていきます」

▼日高「いやいや、確かモハメッド・ボンバーズですよ、僕たち」

▼ヨネ「いや、この2人(ヨネ&池田)はそうだよ。こっち(日高)は違うでしょ? これはチーム・おこのだよ」

▼日高「そうでしたっけ?」

▼ヨネ「お好み焼き食い放題によく行く3人ということで、チーム・おこのって言って、誰もわからないチームを組んでたんですけど。ほら、(記者は)聞きたいこと言わねえなと思ってるでしょ? 聞かないとそういう話にならないですよ、きっと」

▼池田「いや、コロナ禍でもお好み焼きを食べに行きますよ。ヨネが行きましょうって言ったら行くよ」

▼ヨネ「『食べに行きますよ』って、『行ってますよ』ってことじゃなく、行こうとしているんですね」

▼池田「あっ、『行きますよ!』をやらなかったね」

▼ヨネ「『行きますよ、お客さん』ですよね。やらなかったですね。池田さんが張り切ってたから、やらなかったです」

――改めて2試合を振り返ると?

▼ヨネ「まあ、全然毛色が違う試合だったんでね。どっちも面白かったし。アレクと組んで、懐かしいロード・ウォリアーズとやった両国を思い出して。まさかアニマルさんも60歳って早い年齢で亡くなると思わなかったんでね。今日は追悼と言ったらおこがましいですけど、そういう思いもあって『アイアンマン』を使わせてもらって、結果負けるという。まさか『アイアンマン』が入場の人が負けるというプロレス界でありえないことが25周年で起こったという」

▼池田「ちょっとお好み焼きよりウケてるから悔しい」

▼ヨネ「池田さん、話の持っていき方ですよ。それで最後マイクがわけわからなくなっちゃった。池田さんが『おい、飛んでんだろ? 忘れただろ?』って言うから」

▼日高「ずっと長いって文句言ってましたよ」

▼ヨネ「いやいや、長くはないですよ。9時までやろうかなと思って」

▼日高「池田さんが長いって言うから、『池田さんの時のほうが長かったですよ』って」

▼ヨネ「池田さんなんか同じこと3回言ってましたから」

▼池田「プロレスのこと喋ってないね」

▼ヨネ「プロレスのこと喋ります」

――メインは改めてどうだった?

▼ヨネ「石川さんがノアのリングに上がって、池田さんとああやってバチバチやってるのが不思議な光景でしたね。あの時のバトラーツの後楽園大会がなんかフラッシュバックしてきて」

▼池田「それでノア辞めたようなもんだからね、俺は。まさかのこのリングでバチバチをやるとは思わなかった」

▼ヨネ「そうですよね。そういうことが起こりうるのがプロレスだなと思いますね。プロレスに絶対はないんで、またなんか面白いことが起こるかもしれないし。また、このメンバーで、チーム・おこのとして席巻していくかもしれないし」

▼池田「チーム・おこのですよ」

▼日高「チーム・おこのでした」

▼ヨネ「ほら、これ以上聞いてもダメだなって。やっぱりトンパチだよ、バトラーツって。いや、俺ひとりだったら、いつもそんな風にならないですよ」

▼池田「落ちてはないって、だから。チーム・おこのがオチではないって」

▼ヨネ「自分で言ったんじゃん、だって」

▼池田「あくまで俺はフリだからさ。25周年の人がちゃんと落とさないと」

▼ヨネ「ずるいなあ。オチはないですよ」

▼池田「ヨネのかあちゃんも草葉の陰で泣いてるよ」

▼ヨネ「いや、生きてますよ(笑)」

▼日高「草葉の陰じゃなくて、今日会いましたよ」

▼ヨネ「今日来てますよ」

――最後のお母さんに感謝を伝えた理由は?

▼ヨネ「最近、親の気持ちになったんでね。娘ができて。そう思うと、俺のやってきたことが、たまにする孝行がレスラーで稼いだ金だからね。反比例してたんじゃないかなって。なんかそれでちょっとつらい気持ちになったんだけど、今日来てくれたお客さんの温かさに母親も『プロレスっていいもんだね』ってちょっと思ってもらえたらよかったなっていう。いろんな人に感謝の25年だったんで。丈夫な体に産んでくれた母親に感謝ですよ。俺の娘をプロレスラーにさせますかって聞かないでくださいよ。絶対ダメです」

【試合後の丸藤&石川&田中】
――ヨネ選手の25周年記念大会はどうだった?

▼丸藤「僕はノアに入る前のヨネさんとは接したことがほとんどなかったんで、ノアになってからのヨネさんしか知らないんですけど、今日、こうやって石川さんをはじめ、出場した人たちを見ていると、ヨネさんにもいろいろ深い歴史があったんだなというのがよくわかったし。そんなヨネさんの人望というのかな、人徳っていうのかな。彼の激しさの中にも優しさがしっかりあるというのが今日のお客さんにも反映していたと思うんで。25周年をヨネさんが迎えて、僕よりキャリアは先輩ですけど、30年、35年と一生懸命頑張ってもらってね。さっきマイクで言ったように、お母さんのために元気でこのリングで生き続けてほしいなと思います。これからもヨネさん、よろしくお願いします」

▼石川「ヨネは入り口が藤原組でして。僕らのところに、本当に細っちいヒョロッとした高校生が来ましてね。ちょうどその時、もうひとりもっとごっつい男が来てたんですよ。で、そいつが藤原さんにあいさつに行った時、藤原さんはちょうど喫茶店で飯を食ってたんですけど、食う前で腹が減って、イライライライラしてて、『来るな、お前!』って門前払いで。そのあとにヨネが、藤原さんが食べ終わった時に来て、『お前、デカいじゃねえか。入れ』っていう。はなからそういう運を持ってましたね。普通に考えたら、ごっついほうを取ったかもしんないですけど、彼にとって運が悪かったのは、藤原さんがクソ腹が減っていたと。運が良かったヨネは、藤原さんが満腹でご満悦だったタイミングだったと。そんなこんなもありまして、そこからでもヨネは頑張りました。細っちい体で本当に頑張って頑張って。体もあんなにデカくなってね。本当に心からおめでとうと言いたいですね。25年も本当におめでとうございました」

▼丸藤「(田中に)なんか喋ってください、先輩。ある意味、主役ですよ」

▼石川「大丈夫。歯ないよ?」

▼田中「これ、最初からです。ヨネさんは自分がバトラーツに入門した時から、日高さんがおられて、ヨネさんがおられて、大塚さんがおられてということで、すぐ近くでいろいろとお世話していただいた先輩でして。バトラーツを辞められても、ちょっとご縁あって、自分がノアさんに上がらせていただくようになって、また新たにご縁ができて。今回、25周年、自分は九州におるんですけど、九州から呼んでいただいて。恩返しのつもりでやってやろうと思ったんですけど、ちょっとすいません。逆にやられてしまって、メチャメチャ悔しかです。これからもご縁が続くと思いますんで、これからもまた恩返しの機会も必ずあると思いますんで、これからもよろしくお願いしますと。いろんな意味でよろしくお願いしますとお伝えしたいです」

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