10/20【大日本】大神が3年ぶりに最侠タッグ制覇、ベルト獲り&パートナー対決に照準 伊東&勝俣はコンビ継続へ
『最侠タッグトーナメント2020〜準決勝&決勝戦』東京・後楽園ホール(2020年10月20日)
「最侠タッグトーナメント2020」決勝戦 ○神谷英慶&橋本大地vs伊東竜二&勝俣瞬馬×
大神が3年ぶりに最侠タッグを制覇。次なる目標として、アストロノーツが保持するタッグ王座獲りとストロング王座を懸けてのパートナー対決に照準を合わせた。一方、敗れた伊東&勝俣はタッグ継続を宣言した。
例年のリーグ戦形式ではなく、今年はトーナメント制で行われた最侠タッグ決勝戦は、ストロングブロックから勝ち上がった“大神"大地&神谷と、デスマッチブロックの中から勝ち上がった“瞬竜"伊東&勝俣によって争われた。ハードコアルールでの大一番となった。
タンクトップにジーンズというハードコアスタイルで試合に臨んだ神谷は、序盤から伊東の竹刀攻撃や勝俣のトペコンヒーロを食らって大流血。それでもエプロンから場外のパイプイスの山めがけて勝俣をボディスラムで投げつけて主導権を奪取する。ここから大神が準決勝のダメージを残す勝俣に集中砲火。大地も重たいミドルキックをこれでもかと乱射すると、大神のダブルショルダータックルもさく裂する。神谷はパイプイスを連続して勝俣の背中に振り下ろし、逆エビ固めに捕獲。さらに交互にボディスラムを連発した。
一方的な展開となったが、勝俣がイスを持った大地にドロップキックを浴びせてピンチを脱すると、伊東が試合の立て直しに動く。神谷のパワフルな攻撃に手を焼いたものの、パイプイスを連続して投げつけると、体力を回復した勝俣が再登場。レゴブロック攻撃を多用し、ブロックが固定されたバットで神谷を殴打する。ムーンサルト自爆、ショルダースルーとブロックが散乱したマットに叩きつけられてしまうが、連続スクールボーイで神谷を動揺させ、トラースキックもクリーンヒットした。
大神は連係攻撃で巻き返したものの、神谷のダイブ攻撃は伊東が阻止。リング上にパイプイスを横向きに固定すると、雪崩式ブレーンバスターで叩きつけた。苦もんする神谷めがけてドラゴンスプラッシュを投下。勝俣もパイプイスを使ってのダイビングボディプレスを落として勝機を掴む。大地のカットが間に合うも、伊東がパイプイスを投げつける。神谷がその伊東をラリアットでなぎ倒すと、勝俣のトラースキック、延髄斬り、大地のジャーマンが連鎖し、リング上で4人が大の字になった。
神谷と勝俣、大地と伊東がエルボー合戦で火花。スキを突いた大神は刈龍怒で伊東を排除する。勝俣は「負けねえ!」と2人相手にエルボーを振り回したものの、神谷が頭突き、大地がミドルキック、そして2人で刈龍怒をお見舞い。イスを挟んでのダイビングボディプレス、ラリアットと攻めに攻めた神谷は、それでも肩を上げた勝俣をバックドロップで沈めた。
初出場・初優勝を目指す瞬竜を返り討ちにして、大神が3年ぶりに最侠タッグ制覇を果たした。マイクを持った神谷は「やりました! やりました! やりました! 僕はコロナが始まってから半年間、ずっとこのこのハードコアで自分を磨き続けました。その一歩が今日の勝利だと思います」と喜びを爆発させる。ストロング王座を死守してきた大地、ハードコアに挑んできた神谷の歩みが交わり、思いも合致して、大神を栄冠へと導いた。
次なる目標は準決勝で撃破したアストロノーツが保持するBJWタッグ王座だ。リング上で神谷は「この勢いでタッグのベルトを俺たちが獲るぞ!」と予告。アストロノーツも迎撃を宣言しているだけに、両者の対戦は避けられそうにない。
さらに、神谷は「そして、大地選手は明日の(10・21)後楽園ホール大会で岡林裕二から防衛して、(11・23)大阪で関本大介から防衛したら、この俺がストロングに挑戦します!」と大神対決によるストロング王座戦の実現を猛アピール。大地も「やろう」と応じると、神谷は「明日、絶対勝ってくださいよ」と激励し、「これからも明日ももっともっと勢いを増して、ゴーゴーだぜ!」と力強い雄叫びで締めくくった。
バックステージでも「俺と戦いましょう。最高の戦いをしましょう」(神谷)、「やろう、やってやろう」(大地)と誓いを立てた2人。明日10・21後楽園で岡林を、11・23大阪での関本を連続して退けるのは簡単ではないが、大地は「俺は来年10周年だから。俺は絶対これを守って、来年持っていくから」と来年3月のレスラー生活10周年を2冠王で迎えるつもり。狙うは関本が樹立した連続防衛記録「10」の更新。盟友・神谷としのぎを削りながら、大地は新しい伝説を作る構えだ。
一方、奮闘空しく敗れた瞬竜だったが、タッグ継続を表明。タッグ王座奪取、来年の最侠タッグ制覇を目標に掲げると、勝俣は大地との再戦を熱望していた。
【試合後の大地&神谷】
▼神谷「やりました!」
▼大地「何年ぶり? 17年?」
▼神谷「久しぶりに、とにかく久しぶりに。ずっと決勝とかまで残ってたんですけどね。いや、久しぶりの優勝」
▼大地「本当にカミがリング上で言ったあれじゃないけど、カミはハードコアでやって、俺はチャンピオンとして自分を高めてて、ちょっとね、戦いは別々になったところもあるんだけど」
▼神谷「最後の最後に交わりましたから」
▼大地「お互いを高めるために、お互いが1回違うところに行っても、また戻ってきた時に新しいものが生まれたって俺は思っているから」
▼神谷「そうっすね。コロナ期間から含めてこの半年間、自分はずっとハードコアで自分を高めてきたんで。その成果が今日出たと思います。でも、その成果は第一歩だと思います。ここからもっともっと。次にベルトを獲ってこそ結果だと思っているんで。最侠タッグトーナメント優勝チームとして、あいつらにこの挑戦を受けてもらいますよ」
▼大地「もう逃げらんないぞ、あいつら2人は。そして、俺は明日も防衛して、あいつらにチャンピオンとして挑戦してやるからな」
▼神谷「で、大阪で関本大介から防衛したら、次は俺がいく」
▼大地「その言葉を待ってたよ。やってやるよ」
▼神谷「ずっとずっとフラストレーションを溜めてましたから」
▼大地「言っておくけど、あの2人に俺は1回勝ってるんだからね」
▼神谷「だから、絶対防衛して、俺と戦いましょう。最高の戦いをしましょう」
▼大地「やろう、やってやろう」
▼神谷「それにね。タッグのベルトも今は自信ありますから」
▼大地「目指すところはお互いタッグのベルトを持ちながら、ストロングのベルトに挑戦するみたいな。いいね。いいのが見えてきた」
▼神谷「明るい未来が見えてきました。やってやりましょう」
▼大地「俺は来年10周年だから。俺は絶対これを守って、来年持っていくから」
▼神谷「いやいや、その次の年は僕が10周年なんで。奪い取って、僕が10周年迎えますから。とりあえずタッグのベルトを巻いて、お互い10周年を迎えましょう」
――大地選手は去年の11月にストロング王座を獲った。1年間で、一騎当千と最侠タッグの両方で優勝し、1年間ずっとベルトを持っていた人間は過去にいないと思う。あと2回ストロングを防衛すれば、前代未聞の状態が見えてくるが?
▼神谷「いや、でもここでスピードを緩めずに、ここからさらに俺らは加速してきますから。タッグのベルトも獲りますから」
▼大地「俺自身、伝説を作ろうとは思っているし。これ(ベルト)を持っている人が一騎当千(優勝を)やったことなかった。じゃあ、これ(最侠タッグ)もやったことなかった。じゃあ、その次に控えている明日をまず防衛することで、1つだけまず伝説を作ることにならない? 俺はそう思っているから。まずそこで1つ変えていくこと。そういうものを塗りかえていくこと。俺の目標は最多防衛記録を塗り替えることだから。さっきも言ったけど、10周年だし、その時まで持っておきたいし、もしそれでコロナが解消されていれば、俺もまた凱旋(興行)をやりたいし。ちょっと潰れちゃったからね。いろいろと目標もあるし。さっきも言ったけど、ここでタッグも獲りにいく。その次にこれにカミが挑戦しにくると言ってくれたんだから、守ってないとしょうがないし。全部加速していって、俺らがワーッと盛り上がっていかないと」
――決勝で当たった勝俣選手が「いずれまた橋本大地の前に立ちたい」と言っていたが?
▼大地「リング上で『やっとあなたの前に立てました』って言ったんですよ。僕はそれになんにも返答してないです。やるならシングルでしょう。それもストロングで来なよって俺は思っちゃいますよね。今この場で言っておきましょうか? あいつ、俺がデビューして3戦目かな。デビューした年の靖国…1回目か2回目か忘れちゃったんですけど、そこに来て、『同い年で僕もプロレスラーを目指しているんです』って言ったのがあいつなの。それくらいに俺もあいつに思い入れあるし、たぶんあいつも俺に思い入れがあると思うから、そういうこと言ったんだと思うんだけど。ハードコアじゃなくてストロングでやろうってリングの上でも言ったけど、どうせ俺の前に来るなら、ストロングでやろうよ。別になんも懸かってなくてもいいじゃん? ベルトとかさ。階級も違うしさ。なんの意味もなくてもいいじゃん。俺らが試合することに意味があるんだから。その時を待ってるから。いっぱいあるね、なんか」
▼神谷「いっぱいありますね。やることいっぱいありますね。いや、飽きなくていいですね」
▼大地「とりあえず俺は明日」
▼神谷「とにかく勢いを増して走り抜けましょう」
【試合後の伊東&勝俣】
▼伊東「強いね、大地&神谷。いや、申し訳ない」
▼勝俣「いえいえ、すいません。僕がすいませんです、本当に。伊東さんは謝らないでください。僕が記者会見で『俺があと2つ3カウント取る』って言ったのに、負けちゃいました。すいません」
▼伊東「ただね、初出場で決勝まで行ってますからね。このままこのチームを続けていけば、来年の最侠タッグも。それにタッグベルト。なんでも狙っていけます」
▼勝俣「タッグベルト獲りたい! 獲りたいよ! 瞬竜、このトーナメントでだいぶいいタッグチームになったんじゃないかなって僕は思いますけど、どうですか?」
▼伊東「1年前に組んで、それがインフルだなんだでずっとできなくて。9月から動き出したこのチーム。このまま来年までいけば。うちらは上を目指してどんどんどんどんやっていきます」
▼勝俣「そうですね。負けちゃったけど、切り換えていきます。伊東さんがそう言ってくれるんであれば、僕は気持ちを切り換えて、また次のステップにいかなきゃなって思います。さっきも言ったけど、大日本彩色化計画というのがあって、ハードコアでもデスマッチでもなんでも引っくるめて、俺がこの大日本彩色計画というプロジェクトをデカくしていって、いつかは超キラッキラでカラフルな会場でデスマッチをやるという目標も作ったり。あと、リングを全部ブロックにするとかね。ロープもブロック玩具、床もブロック玩具とかね。ブロック玩具で常設会場を作りましょう」
▼伊東「無理だよ(苦笑)」
▼勝俣「いや、いけます、いけます」
▼伊東「勝俣の形をしたブロック玩具を立てとくとか」
▼勝俣「いいですね。売店の横に立てておきましょう。勝俣のブロック玩具を。某会社にもありますよね、人形が」
▼伊東「タッグベルトを獲ったあかつきには、2人で会社に行って、これをぜひ作りましょうって言って、後楽園ホールのエレベーターを上がったところに2人で並べて。そこまで頑張ります!」
▼勝俣「頑張ります。あと、個人的に橋本大地の前に立てたということは、本当に凄く嬉しかったんでね。これからもっともっと。ハードコアじゃなくて普通の戦いも橋本大地とはやりたいと思いました。個人的な話ですいません。タッグ目指します。俺が新しい色をこの大日本につけてやるから、覚悟しとけ! 以上!」