10/21【大日本】吉野が歓喜のジュニア王座初戴冠、関札とパートナー対決へ 陥落・青木はヘビー転向表明
『デスマッチ&ストロング&ジュニア〜3大タイトルマッチ』東京・後楽園ホール(2020年10月21日)
BJW認定ジュニアヘビー級選手権試合 ○吉野達彦vs青木優也×
吉野が青木を下して歓喜のジュニア王座初戴冠。試合後、初防衛戦の相手にパーティーボーイズのパートナー・関札を指名した。一方、王座から陥落した青木はヘビー級転向を表明した。
次期挑戦者決定トーナメントを制した吉野が、昨年9月から1年以上に渡ってジュニア王座を守ってきた王者・青木に挑んだ。初代王者決定リーグ戦にも出場し、今回で実に5度目の挑戦となった吉野は悲願の初戴冠を果たすべく序盤から積極果敢に仕掛けた。
ジュニアらしい躍動感溢れる先制争いが展開されたが、一転してねちっこい首攻めに出た吉野が主導権を握る。青木もフロム・コーナー・トゥ・コーナーやトペコンヒーロなど空中殺法を駆使して反撃したものの、「来いよ」と挑発された吉野も発奮。死角からのトラースキック、立った状態の青木へのダイビングセントーン、ファルコンアローと猛攻に出ると、ハンドスプリング攻撃も完璧に読んでキャッチするとジャーマンへ。しかし、青木は1回転して不時着。袈裟斬りチョップを振り下ろすと、両者大の字に。
青木は「ぶつけてみろよ!」「悔しくねえのか!」と激情を吐露しながらエルボー合戦で火花。吉野も気持ちをぶつけるが、青木は自ら頬を突きだして受け止める。引かない吉野はナックルパンチを連発してボディブローもクリーンヒットしたが、青木はローリングラリアットで黙らせた。ムーンサルトプレスは剣山で撃墜され、強烈なランニングニーにも被弾したものの、泥臭くコーナー上の挑戦者に掴みかかり、ビンタで足止めすると、スパニッシュフライを敢行。首をカッ切るポーズから後頭部にミサイルキックをぶち込んだ。
そして、懸命にフォールするが、吉野は意地のキックアウト。青木は投げ捨てタイガースープレックスから追撃を狙って突っ込むも、トラースキックで迎撃した吉野は不知火で再逆転を果たす。絶叫とともにアスリートジャーマンをお見舞い。カウント1で返した青木だったが、吉野はクラッチを解かずにジャーマン3連発を繰り出した。それでも青木が沈まないとみるや、サンダークラッシュ(ファイヤーマンズキャリーからの変型エメラルドフロウジョン)をズバリ。熱戦に終止符を打った。
吉野が歓喜のジュニア王座初戴冠。感極まった表情でベルトを手にすると、マイクを持ち、「青木。お前、今日の試合を最後にヘビー級に行くんだろ? 俺はジュニアで頑張る。大日ジュニアを引っ張る! お前はヘビーで頑張ってこい! 今日はありがとう!」とエールを贈る。バックステージで青木は改めてヘビー級転向を表明。「自分は大日本プロレスのテッペンを取りにいきます。そのための攻めのヘビー級だと自分は思って戦っていきます」と誓った。
一方、新王者となった吉野の初防衛戦の日程はすでに11・8札幌で発表済み。対戦相手は未定となっているが、吉野は「僕が逆指名したいと思います。皓太!」とパートナーの関札をリングに呼び寄せ、「大日本プロレスのジュニアの試合というものを俺は初防衛戦で見せたい。受けてもらえますか?」と呼びかけた。関札は握手で応じ、パートナー対決が決定的に。吉野は「まだまだ僕はチャンピオンとしては未熟ですよ。一歩一歩進んでいきたいと思います。またベルトを持って戻ってきたいと思います」と聖地のファンに誓った。
バックステージでも「僕はガッツワールドという団体にいて、ガッツ石島さんにプロレスを習って、あの人のおかげでここまできて。『大日本のプロレスでトップ獲ってこい』って送り出してもらって、紆余曲折ありましたが、やっと形にできました」とこれまでの道のりに思いを馳せた吉野。しかし、感傷に浸っている暇はない。「大日本プロレスがデスマッチ、ストロング、この2つだけなんですよ。ジュニアにメイン任せるという会社でもないし、ファンも期待してない。その歴史を僕は作りたい」と意気込んだ新王者は「俺らが血を流して、汗を流して、骨を折って歴史を作らないと嘘ですよ」と決意を新たに。
「25年の大日本プロレスの歴史。俺らまだまだ1年生です。もう5代目になりましたけど、誰も認めてないですよ。知ってます。底辺のチャンピオンです、僕は」と現時点の位置を冷静に分析した上で、「ガッツさんとかイサミさんとかに『ベルトを獲った? お前、一人前のプロレスラーになったな』って言ってもらえるように、僕はこのベルトを輝かせていきたいと思います。次は皓太。年末に向けて、ジュニアを見逃さないでください」とこれからの防衛ロードを見据えた。
【吉野の話】「僕は移籍して何年でしたっけ? もう4年、5年経ちますよね。僕が移籍してきたキッカケなんて忘れた人のほうが多いと思うんですが、僕はガッツワールドという団体にいて、ガッツ石島さんにプロレスを習って、あの人のおかげでここまできて。『大日本のプロレスでトップ獲ってこい』って送り出してもらって、紆余曲折ありましたが、やっと形にできました。青木がヘビーに行くのは快く送り出しますよ。僕がチャンピオンになって終わりじゃなくて、僕がジュニアのベルトを持ったって、その作った理由は大日本プロレスがデスマッチ、ストロング、この2つだけなんですよ。ジュニアにメイン任せるという会社でもないし、ファンも期待してない。その歴史を僕は作りたい。今まで一緒に血を流してきた関札とトーナメント1回戦でやりましたけど、もう1回やりたいんですよ。俺らが血を流して、汗を流して、骨を折って歴史を作らないと嘘ですよ。25年の大日本プロレスの歴史。俺らまだまだ1年生です。もう5代目になりましたけど、誰も認めてないですよ。知ってます。底辺のチャンピオンです、僕は。自分のこと下げるなとかって言われるかもしれないですけど、ガッツさんからしたら、俺なんかまだまだヒヨッコだし、イサミさんから見てもまだまだ。やっぱね、ガッツさんとかイサミさんとかに『ベルトを獲った? お前、一人前のプロレスラーになったな』って言ってもらえるように、僕はこのベルトを輝かせていきたいと思います。次は皓太。年末に向けて、ジュニアを見逃さないでください」
【試合後の青木、和樹】
▼青木「本当は勝って、ここでベルトを返上して、ヘビー級にいくって言うのが自分の今日の目標だったんですけど、見事に3つ取られました。負けて言うのも本当に失礼なことかもしれないけど、吉野達彦の執念があの3つを取った要因だと思ってます。自分の力不足はあったかもしれないですけど、でも吉野達彦のベルトへの執念が光ってた。でも、だからといって、自分は今のままジュニアにとどまっているつもりはありません。負けても自分の思いは一緒。ヘビー級に今日をもっていきます。負けたから、ジュニアから逃げているわけではありません。自分は大日本プロレスのテッペンを取りにいきます。そのための攻めのヘビー級だと自分は思って戦っていきます。今日の負けは不甲斐なかったですけど、この負けがいつか糧になって、自分の勝利へと繋がると思っているんで、今はそれを信じて、まず体作りから取り組んでいこうと思ってます」
※コメントを見守っていた和樹が隣に座ると
▼和樹「はい、それでは流れで、そのままジュニアバーン解散会見を行いたいと思います。ということで、今日負けて、ヘビー級転向だろ? ってことで、これで解散会見。ジュニアバーンと言ったところでさ、今年の最侠タッグトーナメントはどこかの“プロレス界で一番熱い男"と出ちゃってよ。結果的に俺たちジュニアバーンで出たことなかったじゃん。出れなかったじゃん。俺、今年は出れると思ったんだよ。まあ、冗談はさておいて、青木がジュニアに残ってくれたのは、青木が両国で僕とタイトルマッチをやった時に、僕が防衛した時に、彼のヘビー級にいきたいという気持ちはわかってました。それでも、このジュニアの経験はヘビーにいった時に絶対活きるから、もう少しジュニアで頑張れと言って、彼はここまでやってくれました。僕は一番近くで、ひとりの青年がプロレス界に入って、デビューして、タイトルマッチで挑戦して、チャンピオンにもなって。凄い成長の物語を僕はずっと同じコーナーから見ることができたのが、何も残らなかったですけど、このジュニアバーンで一番大きな僕の財産だと思ってます。だからこそ、青木には大日本史上初、ジュニアも獲った、ヘビーも獲った…大日本史上初だよ。ジュニアとヘビー、両方のストロングを巻いたチャンピオンは。お前がなれ!」
▼青木「おお!」
▼和樹「お前が一番だ!」
▼青木「おお!」
▼和樹「お前が第一号だ!」
▼青木「おお!」
▼和樹「お前はヘビーで頑張れ。俺はこのクソつまらねえ友情物語ばっかりやってる、クソつまんねえ大日本ジュニアを、これから俺らしく面白くしていくよ。あんな友情ごっこ誰が見たいんだよ? くだらねえ。青木、最後に言ってやれ!」
※和樹が去っていくと
▼青木「和樹さんの言う通り、今日をもってジュニアバーンは解散! そして俺は、史上初、ジュニアとヘビーのベルトを獲った男として、大日本のテッペン獲りにいきます! よっしゃあ、元気出てきた!」
【関札の話】「今日試合が終わって。自分も絶対に吉野さんが勝ってくれるというのは信じてたんで、それでリング上で逆指名いただいて。まあね、断る理由なんてひとつもないですよ。吉野さんが言った通り、大日本での最高峰のジュニアを見せてやりますよ。今、大日本でジュニアの試合をしているのは、自分と吉野さんと若手の佐藤ぐらいじゃないですか? 他に所属じゃないジュニアの選手はいるんですけど、青木もこれからヘビーにいくって言って。それも試合の中に出てますよね。俺はヘビーなんだ、ヘビーなんだっていうのが。まあ、あとひとりは誰だかわからないですけど、ジュニアジュニア言っておきながら、ひとつもジュニアの試合をやるつもりがないみたいなんで。僕が見てきたジュニアをこの大日本のジュニアでも表していくには、僕も引っ張っていく存在にならなきゃならないんですよ。吉野さんとスゲェとんでもねぇジュニアの試合をしてやるんで、楽しみにしててください」