プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

10/29【DDT】竹下戦は「自分自身への挑戦」 心身充実で宣言「木端微塵に叩く」、D王GP出場も視野に 秋山準インタビュー

 11・3大田区大会で竹下幸之介とのシングル初対決に臨む秋山準。今年5月からDDTにレギュラー参戦以来、5ヵ月にして大勝負を迎える。

 「身を削る戦い」を自ら掲げたが、果たして今の自分にそれができるのか。今月9日に51歳となった秋山にとって、25歳・竹下との一騎打ちは「自分自身への挑戦」となる。

 一方でDDT参戦以来、若い竹下に対抗しうる肉体面での自信をつかむことができ、精神的にも最前線で戦っていた頃に戻ってきた。DDTの底上げを自身の役割と捉え、竹下のためにもDDTのためにも「木端微塵に叩かないといけない」と容赦なく千尋の谷に突き落とす落とすつもり。「勝負のポイントは自分に勝つことでしょうね。自分に勝った時は彼に勝ってる」と言い切った秋山は、竹下戦が今後の方向性を決めると考え、その先に控える『D王 GRAND PRIX 2021』も視野に入れている。

【秋山インタビュー】
――今年の5月からDDTにレギュラー参戦し、その間にレンタル移籍もあって、5ヵ月が経過しましたが、DDTのリングに感じていることは?

▼秋山「やっぱり最初はね、面白いとか…それは僕だけじゃなくてファンの方もちょっとそちらの方に思われてる要素が多かったと思うんですけど、案外、まあまあプロレスもしっかりやってるんだなと。それは高木さんの現在の方針かもわからないけど、ちゃんとやってるんだなと思いましたね。ただ、まだまだやっぱりね、DDT誰?って男色ディーノとか出てくるんで、それは今度対戦する竹下君とかが変えていかないといけないですね」

――そんな意味でも秋山選手の役割が大きくなりそうですね。

▼秋山「僕の役割というか、若い選手たちの役割でしょうけど、それの手助けというか、カンフル剤、起爆剤というかね。そういうふうになればいいかなと」

――先日の会見でもおっしゃっていたように、出る杭をあえて厳しく打つことでDDTの底上げを促すと?

▼秋山「バネを弾き返す跳ね返りが少ないと思うんですね。それをグーッと押してポンと離したらバーンと上に上がると思うんですよ。竹下君は『若い芽を摘まさせない』と言ってましたけど、俺は摘む気なんかないから。それは今までもそうですよ。ただ、押さえられた時点でそいつがダメになったら、それはそいつの弱さだけどね。跳ねるのを待つ、僕にはそういう戦い方、教え方しかできないんで。ただ、そうやって跳ねた奴はドーンといくと思うんでね。今回はなおさら竹下選手は負けられない。でも僕もこの年で身を削る戦いができるかどうかというのも自分自身への挑戦でもあるし。自分に負けた時は彼にも負けてるだろうし、彼に勝った時は自分自身に勝った時だと思いますね。自分の中でもチャレンジ、挑戦の11月3日だと思いますね」

――そこで勝った時にはまだまだいけるという手応えも得られそうですね。

▼秋山「まだまだいけるなっていうのはね、彼とやっていて、だんだん感じてきてるんですよ。体が動けてきてるんで。対戦してると彼らの息遣いが聞こえるじゃないですか。俺の息遣いとそんな変わらないなと感じていて。ということは心肺機能もそれほど変わらないんじゃないかなっていう変な自信が。もちろん疲れがとれるとれない、回復が早い遅い、それは絶対彼らの方が早いけど、ただ試合にかける全てのものがそんなに大丈夫なんじゃないかなっていう自信っていうかね、それは彼らとやっていて感じましたね」

――仮に肉体的な衰えがあったとしても経験で補える部分もありますよね?

▼秋山「全日本の時、ちょっと下の方で試合していて、そこまで心肺機能を使うこともなくやってたんですけど、こっちに来て若い選手とやるようになって、やっぱり自然とそういう体を動かさなきゃいけないという試合が増えてきて。僕もそれに備えて練習方法も変えましたし、だんだん体が思い出してきた。以前の感覚を思い出してきた感じですかね」

――練習方法を変えたということですが、特に強化しているのは?

▼秋山「前からやってるんですけど、心肺機能を上げるために坂道を走ったり、雨が降ってる日はエアロバイクをやったり。どちらかというとウェートトレーニングよりもそちらの方を重点的にやってますね」

――春からほぼ毎回、竹下選手と当たり続けてきましたが、変化を感じる部分はありますか?

▼秋山「体がだんだん大きくなってきてる。体が大きくなってきてるということはトレーニングしてるってこと。トレーニングしてるってことは気持ちが前に向いてるってことなんで、そこはそうなのかなと思うし。あとは僕の動きというか、俺のリズムをつかもうとしてるのがわかるんですよ。俺のリズムが正しいかどうかわからないけど。僕らもそうですけど、最初に先輩から教えてもらってつかんで、そこから自分のものに発展させていくんで、その過程を彼は今やってるのかなと感じますね」

――かつて秋山選手があえて船木(誠勝)選手の土俵で勝負したように、竹下選手も同じ土俵でと考えているのかもしれないですね。

▼秋山「そうかもしれないですね。それで大田区ではDDTを代表して、DDTの戦いでっていうので来るのかもわからないですね。今はずっと僕の土俵で戦って勉強してっていうのが多かったと思うんですけど、今回は自分の土俵で僕に挑んで…挑んでじゃないな。戦いにくるんじゃないですか」

――ここまでお互い手の内の全てを出していないと思います。ということは秋山選手の知らない竹下幸之介という部分を警戒する必要がありそうです。

▼秋山「あるんでしょうね。この前みたいに新しい技もどんどん考えて。彼らは新しい技を考えてできますからね。俺らはもうなかなか、新しい技を考えついてもできないっていうのがあるんで(苦笑) 僕らは自分が持ってる技を場所を変えて、ポジション変えてやるぐらいしかできないですけど。それでもだいぶ違うかなとは思いますけどね」

――勝負を分けるポイントは見えてきましたか?

▼秋山「それはさっきも言いましたけど、自分自身に勝つというのが勝負ですね。自分に負けた時に負けてるだろうし、勝負のポイントは自分に勝つことでしょうね。自分に勝った時は彼に勝ってると思いますね。技どうのこうのじゃなくて気持ち。俺、気持ちだけだと思うんですよ。気持ちが折れて自分に負けた時は絶対負けてるんですよ。気持ちで勝った時は勝ってると思います。力とかスピードとか、そういうのは全部絶対負けてるんで。間違いなくね。ただ、心だけは絶対負けてないって今までもそういうふうにやってきたんで、そこさえ負けなければ負けないかなと。まだ負けないと思います」

――気持ちの強さはこれまでの経験で培われてきたものなのでしょうね。

▼秋山「そうですね。先輩にもいっぱいしごかれ、押さえつけられ、やってきましたからね。それは他の人に負けないぐらい持ってると思うんで。それを見せられればいいかなと思いますね」

――竹下選手と戦ってきて、DDTをより高める方向に引っ張る存在になると感じましたか?

▼秋山「なるでしょうし、なってもらわないと困りますよね。十分なると思いますよ」

――どこが秀でていると思いますか?

▼秋山「それは体格もそう、向上心もそう。全て揃ってるんじゃないですか。本当に素直で、言われたことをやってる子だろうし。ただ、ちょっとアクのなさが気になるぐらいですかね。DDTでやってる部分だけではいいと思うんですよ。ただ、他団体とかにいった時にアクの強い奴とか絶対いるじゃないですか。そういう時に損しちゃうんじゃないかな。それぐらいですかね。あとは何にもないぐらい揃ってますよね。ただ、揃ってる奴って、あんまり応援されないんですよ。だから揃ってる奴を僕が木端微塵に叩かないといけないんですよ。この年であいつを木端微塵に叩くってなかなかの試練ですけどね。だから僕にとっても挑戦なんですよ。彼はいろんなものが揃ってると思いますよ。悩まさないといけないぐらい揃ってますね。僕も30ぐらいで調子悪くなってきて、ダメだなと思ったぐらいからやっとですからね。揃ってる奴って、ほっといてもできるだろうってなかなか応援されないんですよ。だから木端微塵にするぐらいしないとダメですね」

――それは竹下選手のためであり、DDTのためであると?

▼秋山「と僕は思いますけどね。俺にそこまでできるのか、自分自身の中で問いかけをしながら戦ってますからね。でもやらないといけない。それが高木さんが俺を呼んだ一番の目的だろうし。それはたぶん竹下君だけじゃないと思うんですね。他の選手に対してもそうだろうし。だから全日本の社長の時、最後にいた時にやっていた試合とは全然違う試合してますけど、それが必要だと思うんで頑張りますよ」

――気持ちが最前線で戦っていた頃に戻ってきた感じですね?

▼秋山「気持ちが戻ると体もだんだん動けてくるし、まだ忘れてないんだなと思いますよ。やらないといけないですからね。やっぱり試合中に動けないというのは一番ダメですからね。動けるようにしないといけないですね」

――今は竹下戦に集中している状況ではありますが、その先に考えていることはありますか?

▼秋山「リーグ戦もあるんでね。僕、リーグ戦に出るのも久しぶりだし、そこもちょっと考えながら。一気に若い選手とできるチャンスではあるんでね。今回は竹下君と一発勝負じゃないですか。リーグ戦となると結構な試合数なんでね。そこも考えないといけないですけど、近いうちに自分の中でいけるかどうか答えを出してね。そこもいったとなると、その次もまた考え出すでしょうし。最初は竹下君とシングルマッチっていうのも考えたし、その次、リーグ戦というのも今考えてるし、またその先も考えるだろうし。でも自分で挑戦だ、挑戦だ、挑戦だってなってるということは、そんな感じで進んでいくと思いますよ」

――竹下選手に勝利し、リーグ戦に優勝と結果が出れば自ずとその次につながるということですね。

▼秋山「竹下君とやって負けたとしても、一回そこでやるかやらないか迷ってた僕がやるって決めたんで。そこで気持ちが一歩前に進んでるんで、負けたとしても次を考えられると思うんですよね。だから、本当にいい刺激もらってますね」

――結果に関係なく竹下戦で秋山選手の今後の方向性が決まりそうですね。

▼秋山「そうですね。ホントそう思います。来年のことも決まると思います。僕のこれから先をいろいろ考えることになる一戦だと思いますね」

プロ格 情報局