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11/18【新日本】スーパージュニア決闘…デスペがヒロム非情撃破 ヒザ破壊で「大好き」

『WORLD TAG LEAGUE 2020 & BEST OF THE SUPER Jr.27』東京・後楽園ホール(2020年11月18日)
「BEST OF THE SUPER Jr.27」公式戦 ○エル・デスペラードvs高橋ヒロム×

 デスペラードが非情な攻めで押し切ってヒロム撃破。スーパージュニア公式戦での“決闘"を制して1勝目を挙げると、自ら今後に影響が出そうなほどヒロムのヒザを破壊しておきながら、「大好き」と口にした。

 開幕戦ではくせ者・田口に敗れ、黒星発進となったデスペラード。2戦目の相手は初戦でIWGPジュニア王者・石森を撃破して絶好のスタートを切ったヒロムとなったが、デスペラードの意地が爆発した。

 デスペラードのことを以前から「大嫌い」と公言してきたヒロムだったが、この試合に向けては「今は嫌いじゃない」「今は別に」と冷静にコメントしていた。しかし、その言葉とは裏腹に、序盤から喧嘩腰に仕掛ける。場外では鉄柵に投げつけて、リングでは馬乗りになって殴りつけ、「やりてえんだろ、これが!」と吠えると、デスペラードの闘志にも火が点き、ケンカマッチの様相に。リングアウト寸前まで場外で殴り合った。

 乱戦の最中、デスペラードは決死のトペコンヒーロを敢行。コーナーマットを引っぺがして、むき出しの金具に投げつけると、左ヒザ攻めに打って出た。ヒロムもエプロンからの場外ドロップキックやファルコンアローなど大技で反撃を果たすも、デスペラードがヒザを攻めると急ブレーキ。さらに、コーナーに張りつけにしてのドラゴンスクリューや低空ドロップキックを決めると、ヒロムは表情を歪ませる。

 それでもヒロムの闘志は消えず、ダイナマイトプランジャーやコーナーめがけてのフロントスープレックスなど躍動感溢れる攻撃でようやく主導権を握った。デスペラードがレフェリー不在の状況を作って急所蹴りを狙ったものの、これを完璧に読んだヒロムはラリアット合戦でも打ち勝つ。

 しかし、デスペラードはそんなヒロムの心を折りにいく。大技ラッシュを切り抜けて、ヌメロ・ドス(マフラーホールド式逆片エビ固め)に捕獲。再び左ヒザ攻めを再開する。ヒロムも猛抵抗するが、足のダメージが尾を引き、流れを変えられない。打撃戦になってもデスペラードは非情なナックルパートで殴り倒した。

 粘るヒロムは「俺の勝ちだ!」と吠えたデスペラードを強引に抱え上げ、むき出しになった金具めがけてデスバレーボムを決めたが、ここでも畳みかけることはできず。反対にデスペラードは海野レフェリーとの交錯を誘って無法地帯を作り上げると、急所を躊躇なく蹴り上げ、リング下からパイプイスを取り出した。ヒロムが「これでいいのか! 打ってこいよ!」と絶叫すると、一旦はイスを置いたデスペラードだったが、直後に左ヒザをイスでメッタ打ちに。悲鳴を上げるヒロムをヌメロ・ドスで絞めに絞め、屈辱的なギブアップを奪取した。

 2年前のスーパー・ジュニア公式戦と同じく“決闘"となった両雄の試合はデスペラードに凱歌。これでデスペラードはスーパージュニア1勝目。試合が決したあともヒザを押さえてうめくヒロムに対し、デスペラードは笑顔を覗かせ、子供のように勝利を喜び。真逆の反応を見せる両者のコントラストが残酷なほどリングに浮かび上がった。

 デスペラードはマイクを持つと、「どうだ? 3カウントってさ、やられたほうは覚えてねえけどさ、ギブアップって自分で言ったろ? お前は自分でギブアップって言ったんだ」と高笑い。試合前のヒロムの発言に触れ、「ハハハ。どうだ? お前、俺のこと『別に』って言ってたじゃん。大嫌いだって昔は。俺は昔から大好きだったって言ってるのにさ」と挑発すると、「どうだ? 『別に』っていうのはよ、好きでも嫌いでも(なく)、興味がねえってことなんだ。これでまた俺に興味持ってくれた?」と動けないヒロムに言い放った。

 ヒロムのヒザのダメージは深刻で、今後の公式戦に影響が出ることは避けられない。黄色信号がともったヒロムを「その足でお前はスーパージュニア優勝できるもんならしてみろ。このあと、続いているのは誰だ? 田口とか、ワトとか、たいしたことねえヤツしか続いてねえじゃねえか。残念残念。もう1回できるんだったら、立てなくしてやるのによ」と斬り捨てたデスペラードは、「俺がスーパー・ジュニア優勝するぜ。お前はどうする?」と堂々の優勝宣言をぶち上げた。

 バックステージではスーパー・ジュニアで毎大会ヒロムがメインを務めている状況を糾弾したうえで、「俺は別に新日本ジュニアの顔になろうなんてこれっぽちも思ってねぇが、あいつが光れば光るほど、輝けば輝くほど、あいつの光が強くなれば強くなるほど、その影でゴチャゴチャやっている俺たちの影も強くなる。がんばってくれ、ヒロム」と皮肉タップリにエールを送ったデスペラード。黒星スタートを帳消しにするヒロム撃破で勢いを掴み、一気に初優勝まで駆け上がる構えだ。

【デスペラードの話】「ああいてぇ、ああいてぇ。すげぇよな。『SUPER Jr.』、最終日はほれ、勝ち点でよ、試合順決まってねぇじゃん? ちょっとノブさん(金丸義信)がお休みになっちゃったから、人が代わって、そのメインのカードが代わってはいるんですが、公式戦の試合順、8試合中7試合がメインイベントだぜ? あいつ(ヒロム)、チャンピオンじゃねぇんだぞ? 石森がしゃべんねぇから、そういうことになってんのか? それも試合終わってわかるだろう。誰がジュニアの顔だってのかを。『俺だ!』って言いたいよ。でも、それがいつまでも続くと思ったら大間違い。俺は別に新日本ジュニアの顔になろうなんてこれっぽちも思ってねぇが、あいつが光れば光るほど、輝けば輝くほど、あいつの光が強くなれば強くなるほど、その影でゴチャゴチャやっている俺たちの影も強くなる。がんばってくれ、ヒロム。まあ、でもこの『SUPER Jr.』、優勝すんのは間違いなく俺だ。なんでかって? 顔をもう潰しちゃったからよ。公式戦、あいつはちゃんと出られるんだろうな? 出れなかったら、申し訳ないな。俺は謝るだけ謝ってやるよ。ごめんね」

【ヒロムの話】「人の性格はなかなか変わんねえなぁ…」

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