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11/22【NOAH】死闘42分…潮崎が中嶋破ってV5 「ずっと待ってた」杉浦と20周年締めへ

『PRO WRESTLING NOAH 20th ANNIVERSARY NOAH the CHRONICLE vol.4』神奈川・横浜武道館(2020年11月22日)
GHCヘビー級選手権試合 ○潮崎豪vs中嶋勝彦×

 GHCヘビー級王者・潮崎が、N-1 VICTORY覇者・中嶋との遺恨戦を40分を超える死闘の末に制して、5度目の防衛に成功。12・6代々木大会で通年防衛をかけて杉浦貴と激突することが決定的となった。

 年頭からベルトを守り続け「I am NOAH」を体現し続けてきた潮崎に、今年の『N-1 VICTORY』を制した中嶋が挑戦。“AXIZ"での蜜月関係から一転、憎み合うことになった両雄による遺恨対決が、“王者vs覇者"の構図で実現。ノア初開催となった横浜武道館大会のメインで燃え上がった。

 のっけから死闘となった。潮崎が断崖式キャプチュードなる荒技で先制したものの、中嶋はサディスティックな笑みすら浮かべて、前哨戦から痛めつけてきた王者の右腕に集中放火。何度もうめき声を上げた潮崎だったが、それでも右腕にこだわった。痛みをこらえながら逆水平で必死に抵抗。中嶋も右ミドルで応じ、一発、また一発と気持ちを込めたラリーになだれ込む。あらゆる思いがこもった壮絶な打ち合いは実に5分以上に渡って続いた。

 先に決定機を作ったのは中嶋。場外豪腕ラリアットでリングアウト負け寸前に追い込まれた中嶋だったが、ムーンサルトプレスはヒザを立てて撃墜すると、切れ味鋭い蹴りを唸らせる。右ハイキックで王者を蹴り倒し、非情な“人でなし"顔面蹴りをズバリ。滞空時間をタップリ取ってのヴァーティカルスパイクで突き刺した。

 潮崎も肩を上げる。場内も重低音ストンピングだ。逆にスリーパースープレックス、そしてローリングエルボーとノアの歴史を作った小橋建太さん、三沢光晴さんを思わせる大技で巻き返すや、一気に豪腕をさく裂。今度こそのムーンサルトプレスも投下したが、右腕のダメージがたたってカバーが遅れた。

 中嶋が肩を上げると、再び場内には重低音ストンピングがこだま。それでも右腕にこだわり続けた潮崎は、痛みをこらえたこん身の豪腕ラリアットを3連発。中嶋もニアロープに救われてしのいだものの、サポーターを外してのショートレンジの豪腕弾をフルスイングで叩き込み、ついに死闘に終止符を打った。

 試合時間は42分超え。すべてを出し尽くし、すべてを受け止めて跳ね返すノアの“本道ファイト"でGHCヘビー級王座5度目の防衛に成功。遺恨マッチではあったものの、現在のノアの“最高峰"を潮崎と中嶋が身を削って体現した。

 そんな闘いに吸い寄せられるかのように現れたのが、同じく“ノア"にこだわり続ける男・杉浦だった。「潮崎、防衛おめでとう。素晴らしかったよ」とたたえた一方で、「今年ノアの20周年、お前がチャンピオンで引っ張ってきて満足か? 物足りないよな。『I am NOAH』、俺に勝ってから言え。なあ? 俺も20周年なんだよ。今年最後、俺がいくぞ、GHC!」と挑戦を表明した。

 潮崎は「杉浦貴、ずっと待ってたよ。俺とあんたで…ノアの20周年を俺たちの戦いで盛り上げてやろうぜ」と即諾。年間最後のビッグマッチとなる12・6代々木第2大会での激突が決定的となった。

 最後は「20周年のノアはまだまだ盛り上がっていく。今日それを確認しただろ? 必ず俺がこのリングに立って、さらにノアを爆発させます! 皆さんの声援、本当に感謝します。ありがとう。I am NOAH! We are NOAH!」との王者・潮崎の絶叫で、ノア初進出となった横浜武道館大会は幕。通年防衛、旗揚げ20周年イヤー締め、そして『I am NOAH』の誇りをかけて、今年最後の大一番へとなだれ込む。

【試合後の潮崎】
――厳しい試合となったが、改めて中嶋戦を振り返ると?

▼潮崎「厳しい戦いになるのはやる前からわかってた。GHCの戦いが厳しいというのは、それはいつだって同じことだよ。だけど、ここまでの厳しさ、強さ、激しさ…。それに勝てたことは本当に嬉しく思ってます」

――最後は剛腕ラリアット4連発となったが、打っている際はどんな気持ちだった?

▼潮崎「散々どんなに苦しい攻撃を食らおうが、どんなに右腕をやられようが、GHCチャンピオンは俺だ。折れてたまるか。その気持ちだけだよ。何度も立ち上がってきた中嶋勝彦。その気持ち、その強さに応えるのは右腕しかない。そういう気持ちです」

――激闘を経て、中嶋選手への今の思いは?

▼潮崎「これで終わりじゃない。まだこれで試合が終わるわけじゃない。どこででも…東京でも、他の県でも、試合が組まれれば当たる相手だよ。まだまだ終わりじゃない。これで終わりなんかじゃないよ」

――試合後には杉浦選手との次期防衛戦が浮上したが、それについては?

▼潮崎「この上ない、俺が待っていた相手がやっと上がってきた。杉浦貴。ノアの2020年、ノアの20周年だよね。その20周年の最後に、俺はGHCヘビー級チャンピオンとして戦うに相応しい男とこのベルトを懸けて戦うこと…ずっと待っていたことがノアのリングで起こる。ノアにとっても、俺にとっても、最高の2020年を締めたいと思ってます」

――今日の横浜武道館はノア初進出だったが、それについては?

▼潮崎「ここにこれだけ世界が苦しい状況で集まってくれるみんな、そして見てくれているみんな、その人たちがいるからこそこの会場でできたと思う。本当に最高の会場だった。最高の雰囲気でした。この最高の、最上級の雰囲気を、さらに盛り上げていく、さらに大きなものにするために、ノアはさらにさらに高みを目指して走り続けていく。それが今日、確信できましたよ」

――試合後、マイクで「声援をありがとう」と言っていたが、声援が聞こえた?

▼潮崎「あったでしょ? 俺にはそう聞こえた。みんなの声が聞こえた。本当に今日、1分1秒ずっと目を離さず、ノアを、ノアだけを見てくれたファンのみんな。そして、こうやって集まってくれるマスコミの皆さんに本当に感謝しています。ノアは2020年最高の幕切れをして、2021年さらに高みを目指して走り続けていく、昇っていく。そのパワーを今日は確信しました。みんなに本当に感謝してます。ありがとう」

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