12/7【全日本】復活NEXTREAMが最強タッグ制覇、世界タッグ獲りに照準 青柳は三冠挑戦表明
『2020世界最強タッグ決定リーグ戦〜ReOStaff株式会社 presents〜』東京・後楽園ホール(2020年12月7日)
「2020世界最強タッグ決定リーグ戦」公式戦 ○青柳優馬&宮原健斗vs岩本煌史&ジェイク・リー×
宮原&青柳の復活NEXTREAMが最強タッグを制覇し、世界タッグ挑戦を要求。予告通りジェイク狩りを遂げた青柳は三冠ベルト挑戦を表明し、史上最年少5冠王を描いた。
暮れの風物詩・最強タッグもいよいよ最終戦。3チームが首位タイで公式戦最終日を迎えた。セミファイナルでその一角だった関本&小林が暴走大巨人に敗れて8点止まり。NEXTREAMと陣の公式戦最終試合が事実上の優勝決定戦となった。
序盤から一進一退の攻防となり、宮原がエプロン上でのパイルドライバーを敢行。大ダメージを負った岩本だが、エルボー合戦で宮原を腰砕けにし、なおもエルボーの猛連打を浴びせた。ジャーマンで反撃されても、すぐさま大外刈りで応戦してエースと互角の勝負を展開した。
青柳とジェイクも感情むき出しのエルボー合戦を展開。腕攻めに出たジェイクが変型腕固めで絞め上げて悲鳴を上げさせる。ニーリフト、ネックスクリューの陣連係も決まり、ジェイクがランニングローキックで蹴り飛ばしたが、青柳も負けじとジャーマンで逆襲。宮原の援護射撃を受けてエンドゲームで絞め上げた。
その後、青柳とジェイク、宮原と岩本が同時にエルボー合戦で火花を散らす意地の攻防に発展。ジェイクがランニングローキックからの変型腕固めで絞め上げた。宮原のカットで命拾いした青柳はブラックアウト&トラースキックを同時に放つ連係で対抗。ロコモーション式ジャーマン、ロックスターバスターで攻め込んだ。
だが、ジェイクもジャイアントキリングで流れを引き寄せる。岩本が孤高の芸術で宮原を排除してお膳立てすると、ジェイクはドクターボムで追い討ち。青柳がスピンキックを連射しても、ハイキックで応戦。高角度バックドロップを爆発させた。
勝負ありと思われたが、青柳は意地のキックアウト。ジェイクが再び狙ったバックドロップをフロントネックロックで切り返すと、エンドゲームで捕獲。こん身の力で絞め上げ、時間切れ86秒前にジェイクをギブアップさせた。
この瞬間、宮原&青柳が最強タッグ初優勝を達成。約1年ぶりの再結成で暮れの栄冠をつかみ取った。しかも青柳は予告通りジェイク狩りを完遂。「さっきまでジェイクグッズを掲げてたヤツらはどこに行った? 表情見せてみろ。隠すんじゃねえ。見せてみろ。表情見せてくれてもいいんだぞ。ざまあみやがれ」とふてぶてしくジェイクファンを嘲笑した。
これには宮原も「お前なかなか悪いレスラーになったな。素晴らしいじゃないか。勝ったからいいんだ」と目をみはるばかり。年明け早々の世界タッグ挑戦を要求すると、もちろん青柳にも異論はない。さらに「もうひとつ、諏訪魔が持っている三冠のベルト、俺が挑戦したっていいただろう」と至宝ベルト挑戦を表明。「来年の俺は欲張るぞ。NEXTREAMが世界タッグ獲って、青柳優馬が三冠を獲って、5冠王者になってみせよう」と誓ってみせた。
実現すれば、宮原を裏切って初挑戦した2・11後楽園大会以来2度目の三冠戦となる。次回三冠戦の舞台は1・3後楽園大会。その前に1・2後楽園大会では世界タッグも決まっている。青柳の年頭タイトルマッチ連続挑戦が浮上。どん欲な青柳は「諏訪魔の持つ三冠のベルトも、世界タッグのベルトも持って、この俺、青柳優馬が25歳、たぶん最年少の5冠王になってみせようじゃありませんか」と三冠&5冠の最年少記録更新をぶち上げてみせた。
アジアタッグ以来となる勲章を手にした青柳は2021年を迎えるとともに、いきなり全日本の頂点を狙う。
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ジェイク&岩本が熱戦の末に宮原&青柳に敗れ、最強タッグ準優勝で涙をのんだ。
首位タイで最終公式戦を迎えた陣コンビはNEXTREAMに勝てば優勝が決まる状況だった。優勝争いに食い込んだ要因の一つに岩本の奮闘がある。この日も階級差など関係なしに宮原と互角の真っ向勝負を展開。孤高の芸術で蹴散らして青柳を孤立させると、ジェイクがジャイアントキリング、バックドロップで勝機を作ったものの、最後は青柳のエンドゲームに捕まったジェイクが屈辱のギブアップ負けを喫した。
NEXTREAMに苦杯をなめ、ジェイク&岩本の最強タッグは準優勝で終わった。それでも息の合った完成度の高い連係を連発し、岩本はヘビー級相手に白星をもぎ取るなど世界ジュニア王者としての存在感を示した。暮れの祭典は無念の結果に終わったものの、最強タッグにおける二人の戦いぶりは、2021年の巻き返しを予感させるものだった。
【試合後の宮原&青柳】
▼宮原「青柳優馬&宮原健斗組が優勝だ」
▼青柳「やったぜ。ジェイク・リーから取った! ざまあみろ! OK。今日の世界最強タッグ優勝を皮切りに、俺たちNEXTREAM大復活ということでよろしいでしょうか?」
▼宮原「OK!」
▼青柳「そして、優勝したからには、次、マスコミの皆さんはおわかりでしょう。今、暴走大巨人が持つ世界タッグに俺たちNEXTREAMが挑戦する。そして! もうひとつ、諏訪魔が持っているあの三冠のベルト、俺が挑戦しても文句はないでしょう。文句があるヤツ、誰かなんか言ってこい。なんでもいいよ。文句言ってこいよ。全部無視してやるからな。俺は聞かねえよ。諏訪魔の持つ三冠のベルトも、世界タッグのベルトも持って、この俺、青柳優馬が25歳、たぶん最年少の5冠王になってみせようじゃありませんか」
▼宮原「最年少? 俺じゃねえか、記録持ってんの」
▼青柳「それをさらに俺が塗りかえて、5冠も獲ってやるって言ってんだ」
▼宮原「微妙、空気が」
▼青柳「でも、記録は塗りかえてこそだ」
▼宮原「スゲエ微妙」
▼青柳「26歳のあんたには負けねえぞ、俺」
▼宮原「怖え。今どき」
▼青柳「諏訪魔からベルトを全て奪ってやる。以上」
▼宮原「凄い。今日、リング上でマイクを持ってたけど、自分のレスラーというものをもう作り上げているね。あんな全日本プロレスらしくないレスラーは初めて見たよ。あんなファンにドSな発言をして、『顔を見せろ』とまで言うレスラー、そんな陰湿なヤツいたか? ファンの皆様はプロレスを見に来ているのに、顔を見せろという言いぐさが俺には理解できない。マイクもやりづらいし、正直、これはスゲエタッグになるかもしれない。そろそろNEXTREAMとは別で、宮原健斗の無冠の姿を日本全国の皆さんはもう見飽きたんじゃないかなと。俺は日本全国を回って、それを感じているから。今日は優勝した。この2020年、唯一の勲章だ。この勲章とともに、2021年のスタートダッシュを切るべく、新年早々タイトルマッチを組んでくれ。2020年は無冠の年だった。もうこんな年は訪れないかもしれない。宮原健斗が無冠はやはり似合わない。俺はそう感じた。俺がこのプロレスというジャンルでやらなきゃいけないことはたくさんある。俺はこの2020年でそれを感じたから。このトロフィーとともに年を越して、2021年のスタートダッシュを切ろうかなと思ってますよ。どうですか?」
▼青柳「いきましょう。相方が無冠じゃかわいそうなんで、僕もちょっと一肌脱いでやります。頑張りましょう」
――去年も組んで出場したが、1年前とは比べものにならないぐらい青柳選手が変わったというのが優勝への大きな原動力になった?
▼宮原「間違いないでしょう。8割ぐらい、青柳選手が掴んだものでしょう。俺はタッグはごめんだからね。俺はさ、ひとりが好きだから。協力することは嫌いだから。でも、これだけの品質だったら、なんかいいんじゃないでしょうか。タッグに無縁だった男がタッグを獲るということは、青柳選手はなにかいいものを持っているんじゃないでしょうか」
▼青柳「世界タッグを狙うんだから、ちょっとは協力してくださいね、次は。よろしく頼むよ」
――今日の相手は同世代のジェイク&岩本組だったが、若い世代で最後にあれだけの試合ができたことについては?
▼宮原「ぶっちゃけこのカードが発表された時、もうこれぞ全日本プロレスを見せないといけないって優勝と同じぐらい感じてたので。それを見せる戦いはできたんじゃないかなと。それを広げる作業をこれから宮原健斗はしていかなきゃいけない。まあ、この4人でしかできない戦いができたとは思いますね」
▼青柳「昔から実は勝ったことのない2人だったんで、メチャクチャ超気持ちいいです。もうなんも言えねえって感じで。最後に言いたいことは、ざまあみろと。あの2人、ざまあみろと。それだけですね」
※ジェイク&岩本はノーコメント