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12/27【DDT】秋山がD王制覇、現3大王座は「IWGP、GHC、そしてKO-D」 王者・遠藤と頂上決戦へ

『D王 GRAND PRIX 2021 the FINAL!!』東京・後楽園ホール(2020年12月27日)
「D王GRAND PRIX 2021」優勝決定戦 ○秋山準vs竹下幸之介×

 秋山がリベンジに燃える竹下を返り討ちにしてD王GP初制覇。「このプロレス界には認められたシングル王者は3人。IWGP、内藤哲也。GHC、潮崎豪。そしてKO-D、遠藤哲哉」と日本プロレス界の現3大王座を定義し、来年の2・14川崎でその一角を担う遠藤との頂上決戦に臨むこととなった。

 今年で4回目となるシングルリーグ戦・D王GPの決勝は、ともに4勝2敗でブロック突破を果たした秋山と竹下が争うことになった。両者は11・3大田区で一騎打ち。敗れた竹下にとっては雪辱戦となったが、秋山が再び高い壁として立ち塞がった。

 竹下はD王GP初戦の佐々木大輔戦(11・22後楽園)で左腕を負傷。公式戦では攻め込まれる場面が目立ったが、秋山もそれを見逃さなかった。竹下はあえてテーピングをせずに試合に臨んだものの、秋山はハンマーロックで固めたまま鉄柵や鉄柱に叩きつけて先制。さらに、エプロンから鉄柵めがけて腕へのカーフブランディングを敢行すると、その後も腕へのドラゴンスクリューやショルダーアームブリーカーなどで攻め立てて大ダメージを与えた。

 エグい攻撃の連続に何度もうめき声を上げた竹下だったが、秋山のランニングニーをキャッチすると、ドラゴンスクリューで切り返し、右ヒザ攻めで決死の反撃に転じる。場外では秋山を抱え上げ、右ヒザから鉄柱に叩きつけると、鉄柵を使ったレッグロックやエプロンでのドラゴンスクリュー、低空ミサイルキックと一点集中攻撃を展開。本家・秋山にブルーサンダーを決めると、アンクルホールドに絡め取った。さらに、逆回転ドラゴンスクリューから足4の字固めに捕獲する。

 猛攻を耐え抜いた秋山は、不意を突く脇固めで逆転。たまらず場外に転落した竹下をすぐさまリングに押し戻すと、激しいエルボー合戦で火花を散らす。竹下の動きを完璧に読んだ秋山はエクスプロイダーで投げ飛ばすと、痛む右ヒザで後頭部にランニングニーをぶち込み、再度エクスプロイダーを決めた。

 粘る竹下は即座に立ち上がり、投げ捨てジャーマン、ローリングエルボー、ローリングラリアットで反攻。秋山に雪崩式ブレーンバスターで引っこ抜かれても、再び立ち上がり、ラリアットを連発した。秋山は仁王立ちしたものの、竹下は3発目で浴びせ倒すように押し切る。さらに、パワーボム、ランニングニーと猛ラッシュ。秋山に左腕を狙われても気にせず、強引にジャーマンスープレックスホールドでぶん投げた。秋山はギリギリで肩を上げると、竹下はクロスアームスープレックスの構えに。

 しかし、秋山は後方に頭突きを放って振り払い、チキンウイングアームロックに捕獲して絶叫。首を両足で挟み込んだ状態でなおも絞めに絞めると、松井レフェリーが危険と判断して試合をストップし、秋山がD王GP初制覇を果たした。

 竹下はギブアップしてないと松井レフェリーに抗議するも裁定は覆らず。悔しさをあらわにする。一方、大トロフィーを受け取った秋山はDDT参戦5ヵ月でシングルの頂点に立った。マイクを持って最初に口にしたのはDDT選手への思いだった。

 「DDTファンの皆さん、7月からレンタル移籍して、DDTの選手と精一杯戦いました。このD王、出ている選手もみんな素晴らしい選手です。どこにも負けるような選手はいません。みんな聞いてたら、自分でしっかり思ってくれ。DDT、誰もダメなヤツはいないから。俺はいろんな選手とやってきたけど、君たちは素晴らしい選手だ。本当にどこにいっても絶対に恥ずかしくない素晴らしい選手だ」。そうメッセージを送ったうえで、秋山は「でも、その素晴らしい選手の頂点が俺だ。D王GP王者として、技能賞を取った遠藤哲哉に挑戦させてもらうから」と予告した。

 D王GP覇者は、2021年最初のビッグマッチである2・14川崎でKO-D王者・遠藤に挑戦することが決まっている。秋山はD王GP公式戦(11・22後楽園)で遠藤に敗れており、リベンジする好機となる。

 秋山は「このプロレス界には認められたシングル王者は3人。IWGP、内藤哲也。GHC、潮崎豪。そしてKO-D、遠藤哲哉。プロレス界にはこの3人だけだよ」と現在の日本プロレス界における3大王座を定義し、「遠藤、1回負けてるけど、この勲章を持ってもう1回前に立たせてくれ」と宣戦布告した。

 最後に秋山は「高木社長。いないと思いますけど、僕をDDTに招き入れてくれて本当にありがとうございます。そして、選手、社員、関係者の皆さん、本当にありがとうございます。そして、DDTファンの皆さん、本当にありがとうございます。最後に全日本プロレスファンの方、ありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくった。

 バックステージでは、3大王座にKO-Dを入れた理由を「単純にプロレス大賞でMVPがIWGP、殊勲賞がGHC、技能賞がKO-D。残念ながら古巣の全日本は入ってなかったんで。でも、それが皆さんの今年の活躍した答えなんじゃないんですか? 今年はその中に遠藤哲哉が入った。その前に俺が立つ。来年になったらわからないですよ。今年はそういう評価。それは俺の評価じゃないです。皆さんの評価です」と説明した秋山。それだけKO-D王座の価値を理解しているからこそ、「プロレス界で認められた3本。そのひとつに挑戦するんで。覚悟を持って、そのチャンピオンベルトに恥じぬようにやりたいと思います」と決意をあらわにした。

 若い選手に囲まれながらもリーグ戦を制し、51歳にしてDDTマットで初の栄冠を手にした秋山。今日でDDTの年内興行は最後となったが、2021年は新春から遠藤との頂上決戦に向けて突き進む。

【試合後の秋山】
▼秋山「俺は何月から来てるんだ? ゲストコーチとして来て、7月からレンタル移籍として来て。で、チームにも支えられ、最後決勝戦の場に立てて。そして、優勝できました。もう勝者は2月14日にKO-Dに挑戦できるって決まっているんで、そこまではD王GP覇者としてしっかり努めて、遠藤哲哉の前に立ちたいと思います」

――ビッグマッチのメインでシングルのタイトルマッチに挑むのは久しぶりだと思うが?

▼秋山「久しぶりに気合いが入ると思いますよ。ただ、ビッグマッチでのシングル、そこに気負いはないです。今日もそうだし、いつもの力は俺のほうが出せると思うんで。もしかすると、ビッグマッチで俺に緊張なりなんなりがあるんだったら問題だろうけど、そこの緊張は俺にはないです。ただ、今日もそうだけど、やっぱり体調管理。それこそ僕は気管がそんなに強くないんで、そこはしっかり。気管が強くないと言っても葉巻吸うけどな(笑) でも、やっぱり風邪とかは引かないように、細心の注意を払ってきたし。もちろん今はコロナもあって。それはもう気をつけてきたし、2月14日もそうやって、まず自分の…相手がどうのこうのよりも自分の体調をしっかり整えて、チャンピオンの前に立てるようにしていきたいですね。さっきも言いましたけど、シングルのチャンピオン、プロレス界で認められた3本。そのひとつに挑戦するんで。覚悟を持って、そのチャンピオンベルトに恥じぬようにやりたいと思います」

――今までのプロレス界の評価だと、通常はKO-Dの無差別ではなく、三冠ヘビー級が3本に入ると思うが、秋山選手はあえて三冠ではなくKO-Dを挙げた理由は?

▼秋山「いや、プロレス大賞で賞に入ってないですから。皆さんが決めたんじゃないんですか。皆さんが決めて、三冠ヘビーよりもKO-Dのほうがってことじゃないんですかね? どうですか東スポさん? 俺は単純にプロレス大賞でMVPがIWGP、殊勲賞がGHC、技能賞がKO-D。残念ながら古巣の全日本は入ってなかったんで。でも、それが皆さんの今年の活躍した答えなんじゃないんですか? 東スポさん! どうなんですか? そうですよね? 僕は率直に、今年はその中に遠藤哲哉が入った。その前に俺が立つ。来年になったらわからないですよ。今年はそういう評価。それは俺の評価じゃないです。皆さんの評価です。特に東スポさんの評価です。だから、その3本のうちの1本に俺が挑戦できるってことで、本当に全力で獲りにいきたいと思ってます」

――戦前は「竹下選手の気持ち次第」という言葉があったが、その気持ちという部分はどう感じた?

▼秋山「メチャメチャ感じましたよ。メチャメチャ感じた。メチャメチャ感じましたけど、少しの差だと思いました。少しの差で。それはもう本当に、リング上でも言いましたけど、みんなに感謝してここまで来て、ここで負けたらやっぱり…。全日本に入った時も思ったんですよ。俺が入った時に、新日本はレスリングの優秀な人が3人入って、俺が(全日本に)入って、俺が変なことをしたら、変な戦いをしたら、馬場さんの顔に泥を塗るから、俺はしっかりしないといけないと思って。今回は全日本を離れて、高木さんに拾ってもらって。このオッサンがしょうもない動きをしてたら、高木さんの顔に泥を塗る。ちょうどそこに高木さんがいるんで。まあでも、本当にその気持ちで精一杯努めました。で、高木社長の『新日本に追いつけ、追い越せ』、あの言葉に俺は凄く燃えたし、俺もやらないといけないと思ったし…という答えですよ。DDTの全選手に言いたいですよ。さっきも言いましたけど、みんな素晴らしい選手で、現に俺は負けているし、2つ。出た選手はみんな素晴らしい。だけど、どっかで『俺たちなんか』ってあるかもわからない。でも、君らは凄いって。そこはもう、自信を持って、高木社長の言う『追いつけ追い越せ』に『俺も』だって。それは下の子も全員よ。岡谷君、今日デビューした小嶋君、全員そう。全員がそう思って、よし行こうって言ってもらいたいな。別に新日本がどうのこうのって悪いって言っているじゃないよ。新日本は遥か彼方にいる。だけど、そこに少しでも追いついて、追い越せるぐらいのところまでみんなで持っていければ最高じゃないですか。それが高木社長からの言葉だと思うんで」

――秋山選手個人としては久々となったシングルのリーグ戦で優勝したのはもちろん、完走したこと自体も大きいと思うが、得たものはある?

▼秋山「全部得ているから一番最後に立っていたと思うし。自信を取り戻しますよね。気持ちさえあれば動くんだと思うし」

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