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1/3【全日本】青柳最年少5冠ならず 諏訪魔が三冠V4、芦野と有観客で再戦へ

『2021 NEW YEAR WARS〜ReOStaff株式会社 presents〜』東京・後楽園ホール(2021年1月3日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○諏訪魔vs青柳優馬×

 青柳の史上最年少三冠&5冠王者ならず。諏訪魔が世界タッグ戦の借りを返して三冠王座4度目の防衛に成功し、次期挑戦者に芦野を指名し、有観客による再戦に合意した。

 最強タッグ公式戦で青柳に敗れた諏訪魔。2021年の幕開けとともに世界タッグ&三冠の新春タイトルマッチ2連戦に臨んだ。が、初日、宮原&青柳に敗れて世界タッグ、そして5冠から陥落。石川との暴走大巨人も解散に追い込まれた。

 リベンジと三冠戦の重みを叩き込むことを誓った諏訪魔は一夜明けたこの日、青柳とのV4戦に臨んだ。首攻めにあって先制を許したが。ここ一番にしか見せない延髄斬りで反撃し、スリーパーで絞め上げると、ダブルチョップを連打。急角度の逆エビ固めで捕らえ、ラリアット、抱え込み式バックドロップの猛攻で序盤は青柳を圧倒した。

 世界タッグ王者となった青柳も当然、引かない。ダイビングボディアタックを連発して巻き返し、エプロンDDT、エプロンからフェンスへのカーフブランディングと荒技を連発して再び諏訪魔の首を狙い撃ち。ジャーマンで追い討ちをかけ、諏訪魔がラリアットを振り抜いても、青柳はトラースキックを連射して譲らず。諏訪魔も王者の意地でラリアットを叩き込んで一矢報いた。

 ここから一進一退のせめぎ合いに突入していく。エルボー合戦をダブルチョップで諏訪魔が制すれば、青柳はローリングラリアットをかいくぐってロコモーション式ジャーマンで逆襲。エンドゲームで勝負に出たが、耐えた諏訪魔は串刺しラリアット、ジャーマン、ローリングラリアットの波状攻撃で押し返した。

 先に勝機を作ったのは青柳。パワーボム狙いをDDTで切り返し、諏訪魔を苦もんさせると、トラースキック、ロックスターバスターでたたみかける。そしてエンドゲームで一気に絞め上げてギブアップを迫ったが、耐えた諏訪魔は起死回生のバックドロップで逆襲。対角線を走ってのドロップキックを発射し、ストライクジャーマンで追い討ちをかける。粘る青柳がスピンキックで応戦しても、ラリアットで返り討ちにした諏訪魔はバックドロップを連発。それでも沈まない青柳にダメ押しとばかりにバックドロップホールドを爆発させてようやく3カウントを奪った。

 諏訪魔が青柳との激闘を制して三冠王座V3を達成。最強タッグと世界タッグの借りを返し、頂点の座を守り抜いた。試合後は首と右腕のしびれに顔をゆがめ、薄氷勝利を強調。「シングルプレイヤーとして、やっぱ急成長してるよ、あいつは。首をこんなに追い詰められると思わなかったな」と青柳を称えつつ、「今年一発目、青柳とやれて俺はよかった」と満足げに振り返った。

 現在44歳ながら全盛期を自負する諏訪魔は新世代勢の前に高い壁となって立ちはだかるつもり。そこで目をつけた男がいた。昨年6・30無観客試合で三冠戦を戦った芦野だ。「2021年、俺は新しい世代のヤツらを、どんなのが出てくるか注目してるから。その中で、ひとりだけさらに注目しているヤツがいる」と芦野を呼び込むと、リング上で対峙。「お前と三冠戦、無観客でやったよ。俺はその時の感覚が忘れられないし、まだまだ多くの人に俺は見てもらいたいと思ってるんだ、生で。だから、お客さんのいる前で、もう1回三冠戦やろうじゃないかよ」と次期挑戦者に指名した。

 「俺は正々堂々としたお前とやりたいと思ってるんだよ。お前の考えを聞かせてくれよ」。そう諏訪魔が返答を求めると、芦野も敬意を表したうえで「俺は全日本プロレスに参戦しているという、それはもうそのベルトを獲ることだけ、そのことしか考えてないです。だから正々堂々、三冠戦、お願いします」と呼応した。

 これで有観客による芦野との再戦が決定的となった。レスリング出身の共通項を持つ芦野との初対決で「無観客試合の時にやってみてさ、面白えなこいつっていうのは思った。ハートが一本筋通ってるんだろうなっていうのを強く感じる」と認めた諏訪魔は「リング上でもっとスゲェことをやれるんだろうなとは思ってる。だから、指名させてもらったんだよね。お客さんのいる前でね、なんとしても芦野との三冠戦はやりたい」と熱望。「あいつももっともっとぶん投げまくってくるだろうしさ。危ねえの知ってるから。あとはリング上で会話してえなと思ってますよ。当然、勝つのは俺だよ」と苦闘を覚悟しつつ豪語した。

 先日、DDTにレンタル移籍した秋山準が「このプロレス界には認められたシングル王者は3人。IWGP、内藤哲也。GHC、潮崎豪。そしてKO-D、遠藤哲哉」と発言した。かつて三冠ベルトをかけて何度も激闘を繰り広げた秋山に全日本の至宝ベルトを無視された形となったが、諏訪魔は「それは別に一意見だと思うしね。そこに俺はどうこう言うことはないですよ」と全く意に介していない。「俺は全日本プロレスを愛してるしさ、全日本プロレスのプロレスが一番だと思ってる」との自負があるからだ。「俺はまだ三冠のベルトの価値をどんどんどんどん上げていきたい」と誓う諏訪魔は1年後の全日本50周年も見据え、「それに向けてもさ、人生懸けたい」と覚悟を口にした。当然、その時まで頂点に立ち続けるつもりで、「俺の大好きな全日本プロレスが節目を迎えるタイミングにあるんだからさ。その時まで俺はチャンピオンでいたいよ。価値をどんどん上げたい」と宣言してみせた。

 諏訪魔はこれからも全日本愛を胸に、至宝・三冠王座をかけた戦いに誇りを持って身を投じ続ける。
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 青柳が諏訪魔の軍門に下ったものの、「歴史を作りますよ」と今回逸した史上最年少三冠王者&5冠王者達成を誓った。

 この日、昨年2月以来、11ヵ月ぶり2度目の三冠ベルト挑戦を果たした青柳。前日には宮原とのNEXTREAMで世界タッグ王座を初戴冠したばかりで、三冠最年少戴冠記録更新と最年少5冠王者誕生がかかった大一番となった。

 パートナー・宮原がセコンドとしてゲキを飛ばす中、青柳は首攻めで諏訪魔を苦しめ、ロックスターバスターでニアフォールに追い込む。そしてエンドゲームでギブアップ寸前まで迫ったものの、ラリアット、ドロップキックといった諏訪魔の猛反撃にあうと、最後はバックドロップ3連発に沈んだ。

 三冠初戴冠ならず。最年少5冠王者も達成できずに終わった。「5冠王、コンプリートできませんでした…。ああ、ダメだ。諏訪魔強え…。あれは人間じゃねえよ」と悔しさとともに諏訪魔という壁の高さを痛感した。が、25歳2ヵ月で、三冠最年少記録更新まで、まだ1年9ヵ月の時間がある。最年少5冠も同様で、青柳は「まだあるってことですよね、しばらくは。またやりますよ。僕が次に挑戦する時、チャンピオンが誰になっているかわからないですけど、またこのベルト持って、世界タッグ王者、そして三冠のベルトに届いたら5冠達成。歴史を作りますよ」と再挑戦の時を見据えて誓ってみせた。

 三冠獲りはならなかったものの、世界タッグは初挑戦・初戴冠をやってのけた。この新春タイトルマッチ2連戦は青柳にとって糧となるのは間違いなく、2021年の躍進への足がかりとなりそうだ。

【試合後の諏訪魔】
▼諏訪魔「よし、昨日の借りは返した。シングルプレイヤーとして、やっぱ急成長してるよ、あいつは。首をこんなに追い詰められると思わなかったな。昨日も落とされてるし、あいつは新しい武器を作ったというのはデカいよね。たださ、たぶんあいつと俺の差なんて、本当に微々たる気持ちだけだと思うんだよね。長年やってて、全日本プロレスに懸けてるから、こうして結果がこっちに傾いただけだと思う。あの勢いっていうのは凄いよ。あいつ今、何歳だ? 25? 俺、プロレス入ってないからね。入ってねえのに。俺、あの年の時にあんなのできないよ。プロレスに27で入った時、あんなできなかったもん。恐ろしいな。まだまだ伸びしろがいっぱいあるから、それは羨ましいよ。今年一発目、青柳とやれて俺はよかったなと思って。さっき言ったけど、今年は次の世代の、次世代の若い力というのかな。そういうのが出てくると俺は思ってんだよね、勝手にね。そこで、芦野っていうのは俺の中では気になったんだよね。無観客試合の時にやってみてさ、面白えな、こいつっていうのは思った。ハートが一本筋通ってるんだろうなっていうのを強く感じるし、レスリングがバックボーンで一緒だしさ。馳さんに誘われたというのもあるし。だから、リング上でもっとスゲェことをやれるんだろうなとは思ってる。だから、指名させてもらったんだよね。お客さんのいる前でね、なんとしても芦野との三冠戦はやりたい。それは俺の前からの願いなんだよ。あいつももっともっとぶん投げまくってくるだろうしさ。危ねえの知ってるから。あとはリング上で会話してえなと思ってますよ。当然、勝つのは俺だよ」

――秋山選手から「今の日本で認められているベルトはIWGPであり、GHCであり、KO-Dの3本」という発言があったが、今年一発目の三冠戦で意識した?

▼諏訪魔「いや、全然全然。俺は全日本プロレスを愛してるしさ、全日本プロレスのプロレスが一番だと思ってるしね、俺は。観に来ているお客さんがいるだけで、俺はまだ三冠のベルトの価値をどんどんどんどん上げていきたいと思う。それは別に一意見だと思うしね。そこに俺はどうこう言うことはないですよ」

――周りの評価を覆すためにも、諏訪魔選手がチャンピオンとして三冠戦で凄い試合を見せていく?

▼諏訪魔「うん。そうだね。全日本プロレス、俺も三冠でまだまだ最前線で突っ走っていきたいなと思うし、また50周年というのが来年控えているわけでしょ? それに向けてもさ、人生懸けたいなと思っているんでね。俺の大好きな全日本プロレスが節目を迎えるタイミングにあるんだからさ。その時まで俺はチャンピオンでいたいよ。価値をどんどん上げたいな」

――終盤の戦いを見ていると、ジャンボ鶴田さんに見えてきたが?

▼諏訪魔「鶴田さんは偉大ですよ。憧れますよ。あの人のスケール感とかね。到底敵わないんだけど、追求はしたいよねって僕は思います。全日本プロレスの偉大な先輩ですよ。大学のレスリング部の先輩でもあるし、それは背中を追いかけますよね」

――ジャンボ鶴田選手ができなかったことは下の世代をことごとく潰していくこと。その第一歩に今日はなったが、これからも潰していく?

▼諏訪魔「若いヤツが簡単に上に上がっていく風潮があるこのプロレス界だけど、全日本プロレスの若手っていうのはなかなか上がっていけねえなと。でも、それは厳しい先輩がいるから。俺も相当やられてきたしね。だから、それはやっぱ伝統だな、ていうふうにしたいな。あの時やられてよかったなって。どんどんやってやるよ、今年は。頑張りますよ」

【青柳の話】「(世界タッグのベルトを胸に抱き、後頭部を氷のうで冷やしながら)5冠王、コンプリートできませんでした…。ああ、ダメだ。諏訪魔強え…。あれは人間じゃねえよ。まあでも、まだ最年少5冠王者、そして最年少三冠ヘビー級王者になるチャンスはまだまだあるから。まだあと何ヶ月ぐらいありますか? あと何ヶ月ぐらいですか? 1年もないですか? ええと、26歳と11ヶ月だったから、ええと…計算できない。でも、まだあるってことですよね、しばらくは。またやりますよ。僕が次に挑戦する時、チャンピオンが誰になっているかわからないですけど、またこのベルト持って、世界タッグ王者、そして三冠のベルトに届いたら5冠達成。歴史を作りますよ。もうダメだ…。今日はしんどい…」

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