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1/4【新日本/東京ドーム】ヒロムが“覇者対決"でファンタズモを執念突破 ドーム2日目で石森に挑戦

『バルサン Presents WRESTLE KINGDOM 15 in 東京ドーム』東京ドーム(2021年1月4日)
○高橋ヒロムvsエル・ファンタズモ

 ヒロムがファンタズモの猛攻に遭いながらも、最後は執念で押さえ込んで勝利。“J-CUPvsSUPER Jr.覇者対決”を制し、ドーム2日目となるあす(5日)石森太二のIWGPジュニア王座に挑戦することになった。

 年末に開催されたSUPER Jr.を制したヒロム。新春のドームでIWGPジュニア王者・石森に挑むのが通例だが、「石森の前に、やんなきゃいけない、やらないと心がモヤモヤしてしまう、そんな相手がいるんだ」とアピールし、アメリカで行われたSUPER J-CUPの優勝者・ファンタズモとの“覇者対決"に臨んだ。

 ファンタズモはJ-CUP覇者の証“黄金のウィナーズジャケット"で股をふきながら入場。ヒロムはSUPER Jr.優勝トロフィーを片手に、カラフルな特別仕様のガウンで現れる。ゴング早々にファンタズモは場外でトロフィーを投げ捨て、ジャケットを見せびらかすが、ヒロムはエプロンからのドロップキックで奇襲。コーナー最上段からのダイビングセントーンアタックで先制した。しかし、ファンタズモもTIME BOMBは阻止し、ヒロムが得意とするサンセットフリップパワーボムで逆襲。トップロープ上を歩いてからのケブラーダも繰り出し、のっけから大技合戦に。

 ペースを掴んだファンタズモはケニー・オメガや中邑真輔などの動きを真似て挑発すると、足や手首、股間をしつこく踏みつけ、手の指を捻り上げる原始的な攻撃でヒロムを痛めつけた。手首を固めたまま、余裕タップリにロープの上をかっ歩する。

 ヒロムはその指に噛みついてなりふり構わず反撃。雪崩式カサドーラ、ダイナマイトプランジャー、ビクトリーロイヤルと大技を重ねる。だが、踏みつけられた手の指のダメージを引きずり、一気に畳みかけることはできず。飛びついたところを踏ん張られて、デュードバスターでマットに叩きつけられた。

 息を吹き返したファンタズモは、わざとレフェリーと交錯して無法地帯を作り上げると、容赦なく股間にパンチを浴びせ、コーナー最上段からの雪崩式フランケン、ダイビングボディプレスと猛攻。かつてのBULLET CLUBのリーダーたちを真似て、スタイルズクラッシュ、Vトリガーもさく裂すると、片翼の天使の体勢に。

 しかし、ヒロムは前方に丸め込んで間一髪回避。流れるような動きで抱え上げ、コーナーめがけてデスバレーボムを決める。TIME BOMBは丸め込まれて大ピンチを迎えるが、ギリギリでキックアウト。再び手を踏みつけられると悲鳴を上げたものの、CRIIをウラカンラナで切り返して丸め込み、死力を尽くして押さえ込んで執念で勝利をもぎ取った。

 逆転勝利で覇者対決を制したヒロム。「つまんねえ試合をしちまった」とつぶやいたが、あすドーム2日目での石森戦に駒を進めることになった。J-CUP覇者をも飲み込んだSUPER Jr.覇者として、IWGPジュニア王者の前に立つヒロムは、石森から「お前、ギリギリで勝ったな!」と嘲笑されたものの、見据えるのは「絶対勝ちます。それしかないでしょう。それ以外の言葉、聞きたいですか? 聞きたくないでしょう」と勝利の2文字のみ。コロナ禍にあってプロレスを存分に楽しめないファンの思いを少しでも晴らすためにも、「全ストレスを取り除いた上で、俺がチャンピオンになる。『BEST OF THE SUPER Jr.27』覇者、そしてIWGPジュニアヘビー級チャンピオンになるのは、この俺だ」と誓っていた。

【試合後のヒロム、石森】
※スーツ姿でベルトを肩にかけた石森が先にインタビュースペースにやってくる

▼ヒロム「あーっ、クソッ!」

※石森は拍手で迎え入れる

▼ヒロム「これはこれは、チャンピオン様じゃないですか」

▼石森「おお! 明日、俺の相手はヒロムになったか。だいぶ、ファンタズモにやられてたけど。てか、お前、ギリギリで勝ったな!(笑) ま、俺が明日、トドメを刺すってことだな」

※石森がマイクを置いて立ち去ろうとすると

▼ヒロム「言いたいことだけ言って帰るんですか? 言いたいことだけ言って終わりですか? まぁ、俺のマイクも聞いていってくださいよ。石森さん、あなたと東京ドームで思いっきり戦えることをとても大変うれしく思います。あなたも同じでしょ? ホントは俺とバチバチやり合いたかったんじゃないですか? どうでしょう、マイクを渡した方がいいですか?」

▼石森「あぁ、俺はファンタズモとやりたかったなぁ」

▼ヒロム「残念ながら、その願いは叶わなかったようです。それでは明日楽しみにしていてください。『BEST OF THE SUPER Jr.』覇者、現IWGPジュニアヘビー級王者、どちらが強いかハッキリさせましょう。楽しみに待ってます。お帰りください」

※石森は満面の笑みを浮かべながら退出

▼ヒロム「あぁ……東京ドーム第1試合、クソみたいな試合になっちまったな。何かは分からない。何かは分からないが、この戦い、全くフェアじゃなかったぞ。分かんねぇだろ。見てる方には分かんねぇよな。俺だって必死にそれが何なのか確かめたく、試合しちまったからな。でも、アイツは何かしてるぞ。ハッキリ言っといてやるからな。世界中の人間が見てるだろう。世界中の人間がこの試合を見ただろう。アイツは何か反則をしている。調べてくれ。(※報道陣に)何か質問があるんですか?」

──その“何か"というのは具体的に、ヒロム選手の中では何なのか分かってるんですか?

▼ヒロム「それが何か分からないから、あれだけ試合中、試合後、レフェリーにチェックしろと、体をチェックしろと言っていたんですが、それでも分からなかった。何があったのか分からない。ただ、フェアな試合じゃなかった」

──改めて明日のタイトル挑戦への意気込みを

▼ヒロム「絶対勝ちます。それしかないでしょう。それ以外の言葉、聞きたいですか? 聞きたくないでしょう。ストレス溜まってんだよ! こっちだって毎日毎日、こんなつまらない世界でストレス溜めてんだ! 見に来てるお客さんだってストレスが溜まって仕方ねぇだろう! だったらプロレスにぶつけろ! プロレスに思いっきりストレスをぶつけろ! 俺たちがそれを全て、きれいサッパリ発散させてやる。そんな試合を俺と石森ならできるでしょう。そしてみんなも楽しみにしてるでしょう。明日はそのストレスを、全ストレスを取り除いた上で、俺がチャンピオンになる。『BEST OF THE SUPER Jr.27』覇者、そしてIWGPジュニアヘビー級チャンピオンになるのは、この俺だ」

【ファンタズモの話】「俺の人生最大のショーで、とんでもない侮辱をされたもんだな。お前はずっと俺のシューズの中に何か入っていると言い続けていたが、お前に一つ教えてやろう。俺は3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月までずっとスーパーキックとストンピングを練習し続けていたんだ! そして最強のスーパーキックの開発に時間を費やしてきたんだ。だから俺のキックには仕掛けなど一切ない! 俺の顔にズームして、よく見てくれよ。お前は俺の口をこじ開けて、ずっと何か言っていたが、逆にお前もブーツの中に何か仕込んでいたんじゃないか? そう思うと本当に悔しいよ。本来なら俺は今日、この試合に勝って『WRESTLE KINGDOM』のDay2で俺の親友であり、IWGPジュニアヘビー級チャンピオンである石森と試合ができるはずだった。でも、そうはいかなかった。しかもこんなに無理矢理に口をこじ開けられ、ひどい状態だ。今夜一晩、俺は眠れずにずっと考え続けているんだろう。『もし俺のスーパーキックがアイツに当たっていれば』と。まぁでも幸運を祈るよ。お前は持ちうる限りの運を使い果たしても、明日の試合に勝てるかどうか分からないからな。ありがとう」

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