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1/4【新日本/東京ドーム】30周年・小島を返り討ち KENTAがUS権利証“防衛"でついにモクスリー戦へ

『バルサン Presents WRESTLE KINGDOM 15 in 東京ドーム』東京ドーム(2021年1月4日)
IWGP USヘビー級王座挑戦権利証争奪戦 ○KENTAvs小島聡×

 デビュー30周年の小島を返り討ちにしたKENTAがUS王座挑戦権利証を"防衛"。王者ジョン・モクスリーとの対戦が決定的となった。

 KENTAは当初ジュース・ロビンソン相手に権利証争奪戦を行う予定だったが、ジュースが眼窩底骨折で欠場に。代わって、今年30周年を迎える50歳のベテラン・小島が名乗りを挙げ、急きょ対戦相手が変更になった。

 果てなき(?)権利証防衛ロードが続いてきたKENTAだが、ついに試合前のビジョンにUS王者ジョン・モクスリーが登場。「ついにお前たちの前に帰ってくるぞ。東京ドームのあとに権利証を持っている男は覚悟しておけ、俺は準備ができている」と勝者の挑戦を受けることを宣言した。

 デビュー30周年イヤーで、いきなり千載一遇のチャンス到来となった小島は、同じく今年でデビュー30周年の盟友・天山とともに入場。一方の“保持者"KENTAは、赤いブリーフケースを片手に単身花道を歩いた。

 KENTAは小島と組み合わず、のらりくらりと試合を展開。場外に降りると、セコンドの天山に「帰れ」と言い放つ。リングに戻ったところで小島に奇襲を受けて先制を許すも、再び場外戦に持ち込むと、テンコジを正面衝突させて主導権を奪取。首攻めでリズムを掴んだ。その後もしきりに天山に「お前、関係ねえだろ! 黙れ」などと罵声を浴びせる。

 それでも懸命に声援を送る天山の気持ちに応えようと、小島はモンゴリアンチョップ連打で反撃。マシンガン逆水平で手拍子を巻き起こすと、「いっちゃうぞ、バカヤロー!」と雄叫びを上げる。ダイビングエルボーには繋がられず、雪崩式ブレーンバスターでぶん投げられると、KENTAはお株を奪う「いっちゃうぞ、バカヤロー!」からダイビングラリアットを発射。それでも気持ちで引かない小島はエプロンでのDDTで大ダメージを与えた。

 KENTAも串刺し顔面低空ドロップキックやダイビングフットスタンプなど得意技で反撃。ならばと小島はコジコジカッターから右腕のサポーターを投げ捨ててラリアットを狙ったものの、KENTAはパワースラムで鎮圧する。そして、アタッシュケースを投入。浅見レフェリーを突き飛ばしてケースを振り上げたものの、小島は剛腕で吹き飛ばすと、左腕ラリアットをKENTAにぶち込んだ。

 そして、正調ラリアットを仕掛けるも、読んだKENTAはブサイクへのヒザ蹴りをカウンターでズバリ。粘る小島はローリングエルボーから再びラリアットの構えに入るが、KENTAはクロスカウンター式掌底で迎撃。再びヒザ蹴りを唸らせると、必殺のgo 2 sleepでカチ上げて、一気に試合を制した。

 KENTAが小島を下してUS王座挑戦権利証を死守。ようやく王者モクスリーとの対戦が決定的となり、試合後は「ジョンモクのVTR見た? カッコよすぎんだろ、何だあれ。誰もアイツが戻ってくること望んでない……いや、メチャクチャ望んでたっつぅの」、「俺、これ永久に守るから。お前が俺とやりたかったら、お前が挑戦してこいよって言いたいとこだけど、俺、挑戦するぅ。勝ったから喜んで」とKENTA節を全開。「次、決まってんでしょ? 行くよ? やるよ? 来るの? やるよ、いつでもどこでも! 本当に俺がシンプルに何が言いたいかっていうと、『普通にやっと挑戦できてうれしい』ってこと」とモクスリーへの挑戦が待ちきれない様子だった。

【KENTAの話】「(※権利証のケースを机に置くと、報道陣に)はい、起立! 気をつけ! 礼! (※報道陣、頭を下げて一礼)はい、着席。見た? ジョンモクのVTR見た? カッコよすぎんだろ、何だあれ。誰もアイツが戻ってくること望んでない……いや、メチャクチャ望んでたっつぅの。(※机を小刻みに叩きながら)メチャクチャ望んでたっつぅの! えぇ!? で? 『この試合に勝ったヤツとやってやる』? いやいや、俺『やる』なんて言ってねぇよ、ひと言も。コレ! (※と権利証のケースを指して)俺、これ永久に守るから。お前が俺とやりたかったら、お前が挑戦してこいよ。お前、何回防衛してんだよ。それよりも俺はこれ防衛してっから。今日のキジマだって、年齢感じさせないぐらい頑張ったじゃねぇかよ。でも、俺のレベルじゃねぇんだよ。挑戦したかったら、お前がこれに挑戦してこいよ。って言いたいとこだけど、俺、挑戦するぅ。勝ったから喜んで。次、決まってんでしょ? 行くよ? やるよ? 来るの? やるよ、いつでもどこでも! 本当に俺がシンプルに何が言いたいかっていうと、『普通にやっと挑戦できてうれしい』ってこと。はい、起立! 気をつけ! 礼! (※報道陣、頭を下げて一礼)はい、解散!」

【小島の話】「(※フラつく足取りでインタビュースペースにたどり着き)昨年の12月23日にジュース・ロビンソン選手の代打を請け負って、そこからKENTAに挑戦表明し、約2週間、とても濃密な、自分にとってかけがえのない時間を過ごすことができました。ジュースのケガはとても心配だし、ずっと『早く治してほしい』と願っています。だけど、俺に巡ってきたこの機会はやはり逃したくはなかった。あえて“チャンス"とは言わない。別に人のケガをチャンスなんて思いたくないから。ただ、そういう機会がたまたま俺のところに回ってきた。だから、そういう機会を逃さないようにやってこそ、長いキャリアを持っているプロレスラーだと、そう思って今日の試合に臨みました。ですが、そんなに甘くない。だからこそ、甘くないから、今日までずっと夢中になってプロレスを続けてきたんだと、そう思ってます。そんな簡単に物事が運んだら、こんなにつらい思いで、厳しい気持ちでプロレスを続けてはいなかったと思います。いいこともいっぱいあるけど、たぶんその何倍も大変なこととか、つらいこととかの方が多いと思う。どのプロレスラーも、そういうレスラー人生を送っていると思う。だから俺みたいにとても長いキャリアの人間はそういう頑張れば報われるというところを見せたかった。たくさんいるプロレスラーの人に。そういう姿を見てもらいたかった。そしてこんな俺にも、いろんなことを重ね合わせて応援してくれるファンの方にも、そういう姿を見せたかった。たとえプロレスラーじゃなくても、サラリーマンでも、その他の仕事でも、俺と同じぐらいの年齢で、俺と同じぐらいのキャリアで、様々な悩みを抱えている人間の、その代弁者となって、俺は今日の試合に勝ちたかった。だけど、甘くないからこそ、また明日から頑張ろうと、思っています。すげぇありがたいプロレス人生だよ。30年迎えるにあたって、こんなかけがえのないパートナー(天山)が試合前に『セコンドついてやるよ』って言ってくれる、そんないいプロレス人生ねぇだろって、俺は思ってるから。だからもうちょっと俺のやれること、できることを、信念を持って続けていきたいと思います。ありがとうございました」

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