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1/4【新日本/東京ドーム】オカダがレインメーカー解禁 オスプレイとの35分超激闘制す

『バルサン Presents WRESTLE KINGDOM 15 in 東京ドーム』東京ドーム(2021年1月4日)
○オカダ・カズチカvsウィル・オスプレイ×

 オカダがレインメーカーを解禁し、オスプレイとの35分を超える激闘を会心の一撃で制した。2021年を“オカダの年"とするつもりで、二冠戦線への参入と頂点返り咲きを誓った。

 昨年10月、オスプレイは新日本を支配すべくオーカーンと結託し、THE EMPIREを結成。コブも加入し、その猛威はとどまるところを知らない。11・7大阪大会でオーカーンがオカダの軍門に下ったものの、この日、オスプレイが年明け早々、オカダ狩りに臨んだ。両者は昨年10・16両国のG1公式戦以来の再戦。オーカーンの介入によって敗れているオカダは裏切り者・オスプレイに報復を遂げるべくドームのリングに立った。

 のっけからエルボー合戦で火花を散らし、スピーディーな攻防からランニングバックエルボーを叩き込み、DDTで突き刺すと場外ダイブで先手を取った。そのまま勢いに乗りたいところだったが、オスプレイに逆転を許して劣勢に。バックブリーカーやキャメルクラッチなどで腰を徹底攻撃された。

 オカダはショルダースルーやフラップジャックと長身を活かした攻撃で反撃のアクセルを踏んだものの、オスプレイのスワンダイブ式エルボーを食らって急ブレーキがかかってしまう。それでもスワンダイブ攻撃を読んでヘビーレインを敢行。コーナーに上がったオスプレイをドロップキックで場外に転落させ、場外戦での読み合いも正面飛びドロップキックで制して優位に立った。

 だが、オスプレイもコーナーに乗せての顔面へのトラースキックで流れを変える。変型リバースDDT、死角からのトラースキックで一気呵成。オカダが後頭部にドロップキックを見舞っても、目まぐるしい読み合いから放ったオカダのドロップキックをライガーボムで撃墜。場外戦でもテーブル上でのブレーンバスターを敢行し、ドームにどよめきが起こった。

 すかさずオスプレイはダイビングエルボーをオカダの後頭部に突き刺し、豪快なパワーボムで叩きつけたが、エプロン上でのオスカッター狙いはオカダが阻止。ツームストンパイルドライバーで硬いエプロンに突き刺して流れをつかんだ。ラリアット、ドロップキック、旋回式ツームストンでたたみかけると、マネークリップで勝負に出る。セコンドのビー・プレストリーがエプロンに上がってもオスプレイを衝突させて返り討ち。改めてマネークリップで絞め上げた。

 耐えたオスプレイだが、グロッギー寸前。怒声を上げて挑発したオカダは感情的にストンピングを連発すると、コーナーに上がったが、オスプレイも死力を振り絞ってスパニッシュフライで叩き落として逆襲。マネークリップに捕まりかけても振り解き、ローリングエルボー、オスカッターで一気に逆転を狙う。容赦なく顔面を何度もストンピングで踏みつけ、後頭部にローリングエルボーを突き刺した。

 オカダもヒドゥンブレイド狙いをカウンターのドロップキックで迎撃して譲らない。ラリアットからマネークリップで捕獲。耐えたオスプレイがツームストンパイルドライバーから掟破りの逆レインメーカーを敢行しても、オカダは3カウントを許さない。ストームブレイカーを食い止め、開脚式変型パイルドライバーで逆転すると、満を持して解禁したレインメーカーを叩き込み、大喜びのファンが思わず歓声を上げる中、3カウントを奪った。

 オカダが激闘の末にオスプレイを撃破。しかも封印し続けてきたレインメーカーの禁を解いた。「お年玉ですよ、僕から」と表現したが、「あのオスプレイのレインメーカーがなければ、今日のレインメーカーもなかった」と振り返ったように、それだけ追い込まれたことの裏返し。「今まではやっぱり兄弟というような感じでしたけども、対等に向き合って試合ができた」と改めてオスプレイを認めたオカダは「今までのオカダvsオスプレイっていうのは、ここまでの序章に過ぎないから、これからどんどんどんどん、すごい戦いが2人で行われていくと思います」と続きを見据えた。

 1年前はIWGPヘビー級王者としてドーム2連戦に臨んだものの、2日目にIC王者・内藤に敗れて陥落。以降、二冠争いから遠ざかったまま2021年を迎えた。「2020年にそこに行けなかったのは、僕がふがいなかっただけ」と話したオカダは、2021年を“オカダの年"とするつもり。「去年の1・4、1・5の僕を抜いた3人が主役のような形になってますから、僕だけ置いてけぼり食らってますんで。そこにしっかりと入っていけるように、追い越せるようにしていきたい」と二冠戦線への参入と頂点返り咲きを誓っていた。

【試合後のオカダ】
▼オカダ「(※疲れ切った表情と足取りでインタビュースペースにやってくると、机に座ってもまだしばらくはつらそうな表情を浮かべていたが、マイクを持ち)無事に、新年が明けたような気がします。やっぱりプロレスラー、プロレスファンもやっと1・4で新年でしょう。いやぁ……手強かった……強かった、ウィル・オスプレイ。いいんじゃないの、俺を裏切って正解だったんじゃないの。今日の戦いを見て、誰も『オスプレイ、何で裏切ったの?』って思わないでしょう。こういうプロレスラーになりたいから、こういう戦いがしたいから裏切ったんじゃないかなと思いますし、まぁ裏切ったところで、そんなに簡単にプロレス界のトップ線戦には行けないですから。俺がね、東京ドームで棚橋弘至を倒すのに、何年かかったと思ってるのか。けっこう長いことかかったよ。そういうのも、オカダとウィル・オスプレイの戦いの歴史の一つとして作っていけたらいいんじゃないかなと思います。まぁ、やっと今日でオカダvsオスプレイ、今まではやっぱり兄弟というような感じでしたけども、対等に向き合って試合ができたんじゃないかなと思います。リング上でも、オスプレイには俺の気持ちっていうのは伝えさせてもらったんで、気になる人は何とかして……別に俺がここで言うことがカッコいいと思ってないですから。ただ、俺とウィル・オスプレイ、2021年1月4日からスタート。今までのオカダvsオスプレイっていうのは、ここまでの序章に過ぎないから、これからどんどんどんどん、すごい戦いが2人で行われていくと思います。ありがとうございました」

──35分を超える戦いで、最後の最後に、ついにレインメーカーが出ました。

▼オカダ「そうですね。まぁ、レインメーカーと言っときながら、今日も金の雨は降ってないですし、お年玉ですよ、僕から。でも、今日は本当につらい攻撃も多い中で、しっかりと立ち上がる姿ってのは見せることができたんじゃないかなと思いますし、やっぱりこういうコロナ禍の中で少しでもね、元気になってもらわないと、僕たち戦ってる意味がないと思いますので、元気にしたり勇気を与えられるような、試合をしてですね。その中でも、やっぱりこういう状況でもこれだけのお客さんが来てくれて、声も出せない中、しっかりと応援もしてもらって、僕たちもパワーはだいぶいただいてるんで、そこはしっかり返していきたいなと思います。ホントにプロレス関係者の皆さんもそうですし、ファンの人たちにもホントに、こういう状況でも無事にこうやって大会ができて、ありがとうございました。まぁちょっと、棚橋弘至っぽいんで、やめときます(笑)」

──途中、マネークリップで仕留められず、逆にオスプレイ選手のレインメーカーを受けた時には、どういう気持ちでしたか?

▼オカダ「その前にだいぶ、強烈なものを食らってましたけど、あのオスプレイのレインメーカーがなければ、今日のレインメーカーもなかったと思いますし。ただやっぱり、マネークリップ、今日は決めることができなかったので、そういう意味では、またしっかり新しいものを考えて、マネークリップで決められるようにやっていきたいなと思います」

──オカダ・カズチカの2021年はどういう年にする予定?

▼オカダ「まぁ……“オカダの年"。ホントに僕が中心になって、プロレスを見てる人もオカダの戦いで熱くなってもらいたいですし、プロレスを知らない人にも僕を知ってもらって、またプロレスに引き込んでいってですね、プロレスのよさを知ってもらいたいですし。だから、やっぱり2020年はあまりいい結果も残せなかったですし、なので今年は“オカダの年"にして、この『新日本プロレス・ワールド』も世界中に配信されてるわけですし、どこでも見ることは可能なので、僕の戦いであったり新日本プロレスの戦いを世界中にお届けして、日本も世界も元気にしていきたいと思います」

──今日でちょうどオカダ選手の腰からベルトがなくなって365日になります。ベルトがない1年間はどうでしたか?

▼オカダ「慣れましたね。今まではずっと1年間(ベルトが)なかったということは、帰ってきてからはなかったんじゃないかなと。僕が忘れてるだけかもしれないですけど。まぁ、やっぱ淋しいですよ。やっぱりベルトを持って最後に入場してくるからこそ、チャンピオンのすごさっていうのは伝わると思いますし、外の世界に出て行っても、チャンピオンの影響力っていうのはありますし。ただ、まぁ2020年にそこに行けなかったのは、僕がふがいなかっただけだと思いますし。今年はしっかりと、その戦いに加われるように。ホントに、まぁ今年の1・4、1・5と、去年の1・4、1・5の僕を抜いた3人が主役のような形になってますから、僕だけ置いてけぼり食らってますんで。そこにしっかりと入っていけるように、追い越せるようにしていきたいなと思います。ありがとうございました」

※オスプレイはノーコメント

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