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1/18【新日本】異例の空席風景に「悔しさ」と「愛」叫ぶ 棚橋NEVER獲りへ“ネバーギブアップ"宣言

『Road to THE NEW BEGINNING』東京・後楽園ホール(2021年1月18日)
○棚橋弘至&マスター・ワトvs鷹木信悟&BUSHI×

 新日本としては異例の空席が目立つ聖地・後楽園ホールで「悔しさ」と「愛」を叫んだ棚橋が、NEVER王座獲りへ向けて、“ネバーギブアップ"を宣言した。

 近年、好調を維持する新日本プロレス。後楽園ホールのチケットは“プレミア化"することもあり、満員の観客が当たり前の風景となっていた。しかし、コロナ禍で状況が一変。特に今日は客席50%以下、20時以降の外出自粛が要請される緊急事態宣言下の平日とあって、動員発表は396人。空席が極めて目立ち、現・新日本としては“異例の風景"が広がった。そんな中で、メインに立ったのは現在の新日本を作り上げた立役者・棚橋。1・30名古屋で対戦するNEVER王者・鷹木との前哨戦に臨んだ。

 序盤から鷹木に執ように奇襲を受け、パートナーのワトのローンバトルも続き、フラストレーションを溜め込んだ棚橋。それでもようやく鷹木と対峙すると、いきなりドラゴンスクリューからテキサスクローバーホールドに捕獲して場内を沸かせる。後半で再び鷹木と対峙するとさらにヒートアップ。鷹木がお株を奪うツイスト&シャウトを決めれば、意地になって同じ技を繰り出し、ショートレンジパンピングボンバーを仁王立ちで受け止めると、スリングブレイドでお返し。鷹木も負けじと再びパンピング弾をぶち込んで両者大の字になると、場内は満員さながらの大きな拍手に包まれた。

 試合を決めたのも棚橋だ。BUSHIを一気呵成に攻め立てると、ワトがスワンダイブ式エルボースマッシュで鷹木を分断して好フォロー。ここが勝機と、棚橋はBUSHIにスリングブレイドを決めると、コーナーを駆け上がる。そして、「どうしても決めたかった」というハイフライフローで熱戦を締めくくった。

 試合後、マイクを持ち、「皆さん今日はありがとうございました」と四方の観客に頭を下げた逸材は、「うーん、でもさ、悔しいよね。悔しいです。でもさ…でもね…でも、今日この後楽園ホールを俺は絶対に覚えておきます。絶対に。みんなもあの時、後楽園ホールにいたんだって誇れる日にします」と吐露。コロナ禍の影響とはいえ、現状への“悔しさ"をあらわにした。

 そんな状況だからこそ、かつて苦境が続いた新日本を“復活"へと導いた象徴的な技・ハイフライフローに最後はこだわった。「ハイフライフローを飛び続けてきた僕の記憶、それは新日本プロレスを盛り上げてきた記憶そのものだから。だから、今は我慢して、我慢して、悲しみも苦しみも悔しさも全部エネルギーに変えていきます」と観客の前で誓ってみせた。

 通常なら観客との“コール&レスポンス"で成立する棚橋劇場だが、声援禁止なだけに、今宵は棚橋自ら「棚橋最高」コールを叫び、観衆も必死に手拍子に強弱をつけて後押しした。ワトとの“ツインエアギター"を披露し、普段通りにアンコールにも応えた。そして、最後に「ちょっくらNEVER獲ってきます」と鷹木戦での勝利を予告すると、「じゃあ、最後に会場の皆さん、そしてワールドをご覧の皆さん、愛してま〜す!」と感極まった表情で“愛"を叫んだ。

 バックステージでも「ボロボロでも、毎日、生き続けた記憶が、きっと俺を支えて、つらい状態を切り抜ける、一つのエネルギーになるから」と自らに言い聞かせるように語った棚橋。最後は「NEVER! “NEVER GIVE UP"、“NEVER TIRED"。諦めない、疲れない! 今、NEVERを獲って一番意味のある行動ができるのは、俺だと思ってます。だから、NEVERだけに…“ネバ"ります!」と笑顔で締めくくった。

 緊急事態宣言も各地に広がり、新型コロナ禍がいつ落ち着くのかいまだに見えてこないのが現状。プロレス界でもしばらくは厳しい状況が続くだろう。それでも棚橋は前向きに「ネバーギブアップ」の精神で、これまでと変わらずプロレス界を明るく照らしていく。


【試合後の棚橋&ワト】
▼ワト「BUSHI! BUSHIにひと言。『BEST OF THE SUPER Jr』の借りは必ず返させてもらう。必ずお前から3カウント、俺がキッチリ取ってやる。必ず借りは返す」

▼棚橋「(※少し離れたところに座って見ていたが)ワト!」

▼ワト「棚橋さん、ありがとうございました」

▼棚橋「もっと生意気になっていいよ。俺のほうが強えぇ! 俺のほうがカッコいい! 俺のほうがすげぇ! そっちのほうが応援し甲斐があるから。な! もっと生意気に」

▼ワト「はい」

▼棚橋「(※カメラに近寄って)“BUSHI! 目じゃねぇよ!"ぐらい」

▼ワト「はい! ありがとうございました!」

※棚橋と握手し、ワトは先に控室へ

▼棚橋「(※正面を向き、腰に手を当てて)何年ぶりだろう、東京でエアギター。もう自分でプレミア感すら感じるけども。人間には、記憶ってのがあるから。俺の記憶、皆さんの記憶、エアギター…。(※言葉に詰まって天を仰ぎ、感極まった様子で)ボロボロでも、毎日、生き続けた記憶が、きっと俺を支えて、つらい状態を切り抜ける、一つのエネルギーになるから。(※向き直って)NEVER! “NEVER GIVE UP"、“NEVER TIRED"。諦めない、疲れない! 今、NEVERを獲って一番意味のある行動ができるのは、俺だと思ってます。だから、NEVERだけに…“ネバ"ります!(※満面の笑みでガッツポーズ)」

【鷹木の話】「ちょっとは面白くなってきたな。だがよぉ、こんなもんじゃねぇよなぁ、棚橋弘至ってこんなもんじゃねぇよなぁ、オイ。昨日の試合後、某、とある『東京スポーツ』の取材を受けた。そこでも言ったけど、棚橋弘至、逸材なんだろ? エースなんだろ? そんなヤツがよぉ、『再起を懸ける』なんて、小さいこと言ってんじゃねぇよ。どうせだったら、エースだったら、逸材だったら、このNEVER戦、進退を懸けるつもりで、挑んでこい。進退を懸けるつもりで。中途半端な気持ちで、このNEVERの世界に入ってみろ。俺が奈落の底にたたき落としてやるからな」

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