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1/23【新日本】石森&ファンタズモがJr.タッグ王座強奪 レフェリー連続交代の大乱戦“疑惑のシューズ"で制す

『Road to THE NEW BEGINNING』東京・大田区総合体育館(2021年1月23日)
IWGPジュニアタッグ選手権試合 ○エル・ファンタズモ&石森太二vsエル・デスペラード&金丸義信×

 IWGPジュニアタッグ戦は凶器や反則が乱舞し、レフェリーが2度交代となる前代未聞の乱戦となったが、ファンタズモが疑惑のシューズによるスーパーキックで金丸を撃破。石森&ファンタズモがベルト強奪に成功し、1年ぶりに王座に返り咲いた。

 今回のジュニアタッグ王座戦で焦点になったのはファンタズモの右足のシューズだった。新春のドームからファンタズモの右足による攻撃が異常なほど破壊力を見せ、凶器を仕込んでいる疑惑が浮上。今回のタイトルマッチに向けての前哨戦でも疑惑の右足が猛威を振るい、デスペラード&金丸は苦しい戦いを強いられた。報復を誓ったものの、当日まで解決の糸口が掴めず、石森&ファンタズモ優勢のまま決戦を迎えたが、試合は想像を超える大乱戦となった。

 のっけから金丸はファンタズモの右足に狙いを定めて執ように手を伸ばす。しかし、ファンタズモが逃げ回って切り抜けると、挑戦者組が主導権。背中かきむしりや股間踏みつけなど様々なラフ攻撃を駆使し、デスペラード、さらには代わった金丸を10分近く一方的に暴行した。王者組も意地を見せて反攻したものの、ここでも金丸はファンタズモのシューズをはぎ取れず。石森の肩車式コードブレイカー&ファンタズモのムーンサルトプレスによる合体攻撃を食らって大ピンチに。

 ここがチャンスと、ファンタズモは疑惑のシューズによるスーパーキックを放ったが、金丸が間一髪回避すると、海野レフェリーのみぞおちに誤爆。直撃を受けた海野レフェリーは場外に転落して続行不可能に。ここぞとばかりに金丸は延髄斬り、リバースDDTとファンタズモに猛攻。デスペラードも介入を狙った石森をスピアーでねじ伏せると、IWGPジュニアタッグのベルトでファンタズモを殴りつけてKOした。

 しかし、海野レフェリーは動けず、セコンドに背負われて退場したため、決定的チャンスをものにできない。浅見レフェリーが代わってリングに飛び込むと、金丸は大の字のままのファンタズモをフォールするが、石森が浅見レフェリーの足を引っ張ってカウントを妨害。またまた無法地帯となると、ベルトやウイスキーの瓶が投入され、両軍の凶器攻撃が交錯した。

 混乱の最中、ファンタズモは背後から金丸に金的攻撃を決めるが、疑惑のスーパーキックはここでも決まらない。キャッチした金丸が足を払いのけると、偶然、横にいた浅見レフェリーの顔面にクリーンヒットしてしまい、またもレフェリーが続行不可能に。金丸はこのスキにファンタズモの急所を蹴り上げた。

 浅見レフェリーに代わって今度は佐藤レフェリーがリングイン。正常な戦いに戻すべく、リング上に散乱していたベルトやウイスキーの瓶を排除するが、金丸は自分の体でベルトを隠してチャンスを待つ。そして、スキを突いてファンタズモに投げ渡すと、自分はそこに倒れ込んで反則攻撃を自作自演。ファンタズモが必死に佐藤レフェリーに弁解しているスキに攻勢に転じると、ムーンサルトプレス、垂直落下式ブレーンバスターと大技ラッシュ。一気にディープインパクトの構えに。

 しかし、石森がレフェリーの注意を引きつけているスキに、ファンタズモは金丸のダイブを股間への正拳突きで撃墜。今度こそスーパーキックが金丸にさく裂して、乱戦に終止符を打った。

 試合決着後、実況席で試合を見守っていたタイチが激怒してリングに乱入し、佐藤レフェリーに猛抗議。場外では掴みかかって鉄柵に投げつけてKOし、結局、新日本に所属する3人のレフェリーが“全滅"する衝撃的な幕切れとなった。

 昨年の1・4東京ドームで失って以来、約1年ぶりにジュニアタッグのベルト強奪を果たしたファンタズモは「大田区のお前ら、どうだ? 俺の右足が繰り出すスーパーキックを見たか? プロレス界最強のキックだ」とマイクを持ってご満悦。「お前らはこれまでイヤというほどスーパーキックを見てきたと思うが、俺のキックはそれらのどれよりも強い。俺もエリート・アスリートの一員ってわけだ。三沢、川田、KENTA、柴田と並ぶ偉大なストライカーのリストにファンタズモの名前が加わった。俺の相手をするヤツは全員サドンデスで倒してやる」と自画自賛して大田区大会はフィナーレとなった。

 バックステージでは自らシューズを脱ぎ、赤い靴下を見せつけて潔白をアピールしたファンタズモ。しかし、シューズの中は見せておらず、疑惑は募るばかり。そんなことは気にせず、石森は「どうだ、自称・経験と自信で確かな実力のあるお前らが、俺ら悪いお調子者二人にカーンと味わされた気分はよ、フハハハハハ! だいたいな、お前らな、ファンタズモのスーパーキックがどうのこうのとか言い訳が多すぎるんだよ!」とデスペラード&金丸を酷評し、「これが実力の差だ。俺ら二人に敵う奴なんていねぇと思うよ。さぁ、バレットのジュニアジャックの始まりだ」とぶち上げた。

 一方、敗れた鈴木軍コンビだが、デスペラードは「そのつもりだったらな、こっちだって考えがあるよ。タイチまで怒らせたぞ、お前ら。なんだ、G.o.Dか? あいつらが持ってるんだろ? タッグ(IWGPタッグ王座) 俺たちが黙ってると思うなよ」と報復を予告。疑惑のシューズ攻撃によって生まれた遺恨は2・10広島大会でのIWGPタッグ戦「(王者)トンガ&ロアvsタイチ&ザック(挑戦者)」に飛び火しそうだ。

【石森の話】「何もなかったな? おい、デスペ、金丸。(ベルトを叩いて)これが結果だ、ククククッ(笑) どうだ、自称・経験と自信で確かな実力のあるお前らが、俺ら悪いお調子者二人にカーンと味わされた気分はよ、フハハハハハ! だいたいな、お前らな、ファンタズモのスーパーキックがどうのこうのとか言い訳が多すぎるんだよ! これが実力の差だ。俺ら二人に敵う奴なんていねぇと思うよ。さぁ、バレットのジュニアジャックの始まりだ」

【ファンタズモの話】「(クイーンの『伝説のチャンピオン』のリズムに合わせて)♪デブのファンが泣いてる姿が見える〜。ELPはプロレス史上最強のストライカーになる〜。ウィー・アー・ザ・チャンピオン♪ (歌い終わると床に座り込み)答えが知りたいか? (靴紐をほどきながら)あいつらが狙ってくるとあらかじめ見越して、今日はいつもよりしっかり靴紐を結んでおいた。で、結局、靴の中にあるのはこの赤いソックスだけだ。これでもういいだろ?(と言って、先に一人で控室へ)」


【試合後のデスペラード&金丸】
▼デスペラード「悪い新チャンピオンだな、おい!」

▼金丸「(アゴを押さえながら)あぁ…(と呻きつつ、そのまま控室へ)」

▼デスペラード「なんだ、靴に細工するだけじゃ飽き足らず、こっちのキンタマまでなくすつもりか? バカ野郎! そのつもりだったらな、こっちだって考えがあるよ。タイチまで怒らせたぞ、お前ら。なんだ、G.o.Dか? あいつらが持ってるんだろ? タッグ(IWGPタッグ王座) 俺たちが黙ってると思うなよ」

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