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1/24【全日本】岩本が後輩・阿部との熱戦制して世界ジュニアV4、CIMA迎撃へ

『2021 NEW YEAR WARS』東京・後楽園ホール(2021年1月24日)
世界ジュニアヘビー級選手権試合 ○岩本煌史vs阿部史典×

 岩本が旧知の後輩・阿部を熱戦の末に下し、世界ジュニア王座4度目の防衛に成功。挑戦を意思表示したCIMAを迎撃すると宣言した。

 岩本と阿部は名古屋を拠点とするスポルティーバでプロレスラーとしての活動をスタートした。岩本が2012年11月、阿部が2015年5月にそれぞれデビュー。現在は岩本が全日ジュニアの頂点に立ち、阿部はBASARAに所属し、大日本では野村卓矢とのアストロノーツでBJWタッグ王者に君臨している。

 そんな二人が時を経て、全日本のリングでジュニアの至宝ベルトを争うことになった。互いを知る二人だけに、戦いは一進一退のせめぎいに発展。岩本がDDT、STFなどで首攻めに出れば、阿部はヒザ十字固め、クロス式アンクルホールドといった足攻めで対抗していく。打撃戦になっても互いに一歩も譲らず。エルボーを放つ岩本に対し、阿部は張り手やナックルパンチで応戦した。

 終盤に突入すると、裏の読み合いに突入していく。岩本のニーアッパーを阿部がドラゴンスクリューで切り返せば、岩本は一本背負いでぶん投げてすぐさま反撃。ネックスクリューからの肩固めで捕らえたが、阿部も腹固めで切り返して譲らない。激しいエルボー合戦を張り手連打で制すると、回転浄土宗、伊良部パンチをぶち込んでからお卍固めでギブアップを迫った。

 耐えた岩本は2発目の伊良部パンチを食らったが、裏投げ、ジャーマンと投げ技を連発して逆転。孤高の芸術を狙ったところを阿部が自ら突っ込んでの丸め込みで切り返したが、3カウントを許さず。試合後、阿部が「ここ一番のタイミングで使おうというのは決めてたんですけど、それを返された瞬間にたぶん勝負は決まっていたのかなと思います」と振り返ったように、このピンチを乗り切った岩本は頭突きを食らってもラリアットで応戦して流れを渡さず。すかさず孤高の芸術をさく裂させて3カウントを奪った。

 後輩・阿部を熱戦の末に破って世界ジュニア4度目の防衛に成功。全日ジュニアの頂点を守り抜いた岩本は試合後、阿部と握手を交わした。「今まで何十回、何百回と戦ってきているけど、今までの阿部の中で今日が最高峰だと思う」と感慨とともに称えた岩本は「リング上でもマイク通さないところで『またやるぞ』ってあいつと約束したんでね。またチャンピオンシップで戦いたいし、あいつがなんかのチャンピオンになって、俺がチャレンジャーでいくのも面白いし。あいつは特別ですね」と阿部との続きを熱望した。

 そして、思いがけない挑戦者を迎え撃つことになりそうだ。#STRONG HEARTSのCIMAだ。試合後、ビジョンに映像で登場したCIMAは「このCIMAが23年間培ってきたプロレス全てをぶつけて世界ジュニア挑戦させてもらうぞ」と挑戦を表明。その場で迎撃を宣言した岩本は「いつかはわからないですけど、いつでもいいですよ」との構えをみせつつ、「世界のCIMAでしょ? 光栄ですよ。世界ジュニアの価値を上げるためにも、世界ジュニアの土台、俺の土台になってもらいますよ」と返り討ちに自信をみせた。

 阿部に続いて全日本外からの挑戦者を迎え撃つことになった。しかも相手は大物・CIMA。これまでの全日ジュニアになかった新しい風景であることは間違いなく、岩本が王者像をさらに確立させるための大きな関門となりそうだ。

【岩本の話】「まず4度目の防衛ですけど、毎回イヤだね。何にもたとえようのないこの緊張感。なんか早く終わってほしいような、まだ来てほしくないような…。毎回やっても慣れないです、このチャンピオンシップ。それだけこのベルトが築いてきた歴史っていうのは偉大だし、巻いてきた先輩レスラー方が偉大なんで。そこに僕も名を連ねさせてもらっているんで、ヘタな試合できないですし、緊張感ないんだったら辞めろよって話だし。目の前の相手とも戦わなくちゃいけないし、過去の歴史とも戦っていかなきゃいけないんだと俺は思っているし。やっぱり過去の歴史ってものはいいものとして残っていくと思うんでね。そこを今の俺、所属している選手、全日本のジュニアで戦っている選手、みんなで越えていかなくちゃいけないし、作り上げていかなくちゃいけない。それを俺が先陣切ってやろうと思ってずっとやってきて。今日の阿部に関して言えば、今まで何十回、何百回と戦ってきているけど、今までの阿部の中で今日が最高峰だと思うし、まだまだたぶん止まらないし、伸びていくと思うし。痛ぇし、最後のヘッドバット。やっぱ信頼しているだけあって、容赦ない攻撃をしてくるし。俺もなんかあいつだからこそ、むき出せた感情、呼び起こせた感情っていうのがあるから。それはあいつに感謝だし、絶対またやろうって。リング上でもマイク通さないところで『またやるぞ』ってあいつと約束したんでね。またチャンピオンシップで戦いたいし、あいつがなんかのチャンピオンになって、俺がチャレンジャーでいくのも面白いし。あいつは特別ですね。それから、次期挑戦者・CIMA。いいね。外の選手にも世界ジュニアっていう名前が轟いている、響いているのかはわからないですけど、外の選手にも気にしてもらえている。ただ、映像できたのはちょっとシャクに触るけど、光栄ですよ。世界のCIMAでしょ? 光栄ですよ。世界ジュニアの価値を上げるためにも、世界ジュニアの土台、俺の土台になってもらいますよ。いつかはわからないですけど、いつでもいいですよ」

【試合後の阿部】
▼阿部「燃え尽きました。1個ずっとこれがあったらいけるだろうというのは、孤高の芸術が来た瞬間にギュッといくというのは自分が隠し持っていた最大の、最後の最後の勝機なので。どっかのここ一番のタイミングで使おうというのは決めてたんですけど、それを返された瞬間にたぶん勝負は決まっていたのかなと思います。お卍がブレイクされるっていうのは全然想定内で。でも、自分の今回の勝機っていうのは、あんまり丸め込みは好きじゃないんですけど、あの孤高の芸術からのあれだったんで、あれをもう1個上にいかれたら、あの時点でこれはお手上げだっていう。最後の頭突きなんてのは、少しでも痛めつけてやろうっていう自分の変な性癖からの頭突きなんで。あれを返された時点でさすがですね。いつになったら勝てるんだろう、あの人に。今日しかないと思ってましたけどね。あの人には経験できないことを経験して、打たれ強くなって、いろんなものを得て、いろんな人に教わって。いろんなところで、あんまり口に出しては言わないですけど、自分なりに必死にコツコツ積み上げてきたものがあったんで。1個のチェックポイントだったので、今日は。もうこれを獲ったらいいじゃねぇかなって思うぐらい、自分の大きな1つの目標ではあったので。それで勝てないというのは、どこまで岩本煌史っていうのは偉大な先輩なんだっていう話になるんですけども。あれは強いですね。でも、あんな人があんなローカルインディーの小さな団体の先輩にいてくれたっていうのは、今でも自分の大きなモチベーションなんで。背中を追っているのかわからないですけど、ああいう人に刺激を受けて、あの人と同じところで生まれたことを誇りに、自分は自分なりの格闘探偵を。そういうふうに自分のスタイルを作り上げて、記録よりも記憶に残るような、そんな選手になりたいなと改めて思いました。あいつは凄い。あいつは凄いよ。すいません。いつもありがとうございました」

――今後も岩本選手に当たっていきたい?

▼阿部「そうですね。でも、今日いけると思ったんで。ちょっと今はいったん何も考えられないですね。今日は本当にいける日だと思ってたんで。自信もあったし、実力もあると思ってるんで、今日こそはと思ったんですけどね。それすらも返されるっていうのは、負けてしまうっていうのは…。そんなすぐに『また勝ってやる』なんて気軽には言えるようなことじゃないんで。勝ち負けが全てなんで。でも、いつも自分なりの道を、自分の信じる道を。自分なりの王道を、自分なりの全日本ジュニアをこれからも作っていきたいと思います」

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