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1/31【NOAH】武道館目前で潮崎ギブアップ…武藤が鬼4の字でGHC奪取へ超集中モード

『HIGHER GROUND 2021』東京・後楽園ホール(2021年1月31日)
○武藤敬司&丸藤正道&吉岡世起vs清宮海斗&原田大輔&潮崎豪×

 2・12日本武道館大会のGHCヘビー級選手権試合「(王者)潮崎vs武藤(挑戦者)」に向けた最後の前哨戦で、武藤が“鬼の足4の字固め"で潮崎からギブアップ勝ち。笑顔なき超集中モードで、“夢"のGHC奪取へ執念と緊張感をみなぎらせた。

 ノア約10年ぶりの“聖地"帰還となる武道館前最後の大会となった後楽園大会。そのメインに据えられたのはGHCジュニア王座戦「(王者)原田vs吉岡(挑戦者)」、タッグマッチ「丸藤&秋山vs清宮&稲村」に向けたトリプル前哨戦だった。

 のっけから武藤の“緊張感"が際立った。リングインと同時にコーナーに腰掛け、じっと目を閉じた。自ら先発して潮崎をグラウンドに引き込み、立ち上がった潮崎の手刀やラリアットもことごとく避けてドロップキックを叩き込んだ。

 その後は丸藤が清宮の左腕に集中砲火。原田と吉岡もハイレベルな先の読み合いを繰り広げ、ターンオーバーニーとClock Strikesを打ち合って相譲らずの攻防を展開だ。さらに試合が熱を帯びたところで、気迫十分の潮崎が逆水平や手刀で一気に武藤を飲み込みにかかった。

 だが、武藤はコーナーに上がった潮崎の右ヒザをつかむや、雪崩式ドラゴンスクリュー発射に成功。すかさず足4の字固めに移行だ。ロープをつかまれても、丸藤&吉岡も加わって右ヒザに集中砲火。武藤は執ように低空ドロップキックを浴びせ、丸藤はヒザへの虎王もぶち込んで武藤を援護だ。右ヒザを抱えて苦悶の声を上げた潮崎に、武藤はシャイニング・ウィザードをぶち込むと、再び足4の字固めへ。冷淡な表情で絞めに絞め上げ、耐えに耐えた潮崎もついに観念して屈辱のギブアップを意思表示した。

 武道館決戦に向けた最後の前哨戦は、“挑戦者・武藤"の完全勝利。立ち上がれない潮崎を見下しながら気迫のラブポーズを決めた天才は、締めのマイクも握らず、口を真一文字に結んで花道を下がった。

 いつもの陽気な笑顔も、レジェンドならではの余裕もなし。1・4後楽園大会では潮崎にムーンサルトプレスでピンフォールを奪われているだけに、最後にキッチリ“反撃"して武道館へと駒を進めた形となったものの、「一見、先日の戦いのリベンジみたいに見えるけど、今日はあくまでもチームとしての勝利。最後を2人が俺に譲ってくれて今日勝てた。シングルマッチには、この2人いねえからな。そういう部分で言ったら、あんまり変わらないというか、あとは潮崎の心の動揺を期待してます」と話した。近年の武藤敬司ではありえない超集中モード。勝って兜の緒を締め直して、“夢"とするGHCヘビー級王座奪取を見据えた。

 一方、武道館直前で屈辱のギブアップ負けとなった王者・潮崎は「術中にハマった」と反省しつつの、「動揺あるように見える? ないでしょ。想定内。敗れることは想定内じゃないけど、攻め、攻撃の強さ、動き、それらは俺の頭に入ってしまったよ」と“免疫獲得"による収穫を強調。敗戦を糧にする自信十分の王者か、58歳にして夢を追う超集中モードの挑戦者か。12日前にして武道館決戦へ待ったなしとなった。


【試合後の武藤&丸藤&吉岡】
※3人で握手を交わすと

▼武藤「一見、先日の戦いのリベンジみたいに見えるけど、今日はあくまでもチームとしての勝利であり。本当はおのおの対戦相手に因縁があったんだけど、最後を2人が俺に譲ってくれて、ああいう機会、ああいうチャンスをくれたってことで、今日勝てた一戦ということで。これが一概に…シングルマッチにこの2人いねえからな。そういう部分で言ったら、あんまり変わらないというか、あとは潮崎の心の動揺を期待してます。以上ですね、俺からは」

▼丸藤「清宮の、あの世代のプロレスに付き合わなければあんなもんです、ぶっちゃけ。俺よりもそこに関してもっとイヤらしい秋山準という人間が武道館に上がってくるんだよ。この間も言ったけど、本当に俺は心配でしょうがないんだよ。あんなんじゃよ、秋山準を楽しませることもできないもん。俺も秋山準を倒すのに何年かかったかわからないけど、とにかく大丈夫か心配です。セコンドに付いてた稲村も。今日に至っては、最後武藤さんが取りましたけど、武藤さんのこの慎ましやかなコメントが一番怖いよね。まあ、武道館見ててください」

▼吉岡「今日、このお二方…天才と呼ばれるお二方に囲まれて、いい経験ですよね。こんな経験、なかなかできないですよ。僕は天才じゃないんで、盗むのも難しいんですけど。でも、ジュニアチャンピオンと大坂でやって、『全部想定内』だって言ってましたけど、僕はまだまだ出してない、開けてない引き出しがいくつも残っているんで。日本武道館では原田大輔の想定を上回って、お客さんの想定も上回って、絶対にベルト獲ってみせます」

▼武藤「世起、お前、とりあえずMは関係ないけどな。縁があって、WRESTLE-1離れて、またこうやって同じリングに上がりながら。陰ながら応援してるんだよ」

▼吉岡「ありがとうございます」

▼武藤「ぜひ頑張ってベルト獲ってくれ。今日はありがとうな」


【試合後の潮崎】
――武道館前最後の前哨戦は武藤選手に敗れるという形になってしまったが?

▼潮崎「しょうがないな。術中にハマってしまったね。俺が決めにいくのが早すぎたよ。向こうの策に入ってしまったね。俺のミスだ、ミス」

――前回の前哨戦と比べると、今回の武藤選手はどうだった?

▼潮崎「変わらないね。まあ、今回は…これ言うのもあれだな。そう、負けは負け! どんなに読みが甘かろうが、俺がミスリードしようが、負けは負け。その事実、俺が取られた事実。この次は、このタイトルマッチ、武道館で見せつけてやるよ」

――直接敗れた動揺はある?

▼潮崎「動揺あるように見える? ないでしょ。想定内。敗れることは想定内じゃないけど、攻め、攻撃の強さ、動き、それらは俺の頭に入ってしまったよ。次、GHCヘビー級タイトルマッチ。舞台は武道館。勝つこと以外ほかに何もない」

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