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2/10【新日本】ヒロムがジュニアV1、SHOとの35分超え死闘制す ファンタズモ名乗りにジュニアタッグ挑戦逆要求

『THE NEW BEGINNING in HIROSHIMA』広島サンプラザホール(2021年2月10日)
IWGPジュニアヘビー級選手権試合 ○高橋ヒロムvsSHO×

 ヒロムがSHOとの35分を超える死闘を制し、IWGPジュニア王座初防衛。試合後、ファンタズモが次期挑戦者に名乗りを挙げると、交換条件として、BUSHIとのIWGPジュニアタッグ王座挑戦を要求した。

 新春の東京ドーム2連戦でファンタズモ、石森を連続撃破し、新日本ジュニアの頂点に立ったヒロム。大事な初防衛戦の相手に、昨年末のスーパージュニア公式戦で敗れているSHOを指名した。SHOにとっては念願のジュニア王座初挑戦。前哨戦ではリング上の戦いだけでなく、バックステージでの対談でも気持ちをぶつけ合い、ついに雌雄を決する時がやってきた。

 ヒロムとSHOはのっけからお互いの思いを正面からぶつけ合った。エルボー合戦で真っ向から火花。リング内外で5分近く激しいラリーを繰り広げる。止まらないヒロムは馬乗りになって、さらにはコーナーに押し込んでなおもエルボーを連打。SHOの反撃をものともせずに、飛びつき式コンプリートショットやコーナーへの投げ捨てフロントスープレックスで序盤戦をリードした。

 ヒロムは場外パワーボムまで敢行したが、意地のSHOもエプロンパワーボムで譲らず、お互いに大ダメージを負う。意地の張り合いはさらに激化する一方で、ジャーマン合戦、ラリアット合戦に発展。SHOがパワー全開で前に出ても、ヒロムは真っ向勝負を継続する。再びエルボー合戦になだれ込むと、左右の連打や串刺しジャンピングエルボー、ランニングエルボーも交錯。どちらもフォールをカウント1でキックアウトすると、ヒロムがD(飛びつき式三角絞め)、SHOがアームロックと関節技でも競り合う。ここでSHOが執ようなアームロックで勝機を掴んだが、ヒロムは命からがらロープにエスケープした。

 止まらないSHOはパワーブリーカーでアクセルを踏む。ジャンピングニー、バッククラッカーが決まり、ラリアット合戦を執念で押し切ると、クロスアーム式パイルドライバーがさく裂。しかし、必殺のショックアローは決まらない。強引に狙ったブレーンバスターをヒロムはDDTで切り返した。

 どちらも目がうつろで余力はわずか。死力を振り絞って立ち上がったヒロムはビクトリーロイヤルを繰り出すと絶叫して気合いを入れる。ふらつきながらも倒れずに手招きするSHOにトラースキックを5連発。粘るSHOが三角絞めを仕掛けても、ヒロムは強引に担ぎ上げ、コーナーめがけてのデスバレーボムで黙らせた。ここで一気にTIME BOMBが火を吹く。SHOがフォールを返して場内を沸かせたものの、ヒロムは「立て!」と絶叫し、こん身のラリアットを一閃。最後はTIME BOMBIIで死闘を制した。

 ヒロムがIWGPジュニア王座を初防衛。リング上は熱闘の余韻に包まれるが、大の字になったヒロムの前に思わぬ男が姿を現した。石森とともにIWGPジュニアタッグ王座を保持するファンタズモだ。動けないヒロムに襲いかかる。ヒロムの盟友・BUSHIが加勢すると、石森までリングに飛び込むが、ヒロムが必死に抵抗したため、ファンタズモたちの襲撃は未遂に終わった。

 場外に退避したファンタズモは「俺はお前がそのベルトを巻いている姿を見るのはもう我慢できない。お前はただ会社のお気に入りで優遇されているから、チャンスをもらえているだけだ。お前を倒し、俺の腰にそのベルトを巻くまで日本から絶対に離れない。覚悟しろ」と次期挑戦者に名乗り。ヒロムは「いいだろう。このベルトをお前と懸けて戦ってやるよ」と即決し、「ただし、お前らが持つIWGPジュニアタッグ、俺とBUSHIに挑戦させろ。それが交換条件だ」と提示し、ジュニア王座2連戦が浮上した。

 早くも次なる戦いが決定的になったヒロム。35分を超す死闘を終えたばかりで、さすがに疲労困ぱいかと思われたが、「俺は生きてるぞ! SHOとあれだけ馬鹿みたいに思いっきりぶつかっても、俺は俺の体はピンピンしてるぞ! 俺は元気だ!」と絶叫。こみ上げてくる熱い思いを爆発させた。

 「俺が何を言いたいかわかるか? プロレスが元気ないんじゃねぇ。今、この地球が元気ねぇんだよ! 声を出せるものが元気よく発信しないでどうする? マイナスなことばっかしゃべってどうする? 誰がこんなんで元気になるんだ!? だったらな、俺は世界が元気を取り戻すまで叫び続けるぞ。俺たちレスラーが、まだ声を出せないみんなの代わりに俺たちが思いっきり叫んで、もっと思いっきり叫んでやる!」。新型コロナ禍の影響のため、この日の大会も観客数は制限され、声を出しての応援もできない状況が続いているが、観客たちにゲキを飛ばすように、ヒロムは思いの丈をぶち上げた。

 そして、「元気! 元気!」と何度も連呼し、「その手を使って思いっきり手が砕けるまで拍手し続けろ! そんなもんじゃ足りねぇぞ!」と観客を鼓舞。大きな拍手が巻き起こる中、叫び続けたあまり声をからしながらも、「お前らももっと! もっと! もっと! みんなで楽しもうぜ!」と咆哮して締めくくった。

 SHOへの雪辱を果たすとともに、ビッグマッチのメインを完璧な形で務めたヒロムは、バックステージで「俺の新しい夢、東京ドームでIWGP(ジュニア)戦を(メインで)やる。言ってほしいんだろ? 何回でも言ってやる。そして俺は叶える。俺は夢を宣言して叶える男だ」と改めて断言した。いまだ達成した者はいない高すぎる目標だが、実現してこそ世の中を元気にできる。その足掛かりにすべく、まずはジュニア二冠獲りを果たすのみだ。

【試合後のヒロム】
▼ヒロム「(※右手一本でテーブルの上にベルトを立てて置いて、へたり込むようにイスに座る。祝杯用に用意されていたZIMAを手に取り)これは、これは、伝説のお酒じゃないですか。(※1本手に取って)ちょっと待ってください。(※ZIMAの栓を開けようとするが、左手が利かないので開けられない。そこで)開けて。開けて。開けて、開けて…。(※スタッフの1人が栓を開けてあげると『乾杯』と言ってから一口飲んで)あぁーーーー! 効くーーーー! なに聞きたいですか? 頭が回らないんで質問していただけるとありがたいと思います」

――初防衛おめでとうございます

▼ヒロム「ありがとうございます」

――SHO選手とのものすごい気持ちのぶつかり合いだったが、戦ってみてSHO選手の思いはどのように感じた?

▼ヒロム「思いねぇ……当たり前なんだよ。最強を目指す? IWGPジュニアのベルトが欲しい? そんなの当たり前なんだ。当たり前のことがどれだけ大事か、SHOはよく理解してるよ。チャンピオンとして言わせてもらえるなら、最高の対戦相手、最高の防衛戦の相手だった。なんか前哨戦長ぇなぁって最初思ったけど、タイトルマッチが近づくにつれて、だんだん寂しい思いをしてきたよ。まぁ、明日もまだ戦えるんだろ? 明日のカード、(対戦相手に)SHOいるよね? でも、なんか違う。前哨戦とはもう違う。そういう戦いじゃないところで、SHOはどれだけ見せれるか。SHOが大事なのはそういうところなんだよ。『BEST OF THE SUPER Jr.』(公式戦での)シングルマッチ、結果残しました。そのあとは? いつもそうだ。俺がSHOにアドバイスを送るなら、そういうところだ。ただ、変わったよ。スーパージュニアのあともガンガンやってた。その気持ちが伝わった。だから俺だって対戦相手としてあいつを選んだんだ。ただ俺がリーグ戦の1試合負けたからSHOを選んだんじゃない。そのあとSHOはどう動くのか、楽しみに見てた。このあとだよ。このあとSHOがどうやって動くか。それが一番大事なんだ。ま、言わなくてもよくわかってるだろ。そんなこと、俺がもういちいち言うような相手じゃないな。悪かった。訂正するよ」

――試合直後には次の挑戦者としてファンタズモが名乗りを上げたが、チャンピオンとしての宿命というか。

▼ヒロム「そうだね。どんな、どんな形であれ、あれが挑戦表明の、あいつなりのやり方なんだろ。まぁ、なかなかイライラさせてくれる挑戦表明の仕方だな。でも悪くないよ。BUSHIさんが助けに来てくれて、そしたらなぜが石森もやってきた。だったら俺が言うのは一つだろ。IWGPジュニア王者、そしてIWGPジュニアタッグ、2冠を狙う、それは当たり前の話。(※目の前にあるIWGPジュニアのベルトを手に取って)このベルトに挑戦させてやるかわりに、交換条件としてIWGPジュニアタッグ、俺とBUSHIさんで挑戦させてもらう。それがでいいなら、やろうぜ、ファンタズモ。(※ベルトをテーブルに置こうとしたが滑り落ちかけて)おぉっと、おっとおぉっと。おぉっと危ない危ない。おぉっ、イキがいいわ。いい試合したあと、イキがいいんだ。元気元気、元気いっぱい.この元気が大事。世界中にそれが俺、足りてないと思うんだ。元気ってすごく大事な言葉。俺はすごく好きだね。元気いっぱいな子、俺は好きだな。だから…(※うまくテーブルのベルトが置けず)ちょっとテンション上がりすぎだよ。俺よりテンション高いじゃない? ちょっとどうしたの今日? そんな動いちゃって。もうビックリする。もう! かわいいんだから。(※もう一口ZIMAを飲んで)いやぁ」

――このシリーズを通してというところもあるかと思うが、明日はメインで二冠戦があるなかで、今日、ジュニアのタイトルマッチをSHO選手とメインで戦った。このあたり、ヒロム選手はどんな思いがあった?

▼ヒロム「大事なことなんじゃないの? シリーズの最終戦、2日間あるビッグマッチ。その1日目でジュニアのタイトルマッチがメインイベントで組まれたんだ。この意味、俺は理解してるよ。なぁ、会社のみんなも言ってほしいんだろ? 俺に言ってほしいんじゃないか? な? 俺の新しい夢。東京ドームでIWGP(ジュニア)戦を(メインで)やる。言ってほしいんだろ? 何回でも言ってやる。そして俺は叶える。俺は夢を宣言して叶える男だ。どうでしょう? どうでしょう? どうでしょう? どうでしょう? どうでしょう? いいんじゃないでしょうか。いいんじゃないでしょうか? ほら、これ見てるんでしょ? いろんな人が見てるんでしょ? 中継のほら、ライガーさんだったり棚橋さんだったり、見てるんでしょ? あとはそっちに締めてもらったらいいんじゃないですか。僕は休みますよ。腕も痛いしね。明日も試合なんで。明日も思い切りSHOとぶつかり合うのが楽しみで仕方がない。それではありがとうございました」


【SHOの話】「(コメントスペースにたどり着くやボディを押さえながら崩れ落ちるように両ヒザを着き、痛みをこらえながら声を振り絞るように)IWGPジュニア、そして、この新日本ジュニア…感想、この一言。メッチャ楽しいな! そして、やっぱりこの新日本ジュニアの生態系のピラミッドの頂点に立つには、そんじょそこらのレスラーじゃなれねぇな。俺にこれからできることは一つしかねぇ。もっと強くなることだ」


【ファンタズモの話】「(※BULLET CLUBのTシャツに袖を通し、ネットキャップをかぶると、傍らにあったイスを引き寄せて座る)ヒロム、お前が何を言ったのか知らねぇ! 俺は日本語は話さないんだよ! それにお前がどれだけ英語を理解してるのかも知らねぇし、この場で改めてお前がわかるように言ってやろう。(※足を上げてリングシューズを見せつけながら)俺のリングブーツはボクシングのシューズでサイズは12(インチ)。そして、ブーツの中にあるのは黒と赤のボーダーの靴下だ。そして、この靴下の中にあるのはプロレス界最強のキックを繰り出す俺の脚だ。ヒロム、お前はまだ運よく1度もサドンデスを食らってないが、この技でお前からスリーカウントを獲って、この俺様が次期IWGPジュニア王者になる。会社が望まなくてもそうなる。もう一度言っといてやる。俺はそのベルトを腰に巻くまで日本から離れない。(※テレビカメラに向かって『TOO SWEET』とポーズをとる。そして引き揚げようとするが、祝杯用に用意されていたZIMAのボトルが目に入り、1本手にすると)おい、このZIMAはヒロムに用意されたものか? (ZIMAのボトルに触れ)オオ、冷えてんな! ヒロムにはキンキンに冷えたビールが用意されてんのか。俺の時は生温かったけどな。さすが、やっぱりヒロムはニュージャパンのお気に入りだな。俺も1回、首の骨を折って復帰すれば、会社から大事にしてもらえるのか? ンン?」

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