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2/20【全日本】CIMAが世界ジュニア戴冠 新技で岩本を熱戦撃破、イザナギが3・21京都での挑戦を直談判

『2021 EXCITE SERIES』愛知・名古屋国際会議場(2021年2月20日)
世界ジュニアヘビー級選手権試合 〇CIMAvs岩本煌史×

 岩本無念の陥落。CIMAが世界ジュニア初挑戦・初戴冠を果たした。新王者が挑戦者を募り、全日ジュニア勢による包囲網が出来上がったが、イザナギが抜け駆けして3・21京都大会での挑戦を直談判した。

 世界ジュニア王者に君臨する岩本は全日ジュニアの頂点の座を盤石としてきた。V5戦となったこの日、過去最大級の挑戦者といえるCIMAを迎え撃つことになった。世界ジュニア初挑戦となったCIMAはこれまで培ったすべてをかけて挑む構えをみせていたが、その言葉通りの戦いぶりで岩本を苦しめた。

 のっけからCIMAは積極姿勢。ドロップキックで岩本を場外に吹き飛ばし、プランチャを放って先手を取る。岩本が首攻めで巻き返そうとしても、お返しとばかりに首攻めで応戦。これが終盤への布石となった。

 岩本も起死回生の一本背負いで反撃を開始。ネックスクリューやエプロンへのDDTで再び首攻めを展開し、肩固めで絞め上げた。CIMAがバッククラッカーで反撃しても、すぐさまラリアットで応戦。後頭部にこれでもかとエルボースタンプを連発したCIMAが追尾式ドロップキックを突き刺したが、岩本はラリアットですぐさま反撃し、垂直落下式ブレーンバスター、ジャーマンで攻め込んだ。

 だが、ハリケーンドライバーを阻止したCIMAがここからメテオラを連射して一気に仕掛ける。岩本がドラゴンスープレックスで逆襲してもシュバインで真っ逆さまに突き刺して返り討ち。それでも2カウントで返して粘る岩本に後頭部へのファイナルカットをぶち込んで3カウントを奪った。

 熱戦の末に岩本を破ったCIMAが世界ジュニア初挑戦にして初戴冠を果たした。フィニッシュとなったのはひそかに用意していたスパルタンカット。序盤から着実に首へのダメージを蓄積させておいて満を持しての新技で快勝。ベテランらしい形で結果を出した。

 試合後、リング上に置いた世界ジュニアのベルトに深々と座令したCIMA。いつ以来か思い出せないほど久々となるシングル王座戴冠に自らも驚きつつ、「この歴史のある全日本プロレスの世界ジュニアのベルト巻けたのは、掛け値なしにめちゃくちゃうれしいです」と喜びを表現した。

 直前会見で舌戦を展開した岩本に感謝の念を表したCIMAはさっそく次なる戦いを見据え、「一番最初に名乗りを上げた奴、この世界ジュニアのベルト、CIMAの第一挑戦者。どうですか? 上がってこいや!」と挑戦者を募った。すると全日ジュニア勢が次々にリングサイドに集結。これには想定外だったようで、「お前らの行動は一つ一つ俺は先月から月額900円で入った全日本プロレスTVでしっかりチェックしとくからな。俺の目はごまかされへんぞ。俺はプロレスラーであり、プロレスファンなんや。お前らの行動を逐一チェックして挑戦者選んだるわ」との意向を示した。

 だが、リングサイドに姿をみせなかった男がバックステージで待ち受けていた。イザナギだ。「みんなおる中で行ったら俺が目立たへんやろがい」と主張し、抜け駆けしてきたイザナギに、CIMAも「せこいぞ、お前」とあきれ気味。構わずイザナギは「一言だけ言わせてくれ。おめでとう。びっくりしたわ、あの岩本相手に正面からいきやがって。俺を感動させたぞ、お前!」と興奮気味にまくしたてると、「俺も感動したから言わせてくれ。お前に挑戦させてくれ」と直訴した。

 「俺は全日本プロレスTV見て、逐一お前らの行動を全部チェックして、それから会社に誰が挑戦者か決める言うてんねんから」。そう強調したCIMAだが、イザナギは全く引き下がろうとしない。むしろ「俺が一番気持ちあるって! 俺が一番気持ちあるって!」、「挑戦させてくれよ。いや、挑戦させてください」と猛アピール。根負けしたCIMAは「わかった。俺も一歩動かないと終われへんから。お前の挑戦、百歩譲って受けるとしよう」と受諾した。

 するとイザナギは「会社は俺が何とかする!」と約束し、さっそく3・21京都大会を舞台に指定。あとは全日本、PWFとの調整次第だが、CIMAのV1戦は決定的となったようだ。中学生時代から全日本を見ていただけにCIMAは「今日は一人でこの全日本プロレス乗り込んできましたので。CIMAが巻いたからには、必ずこの全日本プロレスのリング、もっともっと激しくしていきますから」と王者としての誓いを立て、「どこの団体でも胸を張って全日本プロレスのチャンピオンとしてリングに上がらせてもらうぞ」と宣言した。

 プロレス界でベテラン勢のシングル王座戴冠が続く中、CIMAが世界ジュニアを奪取。この男がジュニアの至宝ベルトを手にしたことによって、全日ジュニアの戦いが今まで以上に注目度を増すのは間違いない。

【試合後のCIMA、イザナギ】
▼CIMA「岩本! あのヤロー! オー・マイ・ガッド!」

※CIMAがインタビュースペースにやってくると、イザナギがイスに座って待ち受けていた

▼CIMA「オイ! どけお前コラ! ここ勝利者インタビューやろ。岩本やりやがったな。出口あっちやコラ」

▼イザナギ「ちょっと待て! ちょ、ちょ、ちょっと待てよ! もっと驚けよ! お前来るって俺わかって待ってたんやぞ」

▼CIMA「驚くわ。お前、セミやったやないか。ここ見ろよ。コメントスペースや」

▼イザナギ「俺、待ってたんかなと思って」

▼CIMA「岩本ようやったな、またやろうって…」

▼イザナギ「待てよ。俺、難敵やぞ。お前の難敵やろ?」

▼CIMA「それやったら呼んだ時、リング来いや」

▼イザナギ「みんなおる中で行ったら俺が目立たへんやろがい」

▼CIMA「そんなお前…」

▼イザナギ「まぁ、座れや」

▼CIMA「せこいぞ、お前」

▼イザナギ「見てたぞ。一言だけ言わせてくれ。おめでとう。びっくりしたわ、あの岩本相手に正面からいきやがって」

▼CIMA「丸ちゃん…」

▼イザナギ「俺やったら絶対、正面からいかへんわ、あんなもん。凄いなお前」

▼CIMA「俺もびっくりしてるわ」

▼イザナギ「俺やったら逃げまくって変化球でごまかして勝とうとするわ」

▼CIMA「その手もあったけど、今からそのあたりのコメントをして、次の挑戦者募って…」

▼イザナギ「俺を感動させたぞ、お前!」

▼CIMA「みんなエプロンまで来て…」

▼イザナギ「待て、待て。俺も感動したから言わせてくれ。お前に挑戦させてくれ」

▼CIMA「先言わせてくれ」

▼イザナギ「俺、先やろ。これ待ってたんやから」

▼CIMA「俺は全日本プロレスTV見て、逐一お前らの行動を全部チェックして、それから会社に誰が挑戦者か決める言うてんねんから」

▼イザナギ「印象残したほうが勝ちやろ、そういうのは」

▼CIMA「せこいわ」

▼イザナギ「俺が一番気持ちあるって! 俺が一番気持ちあるって!」

▼CIMA「ちゅうかお前、イス用意してて、どく気ないやん」

▼イザナギ「話そうや。挑戦させてくれや。感動したわ。あんま年変わらへんやないか。まだそんなんやってんの? 凄いな」

▼CIMA「お前んちの近くの整骨院も行っとるわ」

▼イザナギ「まだ行っとるんか」

▼CIMA「こいつどけへんやろ」

▼イザナギ「挑戦させてくれよ。いや、挑戦させてください」

▼CIMA「何、地に足どころかイスに…」

▼イザナギ「いいやん、めっちゃ久しぶりやないか。俺やぞ、俺!」

▼CIMA「久しぶりにそれはないやろ?」

▼イザナギ「いや、ええやろ。ちょっと待ってよ!」

▼CIMA「これ収まらんやないか!」

▼イザナギ「やらせてくれよ。俺ホンマに感動したんや。お前みたいに俺ももう一回いきたいんや」

▼CIMA「西村修だよ。名古屋やろ。松田納だよ」

▼イザナギ「言わせてくれ。俺もな、もう一花咲かせたいんや」

▼CIMA「何でグイグイやねん」

▼イザナギ「お前、めっちゃ凄いな。俺な、頭ガーンなったわ。お前の試合みて頭ガーンなったわ」

▼CIMA「それはありがたい」

▼イザナギ「俺もお前みたいに…」

▼CIMA「俺、ちょっと動こう。一歩動こう。わかった。お前は挑戦したい。わかった。俺も一歩動かないと終われへんから。お前の挑戦、百歩譲って受けるとしよう」

▼イザナギ「おぉ! かっこええ」

▼CIMA「リング上であんなんして、誰も見てない中、会社大丈夫か?」

▼イザナギ「(小声で)カメラ回っとるから。全日本のスタッフは複数おるから。一人やないから。これ見る担当とかおるから大丈夫や」

▼CIMA「責任は?」

▼イザナギ「大丈夫や。会社は俺が何とかする! 会社は俺が何とかする!」

▼CIMA「何であんだけの試合して、こんなコメントやねん」

▼イザナギ「悪かった、悪かった。でも俺やりたなったんや。お前のせいやぞ」

▼CIMA「わかった。そっちに歩み寄ったから。お前はやりたい。俺はそこまで言うならわかった。やろう。あとは全日本プロレスまとめろよ」

▼イザナギ「まとめる。3月21日空いてんのか?」

▼CIMA「お前、何で日にちまで…」

▼イザナギ「京都、京都、京都や。座れや! 俺もう帰るやんけ」

▼CIMA「俺が帰らせてくれ…」

▼イザナギ「俺が会社通すから、お前空けといてくれ」

▼CIMA「京都はわかった。結構なかもずから近いとこ選びやがって」

▼イザナギ「京都好きなんや。頼むわ」

▼CIMA「お前、会社に話しとけよ」

▼イザナギ「おめでとう。尊敬するわ。俺、お前になるわ」

※ようやくイザナギが去る

▼CIMA「まとめとけよ。ちょっと待てよ。俺、何年ぶりかわからんで。イザ…ナギ? コロコロ名前変えやがって。俺、何年CIMAでやってると思ってんねん。何年このコスチュームでやってると思ってんねん。ちょっといろいろありましたけど、岩本選手、彼が対戦相手でよかったです。俺、小僧だとか何だとか挑発しても乗ってけぇへんから、あいつ。でも乗ってけぇへん奴っていうのはだいたい(腕を叩いて)ここが立つ選手やから。それはわかってるよ。あとな、みんな勘違いしてるから、この際はっきりしとくぞ。俺は世界のCIMAじゃないぞ。みんなそう言うてくれるのはありがたい。世界のCIMAじゃないんや。リング上でも言った通り、俺だけじゃない。T-Hawkもリンダマンも7月からメキシコに住んでAAAで大暴れして、メキシコとアメリカでやる予定やったんや。でもね、皆さん。コロナに完敗です。負けました、すべて白紙になりました。だから俺は世界のCIMAじゃなくて、世界に行こうとしたけど行けなかったCIMAや。そこんとこをはしょって世界のCIMAと言ってもらえるのはありがたいけど。でもこれで世界ジュニア獲ったから、次イザナギ? わからんよ。佐藤、それからアキラ、ライジング、いろいろおったな。俺、誰とでもやりたい。できれば若い選手とやりたかったけど、イザナギとやるかどうかは京都まで決めてんのかわからんけど。全日本プロレス、俺は中学生からこのリングみてたんや。完全に今はプロレスの情熱を失ってしまったんじゃないかなと思ってた上海から昨日『CIMA師匠、先生。明日のタイトルマッチ頑張ってください加油(チャヨ※頑張れの意味)』。メッセージが来たんや。全日本プロレス、俺が意識してなくても、周りは意識してる。そういうベルトや。俺は今日このベルトを持って帰って、どこの団体でも胸を張って全日本プロレスのチャンピオンとしてリングに上がらせてもらうぞ。俺だけやないぞ。#STRONG HEARTSはもっと面白いからな」

【岩本の話】「全日本プロレスのために、全日本プロレスのジュニアのために、そして俺のために、魂、命燃やしてやってきたけど、今日ですべてCIMAにもっていかれた。それだけこの試合はリスクがある勝負だと思ったし、俺なりに勝算をもって戦ってきたつもりだったけど、負けました。ちょっとね、久しぶりにプロレスが嫌に、嫌いになりそう。今日のこの敗戦で自分のふがいなさと、自分が信じてやってきたプロレスを崩された。ベルトを獲られて全否定されてるようなもん。ちょっとプロレスが嫌いになっちゃいそうだ。ちょっと考えます」

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