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3/4【新日本】デスペ熱闘撃破…飯伏が初代IWGP世界ヘビー級王者! 「もっとすごい世界のベルトに」

『旗揚げ記念日』東京・日本武道館(2021年3月4日)
IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合 〇飯伏幸太vsエル・デスペラード×

 飯伏がデスペラードとの熱闘を制して、IWGPヘビー&IWGPインターコンチネンタル(IC)二冠王座を防衛。両王座を統一して新たに誕生する“IWGP世界ヘビー級王座"の初代王者に就き、「もっとすごい世界のベルトにしたい」と武道館で誓いを立てた。

 年初ドームで二冠を獲得し、すぐさま王座統一構想を掲げた飯伏。わずか4日前に“統一反対論者"内藤哲也とのIC戦を制し、正式に統一タイトル・IWGP世界ヘビー級王座の新設が発表された。

 賛否両論が渦巻くなかで、その初代王者が決まる舞台となったのは、今年は武道館開催の『旗揚げ記念日』大会。先月、急転直下でジュニア二冠に輝いたデスペラードの挑戦表明を飯伏が受け入れ、“新日本が始まった日"に、二冠王と二冠王が相まみえる形で、新たな最高峰王者が決まることになった。

 デスペラードにとっては7年越しの“雪辱戦"でもあった。新日本マット初登場となった2014年初頭、当時IWGPジュニア王者だった飯伏に挑戦して敗退。試合でも7年間での“進化"を、いかんなく見せつけた。

 序盤からパワーで押し込みにかかる飯伏に対して、デスペラードは小技で崩しにかかる。低空ドロップキックやドラゴンスクリューでヒザ殺しの布石を打ち、飯伏が反撃に出ても、コーナーに飛び乗った相手を素早く場外に転落させ、トペ・スイシーダを発射だ。さらにはギターラ・デ・アンヘルで追い打ちをかける。

 飯伏も低空ドロップ狙いをその場飛びフットスタンプで迎撃してみせたが、止まらないデスペラードは巧みに飯伏を転がすや、得意のヌメロドス(変型マフラーホールド)でヒザを絞めに絞め上げた。

 飯伏が逃れても、デスペラードの攻勢はまだ続く。ピンチェロコを未遂に終わらせた飯伏が強烈なミドルキックを放ってきても、顔面密着で睨み合って意地をあらわに。逆に蹴り足をつかんでからの変型バックドロップでぶん投げると、フロッグスプラッシュを投下だ。クリアした飯伏も猛烈な打撃コンボからハイキックを当てたものの、デスペラードも生拳のナックルパートで譲らない。

 それでも飯伏は徹底してピンチェロコだけは阻止。逆にショートレンジ・ラリアットからのシットダウン式ラストライドで一気に逆転し、必殺カミゴェを狙ったものの、デスペラードも変型十字固め(エル・エス・クレロ)で切り返す。ハイキックを浴びても再度カミゴェをスクールボーイで切り返すや、ヌメロドスに移行して今度こそギブアップを奪いに出た。

 飯伏がロープをつかみかけたところで、デスペラードは自ら回転してロープから遠ざけたものの、飯伏もさらに切り返して両腕をつかむや、ついにカミゴェ発射に成功。デスペラードも意地のキックアウトをみせたものの、立て続けにカミゴェをぶち込んだ飯伏が、最後は完璧な3カウントを奪ってみせた。

 試合後には本隊と鈴木軍の垣根を超えて、デスペラードの腕を掲げてその“進化"を称えた飯伏。「これはジュニアとヘビーの闘いではない。デスペラード、ありがとう」とマイクで感謝し、武道館も大きな拍手に包まれた。

 これで84代まで続いたIWGPヘビーと、28代まで続いたICの歴史にはひと区切り。自ら提唱して創設された“初代IWGP世界ヘビー級王座"を実力で勝ち取った飯伏は、「このベルトをひとつにして、もっと、もっとすごい世界のベルトにしたいと思っています。僕はいつでも言ってるけど、逃げない!! 負けない!! あきらめない!! そして、裏切らないから。これは本当だから。絶対に、裏切らない。ありがとうございました」と締めくくり、武道館も大きな拍手で“新王者"を称えた。

 初防衛戦の相手は、この日から開幕した『NEW JAPAN CUP』優勝者となる。「まだまだ、僕が学ぶべき選手はたくさんいるんで。その選手たちと、まだまだ戦いたいなと思いますね。もっと自由なベルトにしたいと思いますね。もっと自由さを出していきたい。それを世界に向けて行きたい。それが僕の中での統一なんで」。新日本を彩ってきた2大ベルトの歴史を束ねるまさに“神の所業"を成し遂げたゴールデンスター。これから新日本新章の歴史を刻んでいく大仕事が待っている。

【試合後の飯伏】
▼飯伏「(※2本のベルトを抱え、フラつきながらインタビュースペースにたどり着くと、イスに座ってしばらく息をついて)4日の中で2回もタイトルマッチ。これはさすがにキツ…すぎるけど、条件は一緒だから、別に。それはもう、彼もやってるし。いやぁ、あー……もっともっと、もっともっとやりたかった。ジュニアの選手とも、もっとやってみたい。そう思いましたね。あと、8年ぶりに戦ったけど、全然印象が違いましたね。すごい、素晴らしい。もっともっと戦ってみたい。まだまだすごい選手が眠ってるはずなんで。それは試合後にも言ったように、いつも言ってるように、誰でも、どこでもいいんで。ホントに今日ここでも、明日、明後日、いつでもいいですよ。いつでもやりますよ。変わらず、(※ベルトを指して)これは封印するなら統一しますと言い続けてるんで。これは、1つにしたいと思います。こないだ、デスペラードにしょっぱいとかいろいろ言ったけど、それはごめんなさい。素晴らしい選手だったと、今日改めて感じました」

──今日は旗揚げ記念という歴史ある大会で、最後の二冠戦だったわけですが、どんな思いで戦いましたか?

▼飯伏「いやもう、僕の思いは、旗揚げ記念日、何回もやってるし、昔僕がジュニアで、ヘビーに対抗したこともあったし。もともとジュニアヘビーからずっとやってきて、今、こうやってヘビーで(※ベルトを指して)ここまでたどり着いたんで、彼の気持ちっていうのもわかるし、そのプレッシャーっていうのも、自分では分かってるつもりです。ただまだ重さとかは分からない部分があるので、それを今日、ちょっと名前を出してしまったんですけど、ライガーさんだったり棚橋さんだったり、やっぱりその代表として、この2人が、僕のイメージでは代表なので。ジュニアだとライガーさんだし、ヘビー級だったら棚橋さん。それをベルトじゃなくて名前に変えて表してしまったんですけど、ホントに気持ちは変わらず。それが、全てが一つになるっていう。それはまあ、ジュニアは別として、もちろん。今回はインターコンチとIWGPヘビー級の統一という話ですけど」

──ひとつになって、新しい「IWGP世界ヘビー級」の初代チャンピオンということになるわけですが、先に向けてはどんな思いがありますか?

▼飯伏「僕の中では、初代だけど、やっぱりIWGPヘビー級、これは第84代、に、なった。インターコンチは28代、に、なった。という思いで、統一、初代、だと思ってます」

──歴史も続いていくという

▼飯伏「そうですね、引き続きこれは引き続いて行きたいと思います。もちろん、変わらない」

──そして「NEW JAPAN CUP」では挑戦者が決まるわけですが

▼飯伏「本当に、誰でもいいんですよ。何なら僕も出ていいですよ。はい。出ますよ。誰とでも戦いたい。誰でもいい。優勝した者が強い。それだけですよ。勝った者が強いっていう。いい試合と、勝った試合というのは、これはまた別で、今日は彼が素晴らしかったっていう、これは言いたい。『NEW JAPAN CUP』に対しても、優勝者、これは強い。その強い者と、僕は戦いたい。今この瞬間、誰とは言えないですね。まだ、まだまだ、僕が学ぶべき選手はたくさんいるんで。その選手たちと、まだまだ戦いたいなと思いますね。もっと自由なベルトにしたいと思いますね。もっと自由さを出していきたい。それを世界に向けて行きたい。それが僕の中での統一なんで(※首の後ろに手を組み、息を吐く)よーし、これからですよ(※と、ベルトを台から外して1本ずつももに乗せ、しばらく何も言わずにじっとベルトを見つめる)よし!(※と立ち上がり、また2本のベルトそれぞれをしばらく見つめて、カメラマンの前に出ると両肩に2本のベルトを掲げるようにして立ち、また2本とも胸元に抱きしめるようにして、ゆっくりと控室に向かう)」


【デスペラードの話】「(※バックステージに辿り着く前に椅子にしがみつくように跪く)ダメだそっち(バックステージ)まで行けねえ、ここで喋るぞ。統一だ、反対だ、グチャグチャグチャうるせえな! インターコンチ作った時だってテメエら散々文句言っただろ! ああ!? それが一個になったら、言い出したやつにまた文句言う、だぁ? クソくらえだテメエら! ああ! すげーチャンピオンじゃねーかよ! ああ! 俺だってまだ諦めねーからな。いやー手強いチャンピオン。3冠、ジャンボ鶴田だ」

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