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3/9【新日本】10年ぶりV3へ永田が辻撃破で1回戦突破 「世界のベルト獲るまでは辞められない」

 『NEW JAPAN CUP 2021』ジップアリーナ岡山大会が9日、行われ、2度の優勝経験を持つ永田裕志が辻陽太の奮闘を断ち切って2回戦進出を決定。二冠統一&IWGP世界ヘビー級王座新設に肯定的な意向を示したうえで、「世界のベルトを獲るまでは辞められない」と頂点返り咲き&IWGP世界ヘビー初戴冠を見据えた。

 2007年、2011年と2度NJCに優勝している永田は今年、10年ぶり3度目の優勝を狙う。1回戦の相手は2年連続出場となった辻。今年4月にデビュー3周年を迎え、脱・ヤングライオンを見据える辻の前に高い壁となって立ちはだかった。

 のっけから辻がショルダータックルで永田をなぎ倒し、エルボー連打で正面突破を図ったものの、真っ向から受け止めた永田はローキック連打、サッカーボールキックで返り討ち。ショルダーアームブリーカーを連発し、脇固めで絞め上げるなど左腕に集中砲火を浴びせると、サッカーボールキック、ミドルキックを連打するなど蹴りまくった。

 顔面に蹴りを食らいながらも辻はカウンターのドロップキックで顔面を射抜き返して反撃を開始。手拍子に後押しされて串刺しジャンピングエルボー、サマーソルトドロップ、フライングボディプレスの連続攻撃に出たが、永田はミドルキック連打、串刺しフロントハイキックの波状攻撃で遮断。珍しいダブルアームスープレックスで投げ飛ばし、辻が逆片エビ固めで捕らえても脚力で振りほどくと、ナガタロックIIで絞め上げた。

 すると辻はなりふり構わず手に噛みついて抵抗。ナガタロックIIIで丸め込まれても3カウント寸前に返してみせる。永田がミドルキックや張り手を連発しても、辻はスピアーで突っ込み、逆エビ固めであわやの場面を作った。が、しのいだ永田はエクスプロイダーで投げ飛ばして鎮圧。辻も張り手連打で必死に食らいついたものの、永田はカウンターの浴びせ蹴りで返り討ちにすると、バックドロップホールドを爆発させて3カウントを奪った。

 奮闘した辻の粘りを断ち切った永田が初戦を突破。3・14尼崎大会での2回戦にコマを進めた。「相手は辻とはいえ、一部ファンの下馬評では俺がやられんじゃないかと。まあ、そういうのはファンは好きだからね。そう考えたい気持ちはわかりますけども、そんな甘いもんじゃないですよ」とベテランの意地を垣間見せた永田は、二冠統一&IWGP世界ヘビー新設について言及した。

 かつてIWGPヘビー級王座最多防衛記録を作り、“ミスターIWGP"と称された永田だが、意外にも統一&新設に肯定的だった。「今まで“世界"がつかなかったベルトがこれから世界ナンバー2の新日本プロレスが世界によりはばたく上では、“IWGP世界"という名がついた、“世界"がついただけで大きく世界に躍進できるんじゃないか」というのがその理由。「俺自身、IWGP最年長戴冠記録を更新するという目的はもしかしたら“世界"がついたことでなくなってしまったのかもしれません。だけど、“世界"がついたベルトだからこそ、なおさら狙いがいがある」とIWGP世界王座獲りに色気をみせた。

 永田は今年プロレスラー29年目で、来月24日に53歳の誕生日を迎える。同世代の秋山準がDDTでKO-D無差別級王座を戴冠し、かつての先輩・武藤敬司が58歳にしてノアでGHCヘビー級王者に君臨している。ベテラン勢が存在感を増す現状に永田が刺激を受けているであろうことは想像に難くない。「たとえいくつになろうともIWGP世界のベルトを、ヘビーのベルトを狙っていきたい」とIWGP世界王座の歴史にも名を刻むつもりの永田は「世界のベルトを獲って。そしたら、もう何も思い残すことなく引退できるなと思いますんでね。俺ぐらいの年齢だと『いつまでやるんだ』という声がいろんなところから聞こえてくるけど、世界のベルトを獲るまでは辞められない。ずっと追い続けます」との強い覚悟を示した。

 このNJCを制すれば、4・4両国大会でIWGP世界王座挑戦のチャンスをつかむことができる。その第一歩を力強く踏み出した永田の2回戦は3・14尼崎大会で、4・17後楽園大会以来となるSANADAとの再戦が決まった。

【永田の話】「まずはNEW JAPAN CUP1回戦突破ということで。相手は辻とはいえ、一部ファンの下馬評では俺がやられんじゃないかと。まあ、そういうのはファンは好きだからね。そう考えたい気持ちはわかりますけども、そんな甘いもんじゃないですよ。まあそれはそれでサプライズを期待したファンには残念な思いをさせてしまいました。永田裕志はとりあえず日に日に成長していくしかないです。まあ、このNEW JAPAN CUP前に、IWGP戦線に関してね、(ヘビー級とインターコンチネンタルの)ベルトが統一され、“世界"という名がつくということで、かなり賛否…というよりも否の意見というか、今までの過去をなくすことに対する否定的な声というかね、残念な声が多いですが、ベルトに“世界"がつく。それをプラスにとらえて。今まで“世界"がつかなかったベルトがこれから世界ナンバー2の(団体である)新日本プロレスが世界によりはばたく上では、“IWGP世界"という名がついた、“世界"がついただけで大きく世界に躍進できるんじゃないかなと思ってます。まあ俺自身、IWGP最年長戴冠記録を更新するという目的はもしかしたら“世界"がついたことでなくなってしまったのかもしれません。だけど、“世界"がついたベルトだからこそ、なおさら狙いがいがあるというか、これからも、たとえいくつになろうともIWGP世界のベルトを、ヘビーのベルトを狙っていきたいと思ってます。これはもうできる、できないとかじゃなく、世界のベルトを獲って。そしたら、もう何も思い残すことなく引退できるなと思いますんでね。俺ぐらいの年齢だと『いつまでやるんだ』という声がいろんなところから聞こえてくるけど、世界のベルトを獲るまでは辞められない。ずっと追い続けます。そして、しっかり戴冠して、それからそのあとのことを考えます。以上です」

【辻の話】「(※上村の肩を借りて引き揚げてくる。コメントスペースにたどり着くや崩れ落ちるように座り込む)いつもそうだよな。口ではデカイことばかり言っていて、何ひとつ結果を残せない。これが新日本に入ってから4年間の俺だ。結局、俺は新日本プロレスにヤングライオンという鎖でつながれたまま、その鎖を自力で切ることができなかったんだ。まあ、これが現実だよな。ただな、一つだけ言わせてほしい。俺はバカじゃない。去年、成田と海野が何の成績も残さずに海外に旅だった。彼らはもっと強くなりたいから海外に行かせてくれとお願いした結果、海外遠征に行った。だったら俺だって、そうやって会社にお願いしてメキシコに連れて行ってもらいたいところだが、あいつらと同じじゃ意味がない。俺はそう思うんだ。結果で見してやる(※這って控室へ)」

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