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3/15【新日本】棚橋初戦敗退…ジェイがNJC2回戦突破、2冠復元へ進撃

『NEW JAPAN CUP 2021』東京・後楽園ホール(2021年3月15日)
「NEW JAPAN CUP 2021」2回戦 ○ジェイ・ホワイトvs棚橋弘至×

 NEVER王者・棚橋がまさかのNEW JAPAN CUP初戦敗退。ブレードランナーで逸材を葬ったジェイが2回戦突破を果たし、公約している2冠復元へ向けて進撃した。

 トーナメント前からNJC制覇とIWGP世界ヘビー級王者の飯伏幸太撃破、そしてIWGPヘビー級王座&IWGP インターコンチネンタル王座の復元を予告していたジェイ。1回戦で同郷のトーア・ヘナーレを下し、シードで2回戦からの出場となった棚橋戦に駒を進めてきた。直近で両者は2019年に2度対戦し、ジェイが連勝。NEVER王座の新たな価値創造をテーマに掲げる逸材としては絶対に負けられない戦いだったが、スイッチブレードは全てを飲み込んだ。

 試合前からジェイペースだった。入場時にロープを開けて棚橋を招き入れると、コーナーに上がって観客の拍手に応える逸材の視界に入って不敵な表情を浮かべる。棚橋が肉体美を披露すれば、負けじと筋肉を誇示した。戦前に「タナ、自らリングに寝そべってくれるよな?」と勝利献上を求めていたが、ゴングが鳴ると、早口の英語でまくし立て、棚橋に大の字になるよう要求した。

 応じると見せかけて、棚橋は即座に裏切って先制。しかし、ジェイは場外でヤングライオンを暴行して逸材を誘い出すと、鉄柵に腰から何度も叩きつけて流れを強奪する。棚橋が左ヒザ攻めに出ても、主導権は渡さない。ラフファイトを交えつつ、大技を抜群のタイミングで繰り出してジワリジワリと攻め立てた。

 それでも棚橋はロープを挟んだ状態でドラゴンスクリューを決めると、右足を掴んで自由を奪い、左足に不意を突く低空ドロップキックを突き刺して追撃。グラウンド式ドラゴンスクリューからテキサスクローバーホールドで絞め上げた。介入を狙ったセコンドの外道もドラゴンスクリューで返り討ちにすると、ジェイにはスリングブレイドをズバリ。ハイフライフローアタックは失敗に終わるが、止まらない棚橋はダルマ式ジャーマンで投げ飛ばし、再びテキサスクローバーホールドを仕掛けた。

 ジェイはサミングで強引に脱出して即座に首固めで丸め込む。負けじと棚橋もブレードランナーを首固めで切り返して応戦し、試合はスリリングな先読み合戦に突入した。棚橋はブレードランナーにこだわるジェイをドラゴンスクリューで黙らせると、ダメ押しで連発を狙う。が、回転する寸前、ジェイは上から首を掴んで棚橋をマットに寝かせる状態にして阻むと、そこから一気にブレードランナーを繰り出し、一撃で棚橋を葬った。

 NEVER王者として必勝を誓ってNJCに出場した棚橋を下し、ジェイが準々決勝進出。その舌鋒も鋭さを増すばかりで、マイクを持つと、「“REAL Jay1 CLIMAX"優勝者の俺がこの“NEW Jay-PAN CUP"を制覇する!」と改めて宣言した。さらに、「俺は優勝してIWGPヘビー級とインターコンチネンタルのベルトを復活させる。それがあのいかれた飯伏によって壊されたニュージャパンの歴史を立て直す唯一の方法だ。もうお前らファンだって、飯伏の暴走にはついていけないと気づき始めているはずだ」と2冠復活をファンの前で予告した。

 準々決勝(3・18静岡)の相手は同じく元外国人留学生のデビッド・フィンレーになるが、「フィンレー、最後にお前とシングルをやったのは3年前のことだ。改めて勝敗を振り返ったんだが、知ってるか。12-1だ。1度目はお前が運よく俺に勝てたものの、そのあと俺が12回連続で勝っている」と早くも勝利を確信。「棚橋、お前は俺に感謝するべきだ。何なら感謝の印として、お前が持っているそのNEVERのベルトを俺にくれてもいいぞ? 俺が責任を持ってベルトの価値を高めてやる」とNEVER王座にまで色気を見せた。

 まるで王様だと言わんばかりに、セコンドに付いた上村優也とゲイブリエル・キッドに自分を担がせ、そのままバックステージでコメントを出すなどやりたい放題だったジェイ。それでも、自信満々の発言が大言壮語とは思えないほど、今のジェイには実力も自信も勢いもある。初優勝、飯伏撃破、そして2冠復活――。スイッチブレードは自分が描いた青写真を現実にするため、進撃を続ける。

【ジェイの話】「(※ゲイブリエルと上村に両側から抱えさせてインタビュースペースに登場。ヤングライオンの2人に対し)落とすなよ! もっと力をつけなきゃダメだ。これもトレーニングのひとつだからな! お前たちが俺から教わることはたくさんあるぞ。タナはもう残りの短いオッサンだ。ゲイブ、お前は俺がいま何を言っているのか、すべてわかってるだろうが、ユーヤ、お前はこれが翻訳されたら字幕付きで見てちゃんと勉強しろよ。ゲイブ、お前の卒業もそろそろなんだろ? じゃ、俺たちのところに入ってもいいし、お前が望むならそのまま本隊に残ってもいい。だけど、俺は本隊を離れたおかげでここまでの成功を掴むことができた。タナ、4月4日の『SAKURA GENESIS』が終わったあと、お前は俺に感謝してもしきれないくらいの気持ちになるだろう。俺はベルトをもう1度IWGPヘビー級とインターコンチネンタルの2本に戻す。必要なら俺から直々にスガバヤシさんにお願いする。飯伏の提案はすんなり受け入れたんだから、俺の提案も受け入れられないとおかしいよな。それからタナ、NEVERのベルトも忘れず俺にくれよ。次こそリングに寝そべれば恥をかくことなく俺が“ちょっくら"終わらせてやる。(※ヤングライオン2人に)落とすなよ! ユーヤ、手の位置に気をつけろ。よし、いいぞ。デビッド、イブシ、タナに対して言うべきことは全部言ったし、この辺で終わるか。デビッド、3日後は(※皮肉を込めた口調で)俺たちの友情の再結成の日となるな。道場時代のことや話すことがたくさんあるな。ゲイブ、お前は道場での暮らしを楽しんでるか? 俺とデビッドは道場に住んでたときは仲良いダチだったけど、いまではこんなに差が開いた。ゲイブ、お前もこれからのことをよく考えて進んだほうがいいぞ。ちゃんと笑ってるか? 笑え!(※とゲイブリエルのマスクを無理やり取るが、ゲイブリエルは無表情のまま) じゃ、さっさと俺をここから連れ出せ!(※と、抱えられたまま控室へ)」

【棚橋の話】「(※肩を借りてインタビュースペースまでたどり着くと、うつ伏せに床に倒れ込み、しばらくその体勢で息をつき)あー、クソー! 頼りにならんな! 頼りにならんな、どこぞのエースは! クソーッ! (※体を反転させ仰向けになり、四つん這いで立ち上がろうとしながら)まだだーっ! まだ! 諦めない! NEW JAPAN CUPは負けたけど、諦めない! (※立ち上がり、NEVERベルトを肩にかけて)そうやって生きてきたから! NEVER GIVE UP……」

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