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3/17【GLEAT/大日本】河上が4月1日付でGLEATに移籍 「テッペン獲って新しい船の舵を切りたい」

 GLEATは17日、神奈川・横浜市の大日本プロレス道場で会見し、河上隆一が4月1日付で大日本から移籍すると発表した。

 今年に入って飯塚優、田中稔、#STRONG HEARTS(CIMA、T-Hawk、エル・リンダマン、鬼塚一聖)と選手の新入団が相次いだGLEATにこの春、新たな戦力が加わる。大日本の河上だ。

 河上は1988年11月29日、神奈川県藤沢市出身の32歳。2008年12月4日に大日本でデビューし、菊田一美との飛艶でBJW認定タッグ王座、全日本のアジアタッグ王座を戴冠するなど主力選手として活躍してきた。13年目となった今年、新天地でのチャレンジを決意した。

 この日、カズ・ハヤシ執行役員、大日本・登坂栄児代表も同席しての発表会見に臨んだ河上は、「カズ・ハヤシさんはじめ、田中稔さんがいて、UWFもあるという。最近さらに話題になっている#STRONG HEARTSの入団ということで、とても魅力的なメンバーが多い中、私、河上隆一、大日本プロレスを退団してでも行くという覚悟をGLEATで見せたいと思います。他の目立つ連中、レスラー、それをぶち抜いて、新団体ですから、最短距離で僕はテッペンにのし上がります。GLEATします」と決意表明した。

 「鈴木(裕之)社長からいろいろご提案を受けて、率直に面白そうだなと。行ってみたい、一緒にやってみたいという思いが僕の中にあった」と話した河上がGLEAT移籍を決めたのは好奇心、探求心からだ。GLEATは今年7月に旗揚げ戦を行い、団体として本格始動する。「停滞するより前に進みたい。常に前に進みたい」と考える河上にとって新団体であること自体が魅力の一つ。「GLEATに所属するメンバーを聞かされまして、これから所属するであろうメンバーもお聞きしまして、それに対して率直に魅力を感じた。そして今、26年目になった大日本プロレスではなく、またイチからGLEATという船を作れるという楽しみ。イチから船を作れることは僕の人生で有意義なことになる」と新たな挑戦ができる環境に興味をひかれた。

 GLEATにはUWFスタイルも存在するが、河上は「僕はやっぱりGLEATをプロレスとして新しい船の舵を切りたい」とキッパリ。そのためにもまずは団体内のテッペンに立つことが第一目標となる。そのうえで「#STRONG HEARTSだったり、カズさん、田中稔さんとはまた違った何かを僕がやっていかないとGLEATに行く意味がない。仲良しこよしじゃなく、個の河上隆一として、イチからGLEATのプロレスを僕が作っていきます」と団体像を構築していく構えだ。

 河上の移籍は引き抜きではなく、プロレス界では珍しい金銭トレードによる円満な形で成立したもの。河上の大日本所属としての試合出場は3・20横浜(昼興行)、3・28名古屋の2大会。同期・岡林裕二、師匠・関本大介とのシングルマッチ2番で12年在籍した大日本に別れを告げる。GLEATと大日本は今後も協力体制を敷いていく予定だが、河上は古巣のリングとは「距離を置きたい」と考えている。レスラー人生の再出発となる河上はまずGLEATのプロレス確立に全精力を傾ける。

【会見の模様】
▼カズ執行役員「この度、大日本プロレス様、リデットエンターテインメントで移籍選手発表共同記者会見を開始させていただきます。本日同席していただいています、大日本プロレス代表取締役社長・登坂代表です。そして河上隆一選手です。よろしくお願いします。実はですね、5月の大会につきまして、登坂代表から弊社代表・鈴木にご提案の連絡をいただいた際、鈴木から登坂代表にGLEATの選手を増やす相談をさせていただきました。その時に登坂代表から『河上選手はいかがでしょうか?』とご提案をいただきまして、大日本プロレスさんとGLEATの間で金銭トレードが成立したことをご報告させていただきます」

▼登坂代表「先ほどカズ・ハヤシ選手の方からお話しいただいたとおり、今回、GLEATプロレスさんが旗揚げするにあたりまして、選手を幅広く登用したいというようなお話をいただきました。それに至るまでに関しましては、5月4日、5日と北海道・札幌で弊社が2連戦を行う際に大会を企画してみてはどうかと私の方から鈴木社長にお話しさせていただきました。本来なら7月に旗揚げ戦を予定しているということでございましたので、それに向けて選手の起用、そして札幌大会は何らかの形…たとえばプレ旗揚げ、もしくは#0の形で検討したいというようなお話をいただきました。選手の登用に関しましては、私どもの方としましても選手を育てて、チャンピオンにして、エースにして、そして仲間としてと考えておりますので、所属の選手を手放すことに関しては大きな抵抗が正直ありました。今でもゼロではないというところは改めてお伝えしておきたいと思います。ただし、GLEATプロレスさんが幅広く選手を募っているということは業界の中でも、プロレスラーの中にもお話が行き届いているようで、河上選手の方からもそういうことがあればはせ参じたいという名乗り出がありました。本人の意向とGLEATプロレスさんへの協力体制、それから大日本から河上隆一という人間を送り出せる環境にあると考えまして。その際に大日本プロレスとしてもインディペンデント団体としてプロレス界に何か先駆けになるようなことができればと考えておりましたので、金銭が発生する形での移籍をご提案させていただきました。プロ野球でいうところの金銭トレードといったところになるかと思いますが、現時点で河上選手を人的に、GLEATプロレスさんからは大日本プロレスに金銭をという形での移籍となりました。この形が私はプロレス業界に30年ほどいる中で選手を取った取られた、引き抜いた引き抜かないというようなことではない、前向きな形で今後も行えればなというふうに考えています。弊社といたしましては5月5日に昼夜でGLEATプロレスさんとの大会が開催できると現時点で思っておりますので、良好な関係を築きつつ、よりプロレス界を盛り上げていけるような関係、そして選手になれればいいなというふうに考えている所存です」

▼河上「このたび3月末日を持ちまして大日本プロレスを退団、新団体GLEATに移籍することになりました。僕が12年、13年間お世話になりました。この件につきましても快く送り出していただいた登坂代表にはこの場を借りて感謝します。新しい団体、リデットにつきましてはカズさんはじめ、田中稔さんがいて、そしてUWFもあるという。最近さらに話題になっている#STRONG HEARTSの入団ということで、とても魅力的なメンバーが多い中、私、河上隆一、大日本プロレスを退団してでも行くという覚悟をGLEATに入って見せたいと思います。他の目立つ連中、レスラー、それをぶち抜いて、新団体ですから、最短距離で僕はテッペンにのし上がります。GLEATします。それが僕の覚悟です」

――3月末で退団ということで、旗揚げまでの期間をどのように動いていく?

▼河上「実際は残りは20日のラジアント、28日の名古屋大会を最後に退団ということなんですけど、最後に偶然なのか故意なのか同期・岡林裕二とシングル、僕の師匠である関本大介とのシングルというのも何の因果かわかりませんが。ここはやっぱり僕がどうしてもGLEATするっていう覚悟を見せる場でもあると思うんで、その二人に勝って、カツンカツンと勢いよくGLEAT入団、そして7月の旗揚げを迎えたいですね」

――河上選手に期待するところは?

▼カズ執行役員「やっぱりある意味、プロフェッショナルというか、河上さんにしかないプロレスっていうのがあると思うんで、そういうものをGLEATしていただけたらと考えております」

――金銭トレードという新しい形が成立し、送り出す側としてはどのような気持ち?

▼登坂社長「興行をやっていく中でいろいろイメージではパズルをはめていくことが多いんですね。この部分の出っ張りをこの部分に当てはめて丸く、もしくは四角くしていくのがプロレスの仕事の一つではないかなと思っています。大日本プロレスの中での活躍が100彼の実力を発揮できていたかというと、発揮できていなかったというふうに思っておりますので、今回GLEATさんに行って活躍する場が広がるのは良いことだと思っています。先ほど説明しましたように引き抜きとか、団体間の軋轢があってとかでない形で、しっかりと今後も団体内、業界内でも運行していくには金銭が発する形での移籍というのが一番良いのではないかと思っています。そうでなければ子供、弟のようなものですから、気持ちよく送り出せるかというと、過去の僕の生い立ちからしてなかなかそれを素直に送り出すことができなかったと思うので、新しいビジネスの形、選手の登用、選手の活躍、団体の隆盛というものをしっかりと作り上げていく中では、この形が一番よかったと僕は思っています」

――移籍後の河上選手の大日本への出場は?

▼登坂代表「僕の方からもし提案できるのであればですけど、時代は早いので、時間軸でいうと何年とかそういうことは必要ないかもしれませんけど、僕はGLEATの河上ができてから出場するべきではないかとは思っています。もちろんGLEATさんのマッチメイクの中で今どれだけの選手をこれから集めて、どういった形で試合するのかわかりませんけど、大日本プロレスが協力させていただく場合でも僕がマッチメイカーだったら、しばらく触れさせない方が面白いと思います」

▼カズ執行役員「これは河上選手個人としても、今はしばらくの間は出場しないで、自分のものを築き上げていっていただいた方がいいと思います」

▼登坂代表「大日本みたいに巡業するスタイルだったら、そういう線引きはない方がいいと思いますけど、GLEATさんの今聞いてるスケジュールだと1ヵ月に1回とか、そういった形でやるんであれば、あえてそこは線引きをして、それぞれが、もしくは河上選手の方からかもしれませんけど、GLEATさんの中で確立してから同期の岡林なのか、師匠の関本なのか、パートナーの菊田なのかわからないんですけど、ウチのリングなのかGLEATさんのリングなのか別として、対戦することがプロレスとしては面白いものだと思います」

――河上選手の意向は?

▼河上「出たくないですね。距離を置きたいです。なので次もしっていうこともあんまり。この世の中、さっき登坂さんもおっしゃったように世の中の流れは早いんで、どっちが時代に追いついていくか、どっちが追い抜かれていくかわかりませんが、相対することがあるんであれば、その時はその時で考えます。今のところ考えてないですね」

――GLEATに一番魅力を感じたところは?

▼河上「何ですかね。僕が子供なのか、年を取るにつれて好奇心が増えていって、大日本プロレスで12年、13年お世話になって、リデットの代表の鈴木社長からいろいろご提案を受けて、率直に面白そうだなと。行ってみたい、一緒にやってみたいという思いが僕の中にあって、その一度抱いた思いを遮断することはできなくて、結構僕の感情のままに進めたこともあったかもしれません。でもやっぱりとどまって停滞するより僕は前に進みたい。常に前に進みたい。現役の最高齢のグレート小鹿さんも常に前に進んでると思うんで。僕も人として、レスラーとして、もっと前に進んでいきたい。そういう気持ちで決意しました」

――どこが面白く感じた?

▼河上「最初にGLEATに所属するメンバーを聞かされまして、これから所属するであろうメンバーも鈴木代表からお聞きしまして、それに対して率直に魅力を感じた。そして昨日26年目になった大日本プロレスではなく、またイチからGLEATという船を作れるという楽しみ。できたものって変えられないんですよ。イチから船を作れるってことは僕の人生で凄く有意義なことになるんじゃないかと思って決めました」

――人生の転機、挑戦という形になる?

▼河上「だいぶでかいということですね。でも挑戦したかったんで。挑戦しないっていう選択は僕の中でなかったですね」

――UWFスタイルへの興味は?

▼河上「実は僕、解散間近のバトラーツっていう団体に出てまして、そういうルールについては経験してないわけではないのかもしれない。ちょっと違うのかもしれないですけど。でも僕はやっぱりGLEATをプロレスとして新しい船の舵を切りたいですね。メンバーも少ないんで、テッペンいくのはたやすいと思うんで。そのために行きます」

――GLEATのリングをどのような形にしていきたい?

▼河上「今までUWFもあって、プロレスルールもあってっていう興行が今までなかったんで、その時点で新しいんですけど、プラス#STRONG HEARTSだったり、カズさん、田中稔さんとはまた違った何かを僕がやっていかないとGLEATに行く意味がないと思うんで。仲良しこよしではなくて、個、河上隆一として、これからイチからGLEATのプロレスを僕が作っていきます」

――5月5日の興行について大日本側からどのような提案があった?

▼カズ執行役員「夜の興行が大日本プロレスさん5月5日にありまして、昼の興行で自分たちも興行というか、その時間を使って何かできないかなというようなことを今、考えているところです。おそらくGLEATとしてファンミーティング的なものを開きまして、その中でGLEATとはどういうものかを示したいと思っています。その中で試合もUWFであったりプロレスであったりを見せる場所が作れればと考えているところです」

――今回の件で田村潔司さんから何か聞いている?

▼カズ執行役員「ございません」

▼登坂代表「ちなみに小鹿さんは残念がってました。ウチはみんな残念ですけど。鈴木さんと話し合った時、真っ先に小鹿を推薦したんですけど、基本的にはブサイクはだめだと言われていたので引っ込めました。小鹿って言おうとしたら、ウチはいい男だけでいくと。河上選手が名乗りを上げたのも、河上選手自身が自信あるんだなって思ったり。あとはカズさん、ワクワク感は凄く感じました。古くは新間さんのUWFもそうだし、僕はSWS出身ですけど、SWSが旗揚げした頃もそうだし、いろんな選手が名乗りを上げていく今の絵っていうのは凄くワクワク感があって、7月が先なのか近くなのかわかりませんが、疾走する感じは凄くワクワク感はあるなと。何度も伝えたいのは、足を引っ張るとか、ダメじゃないのとか、無理だよじゃなくて、楽しいものができるってことの隣にいさせてもらって、河上選手を通じて大日本が力になれるということは喜びというか、やりがいの一つでもあります」

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