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6/26【全日本】三冠史上初の巴戦 ジェイクが宮原、青柳を激闘連破で悲願の至宝ベルト初戴冠「諏訪魔待っててやる」

『2021 Champions Night〜三冠統一の地から 50周年への飛翔〜』東京・大田区総合体育館(2021年6月26日)
三冠ヘビー級王座決定巴戦 ○ジェイク・リーvs宮原健斗×vs青柳優馬×

 三冠史上初の巴戦は3試合で合計47分41秒の激闘の末、ジェイクが宮原と青柳を連破し、悲願の三冠ヘビー級王座初戴冠を果たした。新時代の到来を告げたジェイクは「あんたからタイトルマッチで勝たないと、俺の物語は先に進まない。待っててやるよ」と緊急欠場となった諏訪魔にメッセージを送り、挑戦を表明した石川と芦野の勝者を迎え撃つことも宣言した。

 全日本2年4ヵ月ぶりのビッグマッチ大田区大会は波乱の連続だった。5月16日から6月26日に延期となり、カード変更を余儀なくされたうえ、開催4日前になって三冠王者・諏訪魔が新型コロナウイルス陽性判定を受けて緊急欠場。三冠ベルトを返上した。

 そこで諏訪魔に挑戦予定だったジェイクが6・26大田区での三冠王座決定戦を希望。宮原と青柳が名乗りを上げ、三冠史上初の巴戦で新王者決定戦が行われることになった。試合は抽選で決めた出場順で行われ、2連勝した者が勝者となる。2連勝する者が現れるまで戦いは休憩なしで続き、トライアスロンのような展開も想定された。

 しかもPWF会長ドリー・ファンク・ジュニアの提案によって、三冠の源流であるインターナショナルヘビー級、PWFヘビー級、UNヘビー級の3本のベルトが統一の地・大田区で限定復活。ジェイクがインター、宮原がPWF、青柳がUNのベルト持参で決戦のリングに立った。

 大会オープニングで行われた抽選の結果、巴戦は宮原と青柳の世界タッグ王者対決で幕開け。18分28秒の熱戦の末、宮原がシャットダウン・スープレックス・ホールドで勝利し、2戦目にコマを進めた。が、ほぼ休憩なしで突入し、宮原は疲労の色を隠せない。場外戦で先手を取ったジェイクはキャメルクラッチでひねり上げて消耗させ、場外戦でもニーリフト連打の雨を降らせた。

 宮原もエプロン上でのパイルドライバーで逆襲し、「エースは俺だ!」と魂の絶叫。ジェイクがドクターボムで反撃すると、最高男はD4Cを首固めで切り返し、ブラックアウトを連射したが、シャットダウンは決められず。ハイキックで棒立ちにさせたジェイクが高角度バックドロップで叩きつけて3カウントを奪った。

 3戦目はジェイクと青柳の対決に。ジェイクが勝てば新三冠王者誕生。青柳が勝てば最年少戴冠に王手をかける状況だった。2試合目とはいえ、若さゆえか青柳はしっかり回復して登場。エプロンから場外へのカーフブランディングで右腕を痛めつけると、ピンポイント攻撃に出て主導権を握った。

 その後、ジェイクも押し返してジャーマンで投げ合う意地の攻防に発展。エルボーでなおも意地を張り合って大きな拍手を起こすなど一気に熱を帯びた。終盤に突入し、ジェイクが腕ひしぎ逆十字固め、三角絞め、変型羽根折り固めとお返しとばかりに腕攻めでたたみかけ、ヒザ蹴り連打を浴びせると、青柳は大の字となった。

 だが、これは青柳得意の死んだふり。ジェイクが勝負に出たバックドロップをフロントネックロックで切り返すとエンドゲームへと移行。一転してピンチを迎えたジェイクはその後もエンドゲームに捕まったものの、何とか耐え抜くと、後頭部へのジャイアントキリングが勝利の呼び水に。高角度バックドロップ、D4Cと大技を重ねて激闘に終止符を打った。

 ジェイクが宮原、青柳を連破して巴戦を制し、三冠王座初戴冠。2011年8月のデビューから約10年で全日本の頂点に立った。現行ベルトを巻き、旧ベルト3本を手にしたジェイクは欠場となった諏訪魔に「お前との戦いは終わったわけじゃないんだよ。俺はお前の味方じゃない。俺はお前の敵だ。お前を倒して、専務業に集中させてやる。早く戻ってこい」とメッセージ。バックステージでも「あんたからタイトルマッチで勝たないと、俺の物語は先に進まない。待っててやるよ。早くとは言ったけど、万全な状態で戻ってこい」と早期復帰を呼びかけ、王者として迎え撃つ構えをみせた。

 また、試合後には芦野、石川が現れ、同時に挑戦を表明した。「もうこんな巴戦なんて、俺うんざりだ」とこぼしながらもジェイクは「お前ら、勝った方とやってやる」と二人に挑戦者決定戦を提案し、その勝者の迎撃を宣言した。また、3本の旧ベルトは試合後、馬場家に返還した。

 全日本2年4ヵ月ぶりのビッグマッチは新時代の到来を告げる結末となった。新王者となったジェイクはまず石川と芦野の勝者を退け、諏訪魔の帰りを待つ。

【試合後のジェイク】
▼ジェイク「リング上で言ったことがほぼ全てなんだが、何か聞きたいことは?」

――今回、三冠を初めて獲ったが、今はどんな気持ち?

▼ジェイク「リング上で最後に言った言葉、覚えてますか? 諏訪魔、俺とあんたの物語は終わったわけじゃないんだ。あんたからタイトルマッチで勝たないと、俺の物語は先に進まない。待っててやるよ。早くとは言ったけど、万全な状態で戻ってこい。コロナだけじゃない。体のあちこち痛いんだろ? しっかり治してこいよ、諏訪魔。待ってるぞ、お客さんが」

――元三冠の3本のベルトが手元にあるが、これについては?

▼ジェイク「冒頭に言った言葉が全てです。人生はチャレンジだ。どんな結果であれ、俺はチャレンジし続けた。こんな状況下でもだ。その結果、俺はこの結果を導き出した。方法なんてクソ食らえ。まずは結果をしっかり考えてから行動しろ。これを見ているヤツらもそうだぞ。落ち込んでんじゃねえよ、こんな情勢で。なあ? どんな手を使ってもいい。犯罪だけは犯すな、ですけど」

――ここから50周年に向けて、どう突っ走っていく?

▼ジェイク「まずは芦野、そして石川。早々と現れてくれた。こうじゃなきゃ、やっぱり。変更だったり、延期だったり、いろいろあったが、けど俺はそんなもんで止まるわけじゃない。ここからどんどん来い。俺に挑みたいヤツ。俺の意見に、俺の主義主張に反論したいヤツ、いっぱいいるはずだ。お前の主義主張をぶつけてこい。そうしたら、50周年、もっと華々しくなるぞ…ていう感じですね」

――今日は入場からイメージを一新していたが?

▼ジェイク「あれは、本当は対諏訪魔用で考えていたんだ。けど、青柳、宮原に使うとはな。まあ、いいや。この青柳、宮原、そう言えば世界タッグどうなったっけ? おい、土肥さん、羆さん」

※土肥と羆嵐を呼び込む

▼土肥「祝杯は大丈夫ですか? 祝杯は」

▼ジェイク「忘れてたよ」

▼羆嵐「おめでとうございます」

▼ジェイク「俺は持ってないけど、とりあえずベルトで乾杯だ」

※ビールを手にしたTOTAL ECLIPSEの面々と乾杯すると

▼ジェイク「改めて、土肥さん、羆さん、世界タッグどうなったんだっけ?」

▼土肥「試合後も言ったけど、世界タッグは俺らが暫定王者だ。なあ? 宮原&青柳、お前らが俺らに挑戦してこいよ。これでTOTAL ECLIPSE、ベルト独占」

▼ジェイク「おお、確かに。羆さん、何か言ってやれよ」

▼羆嵐「俺たちが暫定王者だ。今日勝ったんだよ。なんで俺たちにベルトがねぇんだよ。ベルトはねぇけどな、ビールがあるぞ。総帥、おめでとうございます」

▼ジェイク「血糖値、また上がるんじゃないですか?」

▼羆嵐「なんかバクバクしてきたな」

▼ジェイク「まあ、いいや。こんなんじゃ締まらないから。とりあえず一気に飲んでくれ。あと、改めてだ。この三冠ベルトを今回、この場に持ってきてくださって、ありがとうございました」

※株式会社H.J.T.Productionの緒方公俊代表に3本のベルトを返還する

▼ジェイク「もう聞きたいことはないだろう。もういいだろう。よし。以上だ」

【青柳の話】「ああ、ダメだった。またダメだった。ああ、クソ。いけると思ったんだけどなあ。ダメだ。まだまだ、まだまだ。全日本プロレスは、時代は、青柳優馬をお呼びではなかったようですね」

※宮原はノーコメント

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