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7/2【ZERO1】「これが火祭りや」 田中血染めも阿部とのバチバチしばき合い制して4年ぶりV6へ始動

『第21回 真夏の祭典・火祭り2021』東京・新木場1stRING(2021年7月2日)
「第21回 真夏の祭典・火祭り2021」Aブロック公式戦 ○田中将斗vs阿部史典×

 これが火祭りや」――田中が阿部とのバチバチのしばき合いを制し、4年ぶりV6へ向けて白星スタートを切った。

 世界ヘビー級王者・田中は2017年以来4年ぶり6度目の優勝を狙う。初戦の相手は初出場となったBASARA・阿部。最多優勝記録更新へ向けて快勝でスタートを切りたいところだった。

 臆さない阿部はサッカーボールキックや張り手を叩き込み、エルボー合戦となっても「俺は負けるか!」と向こうっ気の強さを見せつける。ラリーを低空ドロップキックで制し、左足のつま先に噛みつくなど、なりふり構わない姿勢も見せた。田中がサッカーボールキックで蹴り飛ばすと、阿部は3回蹴りつける3倍返し。低空ドロップキックでヒザを射抜き、ヒザ十字固めで絞め上げる。逃れた田中もヒザをついた状態でのエルボー合戦を制した。

 すると阿部は「俺が火祭りだ!」と再びエルボー合戦に持ち込んだが、田中が返り討ちにした。あきらめない阿部はカウンターのドロップキックをさく裂。多回転式ソバット、ランニングローキックと蹴りまくり、アキレス腱固め、ヒールホールドで再び足攻めに出る。田中もお返しとばかりに足に噛みついて逃れ、スピアーで逆襲。雪崩式攻撃を狙うと阿部がコーナー上でのお卍固めで抵抗したが、田中は雪崩式ブレーンバスターで叩き落とした。

 粘る阿部もドラゴンスクリューからの足4の字固めで捕獲。その状態で張り合ったり、頭を小突き合ったりと意地を張り合う。さらに阿部はサッカーボールキックで蹴り飛ばし、エルボー合戦を展開。阿部がソバットを見舞えば、田中はヒザへのスライディングDで譲らない。

 すかさずスーパーフライで田中がたたみかけたが、スライディングDをかいくぐった阿部もお卍固めで捕らえて応戦する。逃れた田中はスライディングDをぶち込んだが、2発目の構えを見せると、阿部は起き上がれない。足にしがみつく阿部に馬乗りになった田中は容赦なしのエルボー連打を浴びせる。ともに右ヒジのサポーターを外し、互いのコスチュームをつかみ合って近距離でのエルボー合戦でバチバチに火花を散らした。そのさなか、阿部は頭突きで田中の額を叩き割ったが、田中はこん身のランニングエルボーをグサリ。阿部は立ち上がれず、レフェリーが試合を止めた。

 激しいバチバチの打撃戦の末、田中が阿部を破って白星発進。額から鮮血をしたたらせながら「俺から言わせてもらったら、これが火祭りや。これがどこの団体にもない火祭りや」と胸を張った。レフェリーストップ勝ちのため勝ち点4で失点1となったものの、「火祭りとはどういうもんかっていうのはもしかしたらあいつの方が俺よりわかってたかもしれんし、そういう戦いを最初からしようとしてた」と阿部を評した田中は「あいつとの戦いはホントに僅差やったから俺がそこまで持っていけなかったっていうのが正直な気持ち。逆にこのヘッドバットで俺が伸びてたかもしんないし。そしたら0のところを3点か4点だっけ? 満点取れへんかったけど、点数獲れたってことは俺にとっての収穫」と好スタートを強調した。

 「どれだけこの火祭りのリーグ戦を盛り上げたか、熱く戦い、盛り上げたっていうのが真の勝者かもしれへんし、彼はそういうものを俺が優勝しても彼にそういうところを持っていかれる可能性だってある」。そう持論を展開した田中は「勝ち星を狙うだけではなく、熱い戦いをして、なおかつ勝利しないと意味がない。それがホントの真の火祭り刀を持つ者の宿命っていうか使命」と言い切った。それを体現するような戦いを阿部と繰り広げて手応えは十分で、「他の試合は見てないけど、そこに今一番近いのは俺か阿部だ」と言い切った。

 次戦は7・10千葉大会の佐藤嗣崇戦。阿部との熱い戦いで白星発進となった弾丸戦士が4年ぶりV6へ向けて始動した。

【試合後の田中】
▼田中「(額の傷が)どんななってる? 別に屁でもないし、まだ始まったばっかりやし、俺から言わせてもらったら、これが火祭りや。これがどこの団体にもない火祭りや。阿部、初だっけ? 初出場。俺は全リーグ戦、全火祭り出とるけど、あいつと初対決や。火祭りとはどういうもんかっていうのはもしかしたらあいつの方が俺よりわかってたかもしれんし、そういう戦いを最初からしようとしてたね。まぁ勝てた。彼とやって火祭りらしい田中将斗の開幕できたんじゃないかなと思います。キッチリ、ピンフォールなりギブアップなり、しっかり点数獲れればよかったんやけど、あいつとの戦いはホントに僅差やったから俺がそこまで持っていけなかったっていうのが正直な気持ち。逆にこのヘッドバットで俺が伸びてたかもしんないし。そしたら0のところを3点か4点だっけ? 満点取れへんかったけど、点数獲れたってことは俺にとっての収穫やし、火祭りいいスタート切れたって言っても過言ではないんじゃないかな」

――阿部の成長は体感した?

▼田中「何年前かな。何年前か忘れましたけど、彼が今の地位を築くずっと前に一回シングルやったっきりで、それ以来の戦いやったんですけど、ホント全然違うね。あの時は大きな敵に立ち向かおうって、気持ちはわかんないけど、そういうような戦いをしてたと思うんですけど。今回、そういうのプラス勝ちを狙いにきてたし、火祭りという戦いを意識してたと思う。やっぱ優勝しただけが一番熱い奴の勝者でもないし、どれだけこの火祭りのリーグ戦を盛り上げたか、熱く戦い、盛り上げたっていうのが真の勝者かもしれへんし、彼はそういうものを俺が優勝しても彼にそういうところを持っていかれる可能性だってあるから。ホントに戦い、勝ち星を狙うだけではなく、熱い戦いをして、なおかつ勝利しないと意味がない。それがホントの真の火祭り刀を持つ者の宿命っていうか使命だと思うんで。他の試合は見てないけど、そこに今一番近いのは俺か阿部だ」

【試合後の阿部】
▼阿部「火祭りが始まったというか、まだ火祭りを体現するような、僕が思ってる火祭り、僕が思ってるZERO1、僕が大好きなZERO1を思う試合をZERO1の心臓部分、田中将斗に自分が今できる最大限をぶつけたと思います。そして負けました。もちろんめちゃくちゃ悔しいんですけど、変な丸め込みで勝つことなんかよりも、よっぽど僕にとっては勝ち点10点。単独首位、そんな気持ちであります。痛かったぁ。痛かったぁ。クソ、楽しかった。火祭りまだ続きますけど、もちろん火祭り刀もありますけど、僕はZERO1を通してフジタ“Jr."ハヤトの存在も忘れてないので。ZERO1でこういうことをやることによって、そんなに仲良くもないし、関係性もないけど、自分がこういうことをやることによって、変な刺激、迷惑な刺激を入れていけたらなと思います。それは同時進行でやってることなんで、まずは火祭り。初戦は落としましたけど、勝てるでしょう。優勝しますよ。まだまだあきらめてないですから。これ以上にやりすぎぐらいがちょうどいい試合をして、火祭り刀を持って帰って銃刀法違反で捕まりたいと思います」

――火祭りの舞台で戦った田中はどうだった?

▼阿部「黒い。そして強い。プロレスラーって強くなきゃいけない、プロレスは戦いだっていうのをホントに信じられないぐらい体現してる日本のプロレスラーの数少ない一人だと思ってるので。自分にはないものをたくさん持っていて、ああいう殺気を出せたりとか、物凄く憧れる部分であり。でも憧れだけで終わらせないようにね、まだまだ追いかけたいなと心底思いました。けれども今、首が回りません。単独首位」

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