プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

7/10【新日本】デスヘがIWGPジュニアV2、石森を死闘撃破 イーグルス挑戦表明にドームでの迎撃宣言

『映画「ゴジラvsコング」Presents SUMMER STRUGGLE in SAPPORO』北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(2021年7月10日)
IWGPジュニアヘビー級選手権試合 ○エル・デスペラードvs石森太二×

 デスペラードが石森を死闘の末に撃破し、IWGPジュニア王座V2。試合後にVTRを使って挑戦表明してきたロビー・イーグルスの迎撃を宣言し、舞台を7・25東京ドーム大会に指定した。

 前王者の高橋ヒロムが負傷によりタイトルを返上し、3WAY戦による新王者決定戦を制してベルトを獲得したデスペラードは、自ら“暫定王者"と称し、自分自身やベルトの価値に危機感を持って、実力者と認める石森とのV2戦に臨んだ。実況席からヒロムが見守る中で行われた一戦は死闘となった。

 序盤は静かな立ち上がりとなったが、石森は左腕攻めに着手。鉄柵や鉄柱、コーナー金具、パイプイスまで巧みに使って徹底的に痛めつける。ネックツイストなどで首にもダメージを与え、Yes Lcokに向けての布石を打っていく。一方、デスペラードはヌメロ・ドスにつなげるべく左ヒザに集中砲火。石森と同じようにパイプイスや鉄柱まで使い、戦いは激しい消耗戦の様相に。

 石森は場外戦で脇腹から鉄柵上に落とすと、這うようにしてリングに戻ったデスペラードの背中に450°スプラッシュを投下。腕、首、脇腹攻めの総仕上げとばかりにYes Lockに絡め取った。ニアロープでデスペラードが命拾いすると、石森は海野レフェリーとの交錯を誘って無法地帯を作り上げ、容赦なく急所を蹴り上げる。が、デスペラードも金的攻撃で報復。試合はさらにヒートアップし、互いに痛めつけた関節を狙い合ってポジションが二転三転したが、ついにデスペラードがヌメロ・ドスに捕らえて勝機を掴んだ。

 ここで石森のパートナーであるエル・ファンタズモが乱入。海野レフェリーを場外に引きずり落とし、凶器が仕込まれていると噂される右足でデスペラードの脇腹を蹴り抜く。だが、デスペラードのパートナーである金丸義信が急行して追撃を妨害し、バックステージに連行して盟友を援護した。

 金丸の献身的な動きに応えようと、デスペラードはピンチェ・ロコを狙うも、ウラカンラナで切り返され、サイファーウタキを食らってしまう。再度仕掛けても空中で腕を絡め取られ、Bone Lcokに捕まって大ピンチに。石森はそこから流れるように、ブラディークロスを狙ったが、デスペラードは前宙して不時着。石森をコーナー金具に激突させ、強烈なロコモノ(ストレートパンチ)を一閃すると、最後はロコモーション式でピンチェ・ロコを2連発で繰り出し、死闘に終止符を打った。

 正攻法、ラフファイト、そして乱入とあらゆる手段を使ってタイトル奪取を迫った石森を退け、デスペラードがジュニア王座V2。最強の挑戦者を破り、自分自身としても、そして観客の意識からも“暫定王者"という見方を払拭した。

 激闘の傷跡はひどく、「あんなヤツと戦って、勝っても負けても、ベラベラベラベラしゃべれるわけねえだろ」とマイクでこぼしたデスペラードだが、「堪能しました、石森さん。ありがとうございました。なあ、俺はクリーンなチャンピオンだから」と石森にメッセージ。実況席のヒロムにも「そんなところにいないで、さっさと治せよ、お前は」と声をかけた。そして、札幌の観客の前で、「勝ったのは俺だってんだ。負けたみたいなコメントしか出せねえけど、あの石森に勝ったんだ。胸張って、俺がチャンピオンだ」と王者として堂々と締めくくってみせた。

 チャンピオンとしてのプライドと自信を掴んだデスペラードは「ファンタズモとBUSHIと争って獲って、そのあと一応YOHの挑戦退けてるじゃん。その3人に対してちょっと義理が立たないじゃん。アイツがそこで勝っても暫定チャンピオンになっちゃうからよ。話が悪い。だったらよ、腹決めて『俺がチャンピオンだ』って言うだろ。この試合は暫定チャンピオンなんてつもりではやってねーよ」と真意を説明し、「俺は正真正銘チャンピオンだったし、試合終えてからも言っただろ。石森なら誰も文句言わせねーよ。言うヤツがいるんだったら言ってくればいい」と力強く言い切った。

 試合後にVTRでイーグルスが挑戦表明。「やあ、チャンピオン。今のジュニアヘビー級のレスラーたちは次の挑戦者になろうとまるで鷲のように襲い合っている。この俺もチャンスを待っていたんだ。俺も少しはハゲタカみたいにならなくちゃいけないみたいだ。周りのヤツらを押しのけ、列の一番前に立ってやる。ロビー・イーグルスがIWGPジュニアヘビー級王座、次の挑戦者になる。他のハゲタカどもはもういない。チャンピオンに襲いかかる相手はこの“猛鳥"のみだ。そしてお前は、このスナイパーに降伏することになる」。そんなメッセージを受け止めたデスペラードは対戦を受諾し、V3戦が決定的となった。

 デスペラードは「チャンピオン様の要望です。東京ドームでタイトルマッチをやらせてください。挑戦者がビデオを送ってきたら俺は『いいよ』って言うから。できんだろ? たまにはチャンピオンの言うことも聞いてくれよ。ドームでやらせてよ」とその舞台を7・25東京ドーム大会に指定した。

 早くもV3戦に向けて動き出したが、「俺がチャンピオンだ」とリングの中央で叫んだデスペラードに迷いも気負いもない。これからは絶対的な自信を胸に防衛ロードを突き進んでいくだけだ。

【試合後のデスペラード】
▼デスペラード「あぁ、クッソ…。ハァハァ、頭回んねーよ。リングで言ったのがすべてだよ、石森に関してはな。次の話をしよう。ロビーだったな。アイツ、日本に来れんの? まあ、そんな心配はいいか。ああやってビデオを送ってくるってことは来てんだろ? しかもチャンピオンと来たんもんだ。タイトルマッチ前に無理くり撮ったもんだろ? どうせだったらデスペラード宛と、石森宛に2パターン撮っておけコノヤロー。なにがチャンピオンだ? 石森が勝ったって『チャンピオンおめでとう』って言って…まあいいや。ロビーか。アイツ、どれだけ振りだろ、日本来るの? それも思い出せないな」

――今までは“暫定チャンピオン"とおっしゃっていましたが、今回「俺がチャンピオンだ」とコメントされました

▼デスペラード「あれはね、このタイトルマッチ前に気が変わったよ。ファンタズモとBUSHIと争って獲って、そのあと一応YOHの挑戦退けてるじゃん。その3人に対してちょっと義理が立たないじゃん。アイツがそこで勝っても暫定チャンピオンになっちゃうからよ。話が悪い。だったらよ、腹決めて『俺がチャンピオンだ』って言うだろ。この試合は暫定チャンピオンなんてつもりではやってねーよ。俺は正真正銘チャンピオンだったし、試合終えてからも言っただろ。石森なら誰も文句言わせねーよ。言うヤツがいるんだったら言ってくればいい」

――試合後、解説席の高橋ヒロム選手を指さしたようにも見えました。

▼デスペラード「そこにいたからだよ。お前が勝手に想像しろ。我々は心を以て心に伝うとは思わねぇが、プロレスの価値観に関しては似たもんがあるからよ。それだけでたぶん何の気なしにやったって大人はわかるだろ。そこにグチャグチャ理由なんてなんだよ」

――試合後、ロビー・イーグルス選手から挑戦表明もありました。

▼デスペラード「いいことじゃないか。だって、一番自分の要望が通りやすいところだろ? 決まってた挑戦者が目の前で負けてよ、防衛しました。次の挑戦者いない状況だろ? だったら。そこで一番に声を上げれば、それは話が通りやすいだろ。ワトが来てればワトになったし、田口が来れば田口になってたよ。俺はいいっつぅの。誰が顔じゃねぇとか、挑戦権利あるとか周りがグダグダ言ったって、『俺がやるよ』っつったら、それが権利なんだからよ。今回のロビーだってそうだ。あれだけ手のかかった金のかかるビデオ…かかってのかな? まあ、わかんねぇけど、ビデオ作ってんじゃねぇか。やる気あんだろ? ただ、このあとタイトルマッチやる会場ってどこなんだよ? ってか発表になってる以外、俺も知らねぇんだけど。ってか発表になってるところも知らねぇんだよ。次どこだ? デカい大会。タイトルマッチをやるにふさわしい会場…」

――大阪府立2連戦、愛知県体育館大会、東京ドーム大会と続きます。

▼デスペラード「その中だったら、せっかくなら東京ドームがいいな。よし、いつになるわからん。だけど、チャンピオン様の要望です。東京ドームでタイトルマッチをやらせてください。挑戦者がビデオを送ってきたら俺は『いいよ』って言うから。できんだろ? たまにはチャンピオンの言うことも聞いてくれよ。ドームでやらせてよ。なんかある? 疲れたんだけど」


【石森の話】「ハァハァ…負けたなぁ。俺の2冠も幻で終わったかな。スッゲー悔しいけど、デスペラードの実力とジュニアの誇り、それにベルトの価値、それが再確認できて、ある意味、清々してる。しかし、悔しいなぁ。余計ほしくなっちゃったじゃねぇかよ。俺はまたチャレンジャーとして最短距離で、この位置へ上がってきてやる。どんな手を使ってもだ!」

プロ格 情報局