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7/23【大日本】中之上が野村と激闘ドローでストロング王座V5 阿部が挑戦状

東京・後楽園ホール(2021年7月23日)
BJW認定世界ストロングヘビー級選手権試合 △中之上靖文vs野村卓矢△

 中之上が野村と激闘30分ドローでストロング王座5度目の防衛に成功。野村との決着を誓った王者に阿部が挑戦状を叩きつけた。

 ここまで4度の防衛を重ねてきたストロング王者・中之上。この日のV5戦で迎え撃ったのはタッグ王者の野村。6・28後楽園大会で元王者でもある大地を蹴殺し、挑戦の名乗りを上げた。7・18名古屋大会における前哨戦では野村が直接勝利を収め、追い風を吹かせている。

 静かな立ち上がりとなり、中之上がねちっこいヘッドシザース地獄に引き込めば、野村はネックロック、首4の字固めで対抗。お返しとばかりにハンマーロックで長時間捕まえる。しばし中之上のうめき声が続いた。

 しのいだ中之上は場外戦からリングに戻ろうとした野村がエプロンに立ったところを足へのラリアットで逆襲。リングに戻ると左足攻めを開始し、ニードロップを連発して狙い撃ち。レッグブリーカー、リバースインディアンデスロックの徹底攻撃に出る。ブレーンバスター合戦も両ヒザから叩きつけて制し、師匠・武藤敬司ばりの足4の字固めで捕らえた。

 耐えた野村もミドルキック連打、高速ブレーンバスターで巻き返しを図るものの、中之上はフラップジャックで叩きつけて流れを変える。リバーススプラッシュを投下すると、再び足4の字固めで捕獲。耐えた野村はエルボー合戦を張り手で制し、中之上がバックドロップで叩きつけても、ジャーマンで投げてダブルダウンに持ち込んだ。

 試合時間は20分を経過。同時に起き上がった両者はエルボー合戦で意地を張り合う。ドロップキックを放った野村が盟友・阿部史典ばりの卍固めで絞め上げ、ランニングローキックで蹴り飛ばして攻勢に出る。ドラゴンを阻止されても張り手をぶち込んだが、次の瞬間、中之上がラリアットを叩き込んだ。

 すかさず中之上がリバースDDTで追い討ちをかけたが、ダイビングエルボードロップは野村は両ヒザで迎撃。馬乗りになってエルボーを乱れ打ち、ヘッドバットをぶち込む。ハイキックは中之上がラリアットで食い止め、こん身のラリアットをフルスイングした。今度こそダイビングエルボードロップを投下し、ムーンサルトを狙ってコーナーに上がったが、察知した野村はパワーボムで叩き落とした。

 攻撃の手を緩めない野村はジャーマンで追い討ち。鈴木秀樹ばりのダブルアームスープレックスで投げ飛ばす。再びドラゴンを食い止められても張り手をぶち込み、ラリアットを狙って突っ込んだ中之上を逆にラリアットでねじ伏せてみせる。中之上も王者の意地。ラリアットで応戦する。ショートレンジの2発目をかいくぐった野村がスリーパーで捕らえても、逃れた中之上はラリアットを叩き込んだが、野村は右ストレートで譲らず。時間切れ引き分けを告げるゴングが鳴らされた。

 30分間の激闘の末、中之上がドローながらストロング王座5度目の防衛を果たした。試合後、中之上は「結果は引き分け。俺の防衛や。どうだ? お前はそれで納得いってないやろ? 俺も納得いってません。必ずもう一回やろう。必ずもう一回、決着つけよう!」と再戦をアピール。「今日はありがとう」と右手を差し出した。すると野村は「ふざけんなコラ!」とその手をはたいて拒否。中之上は「必ずもう一度、決着つけます」と誓った。

 すると野村のセコンドについていた阿部が背後から中之上に蹴りを見舞って宣戦布告。「おい、ありがとうとか、いつからストロングはそんなスポーツライクであっさりした感じになってんだよ? このヤロー!」と異を唱えると、「ありがとうとか、終わったあと握手とか毎回しやがって。そんなの俺がぶち壊してやる。よく聞け中之上。身長も体格もジュニアなのに負けるの怖くなかったら、そのベルト、次、俺に挑戦させろ」と挑戦状を叩きつけた。

 中之上に拒む理由はなく「望むところや」と受諾。阿部を逆なでするように右手を差し出した。当然、阿部も前蹴りを見舞って反発し、「そういうのだよ。全部、俺がぶっ壊してやるよ」と通告。去っていく阿部に向かって中之上は「阿部! いつでもこいコノヤロー!」と怒声とともに言い放った。

 両者によるストロング王座戦がこれで決定的に。ストロングBJに一石を投じる阿部の発言によって、二人の戦いは殺伐としたものとなるかもしれない。

【中之上の話】「あの阿部ボケ、ホンマ。何や、あいつ。調子乗ってんな。俺に挑戦表明してくるってことは…野村にも勝たれんかった確かに。ただ、あいつは思いっきりしばいてやるよ。思いっきりしばいてやる。みとけよ。あいつホンマ許さへんぞ」

【試合後の野村、阿部】
▼野村「俺は認めてねぇからな。負けてねぇからな、このヤロー。握手なんか求めてきやがって、このヤロー。ホントは俺が獲って、こいつがジュニアのベルトを獲る予定だったけど…」

▼阿部「でも、まったくもって僕はあれが無制限1本だったら野村が勝ってたと思います」

▼野村「こうなったからには、いつ阿部がやるかわかんないけど、全力でサポートはしたいと思います」

▼阿部「あのチャンピオンから獲ってさ、このあっさりした感じをさ、もう一回、全部めちゃくちゃにしよう」

▼野村「そうだね」

▼阿部「俺たちで凄いのみせようよ」

▼野村「ということは、お前が獲ったら1回目の防衛は俺か?」

▼阿部「よくわかんねぇことになるけど、それでも獲れるぐらいスポーツライクなチャンピオンなんだよ。プロレスはスポーツじゃないと俺は思ってるから。クソつまんないんだから。お疲れ様でした、握手しますみたいな、そんなのばっかりずっと見てきたけど、そういうのじゃないと思うんで。前哨戦で負けて挑戦する、そんなのばっかりが僕はプロレスじゃないと思ってるから。ベルトを越えたところにいると思ってるんで。行く気なかったらいいよ。ごめん、それはそれ。ありがとうございましたってまた言ってきたから、ちょっとイラっとしてしまいました」

▼野村「熱くなってたな」

▼阿部「熱くなりました。それはすいません。で、足痛いから止めに来れませんでした、彼が」

▼野村「(苦笑)」

▼阿部「足が痛いからリングに上がってこれませんでした、彼が」

▼野村「気づいたらお前がリングに…(苦笑)」

▼阿部「俺、元気だから走っていっちゃいました。彼、足が痛いから止めてくれませんでした。ただ、こんなあっさりしたストロングというのはぶち壊そうよ」

▼野村「そうだね」

▼阿部「ぶち壊そう」

▼野村「鈴木秀樹がいた頃のような、ストロングをその頃に戻そう」

▼阿部「ぶち壊そう。こんなのダメだよ。オリンピックやってるんじゃないんだから。戦い終わって平和です、ありがとうございましたみたいな。オリンピックじゃないんだから全部ぶち壊そう」

▼野村「今度、阿部が全力の戦いを皆さんに見せてくれると思うんで、僕は全力でサポートします」

▼阿部「全力でやりますから。ありがとうございました」

▼野村「悔しいなぁ」

▼阿部「悔しいな、あれは」

▼野村「負けてねぇのに」

▼阿部「負けてないから。で、中之上は勝ってもいないから。それ忘れないように。でも俺が行っちゃったから衝動的に。それも忘れないでください」

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