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8/27【新日本】ヒロムが復帰戦で29分43秒の熱闘 肉薄DOUKI撃破でいざIWGPジュニア奪還へ

『映画「ゴジラvsコング」Presents SUMMER STRUGGLE 2021』東京・後楽園ホール(2021年8月27日)
高橋ヒロム復帰戦 ○高橋ヒロムvsDOUKI×

 ヒロムが6ヵ月ぶりに復帰。時間切れ寸前の29分43秒に及んだ熱闘の末にDOUKIを破り、9・5メットライフドーム大会でのIWGPジュニア王座挑戦へ向けて弾みをつけた。

 大胸筋断裂によって今年2月から欠場していたヒロムがついに復活の時を迎えた。返上したIWGPジュニア王座は欠場の間、エル・デスペラード、ロビー・イーグルスと移動。9・5メットライフドーム大会で王者イーグルスへの挑戦が決まり、6ヵ月ぶりの奪還に乗り出すことになった。

 復帰早々、タイトルマッチかと思われたが、ヒロムはその前にこの日の後楽園大会で復帰戦を迎えた。相手はメキシコ遠征時代から旧知の間柄にあるDOUKI。自ら指名し、メインで対決した。ベルト挑戦へ向けて復調ぶりを見せつける必要があったが、DOUKIが肉薄し、タイトルマッチ級の熱戦となった。

 6ヵ月ぶりに花道を歩いたヒロムは「祝・復帰」と書かれた大きい幕をロープにかけ、その前でポーズを決めたが、そこへDOUKIが襲いかかって試合開始。フェンス攻撃を連発されたが、ヒロムは場外での正面飛びドロップキックですぐさま反撃。鉄パイプ攻撃を食らっても、正面飛びドロップキック、エプロンから場外へのミサイルキックで巻き返す。コルバタ、低空ドロップキック、ファルコンアローで一気に攻め立てた。

 DOUKIは延髄斬りからのイタリアンストレッチNo.32で捕らえて逆襲に転じる。ロープに逃れたヒロムは延髄ラリアット、投げっぱなしジャーマン、コーナーフロントスープレックスで挽回。コーナーデスバレーボム、シットダウンパワーボム、カサドーラボムでたたみかけたが、場外へのサンセットフリップパワーボムはDOUKIがフランケンシュタイナーで切り返し、コーナー最上段からのDOUKIボムを敢行。直撃を受けたヒロムの動きが一気に鈍った。

 すかさずDOUKIがデイブレイクで追い討ちをかけたが、ヒロムも意地。ラリアットの打ち合いに持ち込んだ。土とんの術でニアフォールに追い込まれたものの、スープレックス・デ・ラ・ルナはコンプリートショットで切り返した。時間切れが刻一刻と迫る中、ビクトリーロイヤルで追い討ちをかけたヒロムはTIME BOMB IIでダメ押ししてようやくDOUKIから3カウントを奪った。

 勝負タイムは29分43秒。時間切れ17秒前の決着でヒロムが復帰戦を快勝で飾った。試合後、王者イーグルスがやってくると、ヒロムは1分間限定で「ベルトさん」と会話。2度にわたる負傷欠場による返上を批判されたものの「次、ロビーから勝ったら、一生ベルトさん」と誓ってみせた。

 「この感じ、久しぶりだなぁ。帰ってきたって感じするわぁ。やっぱりプロレスしたあとって、こんな気持ちよかったんだなぁ! 快感だぜ!」。6ヵ月ぶりのリングで充実感に浸ったヒロムは「ロビー・イーグルス、俺は勝ってベルトをいただく」と宣言。最後に「もっと! もっと! もっと!」と連呼してから「みんなで! 楽しもうぜ!!」と絶叫し、満員となった後楽園大会を締めた。

 欠場中は「ジュニアとは何なのか、ヘビー級とは何なのか」をファン目線で考えながら新日本のリング上をみつめてきた。そこで抱いたのは「ジュニアとヘビー、違いが分かんねぇな。よくか悪くか、違いが分かんねぇな。でもコレってさぁ、ヤバいんじゃないの? 全てが曖昧だとさぁ、これから先、ジュニアをやりたいと思う人間がいなくなっちゃうんじゃないかって、すげぇ不安になったよ」との危機感。そこでヒロムはその境界線をこれからの戦いで明確にするつもりで「9・5メットライフドーム、IWGPジュニアヘビー級選手権試合、ロビー・イーグルス、新日本プロレス・ジュニアの戦いを見せた上で俺が勝つ!」と誓ってみせた。

【ヒロムの話】「ただいま(※と片膝をついて床に座る)気持ちいいなぁ。プロレス、気持ちいいわ。大好きだわ。半年も試合しないと、この快感は味わえないし、忘れちゃうんだなって。相手がDOUKIでよかった。DOUKIじゃなかったら、もしかしたら不完全だったのかもしれない。いいよ、DOUKI。お前にとってこれがアップなのかどうなのか、お前が感じたことに任せるよ。(※顔を上げ、大きな声になって)あぁ、いやぁ、それにしても今日、会場に来て、控室、淋しかったよ。やっぱL・I・Jのみんながいないと淋しいなぁ。たぶん今頃、内藤さんあたりはツイッターで『フェリシダデス、カブロン!』とかってつぶやいちゃってくれてんじゃねぇの? うん、今急いで打ってるかもしれないしね。『フェリシダデス、カブロン!』。『逆にこれは打たない方がヒロムにとっておいしいんじゃないか?』とかって考えちゃうのが内藤さんだけどね(笑)。やっぱり何か淋しかったよ! 鷹木さんの独り言が聞こえなかったからさ、俺が独り言を言っちゃってたよ、一人でね。ホントの独り言だったよ(笑)。まぁいいんだ。それはいいんだ。俺はこの欠場期間、約半年、何を考えてプロレスを見てたと思う? ジュニアとは何なのか、ヘビー級とは何なのかを真剣に考えて見てたよ。いち選手として見るんじゃなくて、ファンの気持ちになって、いちファンとして俺は見てた。ジュニアとヘビー、違いが分かんねぇな。よくか悪くか、違いが分かんねぇな。でもコレってさぁ、ヤバいんじゃないの? 全てが曖昧だとさぁ、これから先、ジュニアをやりたいと思う人間がいなくなっちゃうんじゃないかって、すげぇ不安になったよ。ジュニアとヘビー、何が違うと思う? 頼みの綱の上村も『105kgになって帰ってきたい』って言ってたし、デビューしたばっかのあの2人もジュニアなのかヘビーなのか分からないけど、どっちなんだろうなぁ。ただ今、この曖昧な状況でジュニアを選択してくれるかどうか、俺はそこが怖い。どれだけすごい試合、必死こいた試合、面白い試合をしようが、どっちを選択してくれるんだろうなぁ。(※立ち上がって)だったらさぁ、思いついちゃったんだよ。ジュニアによる、ジュニアのための、ジュニアの入門テストをやろうぜ。トレーナーはそうだなぁ…(※ビデオカメラを指差して)金丸さんがいいかなぁ。いや、いいんだ、いいんだ。コレを一人のファンの意見として聞くか、それとも真剣に向き合って、そろそろ考えるべきなんじゃないのか? 新日本プロレス。つまり、9・5メットライフドーム、IWGPジュニアヘビー級選手権試合、ロビー・イーグルス、新日本プロレス・ジュニアの戦いを見せた上で(※胸を叩いて)俺が勝つ!」

【DOUKIの話】「(※フラフラとインタビュースペースにたどり着くと、床に倒れ込んでしばらく動けず、やがて少し顔を上げて、小声で)悔しい…。ただただ悔しい…。(※体を起こして)負けたヤツが、もう1回やらせろって言う気持ちが分かる。悔しい。すぐにでもリマッチがしたい。だから、(※立ち上がって控室へ向かい始める)タイトルマッチ、勝て。お前がチャンピオンになったら俺が挑戦する」

【イーグルスの話】「もっとだって? 『ワンミニット、プリーズ!』って何度もしつこいな。勝てば(ベルトと)好きなだけ話せるだろ。そしてアニメ声でも使って会話してろよ。(実際には)ベルトは話さないけどな! お前どうかしてるよ。じゃ、次はメットライフドームだ」

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