9/5【新日本】鷹木&LIJがドームメインで「大復活」のV2 大荒れ総力戦でEVIL返り討ち

『WRESTLE GRAND SLAM in METLIFE DOME』埼玉・メットライフドーム(2021年9月5日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○鷹木信悟vsEVIL×

　鷹木が大荒れの総力戦で、ロス・インゴ・ベルナブレス・デ・ハポンのメンバーに助けられ、EVILを返り討ち。メットライフドーム大会のメインで「大復活」のIWGP世界ヘビー級王座V2を果たした。

　IWGP世界ヘビー級王者の鷹木は、7・25東京ドーム大会で棚橋を破って初防衛を果たしたものの、試合後にEVILの闇討ちに遭い、屈辱の大の字に。ドームの借りをドームで返すべく、メットライフドーム大会メインでのV2戦が組まれた。前哨戦ではEVILに奪われたベルトが破損。怒りが爆発寸前となっていたが、新型コロナウイルスに感染したため、直前の前哨戦は立ち消えに。鷹木は3週間ぶりの復帰戦で、即防衛戦を行うという厳しい状況だった。

　前夜のメットライフドーム大会でSHOがBULLET CLUB入り。EVILは裕二郎&東郷とともに新チーム「ハウス・オブ・トーチャー(House of torture)」の結成を宣言していたが、今宵は4人揃ってリングインし、不敵な笑みを浮かべて鷹木を待ち受けた。試合が始まってもSHOが暗躍。パイプイスを持ってエプロンに上がり、鷹木の注意を引きつけると、背後からEVILが奇襲する。

　序盤こそ正攻法で試合は進んだものの、場外戦になると、ハウス・オブ・トーチャーの面々が次々と介入。すかさずEVILはベルトの置かれた本部席に鷹木を連続して叩きつけた。阿部リングアナは吹き飛びながらも、身を挺してベルトを守る。気にせずEVILはその後も反則攻撃を連発して攻勢。SHOら3人も場外で鷹木を暴行した。

　ハンディキャップマッチのような展開が続いたが、鷹木の闘志は消えなかった。再び場外戦になると、本部席にEVILと東郷を強引に座らせ、そこに裕二郎&SHOを豪快に叩きつけて、4人まとめて吹き飛ばす。ここで、海野レフェリーはSHOら3人を退場させた。

　邪魔者がいなくなったところで、鷹木は熨斗紙、ぶっこ抜き式ジャーマン、スライディングラリアットと一気呵成。EVILも海野レフェリーを使ってのひとりマジックキラーを皮切りに、コーナー最上段からの雪崩式ブレーンバスター、Scorpion Deathlock、ダークネスフォールズで大技でたたみかける。さらにEVILを予告したが、引かない鷹木はパンピングボンバーを逆襲。両者大の字となり、ようやくタイトルマッチらしい熱がリング上を包み込んだ。

　しかし、激闘をよそに東郷がひっそりとリングサイドに再登場。鷹木はMADE IN JAPANでEVILを追い詰めるが、レフェリーのカウントを東郷が足を引っ張って妨害する。無法地帯になると、東郷、さらには裕二郎が連続乱入。必死に抵抗した鷹木だったが、裕二郎のスティック攻撃、ピンプジュースを食らってしまってKO寸前に。総仕上げとばかりにEVILはリングにパイプイスを持ち込んだ。

　鷹木のピンチをロス・インゴ軍の面々が助けた。試合のなかったBUSHIが飛び込み、EVILらを排除。ならばとSHOも姿を現し、鷹木の脳天にパイプイスを振り下ろすと、ショックアローを狙うが、今度は内藤&SANADAが急行して引き離す。息を吹き返したEVILが混乱に乗じてベルトを強奪し、殴打を狙うが、鷹木は力ずくで奪回に成功。EVILがスキを突いて金的攻撃を狙ってきても、ギリギリで防ぎ、左腕ラリアット、パンピングボンバーでねじ伏せる。そして、仲間たちに「押さえておけ!」とアピールすると、最後はラスト・オブ・ザ・ドラゴンでEVILを沈めた。

　ハウス・オブ・トーチャーの度重なる介入に苦しみながらも、ロス・インゴ軍の仲間たちに助けられて、鷹木がIWGP世界ヘビー級王座V2。試合後にはIWGPジュニア戦を終えた直後のヒロムも駆けつけ、約半年ぶりにロス・インゴ軍のフルメンバーがリングに集結した。

　仲間たちに見守られた中、マイクを持った鷹木は「しんどかったよ。今日だけじゃない。この3週間、いろんな意味でしんどかったよ。だが、改めてメットライフドームに集まったファンとワールドを見ているファンに報告したい。鷹木信悟、無事ベルトを持ったまま、新日本のリングに帰ってきたぞ」と感慨深げにあいさつ。「まさか、コロナウイルスに感染しちまってな。試合するのは3週間ぶり。不安がないと言ったら嘘になるかもしれない。だけど、俺はその不安を消し去るために、やれる限りのことはやってきた。このご時世だ。決してウイルスを俺は舐めてない。だけどよ、俺はプロレスラーだ。リングに上がれば、病み上がりとか、後遺症なんて関係ねえんだよ」と力強く断言した。

　そして、「俺は今日、1人のプロレスラーとして、意地とプライド、そして信念を背負ってここにやってきた。今日の結果を持って、鷹木信悟、大復活だ」と雄叫び。ロス・インゴ軍フルメンバーの集結に大きな拍手が巻き起こると、鷹木は「俺はチャンピオンとして、まだまだやることはたくさんあるんだ。これからもランペイジドラゴン、暴れ龍として、とことん暴れ狂ってやるぜ。ということで、俺の言いたいことは…以上だ」とメットライフドーム大会2連戦の大トリを見事に締めた。

　ベルトを死守した鷹木の次なる目標は、2週間後に開幕する『G1 CLIMAX』だ。「これでベルトを持ったまま『G1』に参戦だ。なあ、オイ、俺はベルトを持ってっけどよ、『G1』覇者という冠が欲しいんだよ。棚橋だって、オカダだって、飯伏だって、内藤だって優勝してんだからな。だったら俺も優勝するしかねえだろう」と初制覇を予告した。

　さらに、8・14ロサンゼルス大会に突如として姿を現し、自分が正統な王者だと主張し、鷹木を「暫定王者」扱いしたウィル・オスプレイにも言及。「全治未定という謎の欠場してたウィル・オスプレイが、アメリカで偽物のこのベルトを持ってほざいてるらしいな? ハッキリ言っといてやるよ。オイ、オスプレイ! 真のIWGP世界ヘビー級王者はこの鷹木信悟だ! お前はフェイクだ。オスプレイ、文句があんだったら日本に来てみろ。話ぐらいは聞いてやるぜ。もちろんお前は列の最後尾だけどな」と挑発した。

　オスプレイとの王者問題はいつか決着をつけなければならないが、まずはG1に集中する構え。過去2回は負け越しに終わっているが、今年は立場が違う。龍の如く頂点まで駆け上がるのみだ。

【鷹木の話】「(※IWGP世界ヘビー級のベルトを触りながら)ああ、やっと俺の元に戻ってきたぜ。3週間ぶりにでかい声を出したから喉が枯れちまった。EVILは所詮EVILだな。やっぱなんも変わってねえよ。SHOだけは残念だな。残念というより気の毒だよ。あいつらは上っ面の関係だから。俺たちを見てみろよ。何も言わなくても仲間が危ない時は、助けに来てくれるんだよ。俺たちの絆のほうが、L・I・Jの絆のほうが本物だろう。よし、これでベルトを持ったまま『G1』に参戦だ。なあ、オイ、俺はベルトを持ってっけどよ、『G1』覇者という冠が欲しいんだよ。棚橋だって、オカダだって、飯伏だって、内藤だって優勝してんだからな。だったら俺も優勝するしかねえだろう。それに飯伏と内藤が同じブロックか。面白え。令和3年のこの時代に昭和57年の最強を決めようじゃねえか。あっ、それから! 思い出したよ、もう一つ。あのウィル・オスプレイが、全治未定という謎の欠場してたウィル・オスプレイが、アメリカで偽物のこのベルトを持ってほざいてるらしいな? ハッキリ言っといてやるよ。オイ、オスプレイ! 真のIWGP世界ヘビー級王者はこの鷹木信悟だ! お前はフェイクだ。オスプレイ、文句があんだったら日本に来てみろ。話ぐらいは聞いてやるぜ。もちろんお前は列の最後尾だけどな。まあとにかく……ちょっと失礼。喉が枯れちまったから。あんまり長く喋りすぎると、一応病み上がりなんでな(※と言って、ZIMAをごくごくと飲む)。今日は、今日は特に短めに終わらせてもらうよ(※と言って、もう一度ZIMAを飲みほして控室へ)」

※EVILはノーコメント