10/18【新日本】飯伏がAブロック突破で優勝戦進出 KENTA堂々粉砕でついに三連覇へ“王手"

『G1 CLIMAX 31』神奈川・横浜武道館(2021年10月18日)
Aブロック公式戦 ○飯伏幸太vsKENTA×

　『G1 CLIMAX 31』Aブロックの最終公式戦で飯伏がKENTAをカミゴェで撃破。優勝進出戦(10月21日、日本武道館)進出を決め、前人未到の三連覇へいよいよ王手をかけた。

　4人(飯伏、KENTA、鷹木信悟、ザック・セイバーJr.)が首位タイで並ぶ混戦模様で迎えたAブロック最終日だが、第3試合で鷹木が高橋裕二郎とまさかの両者リングアウト決着、第4試合ではザックがタンガ・ロアに敗れ、次々に脱落。ブロック突破の行方はメインイベントの「飯伏vsKENTA」に委ねられた。

　序盤からKENTAに主導権を握られた飯伏は一方的に攻め込まれた。バックステージに連行され、観客のいないところで暴行されると、リングアウト寸前でなんとか戻ったものの、その後もKENTAペースが続く。反撃も流れを変えるには至らず。レフェリーとの交錯を誘われ、リング上が無法地帯になると、パイプイスで腰を痛打された。

　すると、飯伏の表情が一変。パイプイスを奪い取るが、あえて使わず、リング下からテーブルを持ち出した。リングサイドに設置すると、そこめがけて断崖式スワンダイブジャーマンの構えに。かつての破天荒な飯伏を思わせる動きに場内は大きくどよめく。これは未遂に終わったものの、KENTAを強引にテーブルに寝かせると、片側のテーブルの脚が折り曲がった状態にもかかわらず、お構いなしにコーナー最上段からボディプレスを投下した。

　大ダメージを負ったKENTAだったが、大技ラッシュで巻き返すと、右の掌底を乱射するが、飯伏もカウンターの右ハイキックを一閃。一気にカミゴェを叩き込む。沈まないKENTAはGAME OVERに捕獲。しのがれてもコーナー金具に頭から激突させて丸め込んだが、飯伏は肩を上げた。そして、go 2 sleepをキャッチすると、飛びヒザ蹴りをズバリ。延髄にそサポーターを外した生ヒザでカミゴェをぶち込むと、正面からもねじ込み、3カウントをもぎ取ってAブロック突破を決めた。

　今夏は誤嚥(ごえん)性肺炎で約2ヶ月間に渡って欠場。IWGP世界ヘビー挑戦が決まっていた東京ドーム大会に穴を開け、心肺機能も衰えるなど、心身ともに深いダメージを負った。どうにか9月に復帰してG1には間に合ったが、開幕戦では裕二郎、3戦目ではザックに敗れて早々に窮地に陥った。

　それでもドームで戦うはずだったIWGP王者・鷹木を破って一気に上昇。熱闘と勝ち星を積み重ね、最終公式戦でもKENTAを堂々ねじ伏せて4年連続で優勝決定戦進出を果たした。

　マイクを握った飯伏は「三連覇してみせます。この言葉、いつも言ってますよね? 僕は何からも逃げない! 負けない あきらめない! そして、絶対に裏切らないから!」。逃げずに、あきらめずにつかんだ優勝戦の舞台。ここまで来たら三連覇の期待は裏切れない。

【飯伏の話】「(※這うようにしてインタビュースペースに着くと床に転がり、しばらく荒い息を吐いて)まだ、まだ、まだ終わってない。まだ終わってない。ホントに、こういう言葉は使いたくないけど、ホントに、ホントに、限界突破。限界突破。限界突破したんじゃないかと思ってますけど、まだ終わってない。まだ終わってない。まだ終わってない。4度目、優勝決定戦。3回目の優勝、必ず、必ず守るから。(※出口へと這いながら)お願いしますよ、Bブロック、誰が上がってくるんですか? 待ってますから」

【KENTAの話】「(※インタビュースペースに着くと座り込んで)言ったじゃん、アイツおかしいって。やっぱアイツおかしいよ。イブコーおかしいよ。でも、俺は、ああいう狂ったイブコーとやりたかった。裕二郎とT(タンガ・ロア)の気持ちに応えたかった。でも、イブコー、ヤバかったよ。アイツやべぇ。いろんな意味でやべぇよ。(※立って体を起こし)言うことなし。まぁ結局、俺が今シリーズ通して何が言いたいかっていうと、いろいろ人の悪口言って、『アイツダセぇ』とか、『アイツやべぇ』とかいろいろ言ってきたけど、結局、40にしてこんな髪の色して、棒に恋して、棒の未練をここで語って、一番やべぇのは俺なんじゃねぇの?ってこと。(※立ち去りながら、ビデオクルーに)楽しかったよ」