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10/26【新日本】「タイガーマスクは終わらない!」復活の虎戦士が歓喜のジュニアタッグ戴冠 ロビーはJr.二冠達成

『Road to POWER STRUGGLE』東京・後楽園ホール(2021年10月26日)
IWGPジュニアタッグ選手権試合 ○ロビー・イーグルス&タイガーマスクvsエル・デスペラード&金丸義信×

 イーグルス&タイガーがデスペラード&金丸を破ってIWGPジュニアタッグ王座を奪取。イーグルスは同王座初戴冠でIWGPジュニア2冠王としてデスペラードとのV2戦に臨むことになった。タイガーは9年3ヵ月ぶり2度目の戴冠で復活を証明し、「俺はこの新日本プロレスに骨を埋める。俺は絶対にあきらめない!」との覚悟を示した。

 暮れにスーパージュニアを控える中、IWGPジュニアタッグ王者・デスペラードと同ジュニア王者・イーグルスによる2冠争いがこの日、幕を開けた。9・5メットライフドーム大会でデスペラードはイーグルスに挑戦を表明。金丸と保持するジュニアタッグ王座への挑戦を受けることを交換条件に提示し、イーグルスも受けて立って11・6大阪大会でのシングル王座戦が決定。その前にこの日、デスペラード&金丸にイーグルス&タイガーが挑むジュニアタッグ戦が実現した。

 王者組はタイガー抹殺予告を遂行すべくタイガーに的を絞って主導権を握る。序盤こそタイガー&イーグルスのダブルサッカーボールキック、ダブル低空ドロップキックで機先を制されたが、金丸が低空ドロップキック、デスペラードを立て続けに決めて足攻めを開始。代わる代わる左ヒザを徹底攻撃してタイガーを防戦一方に追い込んだ。

 タイガーがデスペラードを風車式バックブリーカー、金丸をカンガルーキックで蹴散らして突破口を開くと、イーグルスがダイビングボディアタックで二人に飛びつき、金丸にニールキック、デスペラードにゼロ戦キックを放つ大立ち回りで挽回。デスペラードがニークラッシャーで反撃しても金丸のドロップキックを同士討ちさせ、デスペラードの顔面に低空ドロップキックをお見舞い。ロン・ミラー・スペシャルを仕掛けた。

 デスペラードもサミングで阻止し、スパインバスターで叩きつけてからマフラーホールドで捕らえる。ヌメロ・ドスに移行。タイガーにカットされても金丸が分断。ローキックの蹴り合いからターボバックパック、ピンチェロコはいずれも不発に終わり、イーグルスのハイキック、デスペラードのロコモノ、イーグルスのオーバーヘッドキックが次々に決まる意地の攻防を繰り広げた。

 ここでタイガーが意地を見せる。カウンターのその場飛びフットスタンプで金丸を押しつぶし、串刺しハイキックを放つと旋回式ツームストンパイルドライバーで突き刺す。タイガースープレックス、タイガードライバーがいずれも不発となっても、回転十字固めからのリバースダブルアームバーで金丸をギブアップ寸前に追い込んだ。

 デスペラードが金丸を救出すると、応えるように金丸が低空ドロップキックからの足4の字固めで捕らえる。タイガーがロープに逃れてもデスペラードが加勢してバックドロップ&ドロップキックの合体技をさく裂。金丸がムーンサルトを発射してニアフォールに追い込んだ。

 粘るタイガーもタッチアウトを食い止め、タイガードライバーで逆襲。イーグルスがスワンダイブ式ミサイルキックで金丸の左ヒザを射抜き、イーグルスの串刺しダブルニーとタイガーのエプロンからのハイキックを同時に決める連係もズバリ。イーグルスがアサイDDT、ターボバックパックでたたみかけると、タイガーがトペスイシーダでデスペラードを分断。450スプラッシュを放ったイーグルスは丸め込みで粘る金丸をロン・ミラー・スペシャルで捕らえてギブアップさせた。

 デスペラード&金丸が初防衛に失敗。イーグルス&タイガーが第68代ジュニアタッグ王者となった。イーグルスは同王座初戴冠でIWGPジュニア2冠に君臨。タイガーは2012年7月に第32代王者(パートナーは獣神サンダー・ライガー)から陥落以来、実に9年3ヵ月ぶり2度目の戴冠となった。

 試合後、抱き合って喜びを分かち合った二人。マイクを持ったタイガーは「ご来場の皆さん、熱い熱い応援ありがとうございました」と感謝すると、「自分は去年、大腸の大きな病気をして、正直レスラー生活終わりかと思いました。実際に主治医の先生からも無理だと言われました。でも、毎日毎日、道場で練習し、いろんな人から励まされて、後輩のレスラー、先輩のレスラー、みんなから励まされて、今日このベルトを獲ることができました!」と感慨とともに復活の雄たけびを上げた。手拍子によるタイガーコールを受けて「正直、僕の師匠である初代タイガーマスク、佐山サトル先生も具合が悪い状況で、もうタイガーマスクは終わった。プロレスラーのタイガーマスクは終わりだと、いろんなところで聞きました。しかし! 虎は絶対に終わらない! 佐山サトルの魂を取り入れ、2001年に新日本プロレスに来て、俺はこの新日本プロレスに骨を埋める。俺は絶対にあきらめない!」とこれからも黄金の虎の仮面を背負っていく覚悟を示した。

 「僕は素晴らしいパートナーに巡り合いました。そして彼は今2冠王です。次の大阪でデスペラードと防衛戦をやると思いますが、このベルトは必ず東京ドームまで持っててくれると思います。サンキュー、ロビー」。そうタイガーが感謝とともにエールを贈ると、イーグルスは「コーラクエンホール、タノシカッタデスカ? 俺も今夜は楽しんだよ。2本のベルトがここにある。パートナーのタイガーマスク、アリガトーゴザイマシタ」と英語と日本語を織り交ぜて呼応。「シンニホンプロレス、ダイスキデス」と言い切って締めた。

【試合後のイーグルス&タイガー】
※イーグルスとタイガーは握手し、ハグをかわす。

▼タイガー「いやぁ、ホントに何年ぶりだろう、チャンピオンベルトを巻くのなんて。10年ぐらいいってるんじゃないかと思いますね。ホンットにうれしい。さっきもリングで言ったようにね、『タイガーマスクは終わりだ』と。いろんなところでそんな声を聞きました。もうタイガーマスクの時代じゃない。かつて僕がライガーさんに言った言葉と一緒ですよ。もちろん、いつかは言われると思ってたのが、今回ずっと言われてきて。しかし、ロビーと一緒に組んでこのベルトを獲った。まだまだ若いヤツらには負けない。それが今日、証明できたはず。そして対戦相手の金丸、デスペラード。ホントに正直な気持ち、メチャクチャ強いよ。ホントに強い。かつてはマスクを破ったりだ何だ、いろんなことをしてたけども。だって、金丸はジャイアント馬場さんのところの秘蔵っ子だよ。デスペラードは、この新日本プロレスで育ってきた本物のヤングライオンだし、強いわけだよ。素晴らしい選手だった。その素晴らしい選手から獲れた。これは正直、本当に強がりでも何でもなく、うれしいです。しかし過去はいい。これからはロビーと未来に向かって突っ走ります。このベルトをいつまでも長く持って。ロビーは2ベルト、ダブル・クラウン。必ず大阪でデスペラードを破り、またこのように並びます。サンキュー、ロビー、ソーマッチ(※イーグルスと握手)」

▼イーグルス「サンキュー、タイガーさん。あなたが最後にこのベルトを巻いたのは今から10年前くらいのことかな? 当時のパートナーはライガーだったよね。今日ベルトを獲って解説席のライガーと握手できてよかった。フライングタイガーがチャンピオンチームを破り、ショックを巻き起こしたぞ!」

▼タイガー「フライングタイガー!」

▼イーグルス「俺たちチームは息ぴったりだって前からそう言ってきたけど、今日で分かってもらえただろう! "ロビー・ツー・ベルト"だ! レジェンドで俺のセンパイのタイガーマスクの力がなければ今日ベルトは獲れなかった。お互いのサポートが結果この勝利に結びついた。タイガーのサポートがなければ、カネマルをギブアップさせられなかったよ。アリガトウゴザイマシタ!(タイガーに向かってお辞儀する)」

▼タイガー「サンキュー・ベリー・マッチ!」

▼イーグルス「今日のコスチュームはフィリピンの国旗の色で仕上げた。みんな俺をオーストラリア人として見てると思うし、俺はオーストラリアで生まれ育ったけど、フィリピンは俺の家族のルーツのひとつなんだ。今日はテープにタガログ語で"PAMILYA PUSO"と書いた。意味は『家族&希望』。いや、違った。『家族&愛』だ。ゴメン、今は興奮で冷静に考えられなくて。この言葉が今日のビッグマッチに向かう上でモチベーションを高めてくれた。この4ヶ月間家に帰ってないし、次いつ帰れるのか分からないけど、そんな時でもいつも心の中で家族のことを想ってる。最後にマニラを訪れた時には、フィリピンのプロレスシーンをいろいろ見て回ることができた。フィリピンの親戚もいつも俺の試合を見て応援してくれてる。みんなの応援があって今日ベルトを手にすることができた。デスペラードとカネマルと対戦する度にボロボロにやられて足を破壊されてるけど、今日は最終的にあいつらを破って結果を残せた。俺たちの鉤爪で引っ掻いてやるって言っただろ。限界まで追い詰めて勝利を獲った。次は11・6『 POWER STRUGGLE』。デスペラード、今度はお前を撃ち落としてやるからな! じゃあ、これから乾杯だ!"ロビー・ツー・ベルト"!」


【デスペラードの話】「(※インタビュースペースに着くと、しばらく階上から聞こえてくるタイガーマスクのマイクアピールを聞いていたが)何言ってるか分かんねぇや。いいや。おめでとう、タイガーマスク(※と拍手)。最年長記録樹立じゃないすか? 知らないけど。これまでのレジェンド、誰が獲ったか知らねぇし、興味もねぇけどな。やっぱロビー強えぇな! あぁ、ムカつく! でもまぁ…負け惜しみだ、強いヤツがいるってのはいいことだろうよ。なぁ。日常生活送ってて、そんなにコイツのことを何とか、何とかして…まぁ、言っていいことか分かんないよ、『ぶっ殺してやりたい』って心の底から思うことって、なかなかないだろう。『ノブさんの分も』って言っちゃうとさぁ、次のシングルのタイトルの前哨戦がこれだったみたいな、このタッグのタイトルがシングルの前哨戦ですみたいな位置づけになっちゃうから、シングルはシングルで考える。な。ノブさんがやられちまった。それはでもパートナーとして俺の責任でもあるんだ。なぁ。これがチームだ。チームの負けだ、今日は。(※ビデオカメラを指差して)次は個人だ、ロビー!」

※金丸はノーコメント

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