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11/6【新日本】両者シングレット! 矢野がアマレス戦でオーカーンに逆転勝ち KOPWキープも試合後リンチの憂き目

『POWER STRUGGLE』エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)(2021年11月6日)
「KOPW 2021」争奪戦 アマチュアレスリングマッチ ○矢野通vsグレート-O-カーン×

 “アマチュアレスリング・マッチ"として行われたKOPW争奪戦は、元全日本学生王者の矢野が、元全日本王者と思われるオーカーンに鮮やかな逆転勝利。KOPWトロフィーをキープしたものの、試合後には裁定に納得のいかないオーカーン&アーロン・ヘナーレからリンチに遭った。

 ファン投票によってルールが決まるKOPW戦。矢野が『アマレスルール戦』、オーカーンが『敗者靴なめ戦』をそれぞれ提案し、アマレスルール戦が圧倒的な支持を集めた。

 矢野はレスリング元全日本学生王者。本人に“記憶"はないようだが、オーカーンも岡倫之として全日本選手権を制した実績を持つ…といわれており、“世界クラス"のレスリング重量級猛者による注目の一戦となった。

 リングでの開催だけに、場外に出た場合のポイント判定が“ロープにしっかり押し込んだ場合"に変更されたものの、ルールはほぼ世界レスリング連盟のルールに準拠。試合前には永田裕志(ジャッジ)、佐藤健太レフェリー(マットチェアマン)、マーティ浅見レフェリー(レフェリー)が審判団として紹介され、永田がヤングライオンによる実演を交えながら、簡単に“新日本特別ルール"などを説明した。

 そして両者アマレスの“正装"シングレット(吊りパン)で登場。弁髪もヘアバンドでまとめたオーカーンは、かつて岡倫之も所属していた新日本のアマレス部門『ブシロードクラブ』(現TEAM NEW JAPAN)のものと思われるシングレットで現れ、矢野は日本大学レスリング部時代の一品を着込んで向き合った。

 試合は3分2ピリオドの30秒インターバルで争われ、表情や振る舞いも完全なる“アマレスモード"。積極的に投げを狙うオーカーンに対して、矢野もどっしりと封じながらロープへと押し込んで1ポイント先制に成功した。

 その後も積極的に仕掛けるオーカーン、どっしりと受け止めてさばいていく矢野…の構図となったが、オーカーンが上下に体を散らすフェイントから、素早くバックを取って2ポイント奪取に成功。さらにはローリングで2点を加え、4対1のオーカーン大量リードで第1ピリオドを終えた。

 巻き返したい矢野も第2ピリオド開始早々に、オーカーンをロープに押し込んで1ポイントを奪ったが、オーカーンもすぐさまロープに押し込み返して1ポイントを加点。だが、残り1分となったところで、矢野が起死回生の反り投げを鮮やかに決めて一挙4ポイントを獲得してみせた。

 6対5と一気に逆転に成功した矢野は、焦るオーカーンのタックル狙いをキッチリ押しつぶして逃げ切り勝ち。KOPW争奪戦を制してトロフィーをキープしてみせた。

 ところが試合後、裁定に抗議しながらオーカーンがひょう変。セコンドのヘナーレとともに矢野に襲いかかってリンチを加えると、エリミネーターでKO。ジャッジの永田裕志が慌てて止めに入ったが、最後は“勝者が大の字"という、完全なるプロレスの世界観で終幕となった。

 とはいえ矢野は“アマレスマッチ"の実現に感慨深げ。「もうプロレスラーは長いけど、アマチュアレスリングもね、17年間やってきて、どっかで恩返ししたいって思ってたから。今日はマジメに言うよ。今日の試合見て、少しでもアマチュアレスリングに興味持ったヤツは、アマチュアレスリングをやればいい」と“ルーツ"への思いを神妙に語った。

 一方のオーカーンは「(ジャッジを務めた)永田も矢野の味方か? クソみたいなレフェリーしやがって」とバックステージでも怒りはおさまらず。「どうせまた解説も、愚民も勘違いしてんだろ? ハッキリ言っとく。矢野は学び舎の先人でも同じレスリング部隊にいたわけでもない。永田はレスリングの師なんかではない。(※岡倫之は日本大学レスリング部出身で永田監督のブシロードクラブ出身)」と改めて強調しつつも、「ストロングスタイルなんだろ? 新日本プロレスなんだろ? レスリングみんなやってんだろ? だったら、余が稽古つけてやるよ。かかって来いよ、先輩方」と“アマレスマッチ続戦"にも含みも持たせていた。

【矢野の話】「(※中島の肩を借りて引き揚げてきて、用意されていたイスに座ると)KOPWだから、KOPWだから、こうやってアマチュアレスロングをやることができて。俺もね、もうプロレスラーは長いけど、アマチュアレスリングもね、17年間やってきて、どっかで恩返ししたいって思ってたから。今日の試合見て、今日は真面目に言うよ、今日の試合見て、少しでもアマチュアレスリングに興味持ったヤツは、アマチュアレスリングをやればいいし。俺なんてプロレスにぜんぜん興味なくて、アマチュアレスリングをやったことで、このプロレスの世界に引き込まれて、またこのKOPWが、アマチュアレスリングの世界に引き戻してきて、いろいろあるけど、どんな志だってね、やってれば、やってれば、楽しいことあると思うよ。まぁ、明日からまた、プロレスラーの矢野通だ」

【オーカーンの話】「あぁ、クソッ…。あぁ! クソーッ! 結局あれか、永田も矢野の味方か? クソみたいなレフェリーしやがって。押し出しだってそうだ。あれが押し出しなら、余だって押し出しだろ? ポイントあったろ? あぁ…あぁ、それとバカっていうと、どうせまた解説も、愚民も勘違いしてんだろ? ハッキリ言っとく、矢野は学び舎の先人でも同じレスリング部隊にいたわけでもない。永田はレスリングの師なんかではない。グレート-O-カーンはグレート-O-カーン以外のなにものでもない。あぁ…あぁ! クソッ……だから、今宵の敗北は、貴様らがよく勘違いするあの男が負けたわけじゃ決してねぇんだよ! まぁそれからよ、ストロングスタイルなんだろ、ここ? 新日本プロレスなんだろ? レスリングみんなやってんだろ? だったら、余が稽古つけてやるよ。かかって来いよ、先輩方」

【ヘナーレの話】「お前ら見ただろ! 最後、ヤノの体はロープに触れていたのに、ポイントにならないのはおかしいぞ! 今ここでKOPWのトロフィーを持っているべきはヤノではなく、オーカーンのはずだ! またしてもレフェリーまでもグルになって動いてたに違いない。そして次は『WORLD TAG LEAGUE』だ。俺はこのところずっと出場し続けてるが、今年はオーカーン、もしくはジェフ・コブのどっちかと組んでの出場になるのか。まぁ、パートナーが誰であろうと関係ない。お前らファンに今のUNITED EMPIRE、そして(※右拳を見せつけて)このULTIMATE WEAPONの勢いをバチバチと見せつけてやる。俺の対角線に立つ相手は全員、レバー(肝臓)に強烈なパンチをお見舞いしてやる」

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