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11/16【大日本】野村が青木を熱戦撃破でストロング王座V2 12・12後楽園で10周年・大地迎撃へ

東京・後楽園ホール(2021年11月16日)
BJW認定世界ストロングヘビー級選手権試合 ○野村卓矢vs青木優也×

 野村が青木との新世代対決を制してストロング王座2度目の防衛に成功。12・12後楽園で10周年記念大会となる橋本大地を迎え撃つことになった。

 9・20札幌大会でストロング王座初戴冠を果たした野村は10・18後楽園大会で関本大介との初防衛戦を突破し、防衛ロードの幕開けを告げた。その試合後、青木が挑戦を表明し、この日のV2戦が実現することになった。青木は7・4大阪大会で第18代王者・中之上靖文に敗れて以来、4ヵ月ぶりの再挑戦となった。

 野村がヘッドシザース、青木がヘッドロックで絞め合う消耗戦で幕を開けると、青木がラ・ケブラーダを放って先手を取る。リングに戻ると野村がドロップキックですぐさま反撃。スリーパーで執ように絞め上げ、動きが鈍った青木を「どうした?」と挑発していく。「いいからこいよ!」と勝気の青木は胸板へのチョップで乾いた音を響かせたが、野村はミドルキックをカウンターで見舞って黙らせた。

 負けじと青木はフロントハイキック、ブレーンバスターで反撃を開始。スワンダイブ式ニールキックをズバリと決める。さらにコブラツイストで絞め上げ、野村が腕十字で切り返しにかかっても、さらにダブルレッグロックで切り返し、フロントハイキックを連発。喧嘩腰のエルボー合戦も一歩も引かず連打で押し込んだ。

 野村も重たい連打で青木にヒザをつかせ、ジャーマンでぶん投げる。意地の青木もすぐさまジャーマンでやり返し、野村が張り手を見舞っても、すぐさまケサ斬りチョップで応戦した。目まぐるしい読み合いになると、青木のコブラツイストを野村がパロスペシャルで切り返す。野村がランニングローキックで蹴り飛ばせば、青木も延髄斬りで譲らず。ならばと野村はランニングヘッドバットで応戦したが、自らの頭を割り、前回の関本戦に続いて流血戦を強いられてしまった。

 構わず野村はラリアット、ジャーマンでたたみかけたが、ドラゴンを食い止めた青木は前後からケサ斬りチョップを叩き込んで逆襲する。不完全だったものの大谷晋二郎ばりのスパイラルボムを敢行し、こん身のケサ斬りチョップを叩き込んだ。

 1カウントで返した野村は青木のタイガースープレックス狙いをスリーパーで切り返し、張り手をフルスイング。青木も張り返して激しい殴り合いに発展。野村が連打で制すれば、青木はノーモーション頭突きで徹底抗戦。ケサ斬りチョップを叩き込んだが、野村は王者の意地で倒れない。ダブルアームスープレックスでぶん投げると、ドラゴンスープレックスを爆発させて3カウントを奪った。

 野村が熱戦となった新世代対決を制し、ストロング王座2度目の防衛に成功した。試合後、「青木優也も強くなったよな。そう、今までのお前とは大違いだよ」と称えた王者は、「青木、もっと強くなる方法を教えてやる。それはな、自分を持つことだ。お前は信念を持ってねぇだろ? プロレスに対する信念を持つことなんだよ。他人になんて言われようが、間違ってると言われようが、自分が正しいと思った道を進むんだよ。わかったか? 青木、この激動のプロレス界、俺も考えて考えて必死に生き残るから、お前も頑張れ。今日はありがとう」とエールを送ったうえで感謝した。

 青木を突破したことで、V3戦は12・12後楽園大会に決定。その日がデビュー10周年記念興行となる先輩・大地を迎え撃つ。大地を呼び込んだ野村は「次の防衛戦は橋本大地、お前だな。12月12日、後楽園ホール大会。今までと立場が逆だぞ。覚悟しとけよ」と通告。「次、12月12日、橋本大地の10周年記念興行、今日のお客さん、友達にも連絡して、俺と大地さんのタイトルマッチを見に来てください。損はさせないんで、絶対面白い試合するんで、皆様、ご来場お待ちしております」とファンにも誓って締めた。

 「大地さん10周年興行ですけど、まぁそんな10周年興行の中で僕が橋本大地をマットに沈めて、最後締めたいと思うんで。まぁ、期待しててください」。バックステージでもそう豪語してみせた野村。この日は353人と集客面で芳しくなかったとあって、「少しでも多くのお客さんにみてもらいたいんで。損はさせないんでね。それがチャンピオンの役目だと思うし、頑張りますよ」と悔しさをのぞかせつつV3戦を見据えていた。

【試合後の野村】
▼野村「勝ちました。青木選手の全部を受け止めて勝ったつもりですが、これからもっと青木選手もたぶん迷いが吹っ切れてどんどん強くなるんじゃないですかね。僕も激動のプロレス界を生き残るために、考えて考えて考え抜いて戦い続けます」

――試合後のメッセージは今日戦ったうえで感じた?

▼野村「はい。迷いがあるなと思ったし、何か自分の芯みたいな部分を感じれないことが最近多かったんで。今回はそれをしっかり感じれたんで。そんな感じです。たぶん彼ももっともっと考えるんじゃないですかね。自分が生き残るために」

――野村選手もチャンピオンとして考えながらやっている最中?

▼野村「考えながらやってます」

――今の戦い方がゴール、正解ではない?

▼野村「ゴールとか正解ではないと思うし、嫌ってぐらい考えて、プロレス嫌いになるまで考えた方がいいでしょうね。僕もそうだと思います」

――大地選手が「王者になってからも野村は悩んでいる」と言っていたが?

▼野村「まぁ、悩んでるというか考えてますよね、ずっと。チャンピオンとしてストロングBJを引っ張る立場として、ずっと考えてますよ。それを悩んでると捉えられる? うーん、それは人それぞれじゃないですかね。僕は悩んではいないです。考えてます」

――今日の青木選手との戦いの中で負けそうと思った場面はあった?

▼野村「ありましたよ。気持ちがものすごく強い選手だと思うんで、迷いの部分を今日吹っ切って、気持ちプラス技術でもっと上にいくんじゃないかなと僕は思います」

――大地戦へ向けて?

▼野村「大地さん10周年興行ですけど、まぁそんな10周年興行の中で僕が橋本大地をマットに沈めて、最後締めたいと思うんで。まぁ、期待しててください。今日の集客もうーんって感じだったんで、少しでも多くのお客さんにみてもらいたいんで。損はさせないんでね。それがチャンピオンの役目だと思うし、頑張りますよ」


【青木の話】「控室帰ってこれたんだよ。ということは、ということはだ、まだバッドエンドじゃねぇんだよ。まだ終わったわけじゃねぇんだよ。またこの足、この腕使ってリング上立ってやるよ。その時はよ、その時は目いっぱいプロレスしてやるよ。確かにチャンピオンに最後言われた通り…自信をもっとつけろって言われたかもしんねぇけど、やってやるよ。やってやろうじゃねぇか。誰がどう見ても何もぐうの音も出ないようなレスラー、チャンピオンになってやるよ。そんで大日本プロレス、いやプロレス界を引っ張っていってやるよ。今日、俺は生きてる。それだけだ。また明日も全力で生きてやるよ! クソ…クソ!」


【大地の話】
――野村選手が防衛したが、試合をどう見た?

▼大地「安定でしたよね。優也はいろいろ引き出しを開けようとしたんですけど、それに見合ってなかった。たぶんパワーボムで上げた時、あれたぶんスパイラルボムを狙ったんだと思う。崩れちゃったじゃないですか。崩れたからこそキックアウトももちろんできたし、その次の技もたぶん卓矢が食らう余裕があったんですよ。あのときの卓矢の顔は全然死んでなかった。しっかりみてたんで、そういうのが優也はもったいなかったと思いましたね。卓矢は凄い安定してるというか。ただ、優也に対して迷ってる迷ってないって話をしてたじゃないですか。あれ言っていいんだったら、俺たぶん卓矢も迷ってると思うんだよな。俺がチャンピオンになった時もチャンピオンとしてどうあるべきか凄く迷ってたし。あいつチャンピオンになってからたぶん迷ってるとこあると思うんだよな。ファイトスタイルも俺ちょっと疑問に思うとこいくつかあるから、それに関してはたぶんあいつも迷ってるところあると思うから。それをマイクを通して言おうと思ったら、あいつマイク渡してくれなかったからそのまま下がってきたけど。今ここで言っていいんだったら、ちょっと前のベルト獲る前のあいつってあんな戦い方しなかったと思うんだよ。ほぼ張り手だけっていうのはあいつに対して失礼だけど、もっとあれに頼ってなかったというか、使っても一発二発だったような気がするんだよな。あんなバチバチバチバチやって、あんな額割って血だらけになるような。受けるんだったらわかるけど、あいつ自分からいってるじゃん。あれも何か、こういう言い方したら申し訳ないけど、血が出んのを喜んでるんじゃないかみたいな感覚があるんだよな俺。おいしいと思ってんじゃねぇかなって思うんだよね。それってたぶん防衛するにも何しても血が出てるチャンピオンってどうなの?って俺からするとそうだから。そういう面ではあいつも悩んでると思うんだよね。だったら、いくら俺の10周年だからと言っても、そういう迷いはもちろんちゃんと捨ててきてほしいし、しっかり防衛できる状況を作ってほしい自分の中で。だからしっかり防衛してほしい。その代わり俺は絶対獲りにいくからという試合をしたい。いろいろ考えずじゃないけど、ホント戦いをどうせやるならしたいし。10周年で卓矢とやれる。状況はもちろん逆転してるけど。だから今日、卓矢が勝ってよかったんだよね、俺の中では。あの内容で優也が勝ったらどうしようと思ってたけど。あいつとは今後もやり合っていかなきゃいけないし、10周年と銘打った大会であいつとタイトルマッチできることは凄くうれしいけど、迷ってるんだったら俺が引っぺがしちゃう。10周年と銘打って俺の大会なんだから、そこは迷いを捨ててちゃんと防衛してほしい。俺はちゃんと獲りにいく。絶対防衛してほしい、俺は絶対獲る。ちょっと矛盾が発生しちゃってるけど、そういう試合をしたいの俺は。だから俺がベルトもっててタイトルマッチする時も相手に対してホントはそうやって思ってた。ただ俺がコメントそうやって出すと、みんな『いや、それはチャンピオンとしての発言としてどうなの?』って言われてたから言わなかったけど、俺がチャンピオンだったときはずっとそう思ってやってた。ちゃんと防衛してほしい。絶対防衛してほしい。絶対獲るから。矛盾だらけだけどね」

――前回、二人がストロングのベルトをかけて戦ったのが昨年2月の大阪で1年10ヵ月ぶりになるが、野村選手の変化については?

▼大地「チャンピオンとしても、なる前だったとしても凄く成長はしてるんですよ。前回ホールで試合した時、記憶を飛ばされちゃったけど、結果としては俺が負けてるから。そういう面ではデビューしたてかちょっとした頃は僕が目の前に立っただけで僕のプレッシャーに負けて何もできない子だったんですよ。今は逆にプレッシャーで押し返してくるんで、そこは物凄く感じるところですね。彼自身では物凄い成長を感じますね。ただ、チャンピオンになってからの彼のファイトスタイルにちょっとだけ疑問を覚えるってだけです。10周年って言ってもね、何も変わんないんで。ただホントにタイトルマッチ、お祝いしてもらおうという気持ちもないんで、しっかり自分自身のベストを尽くして、しっかりベルトを奪取したいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました」

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