12/11【新日本】ヒロムがスーパーJr.連覇王手 イーグルスに雪辱で1位通過、優勝戦でYOHと激突

『WORLD TAG LEAGUE 2021 & BEST OF THE SUPER Jr.28』兵庫・アクリエひめじ(2021年12月11日)
「BEST OF THE SUPER Jr.28」公式戦 ○高橋ヒロムvsロビー・イーグルス×

　ヒロムがイーグルスに雪辱し、スーパージュニアを1位通過。YOHが待つ優勝決定戦進出を決め、連覇に王手をかけた。

　6勝3敗1分の首位タイで最終公式戦を迎えた昨年覇者のヒロム。最後の相手は6勝4敗のイーグルスとなった。両者は9・5メットライフドーム大会で対戦。ヒロムが敗れている。セミファイナルでヒロムと並んで首位タイだったエル・デスペラードが敗れて脱落し、YOHの決勝進出が確定。この試合の勝者がその対戦相手になる状況だった。

　のっけから戦いは一進一退。ヒロムはエプロンから場外めがけてショットガンドロップキックを敢行すれば、イーグルスもトペコンヒーロで譲らない。接戦が続き、イーグルスがリバースフランケン、ヒロムがコーナーへのフロントスープレックスをそれぞれ繰り出し、両者大の字となった。

　ヒロムはエプロンでのデスバレーボムでアクセルを踏んだものの、続くサンセットフリップパワーボムはイーグルスがバク宙で退避。ダブルニーアタックを見舞ってヒロムをエプロンに激突させる。すかさずスワンダイブ式低空ドロップキックで序盤戦に攻めた左足に追い討ち。足への450°スプラッシュはヒザで迎撃されたものの、ヒロムの足がさらなるダメージを負ったとみるや、すぐさま動き、メットライフドーム大会で勝利したロン・ミラー・スペシャルに捕獲した。

　連覇に燃えるヒロムは脅威の粘りを発揮。ヒザ攻めを耐えきると逆襲に転じる。一発目は仁王立ちで受け止められたものの、再度こん身のラリアットを振り抜くと、コーナーめがけてのデスバレーボムを繰り出し、TIME BOMBを狙った。

　イーグルスは丸め込みで抵抗。ハイキックやトラースキックを連発すると、アサイDDTやターボバックパックなど大技を惜しげもなく決める。そして、心を折りにいくかのように、倒れるヒロムのヒザや顔面、胸板に非情なストンピングを連打、連打、また連打。真っ向からビンタ合戦を仕掛けた。

　残り時間5分を切ると、イーグルスは首に巻いたスカーフを外し、さらにビンタを浴びせようとするが、読んだヒロムがD(三角絞め)に捕らえる。脱出を許しても、ビクトリーロイヤル、ラリアットと猛攻。TIME BOMBIIの体勢に。イーグルスはヒザや足を利かせて最後まで抵抗を止めなかったが、ヒロムは手を離さずに死力を振り絞ってマットに叩きつけて熱戦を制した。

　ヒロムが残り時間3分を切るほどの接戦をものにして、イーグルに雪辱。これで首位通過となり、2年連続の優勝決定戦進出を決め、連覇に王手をかけた。

　リング上で倒れ込むヒロムの前に、決勝で対戦するYOHが姿を現す。今リーグ戦では試合後に多くを語らなかったYOHだが、ここではマイクを持ち、「苦しみました。もがきました。真っ暗になりました。自信をなくしました。時間をもらいました。時間を返しにきました。這いつくばりました。何かが吹っ切れました。そして、ここまで来れました。両国であなたを必ず倒します」と思いの丈を吐露した。

　それを聞いたヒロムは「YOH、やっと自分の口から自分の気持ち言えたじゃねえか。でもな、そんなこと俺にはまったく関係ねえんだ! 苦しんだ? 苦しんでない? そんなもん全員同じなんだよ。お前だけ苦しんだ気になってんじゃねえぞ。でもな、いいぞ。その気持ち、全て決勝戦でこの俺にぶつけてこい!」と言い放つと、「そのうえで、この俺が2連覇だ!」と雄叫びを上げた。

　YOHが去っていくと、「おい、みんな。このBEST OF THE SUPER Jr.、開幕戦からずっと見てただろ? ジュニアはデスペラードと俺だけじゃねえってとことん理解しただろ? それぞれいろいろ見ていて、思うことがあるだろ? 悔しいこと、悲しいこと、嬉しいこと、つらいこと、そういった思いを俺とYOHの優勝決定戦に思いっきりぶつけてこいよ!」と観客にも熱くメッセージ。最後に「そして、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、みんなで! 楽しもうぜ!!」と叫んで大会を締めくくると、その後も自分に言い聞かせるように「頑張れ、俺!」と連呼した。

　ヒロムとYOHは開幕戦となった11・13後楽園大会で対戦。ヒロムが4分弱で丸め込んで圧勝している。再び相見える舞台は12・15両国国技館大会。勝利するのは宣言通りの連覇を狙うヒロムか。それとも雪辱とともに初の栄冠獲りを目指すYOHか。

【ヒロムの話】「行ける! 行ける! 行けるぞ! 行ける! 完全に、完全に俺に向いてる! 完全に俺に向いてる! 行けるぞ! 行けるぞ! 2連覇行けるぞ! ああ、YOHか!? アレが初戦で戦ったYOHか? 随分、スッキリした顔になってんじゃねえか。生まれ変わったか? スーパージュニアで覚醒したか? やってみないとわかんねえけどな。お前の勢い、確かに感じる。でもな、俺は負けるわけにはいかないんだ。俺は優勝して、俺はやりたいこと、言いたいこと、好きに生きる。そして言葉に力を持たせるんだ! YOH、YOH、お前は昔から正直、何考えてるのかよくわからなかったヤツだから、俺の人生で一生関わることはねえと思ってたよ。まさか、こんなところで出会うことになるとは想定外です。いや、俺の知ってるYOHじゃないな。(※立ち上がってカメラの前に立ち)はじめまして、高橋ヒロムと申します。(※カメラに向かって拳を突きつけ)さあ、どっちが強いか決めようぜ。こ俺がBEST OF THE SUPER Jr.2連覇だ」

【イーグルスの話】「(※腰を押さえながら現われて座り込み)あとほんの数センチだったのに…話すのも辛い…。あり得ないんだけど背骨が口から出てきそうな感じたことない痛みだ…。今日が俺の唯一のスーパージュニアメインで、決勝戦進出を懸ける大事な一戦だった。前半の結果を見る限りまだ俺にもチャンスはあった。今日ヒロムから1勝すれば決勝戦に進出できた。それなのに勝てなかった。アイツにとってはもう18回目の決勝戦ってところか? でも誰が見ても明らかにアイツはちゃんと結果を出してきた。でも俺だって十分結果を残せた。それは自信を持って言える。今はボロボロだけど。次はなんだ? トーキョードーム、WRESTLE KINGDOMがもうそこまで近づいてきたな? 俺がIWGPジュニアタッグチャンピオンの事実は変わらない! 再びタイガーマスクと一緒にフライングタイガーズとして高く飛び上がる時が来た! ベルトが欲しいなら獲りに来い。(※うめきながら)立ち上がるのもやっとだ…。(※記者に手を引っ張って立ち上がらせてもらい)アリガトウゴザイマス」