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12/24 「天心vs武尊」来年6月に中立リングでついに実現 天心がKO決着予告、武尊は「延長無制限ラウンドでやりたい」

 格闘技ファン待望だった「那須川天心vs武尊」が2022年6月に実現。24日、東京ドームホテルにおける会見で発表された。RIZINの榊原信行CEOが総合プロデューサーを務める制作委員会が中立のリングを用意することで、双方が対戦に合意して決定。来年4月のキックボクシング引退を延期する形となる天心は「置き土産としてしっかり試合して勝ってキックを去りたい」とKO決着で有終の美を飾る構え。対する武尊は「この試合ドローとかいらないと思うんで、延長無制限ラウンドでやりたい」と完全決着ルールを希望した。

 RISEで2階級制覇を果たした天心と、K-1で3階級制覇を成し遂げた武尊は日本キックボクシング界が誇る2大スター。2015年11月に天心が対戦を要求して以来、夢のカードとして格闘技ファンに実現を熱望されてきた。その年の大みそかに武尊がRIZIN参戦を果たし、昨年大みそかにも来場。逆に天心も今年3月にK-1の会場に来場するなど一気に機運が高まっていた。天心は来年4月にキックボクシングを引退し、ボクシング転向を果たす予定だった。他にもさまざまな諸問題があったというが、両陣営が対戦に合意。来年6月にようやく実現することになった。

 現段階で決まっているのは契約体重58kg(前日計量で62kg)、1キャッチ1アタックありのキックボクシングルール。細かいルールはこれから調整されることになる。会場は未定だが、榊原総合プロデューサーは「二人が戦うんで、スケールで言えば一番でかい会場、一番インパクトある会場で大観衆を集めて」と話し、候補として東京ドーム、国立競技場を挙げた。

 天心はキックボクシング引退を延長して世紀の一戦に臨む。「榊原さんが引退を伸ばしてくれという提案が来て、まさかそこでくるかと」と苦笑しながらも、「僕もK-1を見てキックボクシングを始めようと思ったので、この試合をやることでそう思ってくれる人が一人でも二人でもいてくれれば。未来の子供たちのためにこの試合をやろうと思ってます」との思いで決断した。

 「ずっとお互いの団体を盛り上げてきましたし。僕が言った時から6年ぐらい経ってるけど、お互い負けてないんですよね。これも運命かなと思うんで、非常にうれしく思います」と話した天心は「立場的にずっとチャンピオンで、ずっと挑戦者を受けて受けてってことが凄く多かった。というかそれしかなくて、周りもどうせ勝つしと。モチベーションが上がらない中、決まって、僕のモチベーション、立場的にはどうかわからないけど、久々にチャレンジャーというか、やってやるよという気分」と燃えている。

 その前にRIZIN大みそか、引退試合となる予定だった来年4月と2試合を消化するつもりで、「それは言った以上、格闘家としてというか、男としてやらなきゃいけないこと。そこにしっかりけじめをつけて試合を迎えたい」と言い切った。そして「K-1だったり、RISEだったり、RIZINだったり、そこは誰も下がらない。僕はこれでキックを引退するんですけど、平和で行こうよと思いますね。いろいろ交わらない団体がここでやっと交わるし、放映権とか全て仲良くピースでいこうとよ僕は思います。いがみ合いはなしにして、ここでしっかり全部を整えて、僕は置き土産としてしっかり試合して勝ってキックを去りたい」と有終の美を飾る構えをみせた。

 対する武尊は「団体は違いますけど、ライバル的な存在だとずっと思ってました」と天心を強く意識してきたという。かつて対戦の機運が高まりながら実現しなかったことで、批判的な声を浴びせられたこともあったが、「今回実現して、やっとそう思えるんですけど、天心選手がいたから僕はここまで格闘家としてやってこれたんだなと、今は感謝の方が大きい」と謝意を示した。

 「天心選手、本当に素晴らしいファイターで、世界でもトップのコンプリートファイターだと思う」と一目を置いたが、一方で「自分より優れてる選手でも気持ちで勝てると自分の体で体現してきたし、証明してきたんで、そこに絶対的な自信があるし。僕は気持ちの部分で世界のどの選手にも負けない」と持ち前の精神的な強さを強調。「僕は毎回そのつもりで試合出てるんで。一回負けたら引退すると決めてやってきた」と背水の陣で臨むつもりだが、「年齢的にもと言われるんですけど、僕は今が全盛期だと思ってるんで、今が一番強いです」と豪語してみせた。

 現段階でラウンド数などルール詳細は未定だが、武尊は「僕は正直、この試合に判定とかドローとかそういう結果はいらないと思うんで、僕は延長無制限ラウンドでやりたい」と完全決着ルールを希望。「本当にたくさん待たせてしまったんで、その分、最高の試合で僕が勝つところを見せたい」と誓っている。これを受けて天心は「引き分けはいらないというか、そこまでもっていかなきゃいいって話」と前置きしたうえで、「ジャッジ、レフェリーの人も相当悩むと思うんで、その人たちに悩ませない一番のやり方といえばKOじゃないですか。それしかないなと思ってるんで、皆さん期待してください」とKO決着を予告してみせた。

 一般的な知名度も高い二人の対決は格闘技ファンのみならず、世間の注視を集めることになりそう。格闘技界史上、屈指の夢カードのサイは投げられた。


【会見の模様】
▼榊原総合プロデューサー「ついにこの日が来ました。天心、武尊、この二人、2022年6月、戦うことが正式に決まりました。今日の発表はこの二人が、そして、この二人を取り巻く両陣営がこの戦いを実現させるということに対して、正式に気持ちよく全ての問題をクリアして、やるぞと正式決定して、このカードを実現させるんだと。日本の格闘技史、世界の格闘技史においても、ここまでファンに求められ、希望され、夢を託されて実現してほしいと強く願われたカード。僕は格闘技界に少し関わらせていただいている人生の中ではみたことがないですね。その夢のカードというと安っぽくなっちゃうけど、世紀の一戦、まさにザ・マッチ、これが実現することを正式に発表させていただきます」

▼武尊「やっと那須川天心選手と試合することが決まって本当に凄くうれしく思います。この試合は数年前、5、6年前ぐらいからずっと対戦が熱望されていた試合だったんですけど、いろんな事情で試合がなかなか決まらなくて、僕も天心選手もお互いたぶん苦しい思いたくさんしたと思うんですけど、この試合が決まったことで、格闘技界だけじゃなく、日本だったり、世界のスポーツ界もっともっと盛り上がっていく試合になると思うし。この試合が実現するところが中立なルールじゃないといけないと僕はずっと言ってきたんですけど、その中立なリングで試合することで、団体の垣根とか、昔の格闘技界みたいに団体関係なく強い選手同士がやり合って最高に盛り上がる、夢のある舞台にしたいなと思ってるので。そのためにこの中立なリングで実現することが一番意味のあることかなと思って、それで時間がかかったところがあったんですけど、今回無事、こうやって試合確定することができたので、この試合、僕がこの5、6年、いろんなことを言われた時に、それでも離れずについてきてくれたファンの人たちだったり、応援してくれる人たちだったり、K-1の後輩だったり、いろんな人の気持ちを背負って僕はこの試合に挑もうと思ってるので、全ての気持ちを背負って、この試合、、必ず勝ちます。押忍」

▼天心「皆さん、メリークリスマス。クリスマスイブにこういったプレゼントができてうれしいと思いますし、ファンからしてみればずっと待望してきたことだと思うんで、最高のクリスマスプレゼントを皆さんに渡せたんじゃないかなと思ってます。今回の試合はホント僕もずっと昔からやりたかった試合ですし、なかなか団体のこう、いろいろあってできなくてというのが続いたんですけど、ようやくこういう中立な舞台で試合できることを僕はうれしく思います。そして本来、僕、4月でキックボクシングを引退するはずだったんですけども、この試合のために6月に引退を伸ばしてやるっていうことに関して、格闘技が好きな人からしてみたらうれしいことだと思うんですけど、それ以外に僕だけを応援してくれた方は何だよと思う人もいると思いますし、ホントにいろんなボクシングの関係者だったりとか、テレビの関係者だったりとか、その人たちにも申し訳ないなって気持ちはあるんですけど、キッチリ最後の僕のケジメとしてこの試合を行って、勝ってキックボクシングを引退しようと思ってるんで、この試合、しっかりと締めたいと思います」

――大みそか直前の発表となったのはどんな理由があって?

▼榊原総合プロデューサー「いずれにしても天心と武尊が戦う試合を実現させるというのは大みそかに照準を絞って積み上げてきたことではなくて、それぞれの思いとか、両団体、両陣営の思いとか。去年の年末に武尊選手がRIZINに来場したことも含め、長い時間をかけてやってきたことで、ようやく天心じゃないけど、12月24日にいろんなことの調整が間に合った。我々からするとあと1週間後に控える大みそかの前に、キチっとこの件に決着をつけるっていうことを一つの旗印に調整したことで、ようやく発表ができたかなというところではあります」

――具体的な日にち、会場、ルールは現段階で発表できない?

▼榊原総合プロデューサー「両陣営との調整がついて正式に戦うことが決まって、ここからまず両選手からも出ているように、これはRISEさんでもK-1さんでもRIZINでもないです。日本の格闘技界がこの試合を実現することを一つのきっかけとして新しい格闘技イベントを立ち上げる、作り出すと。このあと主宰者を含めて制作委員会を作って調整していくことになりますが、私が総合プロデューサー的な立場に立たせていただいて。このイベントはRIZINだけで作り出せるものでもないです。スケール感からするとですね。K-1もRISEもRIZINもみんなで力を合わせて日本中、世界中がぶったまげるようなイベントを作ってやると。そういう求心力として十分このカードであれば、この二人が戦うことであれば、格闘技界だけじゃない、日本のスポーツ界、世界中のエンターテインメントの中でも注目を集めるものが作り出せるということで。現時点で決まっていることを言います。契約体重58kg、前日計量、翌日4キロ戻し62kg、当日計量。体重が決まってます。ルール、1キャッチ1アタックありのキックボクシングルール。本当に中立ということで言うとレフェリーどうするの? ジャッジどうするの? もそうですけど、ジャッジの基準とかも明確化、明文化していく。これは今後いろいろ両陣営の皆さんとも調整をしてですけど、判定も明確にしたいですね。どういう形でファンの人たちがこの二人の戦い、当然、KO、TKOでの勝利もあると思います。判定になることもあると思います。だから判定基準を明確化することと、できればラウンドごとに、このラウンドは10-9だったとか、10-10だったとか、ここはクリーンに両陣営とも調整して、ルールはこれから詰めるということになります。ルールに関して言えばキックボクシングの1キャッチ、1アタックをベースにして、この後詳細は組成する。あとはこれからです。日程に関しては6月某日。当然、この二人が戦うんで、日本の中のスケール感で言えば一番でかい会場、一番インパクトのある場所で大観衆を迎え入れる形での会場をこれから最終調整していくということになります」

――お互いをどういう存在だと思っている?

▼武尊「僕が55kgでチャンピオンになったあとぐらいに天心選手も55kgのチャンピオンになって、団体は違いますけど、ライバル的な存在だとずっと思ってましたし、ただのライバルじゃなく、5、6年実現できなかったことでいろんな溝が生まれた中で、最初は存在を恨んだ時期もあったし、でも今回実現して、やっとそう思えるんですけど、天心選手がいたから僕はここまで格闘家としてやってこれたんだなと。今は感謝の方が大きいかなと思ってます」

▼天心「ホント同じだと思うんですけど、僕がいない別の世界というか、アニメで言うとワンピースとNARUTOみたいな。そんなぐらい違う、絶対交わらないと言われてたもの…違ぇな。交わるか。あれですね、ディズニーとユニバ、そんぐらいの世界の違いがあったと思うんですけど、そこが交わるというか。なので二人とも別の世界で作ってきたんですけど、ここでやっと交わる。お互いの団体をずっと盛り上げてきましたし。僕が最初言った時から6年ぐらい経ってるんですけど、二人とも一回も負けてないんですよね。これも運命かなと思うんで、正直こんなうまいことあるのかなというのは思いますけど、非常にうれしく思います」

――天心選手は大みそかをどうするのか、RISEラストマッチもあると思うが?

▼天心「大みそかは出ます。あと4月の試合も出ます。それは言った以上、格闘家としてというか、男としてやらなくてはいけないことなので。しっかりとそこにケジメをつけて最後の試合を迎えたいと思います」

――武尊選手は6月までに試合する予定は?

▼武尊「正直、僕は今年の大みそかに向けて追い込みと体つくりをやってきて、天心選手のことだけを考えて生活と練習をしてきたんで。他の相手が今、頭に浮かばないんですけど、6月ということで前回試合やってから1年以上空いてしまうので、6月までに1試合どっかで挟みたいと思います」

――言える範囲で、どこが障害でクリアになった?

▼榊原総合プロデューサー「天心の表現で言うと、ディズニーとユニバぐらい違いますからね。当然、これだけの選手が戦うわけですから、選手個人にもこだわりがあるし、まずは階級も違いますしね。当然ルール面もそうですし、競技的にも通常、武尊選手が戦ってるK-1のルールと1キャッチ、1アタックのルールは違いますね。これは経済的なことも含めてです。僕らなんかもそうですけど、当然、選手は看板を背負ってやってるわけだし、そこには誇りもこだわりも奪われたくない、地位も名誉も全部かけて戦う。そういうものを一つずつお互い歩み寄って時間がかかったなと。関係各位の人には感謝しかないんですけど、こういう形で重責を担わせていただいて、発表させていただけることにK-1の関係者ご尽力いただいてここまで来ましたし、RISEの伊藤代表含めて、チーム天心にもいっぱいたくさんご無理を言って譲っていただいて調整がついた。そのために必要だった時間かなと、そういうふうに思います」

――ルール、体重については?

▼武尊「この体重で決まったんで、僕はそれに合わせて体を作り上げていこうかなと思ってます。ルールに関してはいつもとやってるルールと違うルールなんで、そこもまだ半年あるんで、それに向けて自分で調整していく感じなんですけど。あとはラウンド数とかはこれから決まると思うんですけど、僕は正直、この試合に判定とかドローとかそういう結果はいらないと思うんで、僕は延長無制限ラウンドでやりたいと思ってます」

▼天心「まぁホントいろいろありましたけど、決められたことをやるだけなんで。お互いこの階級が適正階級ではないのは6年前の時点で階級は違ってはいたんですけど、ファンであったり応援してくれる人が後押ししてくれましたし、話が戻っちゃうんですけど、この試合をやるにあたって、たくさんの人に感謝しなきゃいけないと思いますし、やっぱり一番はファンのためっていうのがありますし。関係者とかいろんな周りに身近な人たちとかチームの人とかもいるんですけど、全員が全員、心からこの試合を見たいっていうのじゃないんだなと交渉の時点で凄く感じて。みんな自分で自分を守ったりとか、自分の権利だったりとか、思いだったりとかというのをどんな状況でも大事にしたいんだなということもわかりましたし。そういう人たちがいた中でも、自分を信頼してくれる人というか、自分のことだけを思ってくれてる人もたくさんいたんで、その人たちのために。あとはファンのためにというか。あとはこの試合を行うことで、これからのキックボクシングすぐ発展するかと言ったら、そうじゃないと思うんですよ。このカードをやってしまうことで、ここから盛り上がりがもっと上がるかと言ったら、正直それはないと思うんですけど、僕は昔、K-1を見てキックボクシングを始めようと思ったので、この試合をやることで、そういうふうに思ってくれる人が一人でも二人でもいればなと。たくさんいると思うんで、未来のある子供たちのために僕はこの試合をやろうと思ってますし。あとは僕まだ23でまだまだ新卒の年というか、最近の若者はとか、ゆとり世代はとか、Z世代はとか結構いろいろ言われるんですけど、いやいや、そんなの関係ないぞと。見てろと世間に知らしめて。俺が若者代表だということで、そういったものをしっかり周りにみせたいと思ってます」

――相手よりも勝っている点、相手の警戒する点は?

▼武尊「天心選手、本当に素晴らしいファイターで、世界でもトップのコンプリートファイターだと思うんで。僕は今までの試合もそうですけど、どれだけ自分より優れてる選手だったとしても気持ちで負けなければ勝てると自分の体で体現してきたし、自分の体で証明してきたんで、そこに絶対的な自信があるし。僕は気持ちの部分で世界中のどの選手にも負けないと思ってるんで、そこがあれば必ず勝てると思ってます」

▼天心「ホント警戒してる点として言えば圧力だったり、一発のパワーだったり。階級も上なので、僕より全然圧力あると思うんですけど、そこはしっかりと対策して自分のやりたいことをしっかりやろうかなと思いますし。勝ってる点としてみれば、いっぱいありますけど、一番はマインドですかね」

――自分の成長の手応えは?

▼武尊「対策はどの選手とやる時もやるんですけど、天心選手は特別な相手だと思うんで、しっかり対策やって。僕は大みそかに照準合わせてやってきたので、むしろ、ここから半年、天心選手対策、天心選手との試合に向けて練習できるっていうのは、それをプラスに考えてもっと強くなってリングに上がりたいと思います」

――望まれていた一戦で、年齢的にも終盤と思われるが、この試合がラストマッチとなる可能性もありうる?

▼武尊「僕は毎回そのつもりで試合出てるんで。一回でも負けたら引退すると決めてこの何年もやってきたんで。年齢的にもと言われるんですけど、僕は今が全盛期だと思ってるんで、今が一番強いです」

――取りまとめる立場として大切にしたことは?

▼榊原総合プロデューサー「それぞれに、両選手に本当に背負ってるものが多いんですね。だから、この試合をすることで犠牲にするものをなるべく少なくさせてあげたい。実りのあることもたくさんあれば、この試合をすることによって失うものもある。たとえば天心選手で言うと本当は4月に引退するはずだった。その引退期間をこれも関係各位、当然ボクシングに行くって表明しているので、ボクシング関係者にも理解していただいて、引退、キック卒業の時期を延ばすことも含めて、これは天心にとってダウンなことかもしれない。いろんなものを背負って戦うに値する環境を整備をする、選手がそれぞれそこまでしてでもやっていこうと思ってもらえるものを整えていくことに僕も一番こだわりましたし、選手の思いとしてもそこにかけてみようと思ってもらえることができる状況がようやく整った。これは多くの関係各位の人たちの深いご理解とご協力があってたどり着けたっていうところかなと思います」

――対戦に合意するに至るまで自分の価値観で譲れなかった部分は?

▼武尊「僕はこの試合、さっきも最初に話したんですけど、この試合が実現するにあたって、どっちかの団体が落ちちゃったりとか、格闘技界が落ちちゃったりとか、そういうふうになったらこの試合やる意味がなくなってしまうと思うんで。そういう意味で誰も傷つかないというのは難しいと思いますけど、それに一番こだわってじゃないけど。この試合が熱望されてからK-1が悪く言われたところも凄くあったし、逆のこともあったと思うし、そういうふうに格闘技、せっかくこんな最高のカードができるのに、格闘技が悪いイメージになっちゃうのが凄く嫌だったので。このことでK-1ファイターたちにも迷惑かけたなと思っていて。僕の試合のことでK-1が悪く言われて、K-1ファイターはたぶん自分のことじゃないのに、そういうふうに言われたりしたことが悲しかったと思うし、悔しかったと思うし、僕はそれが一番きつかったので。今日こうやって実現できたことで、そういうこともなくなるのかなと思うし、実現するにあたって僕がこだわったのはそこですかね。RIZIN、RISE、K-1、他の団体全員がみんなで上がるための試合にならないと意味がないと思うし。そこが一番こだわった点ですね。あと、この試合が終わったら格闘技界が下がると言ってたんですけど、そんなこと全然なくて。今、僕と天心選手以外にもいい選手がたくさんいて、いない大会でも盛り上がってるし。僕らの試合が終わったあと、この試合を見た人が格闘技面白いと気づいてくれる人が凄くたくさんいると思うんですよ。そういう人たちが僕らの試合だけじゃなくて、K-1だったり、RIZINだったり、RISEだったり、いろんな団体の新しくファンになって、格闘技界がもっともっとでかくなっていくと思うんで、そういう試合になると思ってます」

▼天心「そもそも僕は4月でRISEというかキックボクシングを引退するというふうに言ってたんで。もともとの話だと今年の6月に中立の舞台があるというふうにほぼほぼなってたんですけど、それが無くなってしまって、じゃあ大みそかとなったんですけど、大みそかはRIZINにめちゃめちゃお世話になってますし、その恩返しがしたいということで、RIZINでしか試合をしないと、大みそかRIZINのファンの皆さんに申し訳ないというか、しっかり卒業するっていう姿を見せたいのがあって、こういうスケジュールになったんですけど。それでないのかと思ってたんですけど、榊原さんから引退を伸ばしてくれという提案が来て、まさかそこでそれくるかと思ったんですけど。ホントしつこいなというか、そんな発想ないよね?っていうのが凄くあって、自分でも思ってたんですけど、みんなが見たいと思ってくれてるし。いろんな関係者にも迷惑をかけてもいますし、そこの部分、申し訳ないなということで、そこから調整に入って、やっと決まったという部分なんですけど。譲れないというのは自分の試合のスケジュールもそうですし、あとは自分のファイターとしての気持ちというか、強い相手と戦いたいというか。ここ最近、ずっと僕は試合はしてはいるんですけど、立場的にずっとチャンピオンで、ずっと挑戦者を受けて受けてっていうことが凄く多かった。というかそれしかなくて、周りもどうせ勝つしみたいな。KO出来なかったら天心大丈夫か? と言われたりして、モチベーションが上がらない中、武尊選手との試合が決まって、僕のモチベーション、立場的にどうかわからないけど、久々にチャレンジャーというか、やってやるよという気分になりましたね。あとは武尊選手も言ってたんですけど、K-1だったり、RISEだったり、RIZINだったり、そこは誰も下がらない。プラス僕はこれでキックを引退するんですけど、平和で行こうよと思いますね。いろいろ交わらない団体がやっとここで交わるし、団体だけじゃなく、放映権とか放送の問題とか、フジテレビ、ABEMA、全て仲良くしてピースで行こうとよ僕は思います。そういういがみ合ったりとかはなしにして、ここでしっかり全部を整えて、僕は置き土産としてしっかりと試合をして勝ってキックを去りたいなと。そういう気持ちがあります」

――武尊選手が無制限ラウンドを希望しているが?

▼天心「そこは調整なのかなとは思いますし、今ここでそれをやる、やらないとなって、どうなるかもわからないので、そこはしっかり関係者さんとか自分のチームとか周りで相談して決めてもらえばなと。榊原さんが最終的に決めることだと思うので」

――完全決着に異論はない?

▼天心「引き分けいらないというか、そこまでもっていかなきゃいいって話ですよね」

――ファンへのメッセージを

▼武尊「本当にたくさん待たせてしまったんで、その分、最高の試合で僕が勝つところを見せたいと思うので、ファンの皆さんもあと半年ありますけど、一緒に試合当日まで盛り上げてもらって、日本中だけじゃなく世界中から注目される試合になると思うし。日本人同士で世界最強を決めれる試合ってなかなかないと思うんで、僕はこの試合がそういう試合になると思ってるんで、その試合を楽しみに半年後まで待っていてほしいなと思います」

▼天心「あと半年あるんでジャンジャン盛り上がってくれればいいと思いますし、ホントに楽しみすぎて事故しないように気をつけてください」

――中立のリングということで、ほかにも対抗戦が組まれる?

▼榊原総合プロデューサー「当然この二人の、両雄の戦いをメインとして、アンダーカードをですね。中立の舞台ですから、各団体の垣根を越えたマッチアップに。これはRISEさん、K-1さん、当然RIZINもそうですし、その他の団体も含めてですね。いろいろファンの皆さんが期待するようなカードをラインナップしたい。そう思ってます」

――どんな決着が望ましいと思っている?

▼武尊「さっきも言ったんですけど、僕はこの試合を完全決着ルールじゃないと、やる意味がないと思ってるんで。さっき天心選手、そこまでいかない、延長までいかないと言ってましたけど、僕も現役やってきて一度も延長いったことないんで、おそらく本戦で決まると思いますけど、天心選手も本当に強い選手だし、どうなるかわからないんで。引き分けは僕はいらないと思っていて、完全決着ルールの延長無制限でやりたいと思います」

▼天心「僕も現役の中で延長もいったことないですし…延長はいったことありましたね、そうですね。ロッタン(ジットムアンノン)選手とやった時、延長だったんですけど、しっかり勝ったんで、しっかりと。ジャッジ、レフェリーの人も相当悩むと思うんで、その人たちに悩ませない一番のやり方といえばKOじゃないですか。それしかないなと思ってるんで、皆さん期待してください」

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