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12/31【RIZIN】朝倉海届かず…扇久保がど根性ファイトでバンタム級T制覇、公開プロポーズも大成功!

『Yogibo presents RIZIN.33』さいたまスーパーアリーナ(2021年12月31日)
「RIZIN JAPAN GP 2021 バンタム級トーナメント」決勝戦 ○扇久保博正vs朝倉海×

 扇久保がど根性ファイトでバンタム級トーナメントを制覇。試合後、彼女への公開プロポーズにも成功し、ハッピーエンドで2021年のRIZINは幕を閉じた。一方、朝倉海は一歩届かず、鬼門の大みそかで3年連続敗北となった。

 7年連続となる大みそかのRIZINさいたまSA大会。昨年は新型コロナウイルスの影響を受けて、約1万人の観客だったが、今年は2年ぶりのフル観客仕様となり、チケットはソールドアウト。2万人を超す大観衆が集まった。

 メインを飾るのは扇久保と海による「バンタム級トーナメント」決勝戦。扇久保は準決勝で元UFCで優勝候補の呼び声高い井上直樹を判定で下して決勝へ。対する海もトーナメントを順調に勝ち進み、第2試合の準決勝では瀧澤謙太に手堅く判定勝ちを果たした。両者は昨年8月に対戦。海が1ラウンドでTKO勝ちしており、扇久保にとっては雪辱のチャンスだった。

 1ラウンドから飛びヒザ蹴りやハイキックなど積極的な動きを見せた海は、カーフキックも繰り出していく。しかし、扇久保もローキックを多用して譲らず。片足タックルからテイクダウンに成功する。マウントポジションになるとパウンドを連打。バックからスリーパーに捕らえると、海が立ち上がっても強引な投げを決めて攻勢をやめない。

 2ラウンドも扇久保は打撃戦を仕掛ける海に対して片足タックルをしつこく狙う。海の手数が減ったところで、扇久保のロングフックもヒットした。カーフキックも効果を見せ、バックに回り込むと、上手く崩して、ヒザ蹴りやサッカーボールキックを叩き込んだ。

 扇久保優勢のまま3ラウンドに。前に出るしかない海は左のジャブを効かせるが、扇久保はローキックで散らしつつ、パンチも返す。スキを見ては片足タックルを連発。海はなんとかしのいだものの、後手に回ってしまう。離れ際に扇久保はフックで突っ込んで反撃のチャンスを与えず。扇久保は得意パターンで攻勢を続けた。海もヒザ蹴りやワンツーなどを放ったものの、流れを変えるには至らず、海がフックを空振りして崩れたところで試合終了に。

 試合を完全にコントロールした扇久保が判定3-0で勝利。優勝候補を連破した扇久保がバンタム級GPを制した。一方、敗れた海は今大会で行われた準決勝こそ勝利したものの、2年前のマネル・ケイプ戦、昨年の堀口恭司戦に続いて大みそかの大一番で悔しい3連敗となった。

 試合後、マイクを持った扇久保は「皆さん、本当に応援ありがとうございました。何回も何回も格闘技を辞めようと苦しんだ時もあったんですけど、続けてやってきてよかったです」と喜びを噛みしめると、「一言だけ言いたいんですけど…。ずっとここまで僕を支えてきてくれた彼女の京香さん。本当に支えてくれてありがとう。もしよかったら…僕と結婚してください」と彼女に公開プロポーズ。場内は大きくどよめく。

 客席で見守っていた彼女も快諾して公開プロポーズは大成功。賞金の1000万円が結婚資金になることが確定した。男になった扇久保が「必ず幸せにします」と誓い、「これからもRIZIN盛り上げていくんで、皆さん応援よろしくお願いします」と締めくくると、満員の場内は多幸感に包まれた。彼女もリングに入ると2人は抱擁。恥ずかしがる京香さんに扇久保は強引にキスし、ハッピーエンドで2021年のRIZINは幕を閉じた。

 「とにかく最後まで気持ちを切らさずにやろうと思ってたんで、そこが勝てた要因かなと思います」と気持ちの勝利を強調した扇久保。大みそかの大舞台で海へのリベンジは成功したが、「僕がもう1人リベンジしなければいけない相手がいるんで。堀口選手ともう一度やることが目標ですし、来年コロナが明けて、海外の強い選手が入ってくると思うんで。その選手たちを日本代表として相手したいと思います」と次なる目標に堀口への雪辱と外国人選手との対戦を挙げた。

 一方、敗れた海は「本当に悔しいの一言に尽きるんですけど、応援してくれた方々に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と敗戦の弁。「このバンタム級で日本人最強を証明するためのトーナメントだったし、ここで僕が優勝して、もっと格闘技を広めていったり、盛り上げていくという約束をしたのに、うまいことできなくて、不甲斐ない気持ちでいっぱいです」と振り返って肩を落とした。

 「負けたので言い訳になるのであまり言いたくなかったんですけど、そのせいで負けたわけじゃないんですけど、瀧澤選手との試合で右手を骨折してました」と準決勝で拳を負傷していたことを明かし、「自分が弱かったんで、もっと実力を付けて強くなるしかないと思ってます」と再起を誓った。

【試合後の扇久保】
――今の心境は?

▼扇久保「最高ですね」

――トーナメントも優勝して、プロポーズも成功した。6月から始まったトーナメントを振り返ると?

▼扇久保「周りは井上選手とか、朝倉選手が優勝するんじゃないかって言ってたんですけど、僕は本当に自分のことを信じてたので、今日勝ててよかったです」

――今日は優勝候補2人を打ち破って優勝したが、作戦やプランはあった?

▼扇久保「とにかく最後まで気持ちを切らさずにやろうと思ってたんで、そこが勝てた要因かなと思います」

――朝倉選手はどうだった?

▼扇久保「2ラウンド目に一発パンチを効かされて。パンチは本当に強かったです」

――今後の展望は?

▼扇久保「僕がもう1人リベンジしなければいけない相手がいるんで。堀口選手ともう一度やることが目標ですし、来年コロナが明けて、海外の強い選手が入ってくると思うんで。その選手たちを日本代表として相手したいと思います」

――準決勝の井上戦も、決勝の朝倉戦も、扇久保選手より身長があり、リーチも長かったが、どういった攻略法で挑んだ?

▼扇久保「2人とも打撃は突出して強いんですけど、僕は全部できるんで。打撃もレスリングも寝技も。そこで勝負しようと思ってました」

――準決勝は1ラウンドがどちらかと言うと劣勢だったが、どういう風に挽回しようと思っていた?

▼扇久保「1ラウンドにバックを取られた時に、井上選手の息がかなり上がっていたので、2ラウンド目からいけるなと思ってました」

――決勝戦は?

▼扇久保「気持ちを切らさずに絶対に勝ってやろうと思っていたので、執念で最後は勝ちきりました」

――前回の反省点をどのように活かした?

▼扇久保「自分の癖も見直して。頭を下げる癖だったり、そういうのを直してきました」

――朝倉選手と前回やった時と今回では作戦が全然違っていた。前回は打撃でいきたいという気持ちがあって、今回はタックルを混ぜたいという感じ?

▼扇久保「そうですね。前回は本当に打撃だけという頭になってしまってたんですけど、今回は16年間自分がやってきた全てを出そうと思って挑んで。打投極でやろうと思って、出しきりました」

――2ラウンドにはパンチが結構当たっていたが、テイクダウンにつなげていた。どのあたりで手応えを感じた?

▼扇久保「自分のローも効いてたので。そこから突破口が見いだせたかなと思います」

――トーナメント全体を振り返って、成長したところ、来年に繋がりそうだなと思ったところは?

▼扇久保「1回戦で拳を骨折して。正直、その時はヤバいかなと思ったんですけど、そこから気持ちを切らさずに優勝できたので。自分に凄い自信が持てるようになったかなと思います」

――今日の初戦が終わった時のダメージの状況は?

▼扇久保「今日は1日2試合するつもりでいたので、ダメージは全然大丈夫でした」

――勝利のカメハメ波を忘れていたのでは? CDデビューを果たしたが、歌詞の中に「いくつもの川を越えて、やっと君に出会えたんだ。本当に本当の幸せはこれから作るんだ」という部分があったが、これは彼女のこと?

▼扇久保「そうなりますね」

――2回戦の朝倉海選手の強打を封じ込めるのに、前足へのカーフキックやシングルレッグのタックルを狙うのは最初からの作戦だった?

▼扇久保「そうですね。作戦でした。去年、堀口選手が海選手がやられてから、絶対にカーフは入ると思ってたんで。1年で絶対に修正できないと思ってたから、絶対に入ると思ってやってました」

――テイクダウンも入ることによって、朝倉選手の打撃も封じ込めた。MMAとして全てをやれば、自分が一番強いという自信もあった?

▼扇久保「自信がありましたし、今日勝ったことでさらに自信になりました」

――彼女とどんなお正月を迎えたい?

▼扇久保「おせち料理が食べたいです」

――準決勝の4人の中では一番年上だったが、世の中のオジサンたちにメッセージがあれば

▼扇久保「年齢は関係ないんだっていうのを見せれたかなと思います」

――シングルレッグでテイクダウンを狙って、向こうに耐えられた時に、そこで深追いせずに、際の打撃でいこうというのは頭にあった?

▼扇久保「そうですね。1回戦の井上戦から、組みの離れ際の打撃っていうのは狙ってたので、そこは練習してました」

――決勝戦はどれぐらいでいけると思った?

▼扇久保「2ラウンド目からですかね」

――YouTuberとしての来年の抱負は?

▼扇久保「来年こそは登録者100万人いきたいと思います。あっ、鼻で笑いました?」

――今日の地上波で可能性が出てきたのでは?

▼扇久保「マイクで言えばよかったです」

――最後にプロポーズした時、どんな返事が返ってきた?

▼扇久保「『お願いします』と言ってました」

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