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2/10【NOAH】“金剛1年生"船木が望月返り討ちでナショナル初防衛 「赤いベルトを巻いて武藤さん待つ」

『STEP FORWARD 2022』東京・後楽園ホール(2022年2月10日)
GHCナショナル選手権試合 ○船木誠勝vs望月成晃×

 金剛入りしたGHCナショナル王者・船木が、鮮やかな一本勝ちで望月の挑戦を退けて初防衛に成功。“金剛1年生"としての精進を謙虚に(?)誓いつつ、長期欠場を余儀なくされた武藤敬司を「赤いベルトを巻いたまま待つ」と宣言した。

 “赤いサムライ"と化した船木がノア後楽園3連戦中日(なかび)のメインで、望月を迎え撃った。

 つい先日まで同門M's allianceだった両雄。UWF時代の勇姿に惹かれた望月にとって、船木は憧れの人でもあったという。

 金剛のメンバーを引き連れて登場した船木に対し、たった1人で入場した望月は、ゴングと同時に奇襲すると、船木を蹴りでメッタ打ちにして気を吐いた。グラウンドでも“一瞬で極まる"緊張感のなかでしのぎを削り、かつて船木に教わったストレート掌底を浴びせて3ヶ月ぶりのナショナル返り咲きへ前進した。

 船木も1・27後楽園大会でピンフォールを奪われたドラゴンスープレックスだけは打たせず。ならばと望月はカウンターの真・最強ハイキックからツイスターで突き刺したものの、3カウントは奪えない。

 逆に船木はハイブリッドブラスターこそ切り返されたものの、再び腕ひしぎ逆十字固めに絡めとって逆襲。粘る望月は押さえ込んで脱出し、上から掌底を振り下ろしたものの、その手を捕獲した船木は三角絞めへ。そこから流れるようにマウントポジションに変化すると、掌底を連打し、胴絞めスリーパーホールドに持ち込んでギブアップを奪った。

 鮮やかな一本勝ちでナショナル王座初防衛。潔く最敬礼でリングを後にした望月を見送ると、セコンドをぐるりと囲んだ“赤い同志"とともにマイクを握った。

 外はあいにくの雪模様。まずは「外は凄い大変だと思うんですけど、来ていただいて本当にありがとうございました」と感謝した船木は、「(金剛のメンバーに)力をもらいました。この中では1年生なんで。年齢は一番上ですけど、一番下っ端なんで。マイクを持っている間に後ろから怖い圧がかかっているので。とりあえず今日は最後に金剛のリーダー・拳王選手に締めてもらいます」と謙虚に(?)締めを託した。

 自由な“ムチャブリ"を受けた拳王は「なぜか金剛1年生の船木誠勝にマイクを渡されちまったぞ…」と戸惑いつつも「ひとつだけ言いたいことがある。船木誠勝。1年生ながらメチャクチャ強えじゃねえかよ」と称え、「これからはな、最高で最強にカッコいい俺たち金剛がこのノアを引っ張っていくからな。テメーらクソヤローども。今日防衛した1年生の船木さん、そして俺たち金剛に…ついてこい」と締めくくった。

 バックステージでも赤く染まった船木は自由奔放。ベルトに縁がない金剛ジュニア勢に笑顔でプレッシャーをかけつつ、金剛でのベルト総獲りを見据えた。拳王が「こんな緊張感のある試合、見たことあるか?」と言ったそばから、「もっと次は笑って試合します。もっと楽しみたかったんですけどね。笑って、心から笑って。痛いのが入ると笑うんですよ。嬉しくなっちゃうんで。そういう試合したいなと思います」と笑って型破りなところをみせた。

 そして次期挑戦者について問われると「武藤さんがいたらやりたいなと思いましたけどね。ただああいう状態なんで。でも、なんか赤いベルトを狙うとか、どうのこうの言ってますから。それはそれで、その時まで巻いて待っていたいなと思いますよ」と船木。股関節の負傷で長期欠場に入った武藤は、かねてから還暦を迎える今年12月23日を「赤いベルトで祝いたい」と見据えている。赤く染まって楽しげな“サムライ"は、奔放に金剛を躍進に導きながら、戦友・武藤の帰りを待つ。


【試合後の船木、拳王】
――望月選手と戦った感想は?

▼船木「今日は勝つつもりで来たんでしょうね。前回よりも強かったし、奇襲も来たんで。ただ、周りに(金剛のメンバーが)いるんで、1人で戦っている時よりも絶対諦めないぞと。そういう気持ちが強かった気がしますね。自分のペースで途中からいきました。本当に今日は緊張しましたね。初めての防衛戦なんで。ここがないと次はないですから。入ってから負けたらどうしようもないですからね。みんなに迷惑がかかるんで。そういう意味では緊張して、今日が初戦だなと思いました」

――これだけのセコンドに囲まれてタイトルマッチをやるのは初めてなのでは?

▼船木「初めてですね。そういう意味では、プロレスを30年以上やってますけど、こんな周りに人がいてやったのは初めてなんで、いい空間に今いるなと思いますね」

――次に味わいたい選手は?

▼船木「普通は誰か次にいるはずなんですけど、誰も来ないんで。相当嫌われてるんですかね? 武藤さんがいたらやりたいなと思いましたけどね。ただああいう状態なんで。でも、なんか赤いベルトを狙うとか、どうのこうの言ってますから。それはそれで、その時まで巻いて待っていたいなと思いますよ」

――金剛には中嶋選手もいるが、もう1人のチャンピオンとしては?

▼船木「今はダブルですかね。あと、返上されたタッグもこの中の誰かが巻くことになるんじゃないですかね、おそらく。そう思います」

――ベルト総取りも?

▼船木「1回は総取り、全部揃えたいですね。あとはタッグだけじゃないですか? あとは他にありますか?」

――ジュニアのベルトもある

▼船木「ああ、ジュニア、ジュニア。巻いてないですね。これからですね。ないですね。これからです。まあ、1年生があんまり喋ると怒られますんで、これぐらいにしておきます。今日はマイクで締めてもらったので」

――拳王選手はいきなり来たマイクで戸惑った?

▼拳王「こんな1年生今までいねーだろ? だが、これは強い信念だ。強い信念を持つ1年生…最高じゃねーか。こんな緊張感のある試合、テメーら最近見たことあるか? ねーだろ? これからは金剛がノアを仕切ってやっていくから」

▼船木「もっと次は笑って試合します。もっと楽しみたかったんですけどね。笑って、心から笑って。痛いのが入ると笑うんですよ。嬉しくなっちゃうんで。そういう試合したいなと思います」

▼拳王「笑いの最上級だ」

▼船木「ありがとうございました」

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