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2/12【NOAH】40分超…清宮ついに師・小川からシングル初勝利 「“教科書"はまだ途中」

『STEP FORWARD 2022』静岡・島田市総合スポーツセンター(2022年2月12日)
○清宮海斗vs小川良成×

 清宮が40分を超す深みある熱闘の末に、師匠・小川からシングル初勝利。「まだまだ教科書は途中」としながらも、勝利の喜び…ではなく「幸せ」を噛み締めた。

 小川門下として今もなお、教えを請い続ける清宮。ここ1年で実に3度目となるシングルマッチでも、あらゆる引き出しを開けていく小川に必死に食らいついていった。

 ハイテンポの切り返し合戦、ヘッドシザースをめぐる攻防、ヘッドロック地獄の切り抜けと逆戻し…。文字にするとあっさりしたものだが、そこにはあらゆるパターンが存在することを知らしめるような、それでいて今までの“おさらい”をするかのような師弟の攻防が続く。清宮が若さと勢いで押し込みかけても、小川は老かいに腕攻め地獄へといざない、本部席での耳元ゴング攻撃や、ロープ目こすり、ロープ蹴り上げ式の急所攻撃…といったラフも効果的に交えて、やはり気づけば清宮がマットを這うばかりの展開が続いた。

 そして小川は35分が過ぎたところで、ついに投げ技を解禁。鉄柱突っ込ませからのバックドロップ連発でねじ伏せにかかったものの、清宮も3カウントは許さない。逆にドロップキックで反撃し、急角度ジャーマンからのタイガースープレックスを狙う。小川も背面的にヒザを蹴りつけて逃れたが、ならばと清宮は先を読みながら鋭角的なジャンピングニーをことごとく当てて追い込むと、ダイブ式のジャンピングニーも発射だ。続けざまに新兵器のダブルアームロックで絞め上げ、小川もギブアップを意思表示した。

 いわゆる地方大会のセミファイナルながらも、“深淵の40分"を展開した末に、清宮が師・小川から悲願のシングル初勝利。試合後はしばし大の字でぐったりしながらも、立ち上がって勝ち名乗りを受けると、コーナーに上がって何度もガッツポーズを繰り返して感情を爆発させた。

 スランプ真っ只中だった昨年6月は敗れ去り、スランプを抜けた昨年10月の一騎打ちでは30分ドロー。そして40分を超える試合の末に、ようやく勝利をつかんだ。合計100分を超える“実践版・小川教室"で、ついに勝利をつかんだ清宮は、開口一番「なんて言っていったら分かんないけど……幸せだな」と“喜び"ではなく“幸せ"を口にした。

 続けて「うれしい…っていうよりはね。やっぱり小川さんの教科書、まだまだページ数あるから。もっと広いから! これ以上だから! これが全部じゃないから。だからまだ“ぬか喜び"できないですよね」と説明した。

 とはいえ結果は結果。「でもすっごい自信になったよ! こんな経験して自分に自信持たなかったら失礼になる」と前を見据えた清宮は、「もちろんチャンピオンだよ! ベルト! 俺が目指していくのはそこだよ」と改めて王座獲りを視野に。幸せな“結果"をつかんだ清宮が見据える王座とは果たして――。


【試合後の清宮】

▼清宮「よしっ! よしっ! ハァハァ……なんて言っていったら分かんないけど……幸せだなって。(流れそうな涙をこらえつつ)小川さんは教科書みたいな方だから、俺にとっては。ずっとその背中を俺は見てきたよ。一番かっこいい先生だよ…!(※涙をこらえながら)クソ…」

――勝って“うれしい"という言葉ではなく“幸せ"という言葉が出たのは?

▼清宮「うれしい…っていうよりはね。やっぱり小川さんの教科書、まだまだページ数あるから。もっと広いから! これ以上だから! これが全部じゃないから。だからまだ“ぬか喜び"できないですよね。でもすっごい自信になったよ!」

――その自信をどう生かしていく?

▼清宮「もちろんチャンピオンだよ! ベルト! 俺が目指していくのはそこだよ。こんな経験して自分に自信持たなかったら失礼になる」

――今年は多くのビッグマッチも控えている

▼清宮「ビッグマッチだけじゃなくて、ホントに今のノアの一秒一秒を見てほしいよ、お客さんに。思いが絶対伝わると思うから。それが名古屋、その後のビッグマッチ、そして日本武道館につながっていくと思うから。その熱を引っ張るのは…俺だよ!」

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