2/17【新日本】ファンタズモの右足またも決まらず…石森との亀裂鮮明に

『LECクリンぱっ!Presents 新春黄金シリーズ』東京・後楽園ホール(2022年2月17日)

　ファンタズモのサドンデス(トラースキック)がまたも決まらず、石森との亀裂が鮮明になった。

　2・19札幌大会でIWGPジュニアタッグ王者のイーグルス&タイガーに4WAY戦で挑む石森&ファンタズモとデスペラード&金丸(残りの1チームは田口&ワト)が前哨戦となる6人タッグマッチで激突した。両チームともにタイトル戦に向けて好調をキープしているが、石森とファンタズモの間には一抹の不安が漂っている。右足シューズに凶器が仕込まれていたことが発覚した影響からか、ファンタズモのサドンデスは今シリーズ一度も決まっておらず、一撃の破壊力に絶対の信頼を寄せていた石森が不満を募らせており、札幌大会を前に不穏な空気が漂っていた。

　奇襲した石森&ファンタズモが場外暴行で先手。金丸がインサイドワークを発揮して同士討ちを連続して誘うが、ファンタズモはバックドロップ&ドロップキックの合体技を阻止。すかさず邪道が場外からの竹刀攻撃で介入すると、流れはBULLET CLUBサイドに傾く。背中に爪を立ててひっかいたり、耳を引っ張ったりと、代わる代わるのダーティーファイトで金丸を蹂りんした。石森とファンタズモは亀裂を感じさせないチームワークを披露する。

　何度も悲鳴を上げた金丸だったが、石森にドロップキックをぶち込んで反撃すると、デスペラードが逆襲に出る。石森をスピアーでねじ伏せ、バックドロップで投げると、マフラーホールドに持ち込んだ。石森はこれをYes Lockで切り返すと、デスペラードは慌ててロープに逃れた。ここぞとばかりにファンタズモはエルボー乱射で巻き返したものの、デスペラードはこん身のエルボー一撃でねじ伏せる。

　タッチをもらったDOUKIに猛攻を受けたファンタズモだったが、スープレックス・デ・ラ・ルナを切り返すと、大技ラッシュで巻き返した。ここが勝機と見た石森はサドンデスを決めるよう指示を出すも、ファンタズモは途中で動きを止めてしまい、頭を抱えて苦悩。見かねた石森が飛び込んでDOUKIにブラディークロスを繰り出すと、仲間の加勢に気づかず、戸惑ったファンタズモだったが、そのままフォールして3カウントとなった。

　最後の前哨戦で勝利した石森&ファンタズモだったが、試合後は再び不穏な空気に。パートナーに詰め寄ろうとする石森の前に立って、邪道がなだめると、3人でToo Sweetポーズを決めたものの、石森はやはり不服そう。ファンタズモも苛立ちをにじませ、2人の亀裂がより鮮明となった。

　ひとまずは揃ってコメントスペースにやってきた2人だったが、石森は「ナンバーワン・スーパーキッカーなのに! なんで使わないんだ!?」とパートナーに詰問。ファンタズモが「シューズを新しくした…」と返答すると、石森は「だったらスーパーキック使えよ。何でノーなんだ!?」と改めて語気を強めた。ファンタズモは「ノー、ナンバーワンなんかじゃない」と言葉すくな。気まずい沈黙が続いたが、ファンタズモは「サッポロ、タッグのタイトルマッチだな。俺たちがナンバーワン・タッグ・チームだってことをしっかり証明してやろうな」と気を取り直して呼びかけると、石森も「イエス!」と返し、この場は収まった。

　チームワーク自体には良好で、今回の問題によってすぐさまチーム分裂とはならなそうだが、日に日に亀裂が鮮明になっているのも確か。2・19札幌大会でIWGPジュニアタッグ王座を奪取し、改めて結束を確認したいところだが……。

【試合後の石森&ファンタズモ】
▼石森「(※英語でファンタズモに向かって)ナンバーワン・スーパーキッカーなのに!」

▼ファンタズモ「ノー…」

▼石森「(※英語で)なんで使わないんだ!?」

▼ファンタズモ「シューズを新しくした…」

▼石森「(※英語で)イエス。ビューティフル。だったらスーパーキック(サドンデス)使えよ。何でノーなんだ!?」

▼ファンタズモ「ノー、ナンバーワンなんかじゃない」

▼石森「(※英語で)ナンバーワンだよ」

▼ファンタズモ「だからナンバーワンはお前だよ! 俺じゃない。ノー…ノー…。(※長い沈黙のあと)サッポロ、タッグのタイトルマッチだな。俺たちがナンバーワン・タッグ・チームだってことをしっかり証明してやろうな」

▼石森「イエス!」

▼ファンタズモ「ミー…スーパーキック…サッポロ…」

▼石森「そうか? オーケイ! (※と言って先に控室へ)」

▼ファンタズモ「あぁ…(※座ったまましばらく沈黙していたが立ち上がって)サッポロ! YEAH、YEAH、YEAH、サッポロ…YEAH」

【試合後のデスペラード&金丸】
▼金丸「相変わらずだな、オイ。インチキ野郎2人よ」

▼デスペラード「(※金丸の右耳を指して)血出てんじゃないですか?」

▼金丸「(※右耳を拭いながら)これでどうやって勝つんだよ」

▼デスペラード「まあこの通りダメージが通ってるのを見ると、否定できないのも悔しいわ。ただ、なんスかね? 繋がらない攻撃ばっかりやってるからまとまらない」

▼金丸「まとまってねぇんだよ、あいつら」

▼デスペラード「でも、個々の能力は申し訳ないけど、昨日とまったく違いましたね」

▼金丸「まあいいや。次の札幌でハッキリさせるからよ。よく見とけ(※と言って1人で先に控室へ)」

▼デスペラード「ここまで言ってんだぜ、ノブさん。きっちりタッグってのはどういうものか、ノブさんが教えてくれるぞ」