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2/19【新日本】SANADAが悲願の新日本シングル初戴冠、棚橋との技巧戦制してUS王座獲得

『LECクリンぱっ!Presents 新春黄金シリーズ』北海道立総合体育センター 北海きたえーる(札幌市)(2022年2月19日)
IWGP USヘビー級選手権試合 ○SANADAvs棚橋弘至×

 SANADAが棚橋との技巧戦を制して、US王座奪取。新日本参戦から5年10ヶ月にして、悲願のシングル王座初戴冠を果たした。

 棚橋は1・5東京ドーム大会のノーDQ戦でKENTAを破り、US王座に返り咲いた。しかし、荒れた内容に「虚無感」を覚えた逸材は、純粋なレスリング勝負を熱望。そこで対戦相手に指名したのがSANADAだった。SANADAは2016年4月から新日本に参戦しているが、いまだに新日本マットでシングル王座の戴冠経験はなく、悲願達成のチャンスを迎えた形。昨年のG1公式戦では棚橋に敗れており、雪辱戦にもなった。

 棚橋が望んだ通り、試合は序盤からハイレベルの技巧戦に。基本的な動きでせめぎ合い、場外でもリストの取り合いを繰り広げた。SANADAがSkull Endにつなげるべく首攻めにシフトすれば、棚橋は左ヒザ攻めで反攻。しつこく仕掛けてついに掟破りの逆パラダイスロックに成功すると、捨て身の場外ハイフライフローアタックを敢行する。止まらない棚橋は鬼のヒザ攻めを継続すると、テキサスクローバーホールドに捕獲。SANADAが起死回生のフランケンシュタイナーを狙っても、踏ん張った逸材は急角度のテキサスクローバーホールドに再び捕らえた。

 勝負を急ぐ棚橋はスリングブレイドからハイフライフローで突っ込むが、SANADAはヒザを立てて撃墜。自らの左ヒザを押さえて苦もんしつつも、執念でSkull Endに持ち込み、一転して勝機を掴む。棚橋が脱出しても再捕獲し、絞めに絞めた。棚橋がギブアップしないとみるや、ラウンディングボディプレスへ。しかし、今度は棚橋がヒザを立てて迎撃。互いにヒザを押さえて苦しむ。

 2人は死力を振り絞り、ドラゴンスリーパーを狙ってポジションが二転三転。棚橋はツイスト&シャウト3連発でSANADAの動きを止めると、ハイフライフローアタックを発射する。だが、正面から受け止めたSANADAは、そのまま後転して棚橋を担ぎ上げ、TKOからラウンディングボディプレスをズバリ。止まらずに2連続で落としていくが、ここは棚橋は自爆を誘って、状況はイーブンに。

 普段のポーカーフェイスをかなぐり捨てて、感情をあらわにして立ち上がったSANADAに対し、冷静にグラウンドドラゴンスクリューを決めた棚橋は、自らを鼓舞するように雄叫び。エルボー合戦に持ち込むと、張り手でねじ伏せる。気持ちで引かないSANADAがローリングエルボーを2連続で放ってきても、棚橋はダルマ式ジャーマンで追い討ち。SANADAのポップアップ式TKOもスリングブレイドで叩き潰すと、勝負を決するべくハイフライフローを投下した。

 勝負あったかと思われたが、寸前で回避したSANADAは自爆を誘うと、すかさずジャパニーズレッグロールクラッチホールドの要領でオコーナーブリッジを仕掛けてクルリ。逆転の3カウントを奪い取り、US王座初戴冠、そして新日本でのシングル王座初戴冠を成し遂げた。

 悲願達成を果たしたSANADAは「ここのリングに上がって7年、やっとシングルのタイトルが獲れました」とマイクで語って喜びを噛みしめると、「初めてということで、今年初めてのギフト、やりませんか?」とアピール。場内が暗転すると、観客たちはスマートフォンを掲げて、札幌の会場がまるで星空のようにライトアップさせる。

 満足げにそれを見つめたSANADAは「まず対戦相手のタナさん、リスペクトです。タナさんとだったら、またいつでもどこでもやってもいいかなと思ってます」と棚橋にメッセージ。「あと今、なかなか会場に来れない人、ワールドで見れたりもするんですけど、会場は唯一俺が皆さんに会えるところなんで、今日わざわざ来てくれた方々、ありがとうございました」と観客にも感謝した。「あんまりこういうことを言うのは得意じゃないんですけど、日本で一番ここ札幌が好きです」と宣言し、大きな拍手を巻き起こす。そのうえで、新王者は「おい、札幌! See you tomorrow」と叫んで、札幌2連戦初日を見事に締めくくった。

 バックステージでSANADAは今後の防衛ロードについて早くも言及。「今はなかなか海外に行けない状況なので、それだったら、日本でも世界に名がある人がたくさんいるので、そういう人たちとこの価値を一緒に上げていったらいいんじゃないかなと思ってます」とまずは新日本内での防衛戦を示唆した。

 悲願のシングル王座初戴冠を果たしたSANADAは、果たしてどんな王者像をこれから描いていくのだろうか。明日(20日)の札幌大会では、王者初戦として今宵戦った棚橋と早くも8人タッグマッチで対戦する。

【SANADAの話】「獲ったばっかりであんまり考えられないんですけど、今はなかなか海外に行けない状況なので、それだったら、日本でも世界に名がある人がたくさんいるので、そういう人たちとこの(US王座の)価値を一緒に上げていったらいいんじゃないかなと思ってます。ちょっと今、それしか思いつかないですね。ありがとうございました」

【棚橋の話】「(※ヤングライオン2人に肩を借りてコメントスペースに現れると、床に寝転がり)ああ、悔しい! 俺がミス、大きなミス、致命的なミスをしたわけないし、していないのに負けてしまった。戦法は良かった。ヒザからいってハイフライで仕留める。それは良かった。ただ前哨戦がしっかりあったからこそ、俺たちみたいなタイプは大変だったけど、水を得た魚のような活きがいい、活き活きとしたやりがいがあった。ただ、あのベルトは俺がアメリカから持ってきたものだから。何勝手に日本で王座交代してんだよって、このままだと言われてしまう。近い将来、もっと状況が良くなって、会場にたくさんファンが来てくれて、新日本プロレスの歴史が続けていけるならば、USヘビーの歴代王者に俺もいたし、SANADAもいた…なんつってね!(笑) (※立ち上がって)すぐ取り返してやるよ! アメリカから俺が持ってきたんだ。しばらくは俺の自由にさせてもらうから」

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