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3/10【新日本】コロナ禍痛感で涙も…棚橋がファレ突破で3回戦・内藤と久々対決へ

『NEW JAPAN CUP 2022』アイメッセ山梨(甲府市)(2022年3月10日)
「NEW JAPAN CUP 2022」2回戦 ○棚橋弘至vsバッドラック・ファレ×

 棚橋がファレの足攻めをしのいで逆転勝利。試合後はコロナ禍を痛感し、涙に暮れたものの、NEW JAPAN CUP3回戦で久々の内藤戦が決まり、「どう変わったのか、ちょっと見てやろうじゃねぇの」とあえて上から目線で宣言した。

 第1回覇者の棚橋は2008年以来、実に14年ぶり3度目の優勝を狙う。3・2武道館大会での1回戦ではYOHに快勝。この日の2回戦で難敵・ファレと対決した。前夜の後楽園大会でファレまさかの低空ドロップキックを食らった右ヒザのダメージが気がかりだった。

 序盤からパワーに勝るファレに押されてしまう。それでも棚橋はファレを場外に誘い込んでおいてスライディングキックを見舞ったが、ボディスラムは押し潰され、セコンドのチェーズ・オーエンズに介入されると、レッグロックなどファレの右ヒサ攻めにあってしまう。回転エビ固めで飛びついてもヒップドロップで押し潰された。

 その後も右ヒザに集中砲火を浴びた棚橋は低空ドロップキックを連発してお返し。ドラゴンスクリューで追撃し、スリングブレイドを狙ってロープに走ったものの、オーエンズが介入。棚橋はエルボーで返り討ちにしたが、そのスキにファレがフロントネックロックで捕まえ、左右のハンマーパンチを荒々しく乱打。串刺しボディアタック、バックフリップでたたみかけた。

 ピンチを迎えた棚橋だったが、グラネードを食い止め、左張り手をお見舞い。ボディスラムで巨体を投げ、スリングブレイドをさく裂させた。ハイフライフローを狙ってコーナーに上がると、またもオーエンズが妨害。すかさずファレがジャンピングボディプレスを投下したが、棚橋はギリギリでキックアウト。バッドラックフォールをスリングブレイドで切り返した。ハイフライフローが自爆に終わって右ヒザをマットに痛打してしまったものの、最後はファレをサムソンクラッチで丸め込んで料理した。

 棚橋が苦闘の末に2回戦を突破。3・15岡山大会における3回戦で久々となる内藤との一騎打ちが決まった。決勝級のカードといえ、棚橋は「トーナメントの途中で当たるっていうのがきっと今、俺が置かれてる状況なんだと思う。ベルトもない、近年、結果も出てない」と悔しげに噛み締めたが、「上等。ここで内藤を倒せばグッと優勝に近づくしね」と言い切った。

 この2月、棚橋はSANADAに敗れてUS王座から陥落し、内藤はオカダに敗れ、IWGP世界王座を逸した。ともにNJCは再起の場。そこで棚橋は「何より久しくやってないからさ。どう変わったのか、ちょっと見てやろうじゃねぇの。あんまり下からいくと、何か調子に乗りそうだから、棚橋先輩でいきます」とあえて上から目線のスタンスを取った。

 14年ぶりV3へ向けて前進したが、バックステージに引き揚げてきた逸材の目に涙が光っていた。花道を下がる際、女の子が手を広げてハイタッチを求めたものの応えてあげることができなかった。これまで当たり前だったファンサービスができないコロナ禍の現状を改めて痛感。「こんなさ、ちっちゃい女の子が『タナ』って来てんのにさ、タッチしてあげられなくてさ。『また今度ね』って言ってさ…」と言葉に詰まりながら悔し涙に暮れた。それでも甲府のファンに「声援が出せなくても皆さんの目、皆さんの顔、皆さんがそこにいるだけで俺たちは力が沸いてきます。だから今は我慢しようよ。そしていつの日かみんなでプロレスが心の底から楽しめる日をつかみにいきましょう」と呼びかけたようにコロナ収束を信じて前に進んでいくしかない。その時のためにも棚橋はNJC制覇によって再浮上を目指す。

【棚橋の話】「(涙ながらに)こんなさ、ちっちゃい女の子が『タナ』って来てんのにさ、タッチしてあげられなくてさ。『また今度ね』って言ってさ。でも、自分が言ったようにね。みんなで協力して乗り越えていかないと。覚えていてほしいな。でも、泣いてる場合じゃなかったね。次、岡山。よーし、来たね。トーナメントの途中で当たるっていうのがきっと今、俺が置かれてる状況なんだと思う。ベルトもない、近年、結果も出てない。上等。ここで内藤を倒せばグッと優勝に近づくしね。何より久しくやってないからさ。どう変わったのか、ちょっと見てやろうじゃねぇの。あんまり下からいくと、何か調子に乗りそうだから、棚橋先輩でいきます」

※ファレはノーコメント

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