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4/15【後楽園還暦祭】聖地60周年で女子14団体44選手が豪華競演 キッドが大混戦メイン締め、野崎は「古希祭」開催宣言

『後楽園ホール60周年 還暦祭 女子プロレス ドリームフェスティバル』東京・後楽園ホール(2022年4月15日)
○スターライト・キッド&尾崎魔弓&雪妃魔矢vs野崎渚&彩羽匠&SAKI×

 聖地60周年で女子14団体、合計44選手が豪華共演。大混戦のメインを引き分け寸前で制したキッドは、野崎との再会を熱望。その野崎は10年後の「古希祭」開催を宣言した。

 “プロレス・格闘技の聖地"後楽園ホールは1962年4月16日にオープン。幾多の名勝負を残してきた同所は今年で開場60周年を迎えた。“還暦"を記念して、東京ドームが初主催となる『後楽園ホール60周年 還暦祭』を2連戦で開催。初日は「女子プロレスドリームフェスティバル」と題し、14団体44選手が参加。実に26人が後楽園ホールデビューの選手となった。

 1251人の観客が集まる中、迎えたメインイベントでは、OZアカデミーの正危軍・尾崎&雪妃とスターダムの大江戸隊・キッドが団体の垣根を越えて極悪トリオを結成。野崎(WAVE)&SAKI(COLOR'S)&彩羽(Marvelous)と対戦した。尾崎、キッド、野崎は後楽園デビュー。特に尾崎は今大会で最古参(86年8月)の聖地デビュー組となる。

 野崎たちが握手を求めてきたところで、極悪トリオは場外戦に持ち込んで先手。正危軍や大江戸隊のセコンドたちも加勢して一方的に蹂りんする。尾崎はパイプイスやチェーンを、雪妃はムチを巧みに使って野崎を暴行。キッドも髪の毛を引っ張り、顔面を踏みつけた。尾崎たちとキッドのチームワークもスムーズで、大暴走した尾崎は野崎の首にチェーンを巻きつけて絞首刑に処した。

 SAKIと彩羽が強引に加勢すると、ベビーフェイストリオが反撃開始。ようやくタッチをもらった彩羽が重たい蹴りで雪妃を攻め立てると、キッドの体をブレーンバスターで雪妃に投げつける。正危軍の反撃を受けると一転して守勢を強いられ、尾崎による執ようなチェーン攻撃の餌食になるが、彩羽は強烈なエルボーからニールキックにつなげて流れを押し返した。彩羽のハイキック、尾崎の裏拳が何発も交錯。痛み分けに終わる。

 ここで、キッドと野崎が対峙。デビュー前から野崎を意識していたというキッドは牙を剥くも、野崎は真っ向から応戦した。ミサイルキック、ダブルニーアタック、ノアールランサー(座っている相手への片足ドロップキック)と猛攻。キッドもキャッチャーマン(変型フィッシャーマン)で押し返したものの、野崎は尾崎たちの介入をものともせにずに、ノアールランサーを連続発射していく。極悪トリオはコーナーからの同時プランチャを狙ったものの、尾崎が彩羽に阻まれ未遂に。キッドは勢いに乗れず、SAKIのみちのくドライバーIIを食らってしまう。

 25分経過直後に野崎のノアールランサー、彩羽のパワーボム、SAKIのダイビングニードロップが立て続けに火を吹く。キッドは大ピンチを迎えたが、雪妃がムチを使って強引にカット。尾崎が裏拳、雪妃がハイキックを交互にSAKIに浴びせると、息を吹き返したキッドは旋回式ダイビングボディプレスを投下した。キッドはここぞとばかりにSAKIに大技ラッシュ。尾崎&雪妃との同時スープレックスも完璧に決まった。SAKIもランニングブレーンバスターで意地を見せたが、残り1分コール直後にコーナーへ上がったところで、尾崎が赤い毒霧を噴射して足止め。すかさずキッドがエターナルフォー(スパニッシュフライ)でSAKIを沈めた。

 2015年10月デビューで、メインで一番キャリアの浅いキッドが時間切れ29秒前に勝利して主役の座を奪取。マイクを持つと「この還暦祭、このメンバーの中で、キッチリ3カウントを取ったのは、この宣言通りのスターライト・キッドだ。もっと拍手!」と勝利の雄叫びを上げた。さらに、「今日、この私の試合を見て、虜になったそこのお前ら、お前ら、お前ら、お前ら。明後日、ここ後楽園ホールでスターダムの試合があるから、私を見たけりゃ、その日もここに来い」とスターダム、そして自分自身を観客にアピールする。

 野崎に対しては「あなたがキッカケで開催されたこの興行、客席から見てた私が最後勝ちました! 私は野崎渚と今日で終わらせるつもりはない。いや、終わらせたくないよね。私はずっと見ているからな」と再会を熱望。「そしてそして、正危軍、また組むのか、戦うのかわからないけど、また会った時はよろしく」と尾崎たちにもメッセージを送った。

 これを聞いた尾崎が「ちょっとさ、勘違いしているかもしれないけど、スターライト・キッド様。あなたは私の毒霧があったから勝てたんだよ」と反応すると、キッドが「先輩面とか、ダセェな」と言い返し、にらみ合う場面も。ここは尾崎が「ダサくて結構。私はダサい女なんだよ」と話を打ち切った。

 尾崎は出場最古参らしく「ところで皆さん。今日のオールスター戦どうだった? 女子プロ楽しいよね? 明日の新日対全日で人数で負けたのがスゲェ悔しいんだけど。次あった時は超満員な。今日さ、出場したみんな、写真撮りたいでしょ? みんな集まって、リングに上がって」と出場選手たちをリングに呼び込む。試合が終わればノーサイドとはいかなかったが、それでも一時休戦して記念撮影に。尾崎は「どっかの誰かのおかげで還暦祭ができたらしいんだよね。私は野崎のおかげなんて思ってないけど、野崎が締めて」と大会の提唱者である野崎に強引に締めを託した。

 野崎は「本当は勝って締めたかったけど、ありがたく締めさせていただきます。改めまして後楽園ホール60周年おめでとうございます。今日しか見れない夢のような試合楽しかったですか?」と観客に呼びかける。後楽園ホールが大きな拍手に包まれると、野崎は「じゃあ、次は後楽園ホール、70周年記念古希祭が開催されることを楽しみに、今日来た皆さん、これからも女子プロレスの応援を、そして女子プロレスをこれからも必ず見ること。これは正式決定だ!」と締めくくった。

 聖地60周年で実現した女子プロレスのオールスター戦は、興奮と熱狂を生み出してフィナーレに。明日からはそれぞれの団体での戦いに戻っていくが、今大会で生まれた因縁や遺恨が今後に繋がってくるのか気になるところ。10年後の古希祭に向けて、女子プロレス界はこれからも後楽園ホールとともに歴史を紡いでいく。

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