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5/12【ドラディション】欠場・藤波の加勢で棚橋激勝、12・1代々木での一騎打ち浮上 最後は「NEVER GIVE UP」締め

『TATSUMI FUJINAMI 50th ANNIVERSARY THE NEVER GIVE UP TOUR PHASE-2 IN TOKYO Dear NEW GENERATION』東京・後楽園ホール(2022年5月12日)
○棚橋弘至&越中詩郎&永田裕志vs鷹木信悟&高橋ヒロム&長井満也×

 50周年記念試合を欠場した藤波辰爾がドラゴンスクリューで加勢すると、最後は棚橋がハイフライフローで長井を撃破して激勝。試合後、藤波が久しぶりのシングルマッチに意欲を見せると、棚橋が相手に名乗りを挙げて、2人は握手。12・1代々木大会での一騎打ちが浮上した。最後は「会場の皆さん、NEVER GIVE UP!」の雄叫びで揃って拳を突き上げた。

 当初、今大会では「新世代の選手たちとの遭遇」をテーマに、藤波がL・I・Jの鷹木&ヒロムと初遭遇を果たす予定だったが、藤波が新型コロナウィルス陽性判定を受け、回復したものの大事を取って欠場することに。飛龍の緊急欠場の報を受けて、出場に名乗りをあげたのは、新日本プロレスの“エース"棚橋だった。棚橋は2002年のG1初出場前にドラゴン殺法を伝授されて以降、藤波と深いつながりがある師弟関係。今年3月には新日本プロレスのリングで対戦もタッグ結成も実現したばかりだった。

 藤波が実況席から試合を見守る中、棚橋は越中&永田と組んで、鷹木&ヒロムに長井を加えたトリオと激突。永田もドラディション初参戦となった。棚橋は「ドラゴンイズム継承者」とコールされて入場し、大歓声を浴びた。

 ヒロムは初代IWGPジュニア王者の越中を挑発し、2人の顔合わせでゴングが鳴る。「越中、来てみろ」と何度も煽ると、越中の激情に着火。あいさつ代わりにジャンピングヒップアタックやヒップバットをぶち込んだ。しかし、L・I・J&長井連合は場外戦で逆転。長井は実況席にいる藤波の眼前で棚橋をいたぶり、「お前の継承者なんかこんなもんだ!」などと挑発して、「試合に出てこい」としつこくアピールする。ヒロムも越中に見せつけるように、永田にヒップバットを連打。長井もドラゴンリングインを披露してみせた。

 永田が劣勢を耐えきると、越中が鷹木めがけて各種ヒップアタックを乱れ打って奮闘。しかし、パワーボムは鷹木がリバースして意地を見せる。ここで両軍代わって、棚橋と長井が対峙した。

 フライングフォーアームやダイブ式サマーソルトドロップなど得意技でリズムを刻んだ逸材だったが、ドラゴンスクリュー狙いは長井が顔面をかきむしって阻止。「なにが逸材だ!」と暴行すると、ヒロムがトラースキック、鷹木がパンピングボンバーで援護射撃し、長井もランニングローキックをぶち込む。ホームリングで意地を見せたい長井は勝負を決めようとキャプチュードの体勢に。棚橋がこらえると、長井はレフェリーと交錯させて無法地帯を作り、「どうするんだ、ドラゴン?」と鷹木たちとともに実況席の藤波をまたも徹底挑発した。

 そして、見せつけるように長井がドラゴンスクリュー、ドラゴンスリーパーとドラゴン殺法で棚橋に猛攻。すると、いても立ってもいられず藤波が立ち上がり、止めるLEONAを振り払ってリングへ。鷹木は「またぐなよ」とけん制すると、藤波がリングに入ったところで襲いかかる。しかし、藤波がこん身のビンタで鷹木とヒロムを返り討ちにすると、長井にドラゴンスクリューを放ってチャンスをこじ開けた。すかさず永田が串刺しフロントハイキック、越中がジャンピングヒップアタックを長井に浴びせると、棚橋はスリングブレイドをズバリ。一気にハイフライフローを投下すると、藤波がレフェリーとともに3カウントを叩いた。

 棚橋が藤波の眼前で長井を破って激勝。試合後、L・I・J&長井を除く出場全選手で記念撮影を行うと、藤波と棚橋がリングに残る。マイクを持った藤波は「今日は本当にありがとう。いやあ、50周年の大会だけど、試合に出れなくて、今日はずっと放送席にいましたが、棚橋がやっているのを見て、なんかやりたくなったね」と棚橋のファイトに刺激を受けたことを吐露し、「これまで何度もずっとタッグマッチで上がってきたけど、久々にシングルをやりたくなったな。12月1日、代々木が決まっているし、久々にシングルをやるかな」と意欲を見せた。

 すると、棚橋は自分を指差して猛アピール。観客も大きな手拍子で後押しする。藤波からマイクを受け取った棚橋は「藤波さん、勝手ですけど、気持ちは受け取りました。ドラゴンストップをかけるなら今のうちですよ。僕は気が早いですからね。よろしくお願いします」と訴え、藤波も握手で応じて2人の一騎打ちが浮上した。

 最後を締めたのも棚橋。「今の時代、『愛してます』も大事ですけど、諦めずに頑張っていく、そういう気持ちが今は一番大切だと思うので、ミックスして、『会場の皆さん、NEVER GIVE UP!』でよろしくお願いします」と呼びかけると、「会場の皆さん、NEVER GIVE UP!」と藤波とともに拳を突き上げ、ドラディション後楽園大会を見事に締めくくった。

 「今回、藤波さんのピンチを救うことができたということで、棚橋弘至のレスラー人生は成就したんじゃないかなと思うぐらい。こんな名誉なことはないなって。テレビの向こうでただただ憧れてた人から、棚橋代わりに出てくれと。こんないい人生ないよね。頑張って来てよかったです」とバックステージで充実感をあらわにした棚橋。新日本5・14ワシントン大会ではUS王座の4WAY防衛戦が控えているだけに、「最高にエネルギーを生まれた状態で、明日アメリカ行ってきます。そして、このUSヘビー。本来の意味である対アメリカ人選手、アメリカでの防衛戦。必ずこのベルトの輝き、本来の持つ意味を取り戻して帰ってきます」とそこに集中する構えを見せた一方で、「僕としては、ただただ憧れて追いかけていた方なので、望むところですけども。1個1個集中していかないといけないので。でも、それはきっと僕にとって大きなエネルギーになると思います」と藤波との一騎打ちを改めて熱望した。

 一方、藤波も一騎打ちに向けて前向きそのもの。バックステージで棚橋に「過去最高の藤波さんのジュニア時代を超えるような、バッキバキの体で帰ってきます」とアピールされると、「棚橋がバキバキと言ったから、もう1回これを機にどこまでいくかやってみたい気もしないでもない」と肉体改造に意欲。コロナから復活したばかりで、コンディションは良好と言えないが、早くも12・1代々木大会に照準を合わせていた。

【試合後の棚橋、藤波】
▼棚橋「ありがとうございました。新日本プロレスに入りたくて。藤波さん、武藤さんという新日本プロレスの超正統派のエースの系譜に憧れて。追いかけて、追いかけて、こうなりましたけども。ちょっと突然変異してしまいましたけども、藤波さんが言った言葉の中で印象的な『I never give up』。本当にシンプルな言葉だけど、今一番自分の芯に持っておかないといけない言葉なんじゃないかなって。日々の状況っていうのは、本当に日に日に変化していってしまうし、それで大きく心が揺れるけども、希望を持って絶対諦めずにっていうね。今回、藤波さんのピンチを救うことができたということで、棚橋弘至のレスラー人生は成就したんじゃないかなと思うぐらい。こんな名誉なことはないなって。テレビの向こうでただただ憧れてた人から、棚橋代わりに出てくれと。こんないい人生ないよね。頑張って来てよかったです。ただ、これが終わりじゃないから。最高にエネルギーを生まれた状態で、明日アメリカ行ってきます。そして、このUSヘビー。本来の意味である対アメリカ人選手、アメリカでの防衛戦。必ずこのベルトの輝き、本来の持つ意味を取り戻して帰ってきます。ありがとうございました」

――藤波選手がリング上でシングルをやろうと発言した時、名乗りを挙げたが?

▼棚橋「ただね、やると言ったらやるからね。状況に応じて変化する部分と、プロレスにはそういう部分がありますんで。僕としては、ただただ憧れて追いかけていた方なので、望むところですけども。1個1個集中していかないといけないので。でも、それはきっと僕にとって大きなエネルギーになると思います。ただ、1つだけね、藤波さんを現時点で超えてるなと思うところは、俺のほうが滑舌がいい」

※藤波が遅れて登場すると

▼藤波「ありがとうございました」

▼棚橋「ありがとうございました」

▼藤波「気持ちいいね。やっぱりいい動きしたね」

※記念撮影が終わると

▼棚橋「またいつでも馳せ参じますので」

▼藤波「OK。俺も言っちゃったもんな。名前こそ言わなかったけど、でもファンはみんな知ってるのかな」

▼棚橋「頑張ります」

▼藤波「俺も調子上げていかないと」

▼棚橋「藤波さんは僕の永遠のアイドルなんで。いつまでもよろしくお願いします」

▼藤波「12月1日です。代々木まで間に合うかな」

▼棚橋「過去最高の藤波さんのジュニア時代を超えるような、バッキバキの体で帰ってきます」

▼藤波「じゃあ、俺もバキバキにしようか」

▼棚橋「お願いします!」

※棚橋が去っていくと

――改めて棚橋選手の試合を振り返るなら?

▼藤波「どうしてもね、メインの棚橋君に目が行っちゃうんだけど、今日はずっと久々にテレビの解説で1試合目から見せてもらったけど、特別になんか違って、自分が動けないジレンマなのか、みんなの動きがよく見えたね。羨ましいというか。やっぱまだ現役なんだね。どこかで自分もリングに上がりたいって。最後は言われてやって、あれが精一杯だったけども。本来であれば、リングの中に立ちたかった」

――結果的にレフェリーのような形で乱入というか

▼藤波「俺も気がついたら、レフェリーと一緒にカウントしてたね。無意識でわからなかったんだけど、なんかやりたくて、体が勝手に動いちゃった」

――現在の復調具合は?

▼藤波「自宅の療養期間は終わったんでね。もう保健所の許可は出たんで。あとはこれからですよ。体重は今102kg。ちょっと今まで自分の中で102kgってなかったんでね。ずっと108kgから110kg近くで来てたんで、久々にジュニアに近づいてきたんだけど、さっきは棚橋がバキバキと言ったから、もう1回これを機にどこまでいくかやってみたい気もしないでもないんだけどね」

――12月1日に向けてやっていくと?

▼藤波「そうですね。ちょっと日にちもあるんでね。いろいろなところで、団体からのオファーもありますんで。5月1日かな、新日本の福岡ドーム、久々の。あそこが自分自身ではちょうど境だったんでね。あそこで陽性反応が出てしまったというのは、俺の中でちょっと迂闊だったなって。これはどこでどうなるかわからないんでね。とりあえずこれから仕切り直し。12月に向けて頑張ります」

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