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6/20【新日本】アキラ歓喜のイタリア人初IWGP戴冠! TJPとジュニアタッグ奪取

『NEW JAPAN ROAD』東京・後楽園ホール(2022年6月20日)
IWGPジュニアタッグ選手権試合 ○フランシスコ・アキラ&TJPvs田口隆祐&マスター・ワト×

 アキラがTJPと共にIWGPジュニアタッグ王座を奪取。史上初となるイタリア人のIWGP王座戴冠を成し遂げた。

 ウィル・オスプレイがUS王座を、ジェフ・コブ&グレート-O-カーンがタッグ王座を獲得し、勢いに乗っているUNITED EMPIRE。今大会ではジュニアヘビー級のTJP&アキラがジュニアタッグ王座獲りに臨んだ。TJPがスーパージュニア公式戦でワトを、6・3日本武道館大会で田口を撃破し、実力行使で掴んだ好機。パートナーのアキラも燃えていた。

 のっけから一進一退の接戦となるが、6or9が同時プランチャで先手を取る。さらに、2人をロープに固定すると、田口はランニングヒップバットを乱射した。しかし、EMPIRE軍はロープを開いて田口を場外に追いやると、連続攻撃でワトも排除。TJPがロープを下げると、アキラがノータッチトペコンヒーロで飛翔し、主導権を奪い取る。田口をローンバトルに追い込み、ワトとタッチするチャンスをことごとく潰していった。

 一方的な劣勢が続いた田口だが、DDT&リバースDDTで2人をまとめてマットに叩きつけて逆転。あとを受けたワトが一気に巻き返す。華麗な動きで帝国軍を場外に追いやると、ノータッチトペコンヒーロを敢行。アキラをスワンダイブ式エルボースマッシュやハイアングルジャーマンで追い詰めた。

 しかし、飛び込んだ田口のジャンピングヒップアタックがワトに誤爆してしまうと、流れは帝国軍に傾く。TJPのトラースキック、アキラの変型ジャーマンがワトにさく裂。田口が横やりを入れても流れは変わらず、アキラのスパニッシュフライ、TJPのマッドスプラッシュがワトに連続して決まった。

 このまま負けるわけにはいかないワトは、TJPにレシエントメンテを決めて反攻する。ここで自らタッチを求めた田口は、各種ヒップアタックを乱れ打って無双。帝国軍の合体攻撃も防ぎ、TJPにどどんを見舞うと、オーマイ&ガーアンクル(アンクルホールド)に絡め取った。ワトもアキラをベンダバルに捕らえて分断する。

 決定的な場面だったが、TJPは上手く切り抜け、ピノイストレッチに逆転捕獲。一転して田口のピンチに。なんとか難を逃れた田口は延髄斬りで試合を立て直すと、ワトにタッチを渡して勝負を託した。ワトはミサイルキック、旋風脚と猛攻。アキラのファイヤーボールを間一髪で回避し、ベンダバルで絞めに絞める。

 だが、TJPがマッドスプラッシュで強引にカットすると、流れは再び帝国軍へ。合体技のザ・リーニングタワー(ダブルインパクト式ダイヤモンドカッター)は田口がカットしたものの、アキラが作戦を切り換えて、ケブラーダで田口を場外に足止め。リング上ではTJPがデトネーション・キック(ファイヤーマンズキャリーからのオーバーヘッドキック)を放つと、今度こそザ・リーニングタワーが完璧に決まり、アキラがワトから3カウントを奪った。

 TJP&アキラがジュニアタッグ王座奪取。ともに新日本マットでは初のベルト獲得で、アキラはIWGP史上初となるイタリア人王者となった。新日本に2つあるタッグ王座を手中に収め、帝国はさらに勢いが加速。ジュニア戦線でも価値ある大きな一歩を踏み出した。一方、田口&ワトはこだわり続けてきた“第69代王者"から無念の陥落。69回防衛の野望も打ち砕かれた。

 新王者は喜びを爆発させる。試合後、マイクを持ったTJPは「はじめまして、TJPです。はじめまして、UNITED EMPIREです。IWGPジュニアヘビー級タッグチームチャンピオンです!」と流暢な日本語であいさつ。アキラも自ら「アキラ」コールを叫んで手拍子を巻き起こすと、「イタリア人、新日本プロレスのチャンピオン初めて!」と興奮しながらも同じく日本語でアピールする。さらに、イタリア語で「今日、このベルトを獲ったことで、イタリアのプロレスの凄さを世界に見せた」と地元のファンにメッセージ。英語で「これがUNITED EMPIRE、TJPとフランシスコ・アキラの力だ!」と吠えると、最後にイタリア語で「さよなら」を意味する「アリーヴェデルチ!」と叫んで締めくくった。

 バックステージでもアキラは「このIWGPの名のつくベルトを巻くことが俺の生涯の夢だった。史上初のイタリア人のIWGPチャンピオン。歴史を作った」と豪語。TJPも「EMPIREに相応しい宝だ。これでジュニアとヘビー2つのタッグの宝が揃った。この宝と共に王国を築いていく」と力強く宣言した。

【試合後のTJP&アキラ】
▼アキラ「やったぞ! CE L'ABBIAMO FATTA!(イタリア語で“自分たちがやった!") テーブルとビールはないのか? いや、ワインがいい。なんでワインがないんだ? UNITED EMPIREがIWGPジュニアタッグのベルトを獲った! このIWGPの名のつくベルトを巻くことが俺の生涯の夢だった。史上初のイタリア人のIWGPチャンピオン。歴史を作った。それから、彼が史上初の(100%)フィリピン人チャンピオン。フランシスコ・アキラとTJPが獲った! 今夜ファンにアンチに、俺たちの実力を証明し、俺たちはニュージャパンに相応しいことを見せてやった! ベルトがその証拠だ! QUESTA E LA PROVA!(イタリア語で“これが証拠だ") ORA SONO UN CAMPIONE(イタリア語で“俺がチャンピオン")」

▼TJP「たった今、二人で素晴らしい思い出を作った。前にも言っただろ? 忘れたか? 俺たちはまだゴールに届いていないと言ったはずだ。BOSJの結果はまあまあに終わったが、俺はそんなもので満足してない! UNITED EMPIREはトロフィー以外のものに目をつけていた。いいか…(※カメラにベルトを見せ)今日やっとゴールまで辿り着いた。もうしばらく前からこのベルトに目をつけていた。EMPIREに相応しい宝だ。これでジュニアとヘビー2つのタッグの宝が揃った。この宝と共に王国を築いていく」

▼アキラ「CE L'ABBIAMO FATTA!(イタリア語で“自分たちがやった!")」


【試合後の田口&ワト】
▼ワト「(※床に倒れ込みながら、すぐに立ち上がり)クソーッ! もう一度…やられたらやり返します(※田口を置いて先に控室へ)」

▼田口「(※床に腰を下ろして、右腕を冷やしながら)クソー…。(※しばらく報道陣を見渡し、突然おかしな声色を使いながら)なんて言ったらいいんでしょうかね? なんて言ったらいいんでしょうか? あまりにもショックで声が、声がこんなになってしまいました。すいません。あれ? 声が、普通に、聞こえるよ。プロレス専門誌ならではの視点で鋭い質問を切り込んでくる週プロさん、何かありますか?」

──残念な結果になってしまった。69回の防衛も叶わずに

▼田口「はい、わずか2回の防衛でベルトを失ってしまいましたけども、アタシの、アタシの不徳の致すところって言うんですか? ワトさんは何も悪くありません」

──全ての責任は田口選手にあると?

▼田口「はい、69%の責任と言いましょうか、全てっていうのはちょっと。若干、ワトさんも責任はあると思いますので、69%というところでお願いします。全部背負うのは違うと思いますので、ワトさんが31%、私は69%。ツチノコからUFOまで、鋭い質問で切り込んでくる東スポさん、何か質問はありますか?」

──二度と69代王者を名乗れないというか、ついに69代王者が終わってしまったことについては?

▼田口「はい、これで一つジュニアの歴史の幕が下りるのかと思うと寂しい感じはありますよね。しかし、70代から新しい扉が開くと思えば、それは非常に喜ばしいことじゃないでしょうか?」

──69という数字に関して特別な思いがあったと思うが?

▼田口「新しいベルトがありますので」

──他のタイトルの69代を狙う?

▼田口「はい、狙います。どうか、69代の挑戦権が。68代になりましたら、ぜひチャンピオンは私を指名していただけたらと思います。負けた者が長々と話すのもなんですから。(※立ち上がると)まだ何か聞きたいことはありますか?」

──いや、大丈夫です

▼田口「チャンピオンベルトを失って残念ではありますけども、ワトさんもこれから新しいパートナーを見つけてもいいですし」

──もう解散?

▼田口「いや、グランドマスターへの道を行くには、いろんな人とタッグを組む、いろんな経験をするのも大事ですから。(※自嘲気味な笑顔を浮かべながら)僕から学ぶものはもう何もないと思いますので、もう二人とも満足と言ったところでしょうか」

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