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8/5【新日本】棚橋がCブロック単独首位 無法三昧のEVILを劇的突破で3連勝

『G1 CLIMAX 32』愛媛・アイテムえひめ(松山市)(2022年8月5日)
Cブロック公式戦 ○棚橋弘至vsEVIL×

 棚橋が悪行三昧のEVILを劇的に突破して3連勝。Cブロック単独首位に躍り出た。

 初戦でヘナーレに苦杯をなめた棚橋だが、その後は内藤、ザックに連勝。白星先行で後半戦を迎えた。この日の4戦目はEVILと対決。悪の限りを尽くす闇の王に苦しめられた。

 序盤こそヘッドロックを決め合うなど正攻法の先手争いを展開したが、EVILが徐々に悪の顔をのぞかせてくる。棚橋がセカンドロープからのダイビングボディアタックで先手を取ったが、本部席を破壊するフェンス攻撃、マイクコードによるチョーク攻撃で逆転を許してしまう。EVILはコーナー金具ホイップ攻撃、ディック東郷の介入とやりたい放題にいたぶった。

 ならばと棚橋はサミングにはサミングで応戦。場外の東郷にスライディングキック、EVILにフライングフォーアームを次々に見舞い、ダイビングサマーソルトドロップで攻め立てたが、トラースキックで止められてしまう。EVILが鉄柱を利した急所攻撃から棚橋の左足を何度も鉄柱に激突させると、東郷もイス攻撃で左足を狙い撃ち。すかさずEVILが一点集中攻撃に出て、Scorpion Deathlockで捕らえた。

 耐えた棚橋は各種ドラゴンスクリューをこれでもかと連発して反撃ののろし。お返しとばかりにテキサスクローバーホールドで絞め上げた。すると東郷が本部席のゴングを鳴らし、勝利と勘違いした棚橋は技を解いてしまう。東郷はセコンド総出で退場処分となったが、その間、EVILは棚橋の顔面にイスを投げつける暴挙に出た。

 すかさずEVILがラリアットを連発したが、棚橋は意地でも倒れず。EVILも3発目をカウンターで叩き込んで執念でねじ伏せたが、棚橋はEVIL狙いをツイストアンドシャウトで切り返し、スリングブレイド3連発からハイフライフローを発射した。

 勝負あったかに思われたが、SHOがレフェリーを場外に引きずりおろして3カウントを入れさせない。EVILが棚橋をコーナー金具に激突させてからジャーマンで投げると、戻ってきた東郷がサブレフェリーをリングに投げ入れた。ここでEVILと東郷がマジックキラーを狙うと、レフェリーが総出でやってきて阻止。棚橋はレフェリーを利してのマジックキラーをEVILに決め、SHOのレンチ攻撃も阻止。東郷を急所蹴り、SHOをローブローで撃退した。

 次の瞬間、EVILがローブローをお見舞いしてカバーに入ったものの、自業自得のレフェリー不在で3カウントは奪えず。海野レフェリーをリングに戻したEVILはダークネスフォールズで追い討ちをかけたが、EVILを狙ったところを棚橋がグラウンドコブラで切り返して丸め込み、やっとのことで3カウントを奪った。

 棚橋が悪行三昧のEVILを下して3勝目。勝ち点を6に伸ばし、Cブロック単独首位に位置した。公式戦は残り2試合。次戦は8・10広島大会の後藤戦。いよいよブロック突破が視界に入ってきた。試合後、ローブローでEVILをお仕置きした棚橋はレフェリーたちの労をねぎらってから勝ち名乗り。マイクを持って「今こうして過ごさせてもらってる時間はとてもとても1分、1秒、とても大事な時間です。ありがとうございます」と松山のファンに感謝し、「前にも後ろにも進めない状況であっても、この場でエネルギーを蓄えることはできます。だから皆さん、プロレスを見ているときはもっと明るい顔で、もっと楽しそうに、もっと元気よく、これからも新日本プロレスをよろしくお願いします!」と呼びかけた。

 3戦連続でメイン勝利を飾った棚橋は「盛り上がっていこうぜ!」の叫びとともにエアギターをかき鳴らした。そして「松山の皆さーん、愛してまーす!」の叫びで松山大会を締めた。「今日は特に会場に小さいお子さんも多かったんで、ただただ真っ向勝負する棚橋っていうのも見せたかった」という棚橋は「どんなことがあっても生きていく、戦い抜いてみせる」との思いで逆境を跳ねのけた。「今日の1勝はリーグ戦折り返しで勝ち越しでよかったです。自分でも信じられないくらい力が出ました」と手応えを噛み締めた棚橋はこの勢いのまま過酷な夏を戦い抜く。

【棚橋の話】「盛り返してきましたね。よし、これで3勝1敗。よし。ちょっくら、ちょっくら決めないといけないんで。目には目をじゃないけど、今日は特に会場に小さいお子さんも多かったんで、ただただ真っ向勝負する棚橋っていうのも見せたかったんだけど、それ以上に生き抜かないとね。どんなことがあっても生きていくんだっていう、戦い抜いてみせるんだっていうね。そういう気持ちが試合しながら生まれましたね。今日の1勝はリーグ戦折り返しで勝ち越しでよかったです。自分でも信じられないくらい力が出ました。ありがとうございました。(いったん引き上げたものの再び姿を見せてテーブルに座り、右のリングシューズのソールが半分めくれあがっているのを見せながら)開幕戦で替えたばっかりだったんだけど。このキャリアで(シューズがこうなったのは)初めてだね。昨日ね、高校の野球部の同級生が1人亡くなって。(当時部員が)10人しかいなくて、すごい仲良くてね。で、土曜日(8月6日)か。葬儀、告別式があって。何かテリーマンみたいに自分がケガする前に靴が代わりになってくれたのかな。テリーマンはあれは共調か。(このシューズが)守ってくれたのかなって。だからね、ホントに1分1秒をね、一生懸命生きようと思いました。ありがとうございました」

※EVILはノーコメント

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