8/18【新日本】鷹木またもファンタズモに苦杯 KENTA自伝ビリビリで憂さ晴らし

『G1 CLIMAX 32』東京・日本武道館(2022年8月18日)
○エル・ファンタズモ&KENTAvs高橋ヒロム&鷹木信悟×

　鷹木がファンタズモにまたも苦杯。KENTAの自伝表紙をビリビリに引き裂いて憂さを晴らし、「何倍にもして返すからな」と雪辱を宣言した。

　鷹木は8・16武道館大会の最終公式戦でファンタズモに敗れてDブロック突破ならず。今年もG1優勝に届かなかった。最終戦となったこの日はヒロムをパートナーに、KENTAと組んだファンタズモと再び激突。雪辱の機会だったが、最悪の結果が待っていた。

　ゴングを待たず鷹木とファンタズモがエルボー合戦で真っ向から火花。フロントハイキックで先制したファンタズモがコルバタで吹き飛ばし、ドロップキックも見舞ったが、鷹木はショルダータックルですぐさまやり返した。

　その後、ヒロムがKENTAの自伝攻撃を食らうなど劣勢に。それでも自伝を奪い取ってKENTAを殴り返し、ミドルキック連打を浴びても、ドラゴンスクリューで逆襲した。

　再び鷹木がファンタズモと対峙。串刺しパンピングボンバーを叩き込んだ鷹木は腹部へのサドンデスを食らっても、ショートレンジ左ラリアットですぐさまやり返す。ファンタズモがダイビングボディアタックを放っても、ライオンサルトを回避してスライディングラリアットをさく裂させた。

　すかさずヒロムが加勢。鷹木と連続串刺し攻撃を浴びせると、ヒロムがトラースキック、鷹木がパンピングボンバーを立て続けに叩き込んだ。KENTAがカットに飛び込んでもヒロムがエプロンから場外へのドロップキックで分断。鷹木がワンツーエルボー乱打でファンタズモをねじ伏せた。

　ラスト・オブ・ザ・ドラゴン、CR IIがいずれも不発に終わると目まぐるしい丸め込み合戦に発展。3カウント寸前に追い込まれた鷹木はレフェリーとの激突こそ避けたものの、振り向くと急所にファンタズモの右ストレートを食らい、首固めで丸め込まれて3カウントを聞いた。

　公式戦に続いて鷹木がファンタズモにピンフォール負け。屈辱の連敗を喫した。収まらない鷹木はヒロムが奪ったKENTAの自伝を手にすると、リングに投げ込み、残った表紙をビリビリに引き裂いて憂さを晴らした。

　「負けは負けだ。情けねぇよ」と悔しさを噛み締めた鷹木だが、「決めたぞ! 次のターゲットはエル・ファンタズモだ。カナダだろうが、アメリカだろうが、イギリスだろうが追いかけてやるよ」と雪辱を宣言。「お前がどんなに嫌がっても、鷹木信悟、激烈の世界にお前を引きずり込んでやる。何倍にもして返すからな」と通告していた。

【試合後のKENTA、ファンタズモ】
▼KENTA「(ビデオカメラマンに)気をつけ、礼。これまで1ヵ月にわたって続けてきた自伝の宣伝もいよいよ今日で最後だ。お前たちは自伝の宣伝から卒業することになる。聞きたくない日もあっただろう。もしくはもう持っているという人もいただろう。それでも聞き続けた卒業生のみんなに心から拍手を贈りたいと思う。太ってるヤツ、ご苦労さん。特徴ないヤツ、ご苦労さん。下田さんもご苦労さん。今日はお前たちに先生から手紙を書いてきた。これを読んで、贈る言葉に代えたい。(本に挟んでいた手紙を取り出して広げる)『まだまだ暑さの残る8月、ようやくしつこいほどの自伝の宣伝から解き放たれる卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。思い返せばこの1ヵ月、G1ツアーでもありながら、自伝ツアーでもありました。札幌、仙台、大田区。この時点で、最後までネタは持つのかと不安になったことを思い出します。後楽園、名古屋、浜松、愛媛、大阪。全力で宣伝しました。大阪2日目のバックステージでは、なぜか横で大張社長が見ていて、メッチャやりにくかったです。そして広島、町田、長野。長野では夢だったリング上での宣伝もできました。そして本日、卒業の日を迎えられるあなた方は、しつこさから来る嫌悪感から解放され、新しい世界に羽ばたこうとしていることと思います。これから先、本屋やインターネットで自伝『足跡』を手にするかどうか、決めるのはあなた方自身です。この先、新しい環境に不安になったり、様々な困難や壁にぶつかった時、この本が何かの手助けになることは一切ありません。しかし、プロレスファンならば必ず全員が手にしてくれることと思います。この1ヵ月、付き合ってくれた皆さんに愛を込めて、『あし、あと』という言葉を贈ります。最後になりましたが、卒業する皆様のより一層のプロレスライフの充実をお祈りして、送辞といたします。令和4年8月18日、KENTA』 卒業おめでとう。結局俺が最後、何が言いたいかというと、『とにかく自伝買え』ってこと! (ビデオカメラマンに自伝を見せて)はい、読んで! さんハイ!」

▼ビデオカメラマン「あし、あと」

▼KENTA「下田さーん! はい、読んで! さんハイ!」

▼下田さん「あし、あと」

▼KENTA「あし、あと。はい、買ってください! はい、どうも、お疲れ様でした!」

※KENTAが戻ろうとすると、後方のイスに座っていたファンタズモが拍手。

▼ファンタズモ「みんな! 大きな拍手をお願いします! リビング・レジェンド! 未来のニューヨークタイムズ、ベストセラー作家! 苗字は知らないけどKENTA!
(立ち上がってホワイトボードのところに行き)みんなこっちに来て! あれ、昨日描いた俺のデザイン、残しておいてくれたんだな。(Tシャツの絵の横に書いてあったゴミ分別の指示を見て)何だ、この日本語は! こんなのいらねぇ!(と上から乱暴に線を引いて消す)今日はもっといいTシャツのデザインを考えてきた。これだ(と新たにTシャツの絵を描き、胸に『I am SHINGO'S DADDY』と書く)。昨日のがオプション1、今日のがオプション2だ。この2種類のデザインを考えてきたから、作っとけよ! 明日から俺はバケーションを取る。バケーションを取ってもいいぐらい頑張った、一番勤勉な外国人レスラーだからな。ちなみに『ELP is MY DADDY』はロス・インゴのフォントで、『I am SHINGO'S DADDY』はBULLET CLUBのフォントで。OK? サンキュー、G1ツアー。シャワー浴びてくるよ!」


【鷹木の話】「(下腹部を押さえて苦しそうにやってくるとイスに座って)手段はどうあれ負けは負けだ。あぁ、情けねぇよホントに。おとといの公式リーグ戦、最後のリーグ戦も負けて、無様に負けて昨日も試合後やられて、このまま夏を終わってたまるかと思って今日挑んだが…。だからと言って、おい。鷹木信悟、このまま引き下がるわけねぇだろうが! おい、決めたぞ! 次のターゲットはエル・ファンタズモだ、コンニャロー! カナダだろうが、アメリカだろうが、イギリスだろうが追いかけてやるよ。逃げるなよ、おい、ファンタズモ! 俺をこんなにバカにしたことを後悔させてやる。お前がどんなに嫌がっても鷹木信悟、激烈の世界にお前を引きずり込んでやる。何倍にもして返すからな、このヤロー!」

【ヒロムの話】「俺は見てなかった! 俺は見てなかった、鷹木さんが勝ってくれると思ったから! でも聞いたら急所攻撃じゃねぇか! (急に冷静な口調に戻り)まぁでも、鷹木さんは本を破いたから、おあいこかな。俺はそんな悪いことしねぇから。おあいこかな。仕方ねぇな。それよりも来年は1月4日、(東京ドーム大会は)単独か。1月5日は東京ドームじゃないわけだな。1月4日のみということは、東京ドームに出る選手は限られるぞ。争奪戦だ。それでこそ新日本プロレスだと思う。奪いに行くぞ。意地でも掴みに行くぞ! 1・4東京ドーム、まぁ俺は出て当たり前だ」