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9/5【新日本】2年半ぶりに声出し解禁 快勝・棚橋がオカダ&観客と涙の「愛してま〜す!」

『バーニング・スピリット』東京・後楽園ホール(2022年9月5日)
○棚橋弘至&オカダ・カズチカvsJONAH&シェイン・ヘイスト×

 新日本が約2年半ぶりに声出しによる応援を解禁。メインイベントで快勝した棚橋は涙ながらにオカダ、観客とともに「愛してま〜す!」と絶叫して拳を突き上げた。

 新日本は新型コロナウイルスの影響を受けて、2020年3月から約3ヵ月間興行中止に。再開後も声援禁止が続いたが、今大会で試験的ながら約2年半ぶりに解禁となった。不織布マスク着用が徹底され、座席も2分の1に減らし、「声出し不可エリア」を設けるなど対策を取った形で大会が行われ、チケットは前売りで完売。700人(札止め)の観客が集まった。

 大会オープニングに高橋ヒロムが前説として登場すると、早くも後楽園ホールのボルテージは最高潮に。第1試合に登場した鈴木みのるの「風になれ」大合唱に始まり、選手へのコールやブーイング、「帰れ」コール、野次など新日本の戦いに久しぶりに観客の声が加わり、プロレスらしい熱狂が生まれる中、メインイベントにはG1覇者・オカダと"エース"棚橋が登場した。対戦相手はTMDKのJONAH&ヘイスト。10・10両国大会で行われる「オカダvsJONAH」の前哨戦となった。

 オカダと棚橋は単独入場。場内が大歓声に包まれると、2人は感慨深げに場内を見渡す。「オカダ」コール、「棚橋」コールがこだますると、「JONAH」コール、「ヘイスト」コールまで発生し、完全に後楽園ホールは出来上がった状態に。そんな中、オカダとJONAHの顔合わせでゴングが鳴った。

 悠然と構えたJONAHはオカダのショルダータックル連発を真っ向から受け止めるが、微動だにせず。逆に一撃でオカダを豪快に吹き飛ばした。9・25神戸大会でNEVER王者カール・アンダーソンに挑戦する棚橋が奮闘したものの、ヘイストが躍動感溢れる動きで呼応すると、JONAHもパワフルな攻撃で続き、TMDKが逸材を圧倒する。JONAHは余裕たっぷりにエアギターをかき鳴らした。

 ピンチに「棚橋」コールが何度も発生。すると、棚橋はJONAHのボディプレスを自爆させて窮地を脱した。あとを受けたオカダは反撃に転じるも、ボディスラムにこだわったのが仇となり、JONAHに押し潰されて急ブレーキ。JONAHの規格外の肉体に手を焼く。マネークリップに捕獲して活路を開いたものの、JONAHの空中胴締め落としに被弾。ヘイストの高打点ドロップキックももらってしまうが、負けじとドロップキックでやり返して、棚橋に勝負を託した。

 棚橋はその気持ちに応えた。得意技を連発して場内を沸かすと、JONAHの肉弾攻撃を浴びて劣勢に陥っても、客席からの「棚橋」コールを受けて奮起。誤爆を誘うと、オカダとともに巨漢のJONAHをダブルブレーンバスターで排除する。粘るヘイストをツイスト&シャウト、スリングブレイドで追い詰めると、最後はハイフライフローアタックからハイフライフローにつなげる必勝パターンで3カウントを奪った。

 節目の大事な大会で棚橋が快勝。観客席から大・棚橋コールが巻き起こると、逸材は感極まった表情を見せる。マイクを持ち、「ついにこの日が来ました。2年半の間、皆さん拍手での応援、そして新日本プロレスについてきてくれてありがとうございました!」と最初に観客に感謝の言葉を送った。

 「今日、第1試合から試合を終えて控え室に帰ってくる選手の表情がまるで違いました」とバックステージの様子を明かすと、「それは本当に皆さんの声援があって初めて成り立つプロレス、それが今日ここにあったからだと思います。後ろの席の皆さんももうちょっとの我慢。みんなでもう少しルールを守って、必ず近い将来、いつもの日常を取り戻しましょう!」と力強く呼びかけた。

 続いてオカダコールが発生すると、レインメーカーも「皆さん、今日も熱い熱い熱い声援、本当にありがとうございました!」とマイクでメッセージ。「でも、いつもこれぐらいの歓声は感じて戦ってましたし、まだまだこんなもんじゃないでしょ? まだまだ皆さんの熱い声援が必要です。熱い応援も必要です。引き続き僕たちも楽しい戦いを繰り広げていきますんで、よろしくお願いします」と続けると、「というわけで、新日本プロレスに…って言いたいところなんですけど、みんなでせっかく声が出せるんだったらこっちだよね?」と棚橋に締めを託した。

 棚橋は「じゃあ、お前のお願いを聞くから、俺のお願いも1個だけ聞いてくれ。今日というスペシャルな日だけ、一緒に『愛してます』やってくれ」と要請。右肩が痛いとアピールしたオカダも最終的に承諾する。

 棚橋は「今日はご来場、本当にありがとうございました。新日本プロレスこの2年半の分を全力で取り返しにいきます」と誓うと、「じゃあ、最後に後楽園ホールの皆さん、ワールドをご覧の皆さん、愛してま〜す!」とオカダ&観客とともに拳を突き上げて雄叫び。最高の形で聖地・後楽園大会を締めくくった。

 バックステージで「2年半という月日は長かったです。長かったですが、この2年半を皆さんの声援がたった1日で埋めてくれました。ワープしてきました。まずは本当に第一歩です」と声援のなかった時間を振り返った棚橋はたまらず号泣。「最後に言わせてください。2年半、ちゃんとルールを守って、拍手の応援で、会場に来てくれて、ワールドで見てくれて、応援してくれた新日本プロレスのファンの皆さんを心の底から誇りに思います。ありがとうございました」と改めてファンに感謝の意を示すと、「また頑張ります」と誓った。


【棚橋の話】「嬉しくて、嬉しすぎて、何も浮かんでこない…。今日がまた新たな始まりです。リング上でも言いましたけども、この2年半、ただただ新日本プロレスを応援してくれた、ワールドで見てくれた、週プロ、東スポ、様々なプロレス媒体で試合結果や新日本プロレスの盛り上がりを気にかけていてくれたファンの皆さん…2年半という月日は長かったです。長かったですが、この2年半を皆さんの声援がたった1日で埋めてくれました。ワープしてきました。まずは本当に第一歩です。今日の喜びをずっとずっとみんなと共有したいのであれば、選手、そしてファンの皆さんも、気をつけて生活していくことが大事だと思うし。そして、最後に言わせてください。(号泣しながら)2年半、ちゃんとルールを守って、拍手の応援で、会場に来てくれて、ワールドで見てくれて、応援してくれた新日本プロレスのファンの皆さんを心の底から誇りに思います。ありがとうございました。また頑張ります。以上です。よかったね」

【オカダの話】「凄い歓声があって、プロレスっていいなって。やっぱりこれぞプロレスだよっていう気持ちも凄く感じましたけども、正直あれぐらいの歓声っていうか、しっかり皆さんの気持ちっていうのは歓声がない中でも伝わってましたんで。もう少しでしょう。プロレスもそういうところが素晴らしいじゃん。3カウント入る前にしっかり返して、3カウント入らなかったでしょ? またこうやって立ち上がって攻めていけることができると思いますんで、しっかりと皆さんもまだまだ油断は出来ないですけど、盛り上げていきたいと思いますんで、よろしくお願いします。そして、JONAHとこうやってやって、前哨戦で1本獲れましたんで。あんなデカくて強そうに見えるけど、G1 CLIMAXのチャンピオンは俺だから。しっかりそれを分からせるように闘っていきたいと思います。ありがとうございました」


【試合後のJONAH&ヘイスト】
▼ヘイスト「クソッ!」

▼JONAH「こんなはずじゃなかった。この有名なコーラクエン・ホールでの声出し応援再開の初大会では、TMDKが最後に勝利を収めるはずだったんだ。俺たちは、ひざまずいたりなんかしない。ふざけんな!」

▼ヘイスト「俺たちは日本のヒーローだ。みんな俺たちを愛し、尊敬していた。それなのに何でブーイングなんか? 前にも言ったけど、ブーイングは俺の心を傷つける。タナハシが俺にしたことよりも最悪だ。君たちファンが俺たちを悲しませたんだ」

▼JONAH「お前たちはオカダとタナハシというイケメンたちのために、俺たちにブーイングした。だが、この男(ヘイスト)だってイケメンだぞ!」

▼ヘイスト「俺は整った顔をしてるぜ!」

▼JONAH「俺たちはまだ終わってない。TMDK、シェイン・ヘイストと“トップ・ドッグ"JONAHが次はお前たちをぶっ潰してやる。なんと、それは明日の夜なんだぜ」

▼ヘイスト「そうだ。今日はしっかり寝ておくんだな。明日、俺たちがお前らを地獄に堕としてやる! (腹を押さえながら)いてっ…腹筋が痛む」

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