プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

10/14【新日本】ザックが1回戦突破でTV王座獲りに執念 残り5秒でゼインに劇的一本勝ち

『バトル・オータム '22』東京・後楽園ホール(2022年10月14日)
「NJPW WORLD認定TV王座決定トーナメント」1回戦 ○ザック・セイバーJr.vsアレックス・ゼイン×

 ザックが試合時間残り5秒でゼインに劇的一本勝ち。NJPW WORLD認定TV王座決定トーナメント1回戦突破を果たすと、新日本では初となるシングル王座獲りに執念を燃やした。

 ザックは今年のNEW JAPAN CUP制覇を果たしたものの、IWGP世界ヘビー級王座獲りは逃し、G1ではブロック敗退。10・2ロンドン大会では内藤哲也に敗れてUS王座挑戦権を手に入れられなかった。シングルプレイヤーとして復活を狙うザックにとっては、新設されたNJPW WORLD認定TV王座決定トーナメントは絶好の機会。1回戦の相手は今年のスーパージュニアで新日本初参戦を果たし、空中殺法と親日家ぶりで人気者になったゼインとなった。

 TV王座の特徴はタイトル戦が全て15分1本勝負となること。今回のトーナメントも引き分けになればコイントスで勝敗が決まる異例の形式となった。短期決戦を狙うゼインはトペコンヒーロで奇襲。その後もアグレッシブに速攻勝負を仕掛けていく。パワーでもザックを圧倒。場外からエプロンめがけてバックドロップを強行した。

 だが、ザックはロープを挟んだ状態でネックロックに捕獲。動きの鈍ったゼインのヒザをインディアンデスロックで攻めると、ネックロックやクロックヘッドシザース、ネックツイストなどで首への一点集中攻撃を展開した。ゼインはケブラーダで反撃を狙うが、ザックは足に絡みついて阻止すると、ヒザ攻めも再開。試合の流れを掌握する。

 ゼインは打撃戦で活路を開き、中腰になったザックの後頭部に前転ギロチンドロップを落とす。前宙で飛びついての雪崩式フランケンを敢行した。粘るザックは大技を連続して切り抜け、回転足折り固めで丸め込むと、キックアウトされても卍固めへ。だが、脱出したゼインはバハ・ブラスト(前転式サイドバスター)で大ダメージを与えた。

 残り5分を切ると、ゼインは強烈なビンタからラリアットを振り抜くが、ザックは沈まない。追撃を読んで三角絞めに捕獲する。ゼインはパワーボムで逃れると、「イタダキマス!」の絶叫からシナモンツイストを投下。これを自爆させたザックは、関節技で仕留めにかかる。時間切れが迫る中、めつけた左ヒザを容赦なく蹴りつけた。ゼインはタコドライバーで逆転を狙うも、読んだザックはヒザ十字固めに捕獲。ヒールホールドに移行し、粘りに粘るゼインを引き分け直前で仕留めた。

 ザックが残り時間5秒でゼインに劇的一本勝ち。1回戦突破を果たし、10・27後楽園大会で行われる2回戦ではデビッド・フィンレーと対戦することが決定した。

 マイクを持つと「ヤバイネ」「デカイネ。ジュニアジャナイヨ。オモイヨ」と日本語でこぼしたザック。「NEW JAPAN CUPを優勝したのに、IWGP世界ヘビー級王者になれなかった。ウィル・オスプレイのほうに狙いを変えた。アイツはUS王者の座に相応しくないバカだ。だから、US王座を獲りにいった。でもそれも失敗に終わった」と現状をシビアに分析しつつ、「イイタイミング。アタラシイタイトル、アタラシイテッカーズ! そのベルトは俺のものだ!」と吠えた。

 「ゴネンクライ、シングルチャンピオン、マダ」と日本語で語ったように、ザックは新日本に参戦して以降、いまだにシングルのベルトを手にしていない。それだけに今回はまたとないチャンスになる。「あの輝くベルトは俺のものだ。ザック・セイバーJr.が初代NJPW WORLD認定TV王者……ドウデスカ?」とアピールすると、観客も拍手で後押しした。

 2回戦が行われる10・27後楽園大会は声出し応援可の興行となる。ザックは「10・26と10・27でお前らバカも全員好きなだけ声を出して応援できるんだ。スコシマッテ」と締めくくり、2回戦突破を観客に誓った。

【ザックの話】「別に他に言うことないよ。あれ(マイクアピール)素晴らしかっただろ!? (日本語で)ニホンゴジョウズネ? (英語で)俺は11年間日本で過ごしてきた。大人になってからのほとんどを他のどこの国でもなく、ここ日本で過ごしてきたんだ。でも俺の日本語レベルはまだまだ恥ずかしいもんだ。(脇腹をさすりながら)肋骨が折れてるかもしれない……俺はトーナメントの開幕戦でいつも怪我してる……。(報道陣に)笑ってるのか? 何がおこかしいんだ? (日本語で)オモシロイジャナイ! 面白くなんてないぞ! オモシロイ、といえば、知ってるか? この(タイトルマッチの)ルールだ。ああ、この団体にはもう既にたっくさんのベルトがあるけど、これは新しいベルトだから、一番面白い。試合は全て15分1分勝負。でも、俺の試合の平均時間はそんなに短くないってことに気づいた。それは時間をかけないと勝てないってことではなくて、ゆっくり試合を楽しみたいからだ。俺が音楽だったらブライアン・イーノが作るアンビエント・ミュージックってとこかな。今年は最後に良い形で締めくくれる。さっきリングでも言ったけど、ずっとつまずいてきた。トーキョードームでタッグ王者から陥落。NEW JAPAN CUPは優勝したものの、残りはずっとひどい結果だ。でも、俺は今年を無駄になんかしない。“IT'S NOT ALL GONE PETE TONG YET"(映画『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』/原題:It's All Gone Pete Tong) 俺が初代NJPW WORLD認定TV王者になって、このベルトをスペシャルなものにするんだ。それもたったの15分で勝負を決める。(報道陣に)お前らバカたちは15分で何ができる? 何にもできないだろ!明日……(東スポの岡本記者に向かって)オイ、お前! お前は15分で何ができるっていうんだ? (回答がないと)思った通りだ! お前が15分でできることのリストを作ってみろ! お前がそうしてるうちに俺はチャンピオンになってるよ。イエス、オモシロイダネ!」

【ゼインの話】「(コメントスペースに入ってくると左ヒザを抱えながら倒れ込み、日本語で)バカ! ザック・セイバーJr! (ここからは英語で)今日の試合にはめちゃくちゃ勝ちたかったんだ。あとほんの数秒耐えられていたら……。あと数秒あれば、このトーナメントで生き残れていたはずなのに。これから自分自身を振り返ろうと思う。俺のレシピ本を見直すんだ。ザック・セイバーJr、お前とは今日が初対戦だった。約束する。これが最後じゃない。次はな、ザック、お前を生きたまま食ってやる! (日本語で)イタダキマス!」

プロ格 情報局