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10/16【NOAH】15年ぶり対決へ桜庭が船木から一本 ノア初“ダブルバウト・ルール"戦制してナショナル奪取に弾み

『ABEMA presents DEMOLITION STAGE 2022 in FUKUOKA』福岡国際センター(2022年10月16日)
ダブルバウトルール ○桜庭和志&鈴木秀樹vs拳王&船木誠勝×

 10・30有明アリーナ大会のGHCナショナル王座戦「(王者)船木誠勝vs桜庭和志(挑戦者)」に向けた前哨戦が、ノア初導入となる「GHCマーシャルアーツルール」での“ダブルバウト"として実現。桜庭が船木から一本勝ちを奪って、福岡国際センター大会のメインを締め、奪取へ弾みをつけた。

 2007年大みそかの『Dynamite!!』以来、約15年ぶりとなる「船木vs桜庭」。船木が「3カウントフォールなし」の特別ルール戦を提案したことから、KO、ギブアップ、TKOのみで決着し、場外エスケープやサミング、金的、噛みつきにイエローカード(3枚で反則負け)が提示される特別ルール“GHCマーシャルアーツルール"が初めて導入されることになった。

 本番のみならず最後の前哨戦となる今大会での採用も決定。「タッグマッチ」ではなくカットプレーもイエローカードの対象となる「ダブルバウト」と銘打たれた、船木は拳王、桜庭は鈴木とそれぞれ組んで対峙した。

 のっけから船木と桜庭が対峙。リング上は異様な緊張感に包まれる。一切打撃は出さず、アグレッシブに関節技を狙うが、どちらも決定打を許さず。約5分間にわたり、観客は固唾を呑んでグラウンドの攻防を見守った。

 再び向かい合うと、一転して打撃戦に。蹴り足を掴んでグラウンドに持ち込んだ船木はキーロックに絡め取ると、エスケープを許してもリング中央でスリーパー、さらにはネックロックに捕獲。決定的な場面だったが、鈴木がイエローカードを覚悟のうえでカットに飛び込み、桜庭のピンチを助けた。

 その後、鈴木がダブルアームスープレックスなどで拳王を攻め込むと、あとを受けた桜庭は拳王と真っ向からミドルキック合戦を繰り広げる。拳王に船木とのミドルキック合戦を求められると、桜庭は「マジか…」とこぼしたものの、ムキになって打ち合った。桜庭はスキを突いて足関節を狙うも失敗。ローキック合戦で船木に削られてしまい、体力を失って息が荒くなり、苦しい展開に。

 船木はここぞとばかりにヒザ蹴りからランニングローキックを狙ったが、避けた桜庭は電光石火の足関節に捕獲。鮮やかにギブアップを奪った。

 15年ぶりの一騎打ちを前に、桜庭が船木に一本勝ち。ノア初となるダブルバウト・ルール戦を制して、ナショナル王座奪取に弾みを付けた。

 それでも桜庭は肌を合わせて改めて船木の実力を感じ取ったようで「今日は1対1じゃないから、わからないですよ。やっぱり最初のうちはペース握られちゃったというか、僕の思った動きができなかったので」「何を考えているかわからないからやりづらいし、なんか読みづらいんですよ」と王者を高評価。3カウントがないため、グラウンド戦の最中にフォール負けを奪われる心配がないだけに、今回のルールを歓迎したものの、「威力があるから、かすっても脳味噌が揺れる」と船木の打撃にも警戒を強めていた。

【試合後の桜庭&鈴木】

▼鈴木「働きますね。もう先輩に」

▼桜庭「いやいや、鈴木さんがちょっと拳王さんの打撃に押されちゃったから」

――船木選手から見事に一本という感じだったが?

▼桜庭「でも、今日は1対1じゃないから、わからないですよ。やっぱり最初のうちはペース握られちゃったというか、僕の思った動きができなかったので」

――改めてルールはどうだった?

▼桜庭「ルールはなんかちょっとカット入っちゃいそうになりますよね」

▼鈴木「カット入ってないと思いますよ」

▼桜庭「僕は入ってないけど、鈴木さんが…」

▼鈴木「僕も入ってないと思いますよ。記憶にないので」

▼桜庭「入りそうになっちゃいますね」

▼鈴木「でも、3カウントがないと、桜庭さんも下でゆっくりとアタックできるから」

▼桜庭「それはありますね、3カウントないと。下からクルッと潜れるのは。押さえ込まれないから、全然大丈夫ですけど」

――船木選手とは15年ぶりとなるが?

▼鈴木「僕がデビューする前ですよ」

▼桜庭「まったく覚えてないですよ。船木さんに下から蹴られてかすって。あれがヤバいなって感じが。それしか覚えてないですね」

――覚えてないなりに変化したところは?

▼桜庭「船木さんは船木さんですね。何を考えているかわからないからやりづらいし、なんか読みづらいんですよ」

▼鈴木「たぶんお互い様だと(笑)」

▼桜庭「技が読みづらいんですよ」

――騙し合いになりそうな感じ?

▼桜庭「はい。騙し合いです。基本騙し合いだから。最後はちょっと真面目に受けちゃった」

▼鈴木「なんであれやったんですか、急に。一番苦手なヤツじゃないですか?」

▼桜庭「なんか受けないとダメだって」

▼鈴木「負けに近づくヤツ。だから、僕は最後に見捨てたんですよ。負けたらいいって。だって勝つ気ないじゃないですか?」

▼桜庭「受けないと、ここで気持ち的に負けるなと思って」

▼鈴木「気持ちだけじゃなくて勝敗も」

――改めて赤いベルトへの思いは?

▼桜庭「船木さんにサラッと勝てれば。今日はちょっと微妙ですけど、スパーンと勝てて、それにベルトがついてくるんだったら、それは全然ありがたいことですし」

――このルールが定着したらいいとは思わない?

▼桜庭「どっちでも僕は」

――鈴木選手は今日のルールどうだった?

▼鈴木「いや、楽しかったです。先輩の素晴らしい試合を見れて」

――鈴木選手から見て、この試合はどうなりそう?

▼鈴木「さっき桜庭さんが言った通り騙し合いに。ていうか、格闘技自体が騙し合いだと思うので。どっちが裏をかくかっていう。ダメージの積み重ねじゃないので。どっちが取れるかと」

▼桜庭「だから、一瞬バーンと入ったらもう。鈴木さん、拳王選手の…」

▼鈴木「ソバットですか?」

▼桜庭「ソバットじゃなくて頭をかすって。ああいうのも危ないですよね。威力があるから、かすっても脳味噌が揺れるし。だから、思いっきりここに入るんじゃなくて、かすっても入るんだよね。だから、そういうのは危ないよ」

▼鈴木「じゃあ、ご飯食べに行きますか?」

▼桜庭「わかりました」

▼鈴木「もつ鍋おごってください。ごちそうさまです」

▼桜庭「わかりました。ありがとうございました」

【拳王の話】「船木さんが桜庭和志から取られちまったな。まあ、次の有明アリーナ、ナショナル選手権では船木さんが必ず倒してくれる、そう信じるよ。もうな、俺の中でナショナルの戦いは終わったんだ。俺は有明アリーナ、GHCタッグ選手権、杉浦&小島、タカ&サトシ? 今日もまたふざけた試合しやがって、なめんじゃねーよ。お前らがな、ベルトを持ってても、ノアに未来なんて見えねえ。それとな、タカ&サトシ、『あぶない刑事』とか言ってるだろ。ちげえだろ? タカ&サトシは『欧米か』のほうだろ。杉浦貴に言ってやる。『あぶない刑事』はタカ&ユージだ。杉浦、本当に『あぶない刑事』をやりたいんだったら、永田裕志を連れて来い、このバカヤロー!」

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